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公開番号2025168098
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024073231
出願日2024-04-26
発明の名称リチウム二次電池、リチウム二次電池用セパレータ、及び負極の多孔質化の抑制方法
出願人帝人株式会社,国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類H01M 10/052 20100101AFI20251030BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】負極の多孔質化を良好に抑制し、サイクル特性に優れるリチウム二次電池、リチウム二次電池用のセパレータ、及び負極の多孔質化の抑制方法の提供。
【解決手段】正極と、金属リチウムの溶解析出によって作動する負極と、非水溶媒及びリチウム塩を含有しリチウム塩濃度が2.0mol/L以上である電解液と、ポリオレフィン微多孔膜、及び、ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に設けられる多孔質層を有するセパレータと、を備え、多孔質層が、全芳香族ポリアミドを含み、多孔質層の膜厚が、セパレータの片面あたり5μm~20μmである、リチウム二次電池、リチウム二次電池用のセパレータ、及び負極の多孔質化の抑制方法による。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
正極と、
金属リチウムの溶解析出によって作動する負極と、
非水溶媒及びリチウム塩を含有しリチウム塩濃度が2.0mol/L以上である電解液と、
ポリオレフィン微多孔膜、及び、前記ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に設けられる多孔質層を有するセパレータと、を備え、
前記多孔質層が、全芳香族ポリアミドを含み、
前記多孔質層の膜厚が、前記セパレータの片面あたり5μm~20μmである、
リチウム二次電池。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記多孔質層が、さらに無機粒子を含む請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項3】
前記多孔質層が、前記無機粒子を、前記多孔質層を構成する固形分全体の体積を基準として40体積%以上80体積%以下の割合で含む請求項2に記載のリチウム二次電池。
【請求項4】
前記無機粒子が、硫酸バリウムである請求項2に記載のリチウム二次電池。
【請求項5】
前記多孔質層の空孔率が、60%以上85%未満である請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項6】
前記ポリオレフィン微多孔膜の孔中に、繊維状の前記全芳香族ポリアミドを含む請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項7】
前記電解液のリチウム塩濃度が、2.5mol/L以上である請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項8】
前記リチウム塩が、スルホンアミドリチウム塩及びスルホンイミドリチウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項9】
前記非水溶媒が、エーテル系溶媒である請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項10】
リチウム二次電池用のセパレータであって、
ポリオレフィン微多孔膜、及び、前記ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に設けられ、全芳香族ポリアミドを含有する多孔質層を有し、
前記多孔質層の膜厚が、前記セパレータの片面あたり5μm~20μmであり、
前記リチウム二次電池は、正極と、金属リチウムの溶解析出によって作動する負極と、非水溶媒及びリチウム塩を含有しリチウム塩濃度が2.0mol/L以上である電解液と、を備える、リチウム二次電池用のセパレータ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、リチウム二次電池、リチウム二次電池用セパレータ、及び負極の多孔質化の抑制方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池において、リチウム塩濃度が高い高塩濃度電解液の使用が検討されてきた。
高塩濃度電解液は一般的に粘度が高く、従来、高塩濃度電解液が浸透可能なセパレータの種類が限られていた。電池のセパレータに汎用されている単層ポリオレフィン微多孔膜は、高塩濃度電解液が浸透しにくく、高塩濃度電解液を備える二次電池のセパレータには不向きである。一方、ガラス繊維不織布は、孔径が比較的大きいので高塩濃度電解液が浸透可能であり、高塩濃度電解液を備える二次電池のセパレータとして適用可能である。
しかし、ガラス繊維不織布のように孔径が比較的大きいセパレータを用いた場合、電極上にリチウムデンドライトが発生し成長しやすい。リチウム二次電池にガラス繊維不織布を適用した場合、負極上でのリチウムデンドライトの発生と成長は抑制しがたく、サイクル特性の低下が顕著であり、また電池が短絡する危険性が高まる。
【0003】
高塩濃度電解液を用いたリチウム二次電池のセパレータとして、アラミドを塗布したポリオレフィン微多孔膜を用いることにより、セパレータの濡れ性が改善され、デンドライトの発生が抑制されることが知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Energy Advances,(英),2023,2,503-507
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、リチウムデンドライトが発生する等によりサイクル特性等の性能が低下したリチウム二次電池において、負極の多孔質化が発生する場合があることを初めて見出した。
【0006】
本開示は、負極の多孔質化を良好に抑制し、サイクル特性に優れるリチウム二次電池、リチウム二次電池用のセパレータ、及び負極の多孔質化の抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
【0008】
<1>
正極と、金属リチウムの溶解析出によって作動する負極と、非水溶媒及びリチウム塩を含有しリチウム塩濃度が2.0mol/L以上である電解液と、ポリオレフィン微多孔膜、及び、ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に設けられる多孔質層を有するセパレータと、を備え、多孔質層が、全芳香族ポリアミドを含み、多孔質層の膜厚が、セパレータの片面あたり5μm~20μmである、リチウム二次電池。
<2>
多孔質層が、さらに無機粒子を含む<1>に記載のリチウム二次電池。
<3>
多孔質層が、無機粒子を、多孔質層を構成する固形分全体の体積を基準として40体積%以上80体積%以下の割合で含む<2>に記載のリチウム二次電池。
<4>
無機粒子が、硫酸バリウムである<2>又は<3>に記載のリチウム二次電池。
<5>
多孔質層の空孔率が、60%以上85%未満である<1>~<4>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
<6>
ポリオレフィン微多孔膜の孔中に、繊維状の全芳香族ポリアミドを含む<1>~<5>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
<7>
電解液のリチウム塩濃度が、2.5mol/L以上である<1>~<6>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
<8>
リチウム塩が、スルホンアミドリチウム塩及びスルホンイミドリチウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む<1>~<7>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
<9>
非水溶媒が、エーテル系溶媒である<1>~<8>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池。
<10>
リチウム二次電池用のセパレータであって、ポリオレフィン微多孔膜、及び、ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に設けられ、全芳香族ポリアミドを含有する多孔質層を有し、多孔質層の膜厚が、セパレータの片面あたり5μm~20μmであり、リチウム二次電池は、正極と、金属リチウムの溶解析出によって作動する負極と、非水溶媒及びリチウム塩を含有しリチウム塩濃度が2.0mol/L以上である電解液と、を備える、リチウム二次電池用のセパレータ。
<11>
正極と、金属リチウムの溶解析出によって作動する負極と、電解液と、セパレータとを備えるリチウム二次電池における負極の多孔質化を抑制する方法であって、ポリオレフィン微多孔膜、及び、ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面に設けられ、全芳香族ポリアミドを含有する多孔質層を有するセパレータを、正極と負極との間に配置する工程を含み、多孔質層の膜厚が、セパレータの片面あたり5μm~20μmである、負極の多孔質化の抑制方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、負極の多孔質化を良好に抑制し、サイクル特性に優れるリチウム二次電池、リチウム二次電池用のセパレータ、及び負極の多孔質化の抑制方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、セパレータのTEM-EDSの分析結果であり、ポリオレフィン微多孔膜の孔中に繊維状の全芳香族ポリアミドが含まれていることを示す画像である。
図2は、実施例1及び比較例1の2電極式セルの充放電曲線である。
図3は、実施例1において、0サイクル、50サイクル、及び100サイクルのサイクル試験における負極の断面のX線CT画像である。
図4は、比較例1において、0サイクル、50サイクル、及び100サイクルでのサイクル試験における負極の断面のX線CT画像である。
図5は、実施例1、比較例1、及び参考例1において、100サイクルでのサイクル試験における負極の厚さを示すグラフである。の2電極式セルの充放電曲線である。
図6は、実施例2、実施例3、比較例2、比較例3、比較例4、及び参考例1の2電極式セルのサイクル特性を示すグラフである。
図7は、参考例2、並びに、実施例2、実施例3、比較例2、比較例4のそれぞれにおいて、50サイクルでのサイクル試験における負極の断面のX線CT画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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