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公開番号
2025154240
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024057131
出願日
2024-03-29
発明の名称
エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、繊維強化複合材料、エポキシ樹脂硬化物の修復方法、繊維強化複合材料の修復方法、エポキシ樹脂硬化物の再成形方法、繊維強化複合材料の再成形方法、エポキシ樹脂硬化物の分解方法、及び繊維強化複合材料の強化繊維回収方法
出願人
帝人株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C08G
59/40 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】エポキシ樹脂に対して理論当量以下の動的共有結合部位を含む化合物の使用でありながら、硬化物における再成形性及び自己修復性に優れるエポキシ樹脂組成物、上記エポキシ樹脂組成物を硬化させたエポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、繊維強化複合材料、エポキシ樹脂硬化物の修復方法、再成形方法及び分解方法、並びに繊維強化複合材料の修復方法、再成形方法及び強化繊維回収方法の提供。
【解決手段】少なくともエポキシ樹脂[A]及び硬化剤[B]を含み、エポキシ樹脂[A]の平均エポキシ当量が、320g/eq以上5000g/eq以下の範囲であり、硬化剤[B]が、動的共有結合部位Yを含む硬化剤[B1]を少なくとも含み、硬化剤[B1]は、活性水素を含み、上記活性水素のモル量(b1)と、エポキシ樹脂[A]におけるエポキシ基のモル量(a)との比(b1)/(a)が、0.25以上2.0以下の範囲である、エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくともエポキシ樹脂[A]及び硬化剤[B]を含み、
前記エポキシ樹脂[A]の平均エポキシ当量が、320g/eq以上5000g/eq以下の範囲であり、
前記硬化剤[B]が、動的共有結合部位Yを含む硬化剤[B1]を少なくとも含み、
前記硬化剤[B1]は、活性水素を含み、前記活性水素のモル量(b1)と、前記エポキシ樹脂[A]におけるエポキシ基のモル量(a)との比(b1)/(a)が、0.25以上2.0以下の範囲である、エポキシ樹脂組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
硬化度90%以上に硬化して硬化物とした後、前記硬化物に対して前記硬化物のガラス転移温度よりも40℃高い温度にて外力を印加した際に生じる応力を測定した場合における、前記外力の印加開始から1時間の時点での応力緩和率が80%以上である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
前記エポキシ樹脂[A]及び前記硬化剤[B]の総質量に対する前記動的共有結合部位Yの濃度が、0.05mmol/g以上0.65mmol/g以下の範囲である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
前記動的共有結合部位Yが、開裂を伴わずに協奏的に結合交換する、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
前記硬化剤[B1]が、下記式(2)で表されるアミン系硬化剤を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
JPEG
2025154240000011.jpg
4
83
式(2)中、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立に、炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、又は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びエーテル基からなる群より選択される2つ以上を組み合わせてなる2価の基を表し、Yは、動的共有結合部位を表す。
【請求項6】
前記動的共有結合部位Yが、ジスルフィド結合を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
前記硬化剤[B1]が、下記式(3)で表されるアミン系硬化剤を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
JPEG
2025154240000012.jpg
25
78
【請求項8】
請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
【請求項9】
還元剤を含む分解剤を接触させて100℃で48時間加熱した場合に、エポキシ樹脂硬化物の80質量%以上が溶解する、請求項8に記載のエポキシ樹脂硬化物。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物を、強化繊維を有する繊維強化基材に含浸してなるプリプレグであり、
前記強化繊維の含有率が、前記プリプレグの全体積に対して25体積%以上75体積%以下の範囲であるプリプレグ。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、繊維強化複合材料、エポキシ樹脂硬化物の修復方法、繊維強化複合材料の修復方法、エポキシ樹脂硬化物の再成形方法、繊維強化複合材料の再成形方法、エポキシ樹脂硬化物の分解方法、及び繊維強化複合材料の強化繊維回収方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維材料と、各種のマトリクス樹脂とを複合化して得られる繊維強化複合材料は、種々の分野及び用途に広く利用されている。従来、高度な機械的特性及び耐熱性が要求される航空・宇宙分野及び産業分野では、マトリクス樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が主に使用されている。
【0003】
しかし、これらの熱硬化性樹脂は、一度硬化物となった後には加熱しても流動性を有さないため、再度成形又は変形することができないことから、製造工程において生じた硬化物の端材及び成形不良品は廃棄されていた。硬化物の廃棄量を低減するために、製造工程の面から様々な改良がなされているものの、製造工程の改良だけで硬化物の廃棄量を低減させることは困難であった。
【0004】
したがって、上記背景から、樹脂組成物の面からの改良が検討されている。なかでも、交換及び/又は再結合可能な化学結合部位(動的共有結合部位ともいう)を樹脂組成物中に導入することで、硬化物の端材及び成形不良品を再利用する手法が注目されている。本手法では、交換及び/又は再結合可能な化学結合部位が加熱により開裂することで、硬化物の内部のネットワーク構造が解消され、樹脂は流動性を有するようになり再度成形することができる。
例えば、特許文献1には、交換及び/又は再結合可能な化学結合部位としてジスルフィド結合を含む化合物を、硬化剤として用いたエポキシ樹脂組成物が開示されている。
他の例としては、非特許文献1において、交換及び/又は再結合可能な化学結合部位としてシリルエーテル結合を含む化合物を、硬化剤として用いたエポキシ樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/181054号
【非特許文献】
【0006】
J. Am. Chem. Soc. 2022, 144, 12280-12289
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1及び非特許文献1に記載のエポキシ樹脂組成物では、硬化物が十分な流動性を有するには、ジスルフィド結合を含む化合物、シリルエーテル結合を含む化合物等の高価な化合物を過剰に用いなければならなかった。この理由としては、形成される剛直な分子ネットワークによる束縛エネルギーと比較して分子レベルでの結合交換反応の活性化エネルギーが高いこと、及び動的共有結合部位の導入量が低く、その衝突頻度が少ないために、結合交換の活性が乏しいことに由来すると考えられる。一方で、エポキシ樹脂に対して硬化剤を理論当量よりも過剰に用いると、硬化物の耐熱性及び機械特性が大きく損なわれるという欠点もあった。特に、ジスルフィド結合は、分子内回転自由度が増大するため、硬化物における樹脂破壊靭性が損なわれやすい。また、シリルエーテル結合を含む化合物は、柔軟なアルキル鎖を含む化合物が多いため、硬化物における分子鎖の剛直性が低下し、機械的耐熱性が損なわれやすい。
【0008】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、エポキシ樹脂に対して理論当量以下の動的共有結合部位を含む化合物の使用でありながら、硬化物における再成形性及び自己修復性に優れるエポキシ樹脂組成物、上記エポキシ樹脂組成物を硬化させたエポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、繊維強化複合材料、エポキシ樹脂硬化物の修復方法、繊維強化複合材料の修復方法、エポキシ樹脂硬化物の再成形方法、繊維強化複合材料の再成形方法、エポキシ樹脂硬化物の分解方法、及び繊維強化複合材料の強化繊維回収方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 少なくともエポキシ樹脂[A]及び硬化剤[B]を含み、
上記エポキシ樹脂[A]の平均エポキシ当量が、320g/eq以上5000g/eq以下の範囲であり、
上記硬化剤[B]が、動的共有結合部位Yを含む硬化剤[B1]を少なくとも含み、
上記硬化剤[B1]は、活性水素を含み、上記活性水素のモル量(b1)と、上記エポキシ樹脂[A]におけるエポキシ基のモル量(a)との比(b1)/(a)が、0.25以上2.0以下の範囲である、エポキシ樹脂組成物。
<2> 硬化度90%以上に硬化して硬化物とした後、上記硬化物に対して上記硬化物のガラス転移温度よりも40℃高い温度にて外力を印加した際に生じる応力を測定した場合における、上記外力の印加開始から1時間の時点での応力緩和率が80%以上である、<1>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<3> 上記エポキシ樹脂[A]及び上記硬化剤[B]の総質量に対する上記動的共有結合部位Yの濃度が、0.05mmol/g以上0.65mmol/g以下の範囲である、<1>又は<2>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<4> 上記動的共有結合部位Yが、開裂を伴わずに協奏的に結合交換する、<1>~<3>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
<5> 上記硬化剤[B1]が、下記式(2)で表されるアミン系硬化剤を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
【0010】
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4
83
(【0011】以降は省略されています)
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