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公開番号2025017386
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023120359
出願日2023-07-25
発明の名称ポリカーボネート樹脂、硬化性樹脂組成物および硬化物
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08G 64/06 20060101AFI20250130BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低誘電率、低誘電正接を示し耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂、および該ポリカーボネート樹脂を含む低誘電率、低誘電正接を示し透明性に優れ寸法安定性の良好な硬化性樹脂組成物および該硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される構成単位(A)を含有し、全構成単位における構成単位(A)の割合が70モル%以上であり、且つ、下記(a)~(b)を満たすことを特徴とするポリカーボネート樹脂。
(a)ポリカーボネート樹脂のゲル浸透クロマトグラフィー法により測定された重量平均分子量が5,000~15,000の範囲であること、(b)ポリカーボネート樹脂の空洞共振器摂動法に準拠して測定した周波数10GHzの比誘電率が2.30~2.70の範囲であり、誘電正接が0.0001~0.0030の範囲であること
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表される構成単位(A)を含有し、全構成単位における構成単位(A)の割合が70モル%以上であり、且つ、下記(a)~(b)を満たすことを特徴とするポリカーボネート樹脂。
(a)ポリカーボネート樹脂のゲル浸透クロマトグラフィー法により測定された重量平均分子量が5,000~15,000の範囲であること、
(b)ポリカーボネート樹脂の空洞共振器摂動法に準拠して測定した周波数10GHzの比誘電率が2.30~2.70の範囲であり、誘電正接が0.0001~0.0030の範囲であること
JPEG
2025017386000011.jpg
39
111
(式(1)中、R

及びR

は、夫々独立して、置換若しくは無置換の炭素原子数1~6のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素原子数6~20のシクロアルキル基、又は、置換若しくは無置換の炭素原子数6~20のアリール基を示し、R

及びR

は、夫々独立して、水素原子、置換若しくは無置換の炭素原子数1~6のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素原子数6~20のシクロアルキル基、又は、置換若しくは無置換の炭素原子数6~20のアリール基を示し、Xは、単結合、置換若しくは無置換の炭素原子数1~20のアルキレン基、置換若しくは無置換の炭素原子数2~20のアルキリデン基、置換若しくは無置換の硫黄原子、又は、酸素原子を示す。)
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記式(1)のXが、下記式(2)からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
JPEG
2025017386000012.jpg
24
67
(R

及びR

は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は、置換若しくは無置換の炭素原子数6~20のアリール基を示し、Zは、置換若しくは無置換の炭素原子数4~12のアルキレン基を示す。)
【請求項3】
ポリカーボネート樹脂の全構成単位における構成単位(A)の割合が80モル%以上である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項4】
前記式(1)のR

及びR

が、それぞれメチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、シクロヘキシル基及びフェニル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基であり、R

及びR

が、それぞれ水素原子またはメチル基である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項5】
ポリカーボネート樹脂が、前記式(1)で表される構成単位(A)を誘導するジヒドロキシ化合物と塩化カルボニルとの界面重縮合法により製造されたポリカーボネート樹脂である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂およびエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
プリント配線基板の絶縁層形成用の硬化性樹脂組成物である、請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項6に記載の硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、低誘電率、低誘電正接を示し耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂に関する。また、本発明は、ポリカーボネート樹脂を硬化剤として使用した低誘電率、低誘電正接を示し透明性に優れ寸法安定性の良好な硬化性樹脂組成物および該硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
音声通話として使用されていた携帯電話に代表される移動体無線通信サービスは、通信・情報処理技術の発展により、インターネットへのアクセス手段として利用されている。また、人同士の通信から機械やモノ同士の通信が、制御、センシング、モニタリングを目的に本格的に運用が開始されようとしている。ネットワークトラフィックの大幅な増大に対応すべく、次世代無線通信規格5Gシステム(以下、5Gという)の運用が始まっている。これまでの通信システム(例えば、4GLTE)では2.5GHz以下の低周波数帯が利用されてきたが、5Gでは6GHz以上の高周波数帯を利用する。したがって、今後の5G対応デバイスは、高周波信号対応が求められる。例えば、プリント配線基板(以下、PCBという)の高周波対策として、低伝送損失化が挙げられる。ここでいう伝送損失とは、PCBを構成する導体(例えば、銅回路)に由来する導体損失と、誘電体(回路周りの絶縁材料)由来の誘電体損失のことを示す。前者の対策は、導体表面を平滑化することが挙げられるが改善効果としては大きな改善は見込めないと言える。そのため、後者の対策が重要であり、具体的には誘電体損失は、電流の周波数と、回路周りの絶縁材料の誘電率、誘電正接に依存するため、絶縁材料の低誘電化が求められている。加えて、従来の基板材料と同等の加工性、物性(例えば、耐熱性、接着性、絶縁特性等)を兼ね備える絶縁材料の必要とされている。
【0003】
PCBの種類は、モバイルプロセッサなどのチップ直下にくるパッケージ基板、そのパッケージ基板を実装するメインボード用リジット基板、LCDドライバやカメラモジュール・フィルムアンテナとして使用されるフレキシブルプリント基板に分けられる。これらの絶縁材料には熱硬化性樹脂が用いられており、樹脂組成としては、(i)エポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの熱硬化、架橋成分、(ii)難燃性や耐熱性、低線膨張係数を付与するためのフィラー成分、(iii)柔軟性、接着性向上のために使用されるポリマーによって構成される。PCBの絶縁材料に使用されるポリマーには、一般的に耐熱性、接着性、加工性、柔軟性、相溶性が必須となる。従来のPCB向けポリマーには、カルボキシル変性アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、アクリルポリマー、ウレタンポリマーなどが使用されてきた。しかしながら、高周波用途で必要となる低誘電特性を兼ね備えているものは無く、新規材料が求められているのが現状である。
【0004】
そこで、低誘電化、及び柔軟性、接着性向上を目的にポリカーボネート樹脂を所定量含む硬化性樹脂組成物が検討されている。例えば、特許文献1、2には、エポキシ樹脂、硬化剤、ポリカーボネート樹脂、および無機充填材を含む樹脂組成物が開示されている。しかしながら、硬化性樹脂組成物にポリカーボネート樹脂を添加しても硬化時に不相溶となるため、ポリカーボネート樹脂の添加効果が発現しにくく添加量に制限があることが課題である。また、特許文献3、4、5にアリル基含有脂肪族ポリカーボネート樹脂を硬化性樹脂組成物に添加する方法が開示されている。しかしながら、アリル基を含有することで硬化性樹脂組成物の相溶性は向上するが、脂肪族ジオールを共重合することにより、誘電正接が高くなることが課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-35056号公報
特開2022-133793号公報
特開2019-89965号公報
特開2019-89966号公報
特開2019-89967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、低誘電率、低誘電正接を示し耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂を提供することである。また、本発明の目的は、該ポリカーボネート樹脂を含む低誘電率、低誘電正接を示し透明性に優れ寸法安定性の良好な硬化性樹脂組成物および該硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を積み重ねた結果、驚くべきことに特定の構造単位を含むポリカーボネート樹脂を用いることにより、上記目的を達成することを見出した。かかる知見に基づき検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明によれば、下記(構成1)~(構成8)が提供される。
(構成1)
下記式(1)で表される構成単位(A)を含有し、全構成単位における構成単位(A)の割合が70モル%以上であり、且つ、下記(a)~(b)を満たすことを特徴とするポリカーボネート樹脂。
(a)ポリカーボネート樹脂のゲル浸透クロマトグラフィー法により測定された重量平均分子量が5,000~15,000の範囲であること、
(b)ポリカーボネート樹脂の空洞共振器摂動法に準拠して測定した周波数10GHzの比誘電率が2.30~2.70の範囲であり、誘電正接が0.0001~0.0030の範囲であること、
【0009】
JPEG
2025017386000001.jpg
39
111
(式(1)中、R

及びR

は、夫々独立して、置換若しくは無置換の炭素原子数1~6のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素原子数6~20のシクロアルキル基、又は、置換若しくは無置換の炭素原子数6~20のアリール基を示し、R

及びR

は、夫々独立して、水素原子、置換若しくは無置換の炭素原子数1~6のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素原子数6~20のシクロアルキル基、又は、置換若しくは無置換の炭素原子数6~20のアリール基を示し、Xは、単結合、置換若しくは無置換の炭素原子数1~20のアルキレン基、置換若しくは無置換の炭素原子数2~20のアルキリデン基、置換若しくは無置換の硫黄原子、又は、酸素原子を示す。)
【0010】
(構成2)
前記式(1)のXが、下記式(2)からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である構成1に記載のポリカーボネート樹脂。
(【0011】以降は省略されています)

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