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公開番号2025083871
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197519
出願日2023-11-21
発明の名称ポリエチレンナフタレート樹脂組成物およびそれからなる成形体
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08L 67/03 20060101AFI20250526BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】押出性および機械特性に優れ、かつ、射出成形時におけるモールドデポジットの少ないポリエチレンナフタレート樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供する。
【解決手段】(A)ポリエチレンナフタレート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)集束剤が少なくとも一部に付着している再生炭素繊維(B成分)10~100重量部を含有するポリエチレンナフタレート樹脂組成物であって、B成分の、空気中で室温から5℃/分の昇温速度で昇温させた場合の熱重量-示差熱分析測定における5%重量減少温度が460℃以上であることを特徴とするポリエチレンナフタレート樹脂組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)ポリエチレンナフタレート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)集束剤が少なくとも一部に付着している再生炭素繊維(B成分)10~100重量部を含有するポリエチレンナフタレート樹脂組成物であって、B成分の、空気中で室温から5℃/分の昇温速度で昇温させた場合の熱重量-示差熱分析測定における5%重量減少温度が460℃以上であることを特徴とするポリエチレンナフタレート樹脂組成物。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
B成分に付着している集束剤がポリエステル系集束剤であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレンナフタレート樹脂組成物。
【請求項3】
A成分が、ジカルボン酸成分が80~100モル%のナフタレンジカルボン酸またはそのエステル誘導体並びに0~20モル%のテレフタル酸、イソフタル酸およびこれらのエステル誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、ジオール成分がエチレングリコールであるポリエチレンナフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレンナフタレート樹脂組成物。
【請求項4】
A成分100重量部に対し、(C)ポリエーテルイミド樹脂(C成分)10~100重量部を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレンナフタレート樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1または2に記載のポリエチレンナフタレート樹脂組成物よりなる成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレンナフタレート樹脂およびリサイクル炭素繊維よりなる樹脂組成物であって、押出性および機械特性に優れ、かつ、射出成形時におけるモールドデポジットの少ないポリエチレンナフタレート樹脂組成物およびそれからなる成形体に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレンナフタレート樹脂は、透明性、耐熱性および耐薬品性に優れるポリエステル樹脂であり、その特徴を活かし医薬品容器、有機溶剤、オイル・グリスおよび洗剤等と接触する可能性がある家電および電気・電子・通信機器のハウジング、燃料電池に用いられる樹脂フレーム並びにガスケット等に使用されている。
【0003】
近年、電気・電子・通信機器分野での小型化・軽量化の要求や、燃料電池の高容量化要求に伴い、樹脂の薄肉成形性および機械特性の向上が求められており、比重が軽く強度が得られる炭素繊維を充填する事例が増えてきている。
【0004】
一方、資源の有効活用の観点から、炭素繊維をリサイクルすることが検討されている。再生炭素繊維(r-CF)の回収方法としては、例えば、特許文献1には、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)からマトリックス樹脂のみを熱分解によって加熱除去する方法が開示されている。しかし、CFRPの熱分解から得られたr-CFはマトリックス樹脂由来の残渣を含んでいるため分解物が多く、バージン炭素繊維を用いた場合と比較して射出成形時に成形金型に生じる金型付着汚れ(モールドデポジット)が多いという問題があった。
【0005】
特許文献2には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、航空機の端材から再生された炭素繊維チョップからなる炭素繊維、多官能エポキシ化合物および反応触媒からなる樹脂成形体の製造方法が開示されている。特許文献3には、熱可塑性樹脂、再生炭素繊維およびエポキシ基を有する化合物からなる樹脂組成物から形成されたペレットが開示されている。しかし、いずれの特許文献もr-CFを使用した際に生じるバージンCFとの強度差を埋めるため、エポキシ基化合物を使用することに特徴があるが、一方でエポキシ化合物には耐熱性が低いものがありエポキシ化合物を用いることでモールドデポジットが更に多く発生するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5347056号公報
特許第6547253号公報
特許第7212816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、押出性および機械特性に優れ、かつ射出成形時におけるモールドデポジットの少ないポリエチレンナフタレート樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ポリエチレンナフタレート樹脂に、特定の5%重量減少温度を有する集束剤が少なくとも一部に付着している再生炭素繊維を配合することに
より、上記課題を達成することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0009】
1.(A)ポリエチレンナフタレート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)集束剤が少なくとも一部に付着している再生炭素繊維(B成分)10~100重量部を含有するポリエチレンナフタレート樹脂組成物であって、B成分の、空気中で室温から5℃/分の昇温速度で昇温させた場合の熱重量-示差熱分析測定における5%重量減少温度が460℃以上であることを特徴とするポリエチレンナフタレート樹脂組成物。
2.B成分に付着している集束剤がポリエステル系集束剤であることを特徴とする前項1に記載のポリエチレンナフタレート樹脂組成物。
3.A成分が、ジカルボン酸成分が80~100モル%のナフタレンジカルボン酸またはそのエステル誘導体並びに0~20モル%のテレフタル酸、イソフタル酸およびこれらのエステル誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、ジオール成分がエチレングリコールであるポリエチレンナフタレート樹脂であることを特徴とする前項1または2に記載のポリエチレンナフタレート樹脂組成物。
4.A成分100重量部に対し、(C)ポリエーテルイミド樹脂(C成分)10~100重量部を含有することを特徴とする前項1~3のいずれかに記載のポリエチレンナフタレート樹脂組成物。
5.前項1~4のいずれかに記載のポリエチレンナフタレート樹脂組成物よりなる成形体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、押出性および機械特性に優れ、かつ射出成形時におけるモールドデポジットの少ないポリエチレンナフタレート樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供することができる。本発明のポリエチレンナフタレート樹脂組成物からなる成形体は、例えば、電気電子部品、車両関連部品、航空機部品、産業機械部品、OA機器部、住設機器部品および各種機構部品に好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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