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公開番号2025115241
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009682
出願日2024-01-25
発明の名称ジエン系ポリマー組成物、炭素繊維前駆体繊維、耐炎化繊維の製造方法、および炭素繊維の製造方法
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類D01F 8/06 20060101AFI20250730BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】溶融紡糸時における糸切れを抑制するジエン系ポリマー組成物、ジエン系ポリマー組成物を用いて構成され、耐炎化時における糸切れ及び繊維の融着を抑制する炭素繊維前駆体繊維、炭素繊維前駆体繊維を前駆体とする耐炎化繊維の製造方法、及び引張強度に優れる炭素繊維の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記式(1)で示される構造単位(式中、Rは水素原子及び炭素数1~20の有機基のうちのいずれかを表す。nは、1以上の整数を示す。)を含むジエン系ポリマーと、前記ジエン系ポリマー以外のポリマーと、を含み、前記ジエン系ポリマーと、前記ジエン系ポリマー以外のポリマーとの配合比(質量比)が99.5:0.5~10:90であり、前記ジエン系ポリマー以外のポリマーの少なくとも一部が分散相を形成しているか、または、前記ジエン系ポリマーと、前記ジエン系ポリマー以外のポリマーとが相溶している、ジエン系ポリマー組成物。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で示される構造単位(式中、Rは水素原子又は炭素数1~20の有機基のうちのいずれかを表す。nは、1以上の整数を示す。)を含むジエン系ポリマーと、
前記ジエン系ポリマー以外のポリマーと、
を含み、
前記ジエン系ポリマーと前記ジエン系ポリマー以外のポリマーとの配合比(質量比)が99.5:0.5~10:90であり、
前記ジエン系ポリマー以外のポリマーの少なくとも一部が分散相を形成しているか、または、前記ジエン系ポリマーと前記ジエン系ポリマー以外のポリマーとが相溶している、
ジエン系ポリマー組成物。
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2025115241000008.jpg
22
35
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記ジエン系ポリマー以外のポリマーが、オレフィン系ポリマー、石油樹脂、および芳香族ビニル系ポリマーからなる群のうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載のジエン系ポリマー組成物。
【請求項3】
前記分散相の平均粒径が1μm以下である、請求項1に記載のジエン系ポリマー組成物。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のジエン系ポリマー組成物の繊維化物である、炭素繊維前駆体繊維。
【請求項5】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のジエン系ポリマー組成物の架橋体を含み、かつ、ゲル分率が30%以上である、請求項4に記載の炭素繊維前駆体繊維。
【請求項6】
請求項5に記載の炭素繊維前駆体繊維を酸化性雰囲気下で加熱する工程を含む、
耐炎化繊維の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の耐炎化繊維の製造方法により耐炎化繊維を製造する工程と、
前記耐炎化繊維を炭化する工程と、
を含む、炭素繊維の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ジエン系ポリマー組成物、炭素繊維前駆体繊維、耐炎化繊維の製造方法、および炭素繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維は、軽量で力学特性に優れるため、炭素繊維複合材料は航空宇宙用途、自動車用途、建材用途など様々な用途への展開が進められている。炭素繊維の製造方法としては、ポリアクリロニトリルやピッチを紡糸して得られる繊維束を耐炎化した後、さらに炭化する方法が知られている(例えば、特許文献1、2及び3)。
【0003】
しかし、ポリアクリロニトリルの紡糸により得られた繊維から作製されたポリアクリロニトリル系炭素繊維は高い力学特性を有するため、最も広範に使用されているが、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミドなどの有機溶剤を用いた湿式紡糸や乾湿式紡糸により紡糸を行っているため、有機溶剤のリサイクルにエネルギーが必要となり、製造コストが高くなることや、耐炎化、炭化において、シアン化水素などの有毒ガスが発生する問題があった。
【0004】
一方、ピッチを原料とすると、有機溶媒を用いない溶融紡糸による紡糸ができ、かつ耐炎化、炭化時にシアン化水素は発生しないが、ピッチ系繊維の溶融紡糸は一般的に250℃以上の高い温度が必要である。また、繊維自体も比較的脆く、耐炎化時に繊維同士の融着や一部繊維の糸切れが生じやすいなど、取り扱いも容易ではなかった(例えば、特許文献3)。
【0005】
溶融紡糸が可能で、かつシアン化水素を発生しない前駆体として、1,2-ポリブタジエンを用いた繊維も開示されている(例えば、特許文献4、5及び6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-183159号公報
特開2008-202208号公報
特開平6-10215号公報
特開昭48-82199号公報
特開昭48-92699号公報
特開昭49-106490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献4、5、及び6では、1,2-ポリブタジエンの溶融紡糸により単繊維を得ており、特許文献5、6では単繊維を得た後、単繊維を束ねて繊維束としている。溶融紡糸時における生産性の向上によるコスト低減のためには、溶融紡糸により単繊維ではなく、ノズルとしてマルチホールを用いて繊維束(マルチフィラメント)として得ることが求められる。しかしながら、1,2-ポリブタジエンは糸切れしやすく、紡糸性を向上させる必要があった。また、繊維束を耐炎化する際の、繊維間の融着および熱分解による糸切れも抑制する必要があった。炭素繊維は、航空宇宙用途、自動車用途等といった強度が必要となる用途への展開拡大に向けて、引張強度の向上も求められている。
【0008】
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、溶融紡糸時(特に高速紡糸時)における糸切れを抑制するジエン系ポリマー組成物、前記ジエン系ポリマー組成物を用いて構成され、耐炎化時における糸切れ及び繊維の融着を抑制する炭素繊維前駆体繊維、前記炭素繊維前駆体繊維を前駆体とする耐炎化繊維の製造方法、及び引張強度に優れる炭素繊維の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 下記式(1)で示される構造単位(式中、Rは水素原子及び炭素数1~20の有機基のうちのいずれかを表す。nは、1以上の整数を示す。)を含むジエン系ポリマーと、前記ジエン系ポリマー以外のポリマーと、を含み、
前記ジエン系ポリマーと、前記ジエン系ポリマー以外のポリマーとの配合比(質量比)が99.5:0.5~10:90であり、前記ジエン系ポリマー以外のポリマーの少なくとも一部が分散相を形成しているか、または、前記ジエン系ポリマーと、前記ジエン系ポリマー以外のポリマーとが相溶している、ジエン系ポリマー組成物。
【0010】
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35
(【0011】以降は省略されています)

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