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公開番号
2025067298
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2023177197
出願日
2023-10-13
発明の名称
ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
出願人
帝人株式会社
代理人
個人
主分類
C08L
69/00 20060101AFI20250417BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】流動性、耐熱性および熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリカーボネート系樹脂(A成分)20~90重量部および(B)アクリル系ゴムにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合したグラフト共重合体または該グラフト共重合体およびアクリロニトリル・スチレン樹脂の混合物(B成分)80~10重量部からなる樹脂成分100重量部に対し、(C)アルキルアシッドホスフェート金属塩(C成分)0.001~1重量部並びに(D)カーボンブラック(D成分)0.01~3重量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物であって、D成分がスチレン系樹脂とのマスターバッチとして添加されることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)ポリカーボネート系樹脂(A成分)20~90重量部および(B)アクリル系ゴムにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合したグラフト共重合体または該グラフト共重合体およびアクリロニトリル・スチレン樹脂の混合物(B成分)80~10重量部からなる樹脂成分100重量部に対し、(C)アルキルアシッドホスフェート金属塩(C成分)0.001~1重量部並びに(D)カーボンブラック(D成分)0.01~3重量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物であって、D成分がスチレン系樹脂とのマスターバッチとして添加されることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
C成分がステアリルアシッドホスフェート亜鉛塩であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
C成分の酸価が10~55mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
D成分がポリスチレン樹脂またはアクリロニトリル・スチレン樹脂とのマスターバッチとして添加されることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物よりなる成形品。
【請求項6】
(A)ポリカーボネート系樹脂(A成分)20~90重量部および(B)アクリル系ゴムにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合したグラフト共重合体または該グラフト共重合体およびアクリロニトリル・スチレン樹脂の混合物(B成分)80~10重量部からなる樹脂成分100重量部に対し、(C)アルキルアシッドホスフェート金属塩(C成分)0.001~1重量部並びに(D)カーボンブラック(D成分)0.01~3重量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物であって、D成分がスチレン系樹脂とのマスターバッチとして添加されることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品に関するものである。さらに詳細には、アクリル系ゴムにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合したグラフト共重合体(ASA系樹脂)、アルキルアシッドホスフェート金属塩およびスチレン系樹脂でマスターバッチ化したカーボンブラックを含有することにより、流動性、耐熱性および熱安定性が改善されたポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、優れた機械特性、熱特性を有しているため工業的に広く利用されている。しかしながらポリカーボネート樹脂は、溶融粘度が高いため、流動性が悪く成形性に劣る欠点がある。ポリカーボネート樹脂の流動性を改良するため、他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイについても数多く開発されている。その代表例としてABS樹脂をはじめとしたスチレン系樹脂とのポリマーアロイは、OA機器分野、電気電子機器分野および自動車分野などに広く利用されている。その中でASA樹脂はアクリル系ゴムを用いていることから、ABS樹脂と比較して耐候性に優れるため、屋外で使用される無塗装部材、例えばガーニッシュおよびスポイラーなどの自動車外装部材に使用されている。しかしながら、これら部材は大型であるため成形加工温度が高温となるケースが多く、樹脂の分解に由来するシルバーと呼ばれる外観不良の発生や機械特性の低下が課題となることがある。これら課題に対し、フェノール系およびリン系などの各種安定剤を配合した樹脂組成物が開発されてきた。
【0003】
例えば芳香族ポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂からなる樹脂に特定のリン系化合物を配合した樹脂組成物が開示されている(特許文献1および2)。またポリカーボネート樹脂および金属酸化物被覆板状フィラーからなる成分に特定のリン系化合物を配合した樹脂組成物が開示されている(特許文献3)。しかしながら、ポリカーボネート樹脂とASA樹脂のポリマーアロイにおいて、グラフト共重合体であるASA樹脂の熱安定性を向上させる手段について十分な検討はなされていなかった。具体的には、自動車外装部材の様な成形加工温度が高温となるケースにおいて、アクリル系ゴムとグラフト成分であるアクリロニトリルおよびスチレンとの結合が切断されることに伴う機械特性の低下が発生するという問題がある。
【0004】
他方、熱可塑性樹脂に黒色外観を付与するため、カーボンブラックを添加することが知られているが、ポリカーボネート樹脂およびASA樹脂のポリマーアロイにカーボンブラックを添加した場合、成形品にシルバーが発生し外観に劣るという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4983427号公報
特許第5423835号公報
特許第6428161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑み、本発明の目的は流動性、耐熱性および熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ポリカーボネート系樹脂、ASA系樹脂、アルキルアシッドホスフェート金属塩およびスチレン系樹脂でマスターバッチ化したカーボンブラックを所定量含有することにより、流動性、耐熱性および熱安定性に優れた樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.(A)ポリカーボネート系樹脂(A成分)20~90重量部および(B)アクリル系ゴムにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合したグラフト共重合体または該グラフト共重合体およびアクリロニトリル・スチレン樹脂の混合物(B成分)80~10重量部からなる樹脂成分100重量部に対し、(C)アルキルアシッドホスフェート金属塩(C成分)0.001~1重量部並びに(D)カーボンブラック(D成分)0.01~3重量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物であって、D成分がスチレン系樹脂とのマスターバッチとして添加されることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
2.C成分がステアリルアシッドホスフェート亜鉛塩であることを特徴とする前項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3.C成分の酸価が10~55mgKOH/gであることを特徴とする前項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4.D成分がポリスチレン樹脂またはアクリロニトリル・スチレン樹脂とのマスターバッチとして添加されることを特徴とする前項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
5.前項1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物よりなる成形品。
6.(A)ポリカーボネート系樹脂(A成分)20~90重量部および(B)アクリル系ゴムにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合したグラフト共重合体または該グラフト共重合体およびアクリロニトリル・スチレン樹脂の混合物(B成分)80~10重量部からなる樹脂成分100重量部に対し、(C)アルキルアシッドホスフェート金属塩(C成分)0.001~1重量部並びに(D)カーボンブラック(D成分)0.01~3重量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物であって、D成分がスチレン系樹脂とのマスターバッチとして添加されることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
【0009】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0010】
<A成分:ポリカーボネート系樹脂>
本発明において使用されるポリカーボネート系樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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