TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025114049
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-05
出願番号2024008457
出願日2024-01-24
発明の名称ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08L 69/00 20060101AFI20250729BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】難燃性および成形加工性に優れるポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供する。
【解決手段】(A)二価フェノール化合物から誘導されるカーボネート構成単位、(B)シロキサン構成単位および(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンまたはそれから誘導される構成単位を含み、全構成単位(100重量%)中、(B)シロキサン構成単位に由来するSi元素量が0.3~30.0重量%の範囲であって、かつ(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンまたはそれから誘導される構成単位の含有量が1.0~40重量%の範囲であるポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)二価フェノール化合物から誘導されるカーボネート構成単位、(B)シロキサン構成単位および(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンまたはそれから誘導される構成単位を含み、全構成単位(100重量%)中、(B)シロキサン構成単位に由来するSi元素量が0.3~30.0重量%の範囲であって、かつ(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンまたはそれから誘導される構成単位の含有量が1.0~40重量%の範囲であるポリカーボネート樹脂組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
(A)二価フェノール化合物から誘導されるカーボネート構成単位、(B)シロキサン構成単位および(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンまたはそれから誘導される構成単位の合計100重量部に対して、(D)タルク、ワラストナイト、マイカおよびカオリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機充填剤を5~30重量部含有する請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
(A)二価フェノール化合物から誘導されるカーボネート構成単位は、ビスフェノールAから誘導されるカーボネート構成単位を含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
(B)シロキサン構成単位は、ポリジオルガノシロキサンから誘導されるシロキサン構成単位を含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項5】
(B)シロキサン構成単位は、ビスフェノールAとポリジオルガノシロキサンとを原料として得られるポリカーボネート共重合体中のシロキサン構成単位を含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項6】
(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンから誘導される構成単位は、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンと他の二価フェノール化合物とを原料として得られるポリカーボネート共重合体中の9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンから誘導される構成単位を含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項7】
(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレン構成単位は、ビスフェノールAと9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンとを原料として得られるポリカーボネート共重合体中の9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンから誘導される構成単位を含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項8】
ISO5660-1に準拠して、50kW/m

のヒーター放射照度、イグニッション有りの条件で試験した最大平均発熱速度が90kW/m

以下である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物から形成された成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性および成形加工性に優れるポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性および寸法安定性に優れていることから、エンジニアリングプラスチックとして、電気・電子機器の筐体、自動車内装・外装部品、建材、家具、楽器および雑貨類などの幅広い分野で使用されている。
【0003】
近年、航空機や鉄道車両の内装材料においては、軽量化と易加工性が主要な要求事項となっている。ポリカーボネート樹脂はこの特性を満たす材料として注目されているが、従来のポリカーボネート樹脂は、航空機や鉄道車両の内装材に必要な厳しい難燃性規格を満たすことが出来ないという問題があった。この問題を解決するため、ポリカーボネート樹脂に、難燃剤や高いLOI(限界酸素指数)を持つ樹脂、または無機フィラーを添加する検討が多く行われている。特許文献1には、ポリカーボネート樹脂に対して、ビスフェノールC骨格のポリカーボネートとリン系難燃剤およびシリコーン系の難燃剤を添加することで、難燃性を向上させる方法が開示されている。しかしながら、この方法で得られる難燃性は十分とは言えない。また特許文献2には、樹脂シート中の無機フィラーの配向角度を制御することで難燃性を向上させる方法も開示されている。しかしながら、この方法に関しても得られる難燃性は十分でなく、またフィラーの配向を制御する必要があるため、加工性が優れるとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2018/047693号
特許第6568639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、難燃性および成形加工性に優れるポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、前記本発明の課題は、下記のポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品により達成される。
【0007】
(構成1)
(A)二価フェノール化合物から誘導されるカーボネート構成単位、(B)シロキサン構成単位および(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンまたはそれから誘導される構成単位を含み、全構成単位(100重量%)中、(B)シロキサン構成単位に由来するSi元素量が0.3~30.0重量%の範囲であって、かつ(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンまたはそれから誘導される構成単位の含有量が1.0~40重量%の範囲であるポリカーボネート樹脂組成物。
(構成2)
(A)二価フェノール化合物から誘導されるカーボネート構成単位、(B)シロキサン構成単位および(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンまたはそれから誘導される構成単位の合計100重量部に対して、(B)タルク、ワラストナイト、マイカおよびカオリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機充填剤を5~30重量部含有する構成1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成3)
(A)二価フェノール化合物から誘導されるカーボネート構成単位は、ビスフェノールAから誘導されるカーボネート構成単位を含む構成1または構成2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成4)
(B)シロキサン構成単位は、ポリジオルガノシロキサンから誘導されるシロキサン構成単位を含む構成1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成5)
(B)シロキサン構成単位は、ビスフェノールAとポリジオルガノシロキサンとを原料として得られるポリカーボネート共重合体中のシロキサン構成単位を含む構成1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成6)
(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンから誘導される構成単位は、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンと他の二価フェノール化合物とを原料として得られるポリカーボネート共重合体中の9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンから誘導される構成単位を含む構成1~5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成7)
(C)9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキフェニル)フルオレン構成単位は、ビスフェノールAと9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンとを原料として得られるポリカーボネート共重合体中の9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-アルキルフェニル)フルオレンから誘導される構成単位を含む構成1~6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成8)
ISO5660-1に準拠して、50kW/m

のヒーター放射照度、イグニッション有りの条件で試験した最大平均発熱速度が90kW/m

以下である構成1~7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(構成9)
構成1~8のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物から形成された成形品。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、従来のポリカ―ボネート樹脂組成物よりも難燃性および成形加工性に大きく優れることから、航空用途および鉄道用途、その他の各種用途において幅広く有用であり、本発明の奏する産業上の効果は極めて大きい。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の詳細について更に説明する。
【0010】
<(A)二価フェノール化合物から誘導されるカーボネート構成単位>
本発明で使用する(A)二価フェノール化合物から誘導されるカーボネート構成単位を有するポリカーボネート樹脂は、二価フェノール化合物とカーボネート前駆体とを反応させて得ることができる。反応の方法としては例えば界面重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。なお、二価フェノール化合物には、後述する9,9-ビス{(4-ヒドロキシ-3-アルキル)フェニル}フルオレンは含まないものとする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

帝人株式会社
複数の孔を有する成形品
1か月前
帝人株式会社
高視認性難燃布帛および繊維製品
1か月前
帝人株式会社
ポリカーボネート樹脂および光学部材
1か月前
学校法人大阪医科薬科大学
耐久性試験装置
9日前
帝人株式会社
ポリエチレン微多孔膜、及び、医療用デバイス
26日前
帝人株式会社
非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池
1か月前
帝人株式会社
非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池
1か月前
帝人株式会社
ポリカーボネート樹脂およびそれからなる成形品
1か月前
帝人株式会社
変形検出機構、移動体および変形検出機構の製造方法
26日前
帝人株式会社
ポリエチレン微多孔膜、巻回体及び巻回体の製造方法
26日前
帝人株式会社
ポリカーボネート樹脂組成物およびそれよりなる成形品
1か月前
帝人株式会社
ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
1か月前
帝人株式会社
熱可塑性樹脂組成物の製造方法およびそれからなる成形品
19日前
帝人株式会社
エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、及び繊維強化複合材料
26日前
帝人株式会社
蒸着成形品用ポリカーボネート樹脂組成物および蒸着成形品
1か月前
帝人株式会社
ポリカーボネート樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品
今日
帝人株式会社
ポリカーボネート樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品
29日前
帝人株式会社
多孔膜捲回体、フィルター用基材、及びカートリッジフィルター
26日前
帝人株式会社
多孔膜捲回体、フィルター用基材、及びカートリッジフィルター
26日前
帝人株式会社
熱硬化性プリプレグ及びその製造方法
1か月前
東京電力ホールディングス株式会社
足場装置
26日前
帝人株式会社
ポリカーボネート-ポリシロキサン樹脂
1か月前
帝人株式会社
熱成形用シート、加飾シートおよびこれらを用いた成形体
1か月前
帝人株式会社
熱成形用シート、加飾シートおよびこれらを用いた成形体
1か月前
帝人株式会社
エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、繊維強化複合材料、エポキシ樹脂硬化物の修復方法、繊維強化複合材料の修復方法、エポキシ樹脂硬化物の再成形方法、繊維強化複合材料の再成形方法、エポキシ樹脂硬化物の分解方法、及び繊維強化複合材料の強化繊維回収方法
26日前
帝人株式会社
エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、繊維強化複合材料、エポキシ樹脂硬化物の修復方法、繊維強化複合材料の修復方法、エポキシ樹脂硬化物の再成形方法、繊維強化複合材料の再成形方法、エポキシ樹脂硬化物の分解方法、及び繊維強化複合材料の強化繊維回収方法
26日前
東ソー株式会社
ペレット
21日前
ユニチカ株式会社
透明シート
2か月前
ユニチカ株式会社
透明シート
1か月前
株式会社コバヤシ
成形体
1か月前
東レ株式会社
熱硬化性樹脂組成物
2か月前
東レ株式会社
引抜成形品の製造方法
2か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
19日前
丸住製紙株式会社
変性パルプ
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
住友精化株式会社
吸水剤の製造方法
1か月前
続きを見る