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公開番号
2025107688
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-22
出願番号
2024001039
出願日
2024-01-09
発明の名称
リサイクル紡績糸の製造方法、および該紡績糸を含む繊維製品
出願人
帝人株式会社
代理人
個人
主分類
D02G
3/02 20060101AFI20250714BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約
【課題】リサイクルする際に効率的でかつ十分な開繊が可能な、リサイクル紡績糸の製造方法、および該紡績糸を含む繊維製品を提供する。
【解決手段】難燃性紡績糸を含み、かつ撚係数×織物充填密度が4.5以下の織物、または該織物を用いた繊維製品を、裁断処理前または裁断後に油剤を付与して裁断物とし、該裁断物を開繊することにより得られる難燃性リサイクル繊維を用いて紡績糸を製造する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
難燃性紡績糸を含み、かつ下記式(1)を満たす織物、または該織物を用いた繊維製品を、裁断前または裁断後に油剤を付与して裁断物とし、該裁断物を開繊することにより得られる難燃性リサイクル繊維を用いて紡績糸を製造することを特徴とする、リサイクル紡績糸の製造方法。
撚係数×織物充填密度≦4.5・・・(1)
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
前記油剤がアルキル燐酸エステル金属塩を含む、請求項1に記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
【請求項3】
前記油剤がシリコーン系成分を含む、請求項1に記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
【請求項4】
前記油剤の付着量が難燃性リサイクル繊維重量に対して0.2~1.0重量%である、請求項1に記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
【請求項5】
前記難燃性リサイクル繊維を、紡績前または紡績時に紡績糸全体の10~90重量%の割合で混合する、請求項1に記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
【請求項6】
前記難燃性リサイクル繊維が、長さ20mm以上の短繊維を紡績糸重量対比10重量%以上含む、請求項1に記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
【請求項7】
前記難燃性リサイクル繊維が、前記織物に用いられている短繊維長の40%以上の長さを有する短繊維を紡績糸重量対比10重量%以上含む、請求項1に記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の製造方法で得られた紡績糸を含む繊維製品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクルする際に効率的でかつ十分な開繊が可能な、リサイクル紡績糸の製造方法、および該紡績糸を含む繊維製品に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、全芳香族ポリアミド繊維などの難燃性繊維を含む難燃布帛は、耐熱性、難燃性に優れているため、消防、電力、化学会社など火炎に晒される可能性のある作業に従事する人々が着用する作業服として用いられている。難燃布帛は、優れた特性を有する難燃性繊維を用いているが、使用に伴って性能が低下し、汚れ、こすれ、破れ、ほつれ等により使えなくなり、ついには廃棄されることになる。また、難燃布帛を製造する各段階およびこの布帛を使用して作業服を縫製する場合にも裁断屑が発生する。その結果、これらの各工程で発生する屑および使用済み製品が廃棄物として生じている。そして、この様な工程屑および使用済み製品は、ほとんどが産業用に使用されており、一般に使用されている製品とは異なり、再利用はほとんど行われておらず、その大部分が焼却処分または埋め立て処分されている。
【0003】
一方、近年、資源の消費を抑制し、環境に対する負荷を軽減することが求められている。具体的には繊維業界において、汎用繊維の使用済み製品について、古着などのボロや屑繊維などの故繊維と呼ばれているものについて再利用が行われている。例えば、反毛市場においては、前記故繊維をマテリアルリサイクル材料として用い、綿や糸に加工し、フェルトや作業用手袋などの繊維製品が作られている。
【0004】
同様に、難燃布帛の各工程屑および使用済み製品についても、汎用繊維の製品と同様の再利用方法を適用することが求められている(例えば、特許文献1、2)。
しかしながら、難燃布帛は汎用繊維を用いた布帛に比べて耐熱性、難燃性に優れ、また引張強度や耐切創性が大きいこともあり、公知の開繊機を、従来の条件で用いると、不具合が生じて、効率的かつ十分な開繊が困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-233409号公報
特開2005-105491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、リサイクルする際に効率的でかつ十分な開繊が可能な、リサイクル紡績糸の製造方法、および該紡績糸を含む繊維製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。かくして、以下の発明が提供される。
【0008】
1.難燃性紡績糸を含み、かつ下記式(1)を満たす織物、または該織物を用いた繊維製品を、裁断前または裁断後に油剤を付与して裁断物とし、該裁断物を開繊することにより得られる難燃性リサイクル繊維を用いて紡績糸を製造することを特徴とする、リサイクル紡績糸の製造方法。
撚係数×織物充填密度≦4.5・・・(1)
2.前記油剤がアルキル燐酸エステル金属塩を含む、上記1に記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
3.前記油剤がシリコーン系成分を含む、上記1または2に記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
4.前記油剤の付着量が難燃性リサイクル繊維重量に対して0.2~1.0重量%である、上記1~3のいずれかに記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
5.前記難燃性リサイクル繊維を、紡績前または紡績時に紡績糸全体の10~90重量%の割合で混合する、上記1~4のいずれかに記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
6.前記難燃性リサイクル繊維が、長さ20mm以上の短繊維を紡績糸重量対比10重量%以上含む、上記1~5のいずれかに記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
7.前記難燃性リサイクル繊維が、前記織物に用いられている短繊維長の40%以上の長さを有する短繊維を紡績糸重量対比10重量%以上含む、上記1~6のいずれかに記載のリサイクル紡績糸の製造方法。
8.上記1~7のいずれかに記載の製造方法で得られた紡績糸を含む繊維製品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リサイクルする際に効率的かつ十分な開繊が可能な、リサイクル紡績糸の製造方法、および該紡績糸を含む繊維製品が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明において用いるリサイクルに好適な織物(「難燃性紡績糸織物」ということもある。)は難燃性紡績糸を含んでおり、かかる紡績糸の撚数と番手より算出される撚係数と、織物の織物組織、および紡績糸の番手などから算出される織物充填密度により下記式(1)を満足することが重要である。
撚係数×織物充填密度≦4.5 (1)
(【0011】以降は省略されています)
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