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公開番号
2025018982
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-06
出願番号
2024116170
出願日
2024-07-19
発明の名称
ブロック状成形物の製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C08J
9/232 20060101AFI20250130BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】優れた融着率及び表面性を兼ね備え、且つ発煙及び反りが抑制された、ブロック状成形物の製造方法を提供する。
【解決手段】構成単位として(メタ)アクリル酸エステル単位を50重量%以上含む基材樹脂と発泡剤とを含む発泡性樹脂粒子の予備発泡工程と、養生工程と、養生後の発泡粒子を金型に充填した後、金型内への蒸気導入を行うことで発泡粒子を加熱融着させ、ブロック状成形物を得る成形工程と、を含む製造方法は、成形工程において、養生後の発泡粒子を金型内に充填した後、初回の蒸気導入の前に金型内を真空度-0.05MPa以下となるように減圧し、その後、金型の少なくとも2つの面から同時に初回蒸気導入を25秒以上継続的に行い、金型の少なくとも2つの面はブロック状成形物の面のうち面積が最も大きい面に対応する面を少なくとも含み、成形工程において、金型内の蒸気圧力を少なくとも1回は0.040MPa以上に到達させる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ブロック状成形物の製造方法であって、
発泡性樹脂粒子を加熱して発泡させる予備発泡工程と、
前記予備発泡工程で得られた発泡粒子を養生する養生工程と、
養生後の発泡粒子を金型に充填した後、金型内への蒸気導入を行うことで前記発泡粒子を加熱融着させ、ブロック状成形物を得る成形工程と、を含み、
前記発泡性樹脂粒子は、構成単位として(メタ)アクリル酸エステル単位を50重量%以上含む基材樹脂と、発泡剤と、を含み、
前記成形工程において、養生後の発泡粒子を金型内に充填した後、初回の蒸気導入の前に、金型内を真空度が-0.05MPa以下となるように減圧し、その後、前記金型における少なくとも2つの面から同時に前記初回の蒸気導入を25秒以上継続的に行う工程を含み、
前記金型における少なくとも2つの面は、ブロック状成形物の面のうち面積が最も大きい面に対応する面を少なくとも含み、
前記成形工程において、金型内の蒸気圧力を、少なくとも1回は0.040MPa以上に到達させる工程を含む、製造方法。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記成形工程において、金型内への蒸気導入は3回以内である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記成形工程は、初回の蒸気導入を行った後、初回の蒸気導入において蒸気導入が行われなかった少なくとも1つの面から蒸気導入を行う工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記基材樹脂は、メタクリル酸メチル単位及びアクリル酸エステル単位を合計で50重量%以上含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記アクリル酸エステル単位は、アクリル酸ブチル単位である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ブロック状成形物の密度が、14kg/m
3
以上、30kg/m
3
以下である、請求項1又は2一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記ブロック状成形物における最も薄い部分の厚みが、100mm以上、1200mm以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記成形工程で得られたブロック状成形物を冷却する冷却工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項9】
前記冷却工程は、金型に散水せずに真空吸引を400秒以上維持する工程である、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記ブロック状成形物は、消失模型鋳造用ブロック状成形物である、請求項1又は2に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック状成形物の製造方法、特に消失模型鋳造用ブロック状成形物の製造方法に関し、成形物の製造、特に消失模型鋳造の分野に属する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
金属の鋳造に関し、発泡成形体から作製された模型を鋳造砂中に埋没させ、該発泡成形体に溶融金属を流し込み、発泡成形体と金属との置換により鋳物を鋳造する消失模型鋳造(lost foam casting)が知られている。消失模型鋳造において用いられる発泡成形体は、通常、大型のブロック状成形物から切削加工などを通して得られた成形体である。このようなブロック状成形物は、サイズが比較的大きいため、内部融着不良の問題が存在する。
【0003】
ブロック状成形物を形成する材料としては、通常、発泡性ポリスチレン樹脂(略称:EPS)、メタクリル酸メチルとスチレンとの発泡性共重合体樹脂(略称:STMMA)、発泡性ポリメタクリル酸メチル樹脂(略称:EPMMA)が用いられる。
【0004】
中でも、EPSは、価格が低く、成形は容易となる等の利点を有するため、広く使用されている。特許文献1には、型閉じ、型ロック、原料充填を行うステップaと、真空下で原料を追加充填又は回流させるステップbと、プレ真空化を行うステップcと、含浸時間の合計が18~29秒となるように複数回の蒸気含浸を行うステップdと、加熱、圧力保持を行うステップeと、減圧、冷却を行うステップfと、ロック解除、型開き、離型、排出、リセットを行うステップgとを含む、EPSブロック状成形物の製造方法が開示されている。当該方法では、真空下での原料補充により、生産されるEPSブロック状成形物の密度は良好となり、加熱前のプレ真空化により、ブロック状成形物の養生は均一となり、ブロック状成形物の表面部と中央部とで質量が一致する。一方、EPSは熱分解し難いため、消失模型鋳造へ用いられる場合、その発煙に起因し、鋳物上に残渣が生じ易い。
【0005】
EPSに起因する残渣を低減するために、特許文献2には、STMMAビーズ及びEPSビーズを、STMMAビーズとEPSビーズとの重量比が1:5~5:1となるように混合し、予備発泡させた後、順に乾燥養生、成形、乾燥を行い、実型鋳造用の消失模型ブロック状成形物を製造する方法が開示されている。また、特許文献3には、模型の原料ビーズとして粒径0.7~0.9mmの比較的大きい寸法のSTMMAを採用し、実型鋳造用の大サイズのSTMMAブロック状消失模型を製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
中国特許公開第101456234A号
中国特許公開第113680965A号
中国特許公開第107552725A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記したような従来技術では、EPS使用量の低減又はEPSの不使用により発煙や残渣を低減させているものの、従来の方法で製造されるSTMMAブロック状成形物又はEPMMAブロック状成形物に融着の不十分や不均一などの問題が存在することを、本発明者らは見出した。特に、大型のブロック状成形物を製造する場合、このような問題はより顕著であった。
【0008】
以上の状況に鑑み、本発明の一態様は、優れた融着率及び表面性を兼ね備え、且つ発煙及び反りが抑制された、ブロック状成形物を得ることが可能な製造方法、特に消失模型用ブロック状成形物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意に検討した。その結果、以下の態様の発明の完成に至った。
<1>ブロック状成形物の製造方法であって、
ブロック状成形物の製造方法であって、
発泡性樹脂粒子を加熱して発泡させる予備発泡工程と、
前記予備発泡工程で得られた発泡粒子を養生する養生工程と、
養生後の発泡粒子を金型に充填した後、金型内への蒸気導入を行うことで前記発泡粒子を加熱融着させ、ブロック状成形物を得る成形工程と、を含み、
前記発泡性樹脂粒子は、構成単位として(メタ)アクリル酸エステル単位を50重量%以上含む基材樹脂と、発泡剤と、を含み、
前記成形工程において、養生後の発泡粒子を金型内に充填した後、初回の蒸気導入の前に、金型内を真空度が-0.05MPa以下となるように減圧し、その後、前記金型における少なくとも2つの面から同時に前記初回の蒸気導入を25秒以上継続的に行う工程を含み、
前記金型における少なくとも2つの面は、ブロック状成形物の面のうち面積が最も大きい面に対応する面を少なくとも含み、
前記成形工程において、金型内の蒸気圧力を、少なくとも1回は0.040MPa以上に到達させる工程を含む、製造方法。
<2>
本発明の好ましい態様として、前記製造方法では、前記成形工程において、金型内への蒸気導入は3回以内である。
<3>
本発明の好ましい態様として、前記製造方法では、前記成形工程は、初回の蒸気導入を行った後、初回の蒸気導入において蒸気導入が行われなかった少なくとも1つの面から蒸気導入を行う工程をさらに含む。
<4>
本発明の好ましい態様として、前記製造方法では、前記基材樹脂は、メタクリル酸メチル単位及びアクリル酸エステル単位を合計で50重量%以上含む。
<5>
本発明の好ましい態様として、前記製造方法では、前記アクリル酸エステル単位は、アクリル酸ブチル単位である。
<6>
本発明の好ましい態様として、前記製造方法では、前記ブロック状成形物の密度が、14kg/m
3
以上、30kg/m
3
以下である。
<7>
本発明の好ましい態様として、前記製造方法では、前記ブロック状成形物における最も薄い部分の厚みが100mm以上、1200mm以下である。
<8>
本発明の好ましい態様として、前記製造方法は、前記成形工程で得られたブロック状成形物を冷却する冷却工程をさらに含む。
<9>
本発明の好ましい態様として、前記製造方法では、前記冷却工程は、金型に散水せずに真空吸引を400秒以上維持する工程である。
<10>
本発明の好ましい態様として、前記製造方法では、前記ブロック状成形物は、消失模型鋳造用ブロック状成形物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、優れた融着率及び表面性を兼ね備え、且つ発煙及び反りが抑制された、ブロック状成形物を得ることが可能な製造方法、特に消失模型用ブロック状成形物の製造方法を提供できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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