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公開番号
2025018904
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-06
出願番号
2024043972
出願日
2024-03-19
発明の名称
ポリサルホン系ナノ繊維及び不織布
出願人
旭化成株式会社
,
国立大学法人東京科学大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
D01F
6/76 20060101AFI20250130BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】ポリサルホン系素材より構成されるナノ繊維、並びに小孔径で高い空孔率及び高い表面開口率を有する該ナノ繊維より構成される不織布の提供。
【解決手段】ポリサルホン系素材より構成される、平均繊維径150nm以下の繊維、並びに該繊維より構成される、平均流量孔径0.6μmが以下であり、かつ、空孔率が70%以上であり、かつ、表面開口率が60%以上である不織布、及び該繊維より構成される層が、平均繊維径1μm以上の繊維から構成される不織布状支持体上に積層されている、平均流量孔径が0.6μm以下であり、かつ、空孔率が70%以上であり、かつ、該繊維から構成される層の表面開口率が60%以上である、複合型不織布。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリサルホン系素材より構成される、平均繊維径150nm以下の繊維。
続きを表示(約 550 文字)
【請求項2】
平均繊維径が100nm以下である、請求項1に記載の繊維。
【請求項3】
平均繊維径(x)と平均繊維径の標準偏差(σ)との比である変動係数(σ/x)が、0.5以下である、請求項1に記載の繊維。
【請求項4】
前記変動係数(σ/x)が、0.3以下である、請求項3に記載の繊維。
【請求項5】
平均繊維径(x)と平均繊維径の標準偏差(σ)との比である変動係数(σ/x)が、0.5以下である、請求項2に記載の繊維。
【請求項6】
前記変動係数(σ/x)が、0.3以下である、請求項5に記載の繊維。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の繊維より構成される、平均流量孔径が0.6μm以下であり、かつ、空孔率が70%以上であり、かつ、表面開口率が60%以上である不織布。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の繊維より構成される層が、平均繊維径1μm以上の繊維から構成される不織布状支持体上に積層されている、平均流量孔径が0.6μm以下であり、かつ、空孔率が70%以上であり、かつ、請求項1~6のいずれか1項に記載の繊維から構成される層の表面開口率が60%以上である、複合型不織布。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリサルホン系ナノ繊維及び該ナノ繊維より構成される不織布に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
小孔径(μmオーダー~nmオーダーの大きさの孔)であり、かつ、高い空孔率及び高い表面開口率を持つ多孔性材料は、気体や液体の濾過用のフィルターや、吸着材又は吸着材の担体として、様々な分離の場面で有用である。これは、気体や液体等の流体中の特定成分の分離等を行う場合(例えば、気体や液体中の微粒子の除去、有価物の捕捉等)、分離に用いる多孔性材料は、分離対象の流体を、材料中により多量に導き入れることができる(即ち、材料表面の表面開口率及び材料中の空孔率が高い)ことが処理効率上望ましく、また、小孔径であれば、分離において篩分け分離の効果も織り込むことも可能になるからである。小孔径になると一般的には比表面積が大きくなるので、吸着材料として用いる場合にも有用性が高まる。尚、表面開口率は、材料表面部分に部位限定をした空孔率とも言うことができる。このように、「小孔径であり、かつ、高い空孔率及び高い表面開口率を持つ材料」は、様々な分離の場面で有用と成り得る。
このような「小孔径であり、かつ、高空孔率(高表面開口率)な材料」は、一般的には、「相分離法」でつくられることが多い(例えば、以下の非特許文献1)。しかしながら、相分離法でつくられる多孔性材料は、材料全体の空孔率は高くできるものの(例えば、70%程度)、表面開口率はそれほど高くはならない(例えば、20%程度)(以下の特許文献1参照)。これ、すなわち、材料全体の空孔率は高くできるものの、表面開口率はそれほど高くできないことは、相分離法の原理的な制約から来るものと推測される。
【0003】
多孔性材料の作り方として、液状の高分子溶液から高分子固体が析出してその高分子固体析出と同時に高分子固体による多孔性骨格構造が形成される相分離法ではなく、「繊維状固体を集積する」という方法もある。この手法(繊維状固体の集積)によりつくられる多孔性材料は「不織布」と呼ばれる材料になる(以下の非特許文献2参照)。「繊維というはじめからの固体物を集積する」製法では、液状の高分子溶液から高分子固体が析出してその高分子固体析出と同時に高分子固体による多孔性骨格構造が形成される「相分離法」とは異なり、材料表面で特に空孔率(材料表面なので表面開口率)が低くなる(高くできない)理由が予想されにくく、材料全体の空孔率だけでなく、表面開口率も高い材料をつくり得ることが期待できる(すなわち、表面開口率が、材料全体の空孔率に近い値になることが期待できる)。しかしながら、「繊維を集積する」方法では、繊維と繊維との間の隙間が「孔」になるため、「小孔径」と「高空孔率(高表面開口率)」とを両立させるためには、「集積に用いる繊維は、細くある必要」が出てくる。
【0004】
「細い繊維」(例えば、繊維径1μm以下)は、「ナノ繊維(ナノファイバー)」と呼ばれている。ナノファイバーは、製法としてはエレクトロスピニング法(電界紡糸法)でつくられることが多い(以下の非特許文献3参照)。尚、近年ではナノファイバーの新しい製法技術として、エレクトロスピニング法とは異なる手法である、Solution Blow Spinning法(以下、SBS法ともいう。)の研究が行われている(以下の非特許文献4と非特許文献5参照)。
篩分け分離用の膜などの多孔性材料としてよく用いられる素材に、ポリスルホン系高分子(ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等)がある(以下の非特許文献1参照)。これは、ポリスルホン系高分子は、耐溶出性や耐熱性等に優れるため適用可能な用途範囲が広く、かつ、溶媒に溶かして各種成型ができる加工便宜性に優れるためと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2001/053213号
【非特許文献】
【0006】
久保田昇、膜、第33巻、239~246頁、2008年
「不織布の技術革新とマーケット展望」、大阪ケミカルマーケティングセンター発行、2010年
松本英俊、膜、第35巻、113~118頁、2010年
Medeiros,E.S. et al., J. Appl. Poly. Sci., 113 (2009) 2322-2330
J.Song et al., ACS Appl. Mater. Interfaces, 12 (2020) 33447-33464
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記した従来技術の水準に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、ポリサルホン系素材より構成される、ナノ繊維、並びに該ナノ繊維より構成される、小孔径であり、かつ、高い空孔率及び高い表面開口率を有する多孔性材料不織布を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討し実験を重ねた結果、エレクトロスピニング法ではなく、SBS法を、ポリサルホン系繊維に適用した結果、従来得ることができなかった細い径のナノ繊維、並びに該ナノ繊維より構成される、所望の特性を有する不織布を製造することができることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]ポリサルホン系素材より構成される、平均繊維径150nm以下の繊維。
[2]平均繊維径が100nm以下である、前記[1]に記載の繊維。
[3]平均繊維径(x)と平均繊維径の標準偏差(σ)との比である変動係数(σ/x)が、0.5以下である、前記[1]に記載の繊維。
[4]前記変動係数(σ/x)が、0.3以下である、前記[3]に記載の繊維。
[5]平均繊維径(x)と平均繊維径の標準偏差(σ)との比である変動係数(σ/x)が、0.5以下である、前記[2]に記載の繊維。
[6]前記変動係数(σ/x)が、0.3以下である、前記[5]に記載の繊維。
[7]前記[1]~[6]のいずれかに記載の繊維より構成される、平均流量孔径が0.6μm以下であり、かつ、空孔率が70%以上であり、かつ、表面開口率が60%以上である不織布。
[8]前記[1]~[6]のいずれかに記載の繊維より構成される層が、平均繊維径1μm以上の繊維から構成される不織布状支持体上に積層されている、平均流量孔径が0.6μm以下であり、かつ、空孔率が70%以上であり、かつ、前記[1]~[6]のいずれかに記載の繊維から構成される層の表面開口率が60%以上である、複合型不織布。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポリサルホン系素材より構成される、ナノ繊維、並びに、該ナノ繊維より構成される、小孔径であり、かつ、高い空孔率及び高い表面開口率を有する不織布を得ることができる。本発明のナノ繊維及び不織布は、耐溶出性や耐熱性等に優れるため適用可能な用途範囲が広く、化学産業、医薬産業、上下水処理、大気浄化処理等における、各種流体(液、ガス)の分離処理等の、幅広い産業分野において好適に利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
SBS法による繊維製造の概念図である。(a)ガス流配管と高分子溶液配管が離れている例、(b)ガス流配管が高分子溶液配管を内包する形の例。
実施例1~7で実施をした、SBS法による繊維製造の概念図である。
実施例1で得られた、ポリエーテルスルホンより構成される繊維の走査型電子顕微鏡像である。(a)プレス前、(b)プレス後。
繊維径と空孔率(表面開口率)との関係を考えるモデル図である(繊維径の1倍の孔径の場合)。
繊維径と空孔率(表面開口率)との関係を考えるモデル図である(繊維径の5倍の孔径の場合)。
実施例8で得られた複合型不織布の走査型電子顕微鏡像である。(a)ポリエーテルサルホン繊維積層側表面、(b)複合型不織布断面。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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