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公開番号2025123670
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-25
出願番号2024019272
出願日2024-02-13
発明の名称ポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08L 69/00 20060101AFI20250818BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】流動性、剛性、耐湿熱性および熱安定性に優れ、高温成形しても樹脂劣化が少ないポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品を提供する。
【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)50~95重量部および(B)ポリエステル樹脂(B成分)5~50重量部よりなる樹脂成分100重量部に対し、(C)無機充填剤(C成分)を5~80重量部、(D)3価のリン化合物(D成分)を0.005~3.0重量部並びに(E)ホスフェイト金属塩(E成分)を0.035~3.0重量部含有するポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)50~95重量部および(B)ポリエステル樹脂(B成分)5~50重量部よりなる樹脂成分100重量部に対し、(C)無機充填剤(C成分)を5~80重量部、(D)3価のリン化合物(D成分)を0.005~3.0重量部並びに(E)ホスフェイト金属塩(E成分)を0.035~3.0重量部含有するポリカーボネート樹脂組成物。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
B成分が、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリエステル樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
C成分がガラス繊維である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
E成分がステアリルアシッドホスフェイト亜鉛塩である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1または2に記載の樹脂組成物よりなる成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性、剛性、耐湿熱性および熱安定性に優れ、高温成形しても樹脂劣化が少ないポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、優れた機械特性および熱的特性を有しているため、自動車分野、OA機器分野および電子電気機器分野などを中心に様々な用途で利用されている。また、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とをアロイ化した樹脂は、優れた機械特性および耐薬品性の特性を有していることから、自動車分野で広く利用されている。こうした背景において、更なる機械特性の改善のために無機充填剤で強化されたポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂からなる樹脂組成物も開示されているが熱安定性が損なわれる問題がある。そのため、これまで熱安定性を向上させる検討がなされてきた。特許文献1では、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とをアロイ化した樹脂にホスフェイトを配合する方法が開示されている。しかしながら、この方法では熱安定性は向上するものの耐湿熱性が悪化する。特許文献2では、ポリカーボネート樹脂と脂環式ポリエステル樹脂とをアロイ化した樹脂にホスフェイト金属塩を配合する方法が開示されている。しかしながら、この方法では熱安定性の改善効果がみられるものの、薄肉形状の製品を想定した高温成形の場合、熱安定性の改善は不十分であり、更なる改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5640734号公報
特許第5040224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記を鑑み、本発明の目的は流動性、剛性、耐湿熱性および熱安定性に優れ、高温成形しても樹脂劣化が少ないポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記課題は、下記構成により解決される。
1.(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)50~95重量部および(B)ポリエステル樹脂(B成分)5~50重量部よりなる樹脂成分100重量部に対し、(C)無機充填剤(C成分)を5~80重量部、(D)3価のリン化合物(D成分)を0.005~3.0重量部並びに(E)ホスフェイト金属塩(E成分)を0.035~3.0重量部含有するポリカーボネート樹脂組成物。
2.B成分が、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリエステル樹脂である前項1に記載の樹脂組成物。
3.C成分がガラス繊維である前項1または2に記載の樹脂組成物。
4.E成分がステアリルアシッドホスフェイト亜鉛塩である前項1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5.前項1~4のいずれかに記載の樹脂組成物よりなる成形品。
【発明の効果】
【0006】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、流動性、剛性、耐湿熱性および熱安定性に優れ、高温成形しても樹脂劣化が少ないことから、電気・電子用途、機械用途、OA用途、自動車内外装部品、医療用途およびその他の各種用途において幅広く有用である。中でも自動車用内外装部品として極めて有用な成形品を提供するものであり、本発明の奏する産業上の効果は極めて大きい。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の詳細について更に説明する。
【0008】
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
本発明において使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
【0009】
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’-ビフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’-(P-フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エステル、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)スルフィド、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールは、ビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでも耐衝撃性の点からビスフェノールAが特に好ましく、汎用されている。
【0010】
本発明では、汎用のポリカーボネート樹脂であるビスフェノールA系のポリカーボネート樹脂以外にも、他の2価フェノール類を用いて製造した特殊なポリカーボネ-ト樹脂をA成分として使用することが可能である。例えば、2価フェノール成分の一部又は全部として、4,4’-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis-TMC”と略称することがある)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いたポリカーボネ-ト樹脂(単独重合体又は共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の2価フェノールは、該ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。殊に、高剛性かつより良好な耐湿熱性が要求される場合には、樹脂組成物を構成するA成分が次の(1)~(3)の共重合ポリカーボネート樹脂であるのが特に好適である。
(1)該ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20~80モル%(より好適には40~75モル%、さらに好適には45~65モル%)であり、かつBCFが20~80モル%(より好適には25~60モル%、さらに好適には35~55モル%)である共重合ポリカーボネート樹脂。
(2)該ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分100モル%中、BPAが10~95モル%(より好適には50~90モル%、さらに好適には60~85モル%)であり、かつBCFが5~90モル%(より好適には10~50モル%、さらに好適には15~40モル%)である共重合ポリカーボネート樹脂。
(3)該ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20~80モル%(より好適には40~75モル%、さらに好適には45~65モル%)であり、かつBis-TMCが20~80モル%(より好適には25~60モル%、さらに好適には35~55モル%)である共重合ポリカーボネート樹脂。
(【0011】以降は省略されています)

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