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公開番号2025017374
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2024200421,2021542104
出願日2024-11-18,2020-01-23
発明の名称B-RAFキナーゼ二量体阻害剤の安定な固体分散体、その調製方法及び使用
出願人ベイジーン リミテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07D 471/04 20060101AFI20250129BHJP(有機化学)
要約【課題】より良好なバイオアベイラビリティを示し、この薬物の配合及び貯蔵時に化学的及び物理的安定性を有する、特に貧弱な水不溶性の化合物、すなわち化合物1の新規な形態等の提供
【解決手段】化合物1、すなわちB-RAFキナーゼ二量体阻害剤1-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(2,4,5-トリフルオロフェニル)尿素及び特定の安定化ポリマーを含む、物理的に安定な固体分散体、それを調製する方法及びその固体分散体の使用、並びに化合物1の結晶質形態。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
安定な非晶質固体分散体であって、化合物1及び安定化ポリマーを含み、化合物1は、その固体状態において、前記安定化ポリマーによって形成されるポリマーのマトリックス中に分子的に分散されている、安定な非晶質固体分散体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記安定化ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、好ましくはスクシノイル置換対アセチル置換の高い比率(S/A比率)を有するHPMCASである、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項3】
前記安定化ポリマーは、HPMCAS-LF、HPMCAS-MF若しくはHPMCAS-HF又は上記の物質の2種以上の混合物のいずれか1つである、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項4】
遊離塩基の形態の化合物1と前記ポリマーとの重量比率は、約1:9~約9:1、好ましくは約1:4~約2:3、好ましくは約3:7又は約1:4、より好ましくは約1:4である、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項5】
約10%~40%の薬物担持量を有する、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項6】
3:7の重量比率における遊離塩基の形態の化合物1及びHPMCAS-MF又は2:3の重量比率における遊離塩基の形態の化合物1及びHPMCAS-MF、1:4の重量比率における遊離塩基の形態の化合物1及びHPMCAS-MF、1:9の重量比率における遊離塩基の形態の化合物1及びHPMCAS-LF、1:4の重量比率における遊離塩基の形態の化合物1及びHPMCAS-LF、3:7の重量比率における遊離塩基の形態の化合物1及びHPMCAS-LF、2:3の重量比率における遊離塩基の形態の化合物1及びHPMCAS-LF又は1:4の重量比率における遊離塩基の形態の化合物1及びHPMCAS-HFを含む、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項7】
ミクロ沈殿法バルク粉体(MBP)技術によって調製される、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項8】
約110~115℃、好ましくは約111℃のガラス転移温度を有する、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項9】
経口投与用製剤、例えば錠剤又はカプセル剤に処方される、請求項1に記載の非晶質固体分散体。
【請求項10】
化合物1及びHPMCASを含む、式(I)
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2025017374000055.jpg
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(式中、HPMCAsは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートであり、化合物1は、
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2025017374000056.jpg
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であり、及びmは、複合体中の遊離塩基の形態の化合物1とHPMCASとの重量比率が約1:9~約9:1であるような数である)
の複合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書では、化合物1、すなわちB-RAFキナーゼ二量体阻害剤1-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(2,4,5-トリフルオロフェニル)尿素及び特定の安定化ポリマーを含む、物理的に安定な固体分散体、それを調製する方法及びその固体分散体の使用が開示される。本明細書では、化合物1の安定な結晶質形態、すなわち形態A及び化合物1のニートな非晶質形態、それを調製する方法も開示される。本明細書では、本明細書に開示されるB-RAFキナーゼ二量体阻害剤を大量生産する方法も開示される。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
1-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(2,4,5-トリフルオロフェニル)尿素(本明細書全体にわたって化合物1とも呼ばれる)は、第二世代のB-RAF阻害剤として開示されている(国際公開第2014/206343A1号パンフレットを参照されたい)。化合物1の構造を以下に示す。
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【0003】
国際公開第2014/206343A1号パンフレットのB-RAF阻害剤は、1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボニルアジド(中間体I)と、置換されたアニリンとの反応により調製された。しかしながら、報告されている国際公開第2014/206343A1号パンフレットの合成経路において(例えば、34ページにおける化合物10及びアニリンからの式Iの化合物の調製又は特に51ページにおけるステップK)、二量体の不純物、すなわち不純物-1は、常に数パーセント~50%もの範囲の量で生成され、一般的な再結晶プロセスで完全に除去することができなかった。
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【0004】
不純物-1の形成の主たる原因は、その反応系中に存在する水分によるものであることが見出された。反応系における水分含量を厳密に制御したとしても、不純物-1の量が有意に多い(>>1%)ことが見出された。加えて、不純物-1は、水及び他の一般的な再結晶溶媒への溶解性が極めて低く、そのため、再結晶の手順でそれを0.5%未満(良好なAPI品質の最低限の要件)に制御することは、不可能である。化合物1と不純物-1とは、極性が類似しているため、化合物1から不純物-1を完全に除去しようとすると、カラムクロマトグラフィー手順を繰り返し使用しなければならなかった。このコスト及び労力がかかるクロマトグラフィープロセスでは、純粋な化合物1は、小規模(ミリグラム又はグラム単位)のみで製造できる。高品質を有する化合物1を大きい工業的規模で生産するための、カラムクロマトグラフィーを使用しない新規なプロセスが非常に望まれている。
【0005】
第二世代のB-RAF阻害剤として、化合物1は、セリン/トレオニンキナーゼのRAFファミリー、特にBRAF/CRAF二量体に対する強い阻害活性を示してきた。それは、B-RAF突然変異及びK-RAS/N-RAS突然変異を含むMAPK経路における異常を伴うがんの治療のための分子標的治療剤であり、第一世代のB-RAF阻害剤、例えばベムラフェニブ及びダブラフェニブを上回る改善を示してきた。
【0006】
しかしながら、化合物1自体は、結晶質形態又はニートな非晶質形態のいずれでも、水又は0.1のHClを含む各種の溶液及び各種のpH値を有する緩衝液への低い溶解度を示してきた。結晶質形態である化合物1は、DVS試験で証明されるように中程度の吸湿性も示し、結晶質の水和物の形態である化合物1は、80%の相対湿度で4.96%のサンプル重量増加を有する、中程度に吸湿性であることが示されている。
【0007】
加えて、予備的な薬物代謝及び薬物動態学(DMPK)の検討では、化合物1の結晶質形態の経口吸収は、比較的低く、ラットでは約20%のバイオアベイラビリティであることが示された。より良好なバイオアベイラビリティを有する化合物1の好適な塩の形態について、系統的なスクリーニングが実施された。残念ながら、安定な結晶質の塩を特定することに失敗しており、それは、おそらく化合物1の塩基性度が低いためであった。
【0008】
水溶性の低い化合物では、そのような化合物の結晶質のナノ粒子は、貯蔵時に結晶化を誘発するシードとして機能して、その結果、時間の経過と共にその結晶秩序が高まり、且つ溶解度が低下する。いくつかの水溶性の低い化合物では、その非晶質形態は、高い結晶化傾向を有し、そのため、例えば大規模生産において、小型実験でも容易に結晶化する可能性がある。
【0009】
それらの溶解度の低い医薬品化合物の所望される性質を改良するために、限定されないが、粒径の低下(微粒化)、脂質の配合、共溶媒、錯体形成、共結晶化及び固体分散体を含むいくつかの技術が開発されてきた。
【0010】
各種の技術の中でも、溶解度の低い活性な医薬品化合物が固体状態のポリマーのマトリックス中に分散されている固体分散体は、早い溶出速度並びに/又は胃及び腸の流体中への明らかな溶解度を与えるとの報告があった。例えば、A T M Serajuddin,J.Pharm.Sci.,88(10):1058-1066(1999)及びM J Habib,Pharmaceutical Solid Dispersion Technology,Technomic Publishing Co.,Inc.,2001を参照されたい。その混合物中において、活性な医薬品化合物は、非晶質又は微結晶質形態で存在し得る。固体分散体を調製するために、共沈殿法及び噴霧乾燥法などを含む各種のプロセスが使用されてきた。各種のプロセスによって調製された固体分散体は、各種の物理化学的性質を与えるものの、文献において、所望の薬物動態学的なプロファイルを達成するうえである方法が他の方法より優ることを示す証拠は、示唆されていない。米国特許出願公開第20080293787A1号明細書を参照されたい。
(【0011】以降は省略されています)

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