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公開番号
2025130242
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-08
出願番号
2024027273
出願日
2024-02-27
発明の名称
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品
出願人
帝人株式会社
代理人
個人
主分類
C08L
67/02 20060101AFI20250901BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】耐アルカリオイル性、薄肉難燃性、耐衝撃性および表面外観に優れる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品を提供する。
【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)30~50重量部および(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂(B成分)70~50重量部からなる成分100重量部に対し、(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C成分)10~20重量部、(D)五酸化アンチモン(D成分)1~5重量部、(E)アクリル系ゴムをコア成分とし、シェル成分として(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト重合させてなるコアシェル型グラフト共重合体(E成分)1~4.5重量部、(F)平均粒径が0.1~10μmのタルク(F成分)2重量部を超え5重量部以下、(G)ドリップ防止剤(G成分)0.1~1重量部および(H)エステル交換反応防止剤(H成分)0.01~0.5重量部を含有することを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)30~50重量部および(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂(B成分)70~50重量部からなる成分100重量部に対し、(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C成分)10~20重量部、(D)五酸化アンチモン(D成分)1~5重量部、(E)アクリル系ゴムをコア成分とし、シェル成分として(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト重合させてなるコアシェル型グラフト共重合体(E成分)1~4.5重量部、(F)平均粒径が0.1~10μmのタルク(F成分)2重量部を超え5重量部以下、(G)ドリップ防止剤(G成分)0.1~1重量部および(H)エステル交換反応防止剤(H成分)0.01~0.5重量部を含有することを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
続きを表示(約 180 文字)
【請求項2】
H成分がホスファイト化合物およびホスフェート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物よりなる成形品。
【請求項4】
FA機器外装材である請求項3に記載の成形品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は耐アルカリオイル性、薄肉難燃性、耐衝撃性および表面外観に優れる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、優れた機械特性、熱的性質および自己消火性を有しているため、機械部品、自動車部品、電気・電子部品および事務機器部品などの多くの用途に用いられている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、溶融粘度が高く射出成型時の流動性が低いため成形時の残留応力が生じ易いという欠点を有しており、アルカリ性の薬品に接触した際にクラックが生じやすいため侵食性の強いアルカリオイルを多用するFA(ファクトリーオートメーション)機器外装材への適用が困難であった。上記の課題を解決するために、ポリカーボネート樹脂にポリブチレンテレフタレート樹脂を溶融混合する方法が知られている。
【0003】
さらに、ポリカーボネート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂とを溶融混合した樹脂組成物に難燃性を付与する場合、臭素系難燃剤およびアンチモン化合物を添加する手法が一般的である。例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモンおよびエステル交換防止剤からなる樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載の樹脂組成物は三酸化アンチモンを配合しているため、溶融加工時にポリブチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂のエステル交換反応が促進され、これを成形してなる成形品は耐アルカリオイル性および耐衝撃性が十分でなく、実用上の問題を有している。さらに近年、FA機器外装材は薄肉化が進んでおり、それに応じて薄肉難燃性が要求されている。例えば0.75mm厚でUL94規格でのV-0の難燃性が要求されており、従来の処方では対応が困難になってきている。
【0004】
次に、エステル交換反応を抑制する手法として、三酸化アンチモンの代わりに五酸化アンチモンを配合する方法が開示されている。例えば、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブタジエン成分を含有する耐衝撃改良剤、臭素系難燃剤、五酸化アンチモンおよびドリップ防止剤からなる樹脂組成物(特許文献2)や、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エラストマー、臭素系難燃剤および五酸化アンチモンからなる樹脂組成物(特許文献3)が開示されている。しかしながら、五酸化アンチモンは三酸化アンチモンよりも難燃効率が低いため、薄肉難燃性を達成するために難燃剤を多量に配合する必要がある。特許文献2の樹脂組成物は、臭素系難燃剤を多量に含有しており、耐アルカリオイル性および耐衝撃性が十分でない。特許文献3に記載の樹脂組成物は五酸化アンチモンを多量に含有しており、耐アルカリオイル性および耐衝撃性が十分でなく、また多量の五酸化アンチモンが成形品表面の外観を損なうという課題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-314664号公報
特開2014-95033号公報
特開2014-162820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑み、本発明の目的は、耐アルカリオイル性、薄肉難燃性、耐衝撃性および表面外観に優れる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ポリカーボネート樹脂に、ポリブチレンテレフタレート樹脂、臭素化ポリカーボネート系難燃剤、五酸化アンチモン、アクリル系ゴムをコア成分とし、シェル成分として(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト重合させてなるコアシェル型グラフト共重合体、平均粒径が0.1~10μmのタルク、ドリップ防止剤およびエステル交換反応防止剤を添加することにより、耐アルカリ性オイル性、薄肉難燃性、耐衝撃性および表面外観に優れる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明によれば、上記課題は、下記1~4項により達成される。
1.(A)ポリカーボネート樹脂(A成分)30~50重量部および(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂(B成分)70~50重量部からなる成分100重量部に対し、(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C成分)10~20重量部、(D)五酸化アンチモン(D成分)1~5重量部、(E)アクリル系ゴムをコア成分とし、シェル成分として(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト重合させてなるコアシェル型グラフト共重合体(E成分)1~4.5重量部、(F)平均粒径が0.1~10μmのタルク(F成分)2重量部を超え5重量部以下、(G)ドリップ防止剤(G成分)0.1~1重量部および(H)エステル交換反応防止剤(H成分)0.01~0.5重量部を含有することを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
2.H成分がホスファイト化合物およびホスフェート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする前項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
3.前項1または2に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物よりなる成形品。
4.FA機器外装材である前項3に記載の成形品。
【0009】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0010】
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
本発明において使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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