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公開番号2025018106
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023121533
出願日2023-07-26
発明の名称クリアランス推定装置及びクリアランス推定方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F01D 11/02 20060101AFI20250130BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】回転機械の運転中にクリアランスの大きさを推定できるクリアランス推定装置及びクリアランス推定方法を提供する。
【解決手段】クリアランス推定装置は、回転機械の回転部材と、回転部材の外周側に配置された静止部材と、の間に形成されるクリアランスの大きさを推定するためのものであって、回転部材又は静止部材のクリアランスに面する壁面に取り付けられ、クリアランスを流れる流体を加熱するように構成された加熱器、及び、加熱器の周囲を流れる流体の温度を取得するように構成された少なくとも1つの温度センサにより構成される少なくとも1つのセンサ装置と、少なくとも1つの温度センサにより取得される流体の温度の変化量、及び、加熱器の出力の変化量に基づいて、クリアランスの大きさを推定するクリアランス推定部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転機械の回転部材と、前記回転部材の外周側に配置された静止部材と、の間に形成されるクリアランスの大きさを推定するためのクリアランス推定装置であって、
前記回転部材又は前記静止部材の前記クリアランスに面する壁面に取り付けられ、前記クリアランスを流れる流体を加熱するように構成された加熱器、及び、前記加熱器の周囲を流れる前記流体の温度を取得するように構成された少なくとも1つの温度センサにより構成される少なくとも1つのセンサ装置と、
前記少なくとも1つの温度センサにより取得される前記流体の前記温度の変化量、及び、前記加熱器の出力の変化量に基づいて、前記クリアランスの大きさを推定するクリアランス推定部と、を備える、
クリアランス推定装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記少なくとも1つの温度センサにより取得される前記流体の前記温度が所定の一定温度となるように前記加熱器の出力を調整する出力調整装置をさらに備え、
前記クリアランス推定部は、前記流体の前記温度が前記所定の一定温度に保持されている状態における前記加熱器の前記出力の変化量に基づいて、前記クリアランスの大きさを推定するように構成された、
請求項1に記載のクリアランス推定装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサ装置は、前記静止部材の前記クリアランスに面する壁面である静止側壁面に取り付けられた、
請求項1又は2に記載のクリアランス推定装置。
【請求項4】
前記回転部材は、前記回転部材の前記クリアランスに面する壁面である回転側壁面から前記静止側壁面に向かって突出する回転側フィンを含み、
前記少なくとも1つのセンサ装置は、前記流体の流れ方向における前記回転側フィンの下流側に配置された第1センサ装置を含む、
請求項3に記載のクリアランス推定装置。
【請求項5】
前記回転部材は、
小径部と、
前記小径部よりも外径が大きい大径部であって、前記小径部よりも前記流体の流れ方向における下流側に前記小径部に隣接して設けられた大径部と、を含み、
前記静止部材は、前記静止側壁面から前記大径部の前記クリアランスに面する壁面に向かって突出する少なくとも1つの静止側フィンを含み、
前記少なくとも1つのセンサ装置は、
前記少なくとも1つの温度センサとして前記加熱器を囲むように配置された複数の温度センサを含む第2センサ装置であって、前記流体の流れ方向において前記小径部と前記大径部の境界よりも下流側、且つ前記少なくとも1つの静止側フィンのうち、最も上流側に配置された前記静止側フィンよりも上流側に配置された第2センサ装置を含み、
前記クリアランス推定部は、さらに
前記第2センサ装置を構成する前記複数の温度センサの夫々により取得される前記流体の前記温度の変化量を比較することで、前記クリアランスの大きさを推定するようにも構成された、
請求項3に記載のクリアランス推定装置。
【請求項6】
前記クリアランス推定部は、
前記少なくとも1つの温度センサにより取得される前記流体の前記温度の変化量、前記加熱器の出力の変化量、及び前記クリアランスの大きさ、を関連付ける関連付け情報に基づいて、前記少なくとも1つの温度センサにより取得される前記流体の前記温度の変化量及び前記加熱器の出力の変化量から前記クリアランスの大きさを算出するように構成されたクリアランス算出部を含む、
請求項1又は2に記載のクリアランス推定装置。
【請求項7】
前記クリアランス算出部が算出した前記クリアランスの大きさを表示するように構成された表示部をさらに備える、
請求項6に記載のクリアランス推定装置。
【請求項8】
回転機械の回転部材と、前記回転部材の外周側に配置された静止部材と、の間に形成されるクリアランスの大きさを推定するためのクリアランス推定装置であって、
前記回転部材又は前記静止部材の前記クリアランスに面する壁面に取り付けられ、前記クリアランスを流れる流体を加熱するように構成された加熱器、及び、前記加熱器を囲むように配置された複数の温度センサであって、前記加熱器の周囲を流れる前記流体の温度を取得するように構成された複数の温度センサにより構成される少なくとも1つのセンサ装置と、
前記複数の温度センサの夫々により取得される前記流体の前記温度の変化量を比較することで、前記クリアランスの大きさを推定するクリアランス推定部と、を備える、
クリアランス推定装置。
【請求項9】
前記回転部材は、
小径部と、
前記小径部よりも外径が大きい大径部であって、前記小径部よりも前記流体の流れ方向における下流側に前記小径部に隣接して設けられた大径部と、を含み、
前記静止部材は、前記静止部材の前記クリアランスに面する壁面である静止側壁面から前記大径部の前記クリアランスに面する壁面に向かって突出する少なくとも1つの静止側フィンを含み、
前記少なくとも1つのセンサ装置は、前記静止側壁面に取り付けられるとともに、前記少なくとも1つの温度センサとして前記加熱器を囲むように配置された複数の温度センサを含む第2センサ装置であって、前記流体の流れ方向において前記小径部と前記大径部の境界よりも下流側、且つ前記少なくとも1つの静止側フィンのうち、最も上流側に配置された前記静止側フィンよりも上流側に配置された第2センサ装置を含み、
前記クリアランス推定部は、前記第2センサ装置を構成する前記複数の温度センサの夫々により取得される前記流体の前記温度の変化量を比較することで、前記クリアランスの大きさを推定するように構成された、
請求項8に記載のクリアランス推定装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサ装置は、MEMSセンサからなる、
請求項1、2、8又は9の何れか1項に記載のクリアランス推定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、回転機械の回転部材と静止部材との間に形成されるクリアランスの大きさを推定するためのクリアランス推定装置及びクリアランス推定方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
蒸気タービン等の回転機械は、シール部の経年的なクリアランスの拡大が不可避である。経年的なクリアランスの拡大は、一般的に回転機械の起動や停止、運転中の軸振動、車室の経年的なクリープ変形等により生じる。このため、上記回転機械の長期運用を図るには、シールリング等のシール部を構成する部材の定期的な交換が必要になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平5-195720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、回転機械の定期検査において回転機械の外側ケーシングを開放した際に、シールクリアランスを鉛線等により実測し、その測定結果からシールリングの交換時期が判断されていた(特許文献1参照)。なお、特許文献1では、上記測定結果を用いて経年的な内部効率低下比率カーブを修正し、回転機械の性能劣化量を把握する方法が開示されている。
【0005】
定期検査毎の測定結果を用いて、経年的なクリアランスの拡大量を推定する場合には、次の定期検査まで同じ測定結果が用いられるので、推定値と現実の値とで乖離が生じる可能性がある。また、過去に運転実績のある回転機械や同類の回転機械は、過去データを利用できるが、過去データが無い回転機械は、クリアランスの拡大量の推定が困難である。また、同類の回転機械の過去データは、参考値であり、クリアランスの拡大量の推定値にずれが生じる可能性がある。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、回転機械の運転中にクリアランスの大きさを推定できるクリアランス推定装置及びクリアランス推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係るクリアランス推定装置は、
回転機械の回転部材と、前記回転部材の外周側に配置された静止部材と、の間に形成されるクリアランスの大きさを推定するためのクリアランス推定装置であって、
前記回転部材又は前記静止部材の前記クリアランスに面する壁面に取り付けられ、前記クリアランスを流れる流体を加熱するように構成された加熱器、及び、前記加熱器の周囲を流れる前記流体の温度を取得するように構成された少なくとも1つの温度センサにより構成される少なくとも1つのセンサ装置と、
前記少なくとも1つの温度センサにより取得される前記流体の前記温度の変化量、及び、前記加熱器の出力の変化量に基づいて、前記クリアランスの大きさを推定するクリアランス推定部と、を備える。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係るクリアランス推定方法は、
回転機械の回転部材と、前記回転部材の外周側に配置された静止部材と、の間に形成されるクリアランスの大きさを推定するためのクリアランス推定方法であって、
前記回転部材又は前記静止部材の前記クリアランスに面する壁面に取り付けられた加熱器により、前記クリアランスを流れる流体を加熱する加熱ステップと、
少なくとも1つの温度センサにより、前記加熱器の周囲を流れる前記流体の温度を取得する流体温度取得ステップと、
前記流体温度取得ステップにおいて取得される前記流体の前記温度の変化量、及び、前記加熱器の出力の変化量に基づいて、前記クリアランスの大きさを推定するクリアランス推定ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、回転機械の運転中にクリアランスの大きさを推定できるクリアランス推定装置及びクリアランス推定方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の一実施形態に係るクリアランス推定装置を搭載した回転機械の軸方向に沿った概略断面図である。
本開示の一実施形態に係るクリアランス推定装置を搭載した回転機械の軸方向に直交する概略断面図である。
本開示の一実施形態におけるセンサ装置の概略図である。
本開示の一実施形態におけるクリアランス推定装置の概略図である。
本開示の一実施形態における回転機械のクリアランスと流体の絶対速度との関係を説明するための説明図である。
本開示の一実施形態における出力調整装置による加熱器の出力の調整制御の一例を説明するための説明図である。
本開示の一実施形態における回転機械のクリアランスを流れる流体の温度が所定の一定温度になるように加熱器の出力を調整した場合における流体の絶対速度と加熱器の出力との関係を説明するための説明図である。
本開示の一実施形態に係るクリアランス推定装置を搭載した回転機械の軸方向に沿った概略断面図である。
本開示の一実施形態に係るクリアランス推定装置を搭載した回転機械の軸方向に沿った概略断面図である。
本開示の一実施形態における回転機械のクリアランスと流体の流れ角との関係を説明するための説明図である。
本開示の一実施形態におけるセンサ装置の概略図である。
本開示の一実施形態における流体の流れ角の算出方法の一例を説明するための説明図である。
本開示の一実施形態に係るクリアランス推定装置を搭載した回転機械の軸方向に直交する概略断面図である。
本開示の一実施形態における回転機械の経年的なクリアランスの大きさの拡大を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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