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公開番号
2025062168
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-14
出願番号
2023171053
出願日
2023-10-02
発明の名称
ポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品
出願人
帝人株式会社
代理人
個人
主分類
C08L
69/00 20060101AFI20250407BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】熱安定性および耐湿熱性に優れ、かつそれよりなる成形品が制振性を有し、さらに制振性の長期特性に優れるポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、(B)制振性エラストマー(B成分)を5~50重量部、(C)トリメチルホスフェイトを除くホスフェイト化合物(C-1成分)およびホスホン酸エステル(C-2成分)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(C成分)を0.001~1重量部含む樹脂組成物であって、B成分が、芳香族ビニル化合物の重合体から誘導されるブロックおよびイソプレンまたはイソブチレンを単量体の一部に有する重合体から誘導されるブロックを含有し、かつガラス転移温度が-30℃~10℃の範囲にあるブロック共重合体であることを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、(B)制振性エラストマー(B成分)を5~50重量部、(C)トリメチルホスフェイトを除くホスフェイト化合物(C-1成分)およびホスホン酸エステル(C-2成分)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(C成分)を0.001~1重量部含む樹脂組成物であって、B成分が、芳香族ビニル化合物の重合体から誘導されるブロックおよびイソプレンまたはイソブチレンを単量体の一部に有する重合体から誘導されるブロックを含有し、かつガラス転移温度が-30℃~10℃の範囲にあるブロック共重合体であることを特徴とする樹脂組成物。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
B成分が、一部または全てが水素添加されており、かつガラス転移温度が-25℃~5℃の範囲にある化合物であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
C-1成分が酸価10~55mgKOH/gであるホスフェイト金属塩、C-2成分が酸価0.01~0.30mgKOH/gであるホスホン酸エステルあることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
C-1成分がステアリルアシッドホスフェイト亜鉛塩、C-2成分がエチルジエチルホスホノアセテートであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
A成分100重量部に対して、(D)ジエン系ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体をグラフト重合したグラフト共重合体または該グラフト共重合体および芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体の共重合体の混合物(D-1)、アクリル系ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体をグラフト重合したグラフト共重合体または該グラフト共重合体および芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体の共重合体の混合物(D-2)、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体の共重合体(D-3)およびポリエステル樹脂(D-4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を10~200重量部含むことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
【請求項7】
請求項6に記載の成形品によって構成される自動車用部材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は熱安定性および耐湿熱性に優れ、かつそれよりなる成形品が制振性を有し、さらに制振性の長期特性に優れる、ポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のEV化や自動運転化に伴い、車内静粛化のニーズが高まっている。車内静粛化に際しては、制振ゴムシートなどの制振材および吸音フェルトなどの吸音材などが使用されている。しかしそれらの使用により、車両重量の増加、つまり燃費の低下につながるデメリットがあるため、これ以上の使用量増加は難しい現状がある。そこで、自動車の内外装に使用されている部材そのものに制振性、つまり音波を吸収する性能を付与することで自動車の更なる静粛化に貢献できると考えられている。そして、自動車部材の一部に使用されているポリカーボネート樹脂組成物についても同様に考えられている。
【0003】
ポリカーボネート樹脂組成物へ制振性を付与する技術は過去にも検討されている。それらは、制振性エラストマーとして芳香族ビニル化合物の重合体から誘導されるブロックおよび共役ジエン化合物の重合体から誘導されるブロックからなるブロック共重合体を添加することで、制振性を付与する技術である(特許文献1~5参照)。しかし、制振性が長期間維持できるかどうかは検討されていない。そのため、自動車を長期間使用する場合でも、静粛な車内を保ち続けられるよう制振性の長期特性に優れるポリカーボネート樹脂組成物が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-178429号公報
特開2000-265075号公報
特開2002-37974号公報
特開2002-60634号公報
特開2011-105801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、熱安定性および耐湿熱性に優れ、かつそれよりなる成形品が制振性を有し、さらに制振性の長期特性に優れる、ポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、上記課題が下記のポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品により達成されることを見出した。
1.(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、(B)制振性エラストマー(B成分)を5~50重量部、(C)トリメチルホスフェイトを除くホスフェイト化合物(C-1成分)およびホスホン酸エステル(C-2成分)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(C成分)を0.001~1重量部含む樹脂組成物であって、B成分が、芳香族ビニル化合物の重合体から誘導されるブロックおよびイソプレンまたはイソブチレンを単量体の一部に有する重合体から誘導されるブロックを含有し、かつガラス転移温度が-30℃~10℃の範囲にあるブロック共重合体であることを特徴とする樹脂組成物。
2.B成分が、一部または全てが水素添加されており、かつガラス転移温度が-25℃~5℃の範囲にある化合物であることを特徴とする前項1に記載の樹脂組成物。
3.C-1成分が酸価10~55mgKOH/gであるホスフェイト金属塩、C-2成分が酸価0.01~0.30mgKOH/gであるホスホン酸エステルあることを特徴とする前項1または2に記載の樹脂組成物。
4.C-1成分がステアリルアシッドホスフェイト亜鉛塩、C-2成分がエチルジエチルホスホノアセテートであることを特徴とする前項3に記載の樹脂組成物。
5.A成分100重量部に対して、(D)ジエン系ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体をグラフト重合したグラフト共重合体または該グラフト共重合体および芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体の共重合体の混合物(D-1)、アクリル系ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体をグラフト重合したグラフト共重合体または該グラフト共重合体および芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体の共重合体の混合物(D-2)、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体の共重合体(D-3)およびポリエステル樹脂(D-4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を10~200重量部含むことを特徴とする前項1~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
6.前項1~5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
7.前項6に記載の成形品によって構成される自動車用部材。
【発明の効果】
【0007】
本発明の樹脂組成物は、熱安定性および耐湿熱性に優れ、かつそれよりなる成形品が制振性を有し、さらに制振性の長期特性に優れるため、将来のEV車や電気自動車において、長期使用にわたる自動車内の静粛化に貢献できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
本発明においてA成分として使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
【0009】
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’-ビフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エステル、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)スルフィド、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールは、ビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでも耐衝撃性の点からビスフェノールAが特に好ましく、汎用されている。
【0010】
本発明では、汎用のポリカーボネートであるビスフェノールA型のポリカーボネート以外にも、他の2価フェノール類を用いて製造した特殊なポリカーボネ-トをA成分として使用することが可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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