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公開番号
2025152907
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024055085
出願日
2024-03-28
発明の名称
多孔膜捲回体、フィルター用基材、及びカートリッジフィルター
出願人
帝人株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C08J
9/36 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】欠陥の発生が抑制された多孔膜捲回体を提供すること。
【解決手段】グラフト鎖を有する多孔膜と、グラフト鎖を有する多孔膜が捲回された芯材と、を備え、グラフト鎖を有する多孔膜は、下記式(1)を満たし、かつ、ガーレ値が0.5秒/100mL~500秒/100mLである、多孔膜捲回体。(グラフト鎖を有する多孔膜のグラフト率の標準偏差)/(グラフト鎖を有する多孔膜の平均グラフト率)×100≦15.0 …(1)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
グラフト鎖を有する多孔膜と、前記グラフト鎖を有する多孔膜が捲回された芯材と、を備え、
前記グラフト鎖を有する多孔膜は、下記式(1)を満たし、かつ、ガーレ値が0.5秒/100mL~1000秒/100mLである、多孔膜捲回体。
(グラフト鎖を有する多孔膜のグラフト率の標準偏差)/(グラフト鎖を有する多孔膜の平均グラフト率)×100≦15.0 …(1)
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記グラフト鎖を有する多孔膜は、グラフト鎖を有するポリエチレン多孔膜である、請求項1に記載の多孔膜捲回体。
【請求項3】
前記グラフト鎖を有する多孔膜の幅は、100mm~1600mmである、請求項1に記載の多孔膜捲回体。
【請求項4】
前記グラフト鎖を有する多孔膜の巻長は、10m~5000mである、請求項1に記載の多孔膜捲回体。
【請求項5】
前記グラフト鎖を有する多孔膜のグラフト率は、10%~300%である、請求項1に記載の多孔膜捲回体。
【請求項6】
前記グラフト鎖は、イオン交換基及びキレート交換基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を含む、請求項1に記載の多孔膜捲回体。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の多孔膜捲回体における前記グラフト鎖を有する多孔膜を含む、フィルター用基材。
【請求項8】
下記式(1)を満たし、かつ、ガーレ値が0.5秒/100mL~1000秒/100mLであるグラフト鎖を有する多孔膜を含む、フィルター用基材。
(グラフト鎖を有する多孔膜のグラフト率の標準偏差)/(グラフト鎖を有する多孔膜の平均グラフト率)×100≦15.0 …(1)
【請求項9】
請求項8に記載のフィルター用基材を備えたカートリッジフィルター。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、多孔膜捲回体、フィルター用基材、及びカートリッジフィルターに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
機能性ポリマー材料の創製技術の一つにグラフト重合がある。この技術はポリマー材料(基材)の形状や特性を保持したまま、目的とする機能を付与することができる技術であり非常に有用である。
【0003】
例えば、特許文献1には、0.1μm~20μmの平均繊維径及び1μm~20μmの平均孔径を有する有機高分子繊維基材にイオン交換基及び/又はキレート基が導入されている繊維材料から構成されていることを特徴とするフィルターカートリッジが記載されている。
特許文献2には、多孔性ポリマー支持体と自有機部分にイオン交換基が共有結合した有機部分とを含むイオン交換膜において、有機部分は多孔性ポリマー支持体にグラフトしているイオン交換膜が記載されている。
特許文献3には、ポリエチレン多孔質基材と、ポリエチレン多孔質基材に固定され、機能性官能基を有するグラフト鎖とを備え、目付量が30~120g/m
2
の金属除去濾材であって、グラフト鎖は、グラフト率が40~150%であり、機能性官能基は、4級アンモニウム基、1級、2級または3級アミノ基、イミノ二酢酸基、リン酸基、およびイミノジエタノール基から選択されることを特徴とする金属除去濾材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-251118号公報
特表2001-515113号公報
国際公開第2022/176355号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリマー鎖に機能性官能基を導入するための方法として、グラフト重合により直接機能性官能基をポリマーに導入する方法が知られているが、疎水性ポリマーを基材として使用する場合、親水性モノマーとは反応しにくい。よって、疎水性ポリマーに予め反応性モノマーを重合させてグラフト鎖を付与した後、機能性官能基を含む化合物を反応させて機能性官能基を導入することが知られている。一般的にポリマー基材にグラフト重合した場合、質量変化及び体積変化を伴い、同様に機能性官能基を導入することでも質量変化及び体積変化を伴う。また、多孔膜として繊維から成る多孔膜、具体的には中空糸、不織布及び編物を使用する場合は問題とならないが、多孔構造を有するポリマー多孔膜を使用する場合、機能性官能基を導入することで脆化する傾向がある。工業的及び生産性の観点から連続体として製造することが好ましいことは言うまでもない。特許文献1には多孔膜としてポリエチレン不織布が用いられているが、不織布特有の均一性(厚み、目付、繊維間の隙間)が乏しく、また接触面積が小さいという課題を有していた。また、特許文献2には多孔膜としてポリエチレン多孔膜ロールが用いられているが、反応槽中でγ線照射を60時間行っており、Roll to Rollでグラフト重合を行っておらず生産性に乏しい。特許文献3には多孔膜としてロール状のポリエチレン多孔膜を連続処理することによって製造してもよいとの記載があるが、連続体として多孔膜捲回体の記載はなく、連続体を安定に製造することは不可能である。
【0006】
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、欠陥の発生が抑制された多孔膜捲回体を提供することである。
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記多孔膜捲回体を用いたフィルター用基材、及びカートリッジフィルターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の態様を含む。
<1>
グラフト鎖を有する多孔膜と、グラフト鎖を有する多孔膜が捲回された芯材と、を備え、
グラフト鎖を有する多孔膜は、下記式(1)を満たし、かつ、ガーレ値が0.5秒/100mL~1000秒/100mLである、多孔膜捲回体。
(グラフト鎖を有する多孔膜のグラフト率の標準偏差)/(グラフト鎖を有する多孔膜の平均グラフト率)×100≦15.0 …(1)
<2>
グラフト鎖を有する多孔膜は、グラフト鎖を有するポリエチレン多孔膜である、<1>に記載の多孔膜捲回体。
<3>
グラフト鎖を有する多孔膜の幅は、100mm~1600mmである、<1>又は<2>に記載の多孔膜捲回体。
<4>
グラフト鎖を有する多孔膜の巻長は、10m~5000mである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の多孔膜捲回体。
<5>
グラフト鎖を有する多孔膜のグラフト率は、10%~300%である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の多孔膜捲回体。
<6>
グラフト鎖は、イオン交換基及びキレート交換基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の多孔膜捲回体。
<7>
<1>~<6>のいずれか1つに記載の多孔膜捲回体におけるグラフト鎖を有する多孔膜を含む、フィルター用基材。
<8>
下記式(1)を満たし、かつ、ガーレ値が0.5秒/100mL~1000秒/100mLであるグラフト鎖を有する多孔膜を含む、フィルター用基材。
(グラフト鎖を有する多孔膜のグラフト率の標準偏差)/(グラフト鎖を有する多孔膜の平均グラフト率)×100≦15.0 …(1)
<9>
<7>又は<8>に記載のフィルター用基材を備えたカートリッジフィルター。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、欠陥の発生が抑制された多孔膜捲回体が提供される。
本開示の他の実施形態によれば、上記多孔膜捲回体を用いたフィルター用基材、及びカートリッジフィルターが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本開示に係る内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本開示に係る代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
本開示において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
【0010】
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との用語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「多孔膜の幅方向」とは、多孔膜の長手方向と直交する方向を意味する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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