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公開番号2025145458
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024045644
出願日2024-03-21
発明の名称非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池
出願人帝人株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類H01M 50/489 20210101AFI20250926BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】乾燥によって水分の除去が容易であり、且つ、耐短絡性に優れる非水系二次電池用セパレータを提供する。
【解決手段】非水系二次電池用セパレータは、ポリオレフィン微多孔膜と、ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に配置された、分子内にアミド結合及びイミド結合の少なくとも一方を有する耐熱性樹脂並びに無機粒子を含有する耐熱性多孔質層と、ポリオレフィン微多孔膜と耐熱性多孔質層との積層体の片面又は両面に配置された、接着性樹脂粒子を含有する接着層とを備え、ポリオレフィン微多孔膜のガーレ値が99秒/100mL以下であり、非水系二次電池用セパレータのガーレ値が160秒/100mL以下であり、非水系二次電池用セパレータのガーレ値とポリオレフィン微多孔膜のガーレ値との差分が20秒/100mL~60秒/100mLである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリオレフィン微多孔膜と、
前記ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に配置された、分子内にアミド結合及びイミド結合の少なくとも一方を有する耐熱性樹脂並びに無機粒子を含有する耐熱性多孔質層と、
前記ポリオレフィン微多孔膜と前記耐熱性多孔質層との積層体の片面又は両面に配置された、接着性樹脂粒子を含有する接着層と、
を備える非水系二次電池用セパレータであって、
前記ポリオレフィン微多孔膜のガーレ値が99秒/100mL以下であり、
前記非水系二次電池用セパレータのガーレ値が160秒/100mL以下であり、
前記非水系二次電池用セパレータのガーレ値と前記ポリオレフィン微多孔膜のガーレ値との差分が20秒/100mL~60秒/100mLである、
非水系二次電池用セパレータ。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記接着性樹脂粒子による前記非水系二次電池用セパレータ表面の被覆率が、前記接着層が配置された面それぞれ20%~60%である、請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
【請求項3】
前記非水系二次電池用セパレータの厚さが5μm~17μmである、請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
【請求項4】
前記ポリオレフィン微多孔膜の厚さが4μm~9μmである、請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
【請求項5】
前記耐熱性多孔質層が前記ポリオレフィン微多孔膜の片面のみに配置され、
前記耐熱性多孔質層の厚さが0.5μm~4μmである、
請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
【請求項6】
前記耐熱性多孔質層が前記ポリオレフィン微多孔膜の両面に配置され、
前記耐熱性多孔質層の厚さが両面合計で1μm~8μmである、
請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
【請求項7】
前記ポリオレフィン微多孔膜の孔中に、分子内にアミド結合及びイミド結合の少なくとも一方を有する耐熱性樹脂を有する、請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
【請求項8】
前記耐熱性樹脂が、全芳香族ポリアミド、ポリイミド及びポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
【請求項9】
前記無機粒子が、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子及び金属硫酸塩粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
【請求項10】
前記接着性樹脂粒子が、アクリル系樹脂粒子、ポリフッ化ビニリデン系樹脂粒子及びスチレンブタジエンゴム粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、多孔質基材と、芳香族系樹脂及び無機粒子を含有する耐熱性多孔質層と、接着性樹脂粒子が耐熱性多孔質層に付着してなる接着層とを備える非水系二次電池用セパレータが開示されている。
【0003】
特許文献2には、多孔質基材と、多孔質基材の片面又は両面に設けられ、分子中にアミド結合及びイミド結合の少なくとも一方を有する耐熱性樹脂及び無機粒子の少なくとも一方を含有する耐熱性多孔質層と、多孔質基材と耐熱性多孔質層との積層体の片面又は両面に設けられ、接着性樹脂粒子が積層体に付着してなる接着層とを備える非水系二次電池用セパレータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-164113号公報
国際公開第2019/130994号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリオレフィン微多孔膜上に耐熱性多孔質層と接着層とを有する非水系二次電池用セパレータが知られている。このセパレータにおいては、ポリオレフィン微多孔膜上に耐熱性多孔質層を形成する際に耐熱性多孔質層の材料である耐熱性樹脂がポリオレフィン微多孔膜の孔中に入り込み、ポリオレフィン微多孔膜の孔中に残留することがある。ポリオレフィンは疎水性樹脂であるのでポリオレフィン微多孔膜は本来疎水性であるが、耐熱性樹脂が親水基を有する樹脂(例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド)である場合、耐熱性樹脂が存在していることによってポリオレフィン微多孔膜の孔中が水に濡れやすい性質を有することになる。それゆえ、耐熱性多孔質層の材料を塗工及び固化した後の水洗工程において、ポリオレフィン微多孔膜の孔中に水分が入り込む。また、接着層を形成する際にも、接着性樹脂粒子を含有する水分散液を使用すると耐熱性多孔質層及びポリオレフィン微多孔膜の孔中に水分が入り込む。このセパレータは、製造時の乾燥工程において乾燥によって除去すべき水分が多量であるし、製造後においても環境中の水分を吸収しやすい。
【0006】
非水系二次電池用セパレータに水分が含まれていると、非水系二次電池のサイクル特性を低下させたり、内部短絡の原因になったりする。セパレータが非水系二次電池に水分を持ち込まないように、電池の製造工程にセパレータを乾燥させる工程が設けられる場合がある。
【0007】
非水系二次電池用セパレータは、セパレータ製造時の乾燥工程及び電池製造時の乾燥工程において、水分の除去が容易であることが望ましい。
乾燥による水分除去を容易にする目的で、セパレータの多孔質構造を粗大にしたり、セパレータを薄くしたりすることが考えられるが、その場合、セパレータが担うべき電池の安全性に懸念が生じる。
【0008】
本開示は、上記状況のもとになされた。
本開示は、乾燥によって水分の除去が容易であり、且つ、耐短絡性に優れる非水系二次電池用セパレータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1>
ポリオレフィン微多孔膜と、
前記ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に配置された、分子内にアミド結合及びイミド結合の少なくとも一方を有する耐熱性樹脂並びに無機粒子を含有する耐熱性多孔質層と、
前記ポリオレフィン微多孔膜と前記耐熱性多孔質層との積層体の片面又は両面に配置された、接着性樹脂粒子を含有する接着層と、
を備える非水系二次電池用セパレータであって、
前記ポリオレフィン微多孔膜のガーレ値が99秒/100mL以下であり、
前記非水系二次電池用セパレータのガーレ値が160秒/100mL以下であり、
前記非水系二次電池用セパレータのガーレ値と前記ポリオレフィン微多孔膜のガーレ値との差分が20秒/100mL~60秒/100mLである、
非水系二次電池用セパレータ。
<2>
前記接着性樹脂粒子による前記非水系二次電池用セパレータ表面の被覆率が、前記接着層が配置された面それぞれ20%~60%である、<1>に記載の非水系二次電池用セパレータ。
<3>
前記非水系二次電池用セパレータの厚さが5μm~17μmである、<1>又は<2>に記載の非水系二次電池用セパレータ。
<4>
前記ポリオレフィン微多孔膜の厚さが4μm~9μmである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の非水系二次電池用セパレータ。
<5>
前記耐熱性多孔質層が前記ポリオレフィン微多孔膜の片面のみに配置され、
前記耐熱性多孔質層の厚さが0.5μm~4μmである、
<1>~<4>のいずれか1つに記載の非水系二次電池用セパレータ。
<6>
前記耐熱性多孔質層が前記ポリオレフィン微多孔膜の両面に配置され、
前記耐熱性多孔質層の厚さが両面合計で1μm~8μmである、
<1>~<4>のいずれか1つに記載の非水系二次電池用セパレータ。
<7>
前記ポリオレフィン微多孔膜の孔中に、分子内にアミド結合及びイミド結合の少なくとも一方を有する耐熱性樹脂を有する、<1>~<6>のいずれか1つに記載の非水系二次電池用セパレータ。
<8>
前記耐熱性樹脂が、全芳香族ポリアミド、ポリイミド及びポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載の非水系二次電池用セパレータ。
<9>
前記無機粒子が、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子及び金属硫酸塩粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>~<8>のいずれか1つに記載の非水系二次電池用セパレータ。
<10>
前記接着性樹脂粒子が、アクリル系樹脂粒子、ポリフッ化ビニリデン系樹脂粒子及びスチレンブタジエンゴム粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>~<9>のいずれか1つに記載の非水系二次電池用セパレータ。
<11>
正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された<1>~<10>のいずれか1つに記載の非水系二次電池用セパレータと、を備え、
リチウムイオンのドープ及び脱ドープにより起電力を得る、
非水系二次電池。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、乾燥によって水分の除去が容易であり、且つ、耐短絡性に優れる非水系二次電池用セパレータが提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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