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公開番号
2025128579
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-03
出願番号
2024025323
出願日
2024-02-22
発明の名称
衝撃吸収構造体
出願人
帝人株式会社
代理人
個人
主分類
B60R
19/34 20060101AFI20250827BHJP(車両一般)
要約
【課題】
衝撃吸収部材を別部品である先端部材へと容易に接合することができ、高い衝撃吸収特性を有する衝撃吸収構造体を提供する。
【解決手段】
衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体であって、
衝撃吸収構造体は、筒状の衝撃吸収部材と、先端部材とを備え、
前記筒状の衝撃吸収部材は、一端部にインサイドフランジを備え、
前記インサイドフランジを介して、前記筒状の衝撃吸収部材と先端部材とが接合された
衝撃吸収構造体。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体であって、
衝撃吸収構造体は、筒状の衝撃吸収部材と、先端部材とを備え、
前記筒状の衝撃吸収部材は、一端部にインサイドフランジを備え、
前記インサイドフランジを介して、前記筒状の衝撃吸収部材と先端部材とが接合された
衝撃吸収構造体。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記筒状の衝撃吸収部材の一端部における端面は、少なくとも一部が開口した開口面であり、前記インサイドフランジは、前記端面の内側に向けて延びる、請求項1に記載の衝撃吸収構造体。
【請求項3】
前記インサイドフランジは、前記端面に沿うように延びる、請求項2に記載の衝撃吸収構造体。
【請求項4】
前記衝撃吸収構造体は基端部材を備え、
前記筒状の衝撃吸収部材の他端部にアウトサイドフランジを備え、
前記アウトサイドフランジを介して、前記筒状の衝撃吸収部材と基端部材とが接合された、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の衝撃吸収構造体。
【請求項5】
衝撃吸収部材が重量平均繊維長1mm以上100mm以下の強化繊維と、樹脂とを含み、
前記衝撃吸収部材の筒部に含まれる強化繊維の配向性Tc、
前記インサイドフランジに含まれる強化繊維の配向性をTi、
前記アウトサイドフランジにおける強化繊維の配向性をTo、としたとき、以下を満たす請求項1乃至4のいずれか1項に記載の衝撃吸収構造体。
Tc < Ti
Tc < To
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の衝撃吸収構造体であって、
前記衝撃吸収部材は、第一サイドフランジ部を有する開断面形状の第一部材と、第二サイドフランジ部を有する開断面形状の第二部材との接合体であり、
前記第一部材及び/又は前記第二部材は、強化繊維樹脂成形体であり、前記インサイドフランジを備えた一体成形体である、衝撃吸収構造体。
【請求項7】
請求項6に記載の衝撃吸収構造体であって、
前記第一部材及び/又は前記第二部材は前記アウトサイドフランジを備えた一体成形体である、衝撃吸収構造体。
【請求項8】
前記第一部材及び/又は前記第二部材において、第一部材及び/又は第二部材が衝撃を受ける先端側から後端側へ向かって圧縮強度が高くなる順に配置されている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の衝撃吸収構造体。
【請求項9】
衝撃吸収部材は外筒部と中空部とからなる中空構造を備え、
衝突時に、インサイドフランジは前記中空部の内側に存在し続ける、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の衝撃吸収構造体。
【請求項10】
インサイドフランジは均一な厚みである、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の衝撃吸収構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃吸収構造体に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車に代表される車両の多くは、その前部や後部に、衝突事故における衝撃を吸収するための衝撃吸収構造体を有している。衝撃吸収構造体は、バンパーなどの車両の外装部材と車両のボディとの間に配置され且つその外装部材に沿って延びる補強部材と、この補強部材と車両のボディとの間に設けられる衝撃吸収部材とを備えて構成される。このような衝撃吸収構造体の例として、例えば特許文献1、2には、バンパーレインフォースメントに接続し、安定したエネルギー吸収特性を得ることができる車両のエネルギー吸収部材が開示されている。特許文献3には、衝撃吸収部材と先端部材、基端部材を接続し、延性の高い接続部材を備えた衝撃吸収構造体について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-196463号公報
特開2020-169002号公報
WO2023/120416号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のエネルギー吸収構造においては、衝撃吸収部をバンパーレインフォースメントに接続するにあたり、エネルギー吸収体が上下方向の全高に亘りバンパリインフォースメントと上下方向にオーバラップする状態が維持される。同様に、特許文献2においても、バンパーレインフォースメントにエネルギー吸収部材を接続するにあたり、バンパーレインフォースメントの上壁に接続する取付部を用いている。そのため、特許文献1、2に記載のエネルギー吸収構造では、衝撃を受けた際にオーバラップさせた部分が粉砕して飛び散ると、車両内の他の部品などを損傷させる恐れがある。また、取付部によってエネルギーの伝達が衝撃吸収部に効率よく伝えることができずに、きちんと衝撃吸収部が崩れない恐れもある。更には特許文献1、2のいずれにおいても、バンパーレインフォースメントと衝撃吸収部材を接続するために、別部品を準備しているため、製造工程が多くなる。また、仮に一体成形して取付部を設けようとしても、衝撃吸収部材にアンダーカット部ができてしまうため、製造工程が複雑になり過ぎる。
【0005】
特許文献3においては、そもそもバンパーレインフォースメントへの取付方法について言及しておらず、バンパーレインフォースメントとの接続方法については深く検討されていない。
【0006】
そこで本発明の目的は、衝撃吸収部材を別部品である先端部材へと容易に接合することができ、高い衝撃吸収特性を有する衝撃吸収構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
1.衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体であって、
衝撃吸収構造体は、筒状の衝撃吸収部材と、先端部材とを備え、
前記筒状の衝撃吸収部材は、一端部にインサイドフランジを備え、
前記インサイドフランジを介して、前記筒状の衝撃吸収部材と先端部材とが接合された
衝撃吸収構造体。
2.前記筒状の衝撃吸収部材の一端部における端面は、少なくとも一部が開口した開口面であり、前記インサイドフランジは、前記端面の内側に向けて延びる、前記1に記載の衝撃吸収構造体。
3.前記インサイドフランジは、前記端面に沿うように延びる、前記2に記載の衝撃吸収構造体。
4.前記衝撃吸収構造体は基端部材を備え、
前記筒状の衝撃吸収部材の他端部にアウトサイドフランジを備え、
前記アウトサイドフランジを介して、前記筒状の衝撃吸収部材と基端部材とが接合された、前記1乃至3のいずれか1つに記載の衝撃吸収構造体。
5.衝撃吸収部材が重量平均繊維長1mm以上100mm以下の強化繊維と、樹脂とを含み、
前記衝撃吸収部材の筒部に含まれる強化繊維の配向性Tc、
前記インサイドフランジに含まれる強化繊維の配向性をTi、
前記アウトサイドフランジにおける強化繊維の配向性をTo、としたとき、以下を満たす前記1乃至4のいずれか1つに記載の衝撃吸収構造体。
Tc < Ti
Tc < To
6.前記1乃至6のいずれか1つに記載の衝撃吸収構造体であって、
前記衝撃吸収部材は、第一サイドフランジ部を有する開断面形状の第一部材と、第二サイドフランジ部を有する開断面形状の第二部材との接合体であり、
前記第一部材及び/又は前記第二部材は、強化繊維樹脂成形体であり、前記インサイドフランジを備えた一体成形体である、衝撃吸収構造体。
7.前記6に記載の衝撃吸収構造体であって、
前記第一部材及び/又は前記第二部材は前記アウトサイドフランジを備えた一体成形体である、衝撃吸収構造体。
8.前記第一部材及び/又は前記第二部材において、第一部材及び/又は第二部材が衝撃を受ける先端側から後端側へ向かって圧縮強度が高くなる順に配置されている、前記1乃至7のいずれか1つに記載の衝撃吸収構造体。
9.衝撃吸収部材は外筒部と中空部とからなる中空構造を備え、
衝突時に、インサイドフランジは前記中空部の内側に存在し続ける、前記1乃至8のいずれか1つに記載の衝撃吸収構造体。
10.インサイドフランジは均一な厚みである、前記1乃至9のいずれか1つに記載の衝撃吸収構造体。
11.前記1乃至10のいずれか1つに記載の衝撃吸収構造体であって、
衝撃吸収構造体は車両に搭載され、
前記先端部材は、車両骨格部の外装体と前記車両骨格部との間に配置され、
前記基端部材は、車両骨格部材である、
衝撃吸収構造体。
12.前記6に記載の衝撃吸収構造体の製造方法であって、
前記第一部材と、前記第二部材は、それぞれ強化繊維と樹脂とを含む複合材料を第一成形型と第二成形型を用いてプレス成形によって製造した一体成形体である、
衝撃吸収構造体の製造方法。
13.前記アウトサイドフランジを介して、前記筒状の衝撃吸収部材と前記基端部材とを接合する、前記12に記載の衝撃吸収構造体の製造方法。
14.前記13に記載の衝撃吸収構造体の製造方法であって、
前記第一部材及び/又は前記第二部材は、アンダーカット部を有さない、
衝撃吸収構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の衝撃吸収構造体によれば、衝撃を受けた際、衝撃がインサイドフランジによって邪魔されることが少なく、衝撃吸収部材に直ちに衝撃が伝わるため、衝撃吸収部が十分に崩れて衝撃を吸収することができる。言い換えると、衝撃吸収部の筒が花開きして壊れることができる。
【0010】
また、本発明の衝撃吸収部の構成部品である第一部材及び/又は第二部材は、インサイドフランジとアウトサイドフランジ内側と外側に、それぞれ逆方向に延びているため、
成形完了後、成形型を引き離す際にインサイドフランジが成形型引き摺られることは無い。更に、容易にアンダーカット形状を回避することができ、プレス成形する際の製造効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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