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公開番号2025064581
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023174460
出願日2023-10-06
発明の名称メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類D01F 6/60 20060101AFI20250410BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】リサイクルメタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液中に存在するミクロフィブリルを可及的に低減させることにより、リサイクルメタ型全芳香族ポリアミド繊維を容易に製造する方法を提供する。
【解決手段】メタ型全芳香族ポリアミド繊維を、50~90質量%のアミド系溶媒と、0~5質量%の無機塩を含む溶媒中で、60~90℃で、2~30時間溶解処理することにより、溶液中の、メタ型全芳香族ポリアミド重合体全量に対するミクロフィブリル重量が0.015質量%以下の重合体溶液を得る溶解工程と、該メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液を凝固液中に吐出し未延伸糸を得る紡糸工程と、該紡糸工程で得られる未延伸糸を延伸して延伸糸を得る延伸工程とを用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メタ型全芳香族ポリアミド繊維を、50~90質量%のアミド系溶媒と、0~5質量%の無機塩を含む溶媒中で、60~90℃で、2~30時間溶解処理することにより、溶液中の、メタ型全芳香族ポリアミド重合体全量に対するミクロフィブリル重量が0.015質量%以下の重合体溶液を得る溶解工程と、該メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液を凝固液中に吐出し未延伸糸を得る紡糸工程と、該紡糸工程で得られる未延伸糸を延伸して延伸糸を得る延伸工程と、を含むメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、使用済みの、メタ型全芳香族ポリアミド繊維含有繊維製品、及び/又はメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造、加工する工程において発生する繊維屑、から回収されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維である請求項1記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
【請求項3】
メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液に、さらに繊維以外のメタ型全芳香族ポリアミド重合体を混合させる請求項1又は2に記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
【請求項4】
メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液の濁度が3ppm以下である請求項1に記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
【請求項5】
凝固液が70~100℃に保たれた、無機塩を含むアミド系溶媒であり、延伸工程が、20~30℃の水洗、85~95℃で倍率1.5~3.0倍の熱水延伸、90~100℃の湯洗、表面温度150~250℃のローラーでの乾熱処理、及び表面温度300~350℃の熱板による、倍率1.0~3.0倍の延伸を含む請求項1に記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維、特に、メタ型全芳香族ポリアミド繊維から構成される、使用済みの繊維構造物から回収されたメタ型全芳香族ポリアミド繊維を再溶解し紡糸、延伸することにより、リサイクルメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法に関するものである。さらには、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を再溶解する際に、溶解液に、繊維構造物を構成するメタ型全芳香族ポリアミド繊維とは別のメタ型全芳香族ポリアミド重合物を溶解させて紡糸、延伸することにより、実用上充分な破断強度を有するリサイクルメタ型全芳香族ポリアミド繊維を得る、リサイクルメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドとから製造される全芳香族ポリアミドが耐熱性および難燃性に優れていることは周知であり、かかる全芳香族ポリアミドのうち、ポリメタフェニレンイソフタルアミドで代表されるメタ型全芳香族ポリアミド(以下メタアラミドと称する場合がある。)の繊維は、耐熱・難燃性繊維として特に有用なものである。
【0003】
メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、これらの特性を発揮して、例えば防護衣等の防災安全衣料用途やフィルター、電子部品等の産業用途に用いられている。このようなメタアラミド繊維はステープルファイバーとして製造されることがほとんどであり、布帛や紡績糸に加工され、様々な用途へと利用されている。
【0004】
一方、これら布帛や紡績糸を廃棄する際は、化学的安定性および難燃性の観点から焼却処分等を行うことができないため、埋め立てによる処分が一般的であり、産業用繊維として利用されている状況から多量のアラミド繊維廃棄物が大きな環境負荷を与えることが問題となっている。
【0005】
上記のような問題に対し、メタアラミド繊維をリサイクルする方法がいくつか報告されている。例えば、使用済み耐熱性高機能紡績糸製品を所望により予め洗浄し、ついで解砕処理に付し、得られた解砕物を開繊して綿状物となし、かかる綿状物を紡績して糸を形成することでリサイクル耐熱性高機能紡績糸を得る方法が報告されている(特開2004-100066号公報、特開2006-37240号公報、特開2006-233409号公報、特開2005-105491号公報など)。
【0006】
一方、上記のように繊維状製品をそのまま再利用するのではなく、化学処理を施すことで繊維溶解物とし、利用する方法も報告されている。例えば、特開2014-70133号公報や特開2007-321069号公報には、アラミド繊維を製造・加工する工程において発生するアラミド繊維屑を無機塩含有溶媒と混合し、せん断等をかけることでアラミド溶解物(ドープ)を製造する方法を報告している。
【0007】
また、特開平7-286061号公報や特開2007-321310号公報には、上記のようにして作成したアラミドドープを水中でせん断を与えながら攪拌することでフィブリッド化させ、構造材へ使用可能なアラミドパルプとする方法が報告されている。このように難燃性のアラミド繊維をリサイクルすることは、環境負荷低減に加え高付加価値製品であることから、その意義は大きい。
【0008】
しかし、上記に記載した各方法は汚損が無い、または汚損が軽微な布帛や紡績糸、繊維屑を使用することを前提としており、使用環境が過酷で非常に汚損が激しいものや一部化学構造が分解してしまっているものなどは、再利用することは難しい。例えば、生産工場の熱排気ガスを濾過する際に使用される耐熱バグフィルターにはアラミド繊維が多く利用され、大量に廃棄されているが、使用環境の過酷さゆえ汚損以外にも化学分解により分子量が大きく低下しており、繊維本来の強度を保つことができない。
【0009】
そこで、全芳香族ポリアミド繊維のリサイクル方法として、使用済みの布帛や紡績糸、繊維屑を再溶解して作製したリサイクル全芳香族ポリアミド重合体溶液を新たに紡糸することで、リサイクル全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法が考えられるが、同じメタ型全芳香族ポリアミド構造を持った繊維でもリサイクル全芳香族ポリアミド繊維を製造しやすいものと、製造しにくいものが存在する。そして、製造しにくいものをリサイクル原料として使用した場合、全芳香族ポリアミド重合体溶液を新たに紡糸する際に断糸が多発する等、繊維とすることが困難である場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2004-100066号公報
特開2006-37240号公報
特開2006-233409号公報
特開2005-105491号公報
特開2014-70133号公報
特開2007-321069号公報
特開平7-286061号公報
特開2007-321310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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