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公開番号2025136201
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034479
出願日2024-03-07
発明の名称活物質複合粒子、電極、活物質複合粒子の製造方法及び電極の製造方法
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類H01M 4/587 20100101AFI20250911BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】乾式で活物質層を形成した場合に好適な特性が得られる活物質複合粒子、電極、活物質複合粒子の製造方法及び電極の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示の活物質複合粒子は、電極活物質である炭素材料と、前記炭素材料の表面に存在する窒素成分と、を含み、ラマンスペクトルのGバンド強度IGとDバンド強度IDとの比IG/IDが1以上3以下を満たす。活物質複合粒子の製造方法は、電極活物質である炭素材料の表面に窒素含有化合物を被覆して被覆体を作製する被覆工程を含み、800℃以下の熱処理温度で前記被覆体を熱処理する熱処理工程を含んでもよい。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
電極活物質である炭素材料と、前記炭素材料の表面に存在する窒素成分と、を含み、ラマンスペクトルのGバンド強度IGとDバンド強度IDとの比IG/IDが1以上3以下を満たす、活物質複合粒子。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記炭素材料は黒鉛であり、前記窒素成分はポリアクリロニトリル中の窒素又は環化したポリアクリロニトリル中の窒素である、請求項1に記載の活物質複合粒子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の活物質複合粒子を含む活物質層を有する、電極。
【請求項4】
前記活物質層質量あたりの放電容量が300mAh/g以上である、請求項3に記載の電極。
【請求項5】
電極活物質である炭素材料の表面に窒素含有化合物を被覆して被覆体を作製する被覆工程を含み、
800℃以下の熱処理温度で前記被覆体を熱処理する熱処理工程を含んでもよい、
活物質複合粒子の製造方法。
【請求項6】
前記被覆工程では、前記炭素材料として黒鉛を用い、前記窒素含有化合物としてポリアクリロニトリルを用いる、請求項5に記載の活物質複合粒子の製造方法。
【請求項7】
前記被覆工程では、前記窒素含有化合物を2.5質量%以上20質量%以下の範囲で含む前記被覆体を作製する、請求項5又は6に記載の活物質複合粒子の製造方法。
【請求項8】
前記熱処理工程では、300℃以上600℃以下の温度で前記被覆体を熱処理する、請求項5又は6に記載の活物質複合粒子の製造方法。
【請求項9】
前記被覆工程では、前記窒素含有化合物を溶解可能な溶媒中で前記炭素材料と前記窒素含有化合物とを混合する、請求項5又は6に記載の活物質複合粒子の製造方法。
【請求項10】
請求項5又は6に記載の活物質複合粒子の製造方法で前記活物質複合粒子を製造する複合粒子製造工程と、
前記活物質複合粒子を用いて乾式で活物質層を形成する活物質層形成工程と、
を含む、電極の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、活物質複合粒子、電極、活物質複合粒子の製造方法及び電極の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、蓄電デバイスに用いる活物質複合粒子として、多環式構造を有する高分子で黒鉛を被覆したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この活物質複合粒子では、高分子の多環式構造が黒鉛表面に特異的に作用して黒鉛表面の活性を抑制することにより電解液との反応によるガス発生を抑制できるとしている。また、高分子が黒鉛のベーサル面に選択吸着することにより高分子が黒鉛のエッジ面を塞ぐことによる抵抗上昇を低減できるとしている。また、石油ピッチで黒鉛を被覆し1000℃で熱処理したものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この活物質複合粒子では、ピッチ由来のアモルファスカーボンコーティングが不可逆容量を効果的に減少させ、サイクル安定性を向上させるとしている。また、平均粒径3~20μmの黒鉛と平均粒径500nm以下の非晶質炭素とを擦り合わせて複合化し、さらにコールタールピッチやポリビニルアルコールなどの炭素相源を混合して900~1200℃で熱処理したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この活物質複合粒子では、放電容量及び初回放電効率を維持しつつ、低温での入出力特性に優れるものにできるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-43316号公報
特開2016-100208号公報
【非特許文献】
【0004】
Korean J. Chem. Eng., 36(10), 1724-1731(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、二酸化炭素排出量削減のため、有機系の分散媒を用いないドライ成膜によって活物質層を形成する技術が注目されている。しかしながら、特許文献1~2や非特許文献1では、乾式で活物質層を形成することは検討されておらず、乾式で活物質層を形成した場合に所望の特性が得られないことがあった。
【0006】
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、乾式で活物質層を形成した場合に好適な特性が得られる活物質複合粒子、電極、活物質複合粒子の製造方法及び電極の製造方法を提供することを主目的とする。なお、「乾式」とは、スラリーなどにせず粉体の状態で用いることをいう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、黒鉛などの炭素材料の表面にポリアクリロニトリルなどの窒素含有化合物を被覆し、必要に応じて800℃以下で熱処理して活物質複合粒子を製造することに想到した。こうして得られた活物質複合粒子は、炭素材料の表面に窒素成分が存在し、ラマンスペクトルのGバンド強度IGとDバンド強度IDとの比IG/IDが1以上3以下を満たすものであった。そしてこの活物質複合粒子を用いると、乾式で活物質層を形成した場合に好適な特性が得られることを見出し、本明細書で開示する発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本開示の活物質複合粒子は、電極活物質である炭素材料と、前記炭素材料の表面に存在する窒素成分と、を含み、ラマンスペクトルのGバンド強度IGとDバンド強度IDとの比IG/IDが1以上3以下を満たすものである。
【0009】
本開示の電極は、上述した活物質複合粒子を含む活物質層を有するものである。
【0010】
本開示の活物質複合粒子の製造方法は、電極活物質である炭素材料の表面に窒素含有化合物を被覆して被覆体を作製する被覆工程を含み、800℃以下の熱処理温度で前記被覆体を熱処理する熱処理工程を含んでもよいものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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