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公開番号2025016812
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2021204371
出願日2021-12-16
発明の名称免疫系の異常に関連する疾患、障害または症状を処置するための医薬組成物
出願人レグセル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 38/17 20060101AFI20250129BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 安全な免疫制御法を提供すること。
【解決手段】 創傷、または創傷を伴う疾患、障害もしくは症状を治療または予防するための、CTLA-4もしくはそれをコードする核酸、またはその機能的等価物、またはそれらの少なくとも1つを誘導する因子を含む医薬組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
創傷、または創傷を伴う疾患、障害もしくは症状を治療または予防するための、CTLA-4もしくはそれをコードする核酸、またはその機能的等価物、またはそれらの少なくとも1つを誘導する因子を含む医薬組成物。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記CTLA-4が分泌型CTLA-4、及び膜型CTLA-4からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記CTLA-4が分泌型CTLA-4を含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
局所的に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
全身投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
抗生物質、抗真菌薬、または抗ウイルス薬と組み合わせて投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
創傷、または創傷を伴う疾患、障害もしくは症状を治療または予防するための、CTLA-4と抗生物質とを含む組み合わせ物。
【請求項8】
疾患、障害または症状を治療または予防するための、分泌型CTLA-4もしくはそれをコードする核酸、またはその機能的等価物、またはそれらの少なくとも1つを誘導する因子を含む医薬組成物。
【請求項9】
前記機能的等価物が、CTLA-4遺伝子のExon2にコードされるMYPPPYモチーフ領域を含むタンパク質またはペプチド、及び該タンパク質またはペプチドの二量体または多量体を含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記機能的等価物は、CTLA-4遺伝子のExon1にコードされるシグナル配列が、同種または異種由来の他のシグナル配列に置換されて発現されたタンパク質を含む、請求項8または9に記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、免疫系の異常に関連する疾患、障害または症状を処置するための医薬組成物に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)は、免疫系において重要な負の制御分子である。恒常的なCTLA-4の高発現は制御性T細胞(Treg)の特徴である。Tregが有害な免疫応答を抑制し、免疫恒常性を維持するためにはCTLA-4が必要である。また活性化エフェクターT細胞もCTLA-4を発現し、免疫応答が過剰にならないようフィードバック機構が働いている。
【0003】
CTLA-4には、共刺激分子であるCD80/86に結合できる2つのスプライシングバリアントが存在することが知られ、1つは、エクソン3によってコードされる膜貫通ドメインを有し、細胞膜中に係留されるmCTLA-4である。もう1つは、分泌のためにエクソン3を持たないsCTLA-4である。しかしながら、CTLA-4に関するほとんどの研究では免疫恒常性における各CTLA-4バリアントの役割を区別していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、生体内における分泌型CTLA-4の作用の発見に基づき、CTLA-4やそれをコードする核酸、またはその機能的等価物、またはそれらの少なくとも1つを誘導する因子を含む医薬組成物が、免疫制御に関連することを見出した。
【0005】
CTLA-4、特に分泌型CTLA-4を用いることで、炎症下でM2型マクロファージを誘導することができ、創傷治癒などを促進することができる。またM2型マクロファージは免疫を負に制御するサイトカインや分子を発現し、炎症を抑え、さらには組織の修復およびリモデリングを達成し得る。
【0006】
したがって、本開示は以下を提供する。
(項目1)
創傷、または創傷を伴う疾患、障害もしくは症状を治療または予防するための、CTLA-4もしくはそれをコードする核酸、またはその機能的等価物、またはそれらの少なくとも1つを誘導する因子を含む医薬組成物。
(項目2)
前記CTLA-4が分泌型CTLA-4、及び膜型CTLA-4からなる群より選択される少なくとも1つを含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目3)
前記CTLA-4が分泌型CTLA-4を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目4)
局所的に投与される、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目5)
全身投与される、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目6)
抗生物質、抗真菌薬、または抗ウイルス薬と組み合わせて投与される、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目7)
創傷、または創傷を伴う疾患、障害もしくは症状を治療または予防するための、CTLA-4と抗生物質とを含む組み合わせ物。
(項目D1)
疾患、障害または症状を治療または予防するための、分泌型CTLA-4もしくはそれをコードする核酸、またはその機能的等価物、またはそれらの少なくとも1つを誘導する因子を含む医薬組成物。
(項目D2)
前記機能的等価物が、CTLA-4遺伝子のExon2にコードされるMYPPPYモチーフ領域を含むタンパク質またはペプチド、及び該タンパク質またはペプチドの二量体または多量体を含む、上記項目に記載の医薬組成物。
(項目D3)
前記機能的等価物は、CTLA-4遺伝子のExon1にコードされるシグナル配列が、同種または異種由来の他のシグナル配列に置換されて発現されたタンパク質を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目D4)
局所的に投与される、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目D5)
全身投与される、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目D6)
抗生物質、抗真菌薬、または抗ウイルス薬と組み合わせて投与される、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目A1)
免疫系の異常に関連する疾患、障害または症状を治療または予防するための、分泌型CTLA-4もしくはそれをコードする核酸、またはその機能的等価物、またはそれらの少なくとも1つを誘導する因子を含む医薬組成物。
(項目A2)
前記免疫系の異常に関連する疾患、障害または症状は、炎症を伴う免疫系疾患を含む、上記項目に記載の医薬組成物。
(項目A3)
前記免疫系の異常に関連する疾患、障害または症状は、自己免疫疾患および/もしくはアレルギー、あるいはそれらに関連する疾患、障害または症状を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目A4)
前記免疫系の異常に関連する疾患、障害または症状は、自己免疫疾患に関連する疾患、障害または症状を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目A5)
前記免疫系の異常に関連する疾患、障害または症状は、アレルギーに関連する疾患、障害または症状を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目A6)
前記機能的等価物は、CTLA-4遺伝子のExon2にコードされるMYPPPYモチーフ領域を含むタンパク質またはペプチド、及び該タンパク質またはペプチドの二量体または多量体を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目A7)
前記機能的等価物は、CTLA-4遺伝子のExon1にコードされるシグナル配列が、同種または異種由来の他のシグナル配列に置換されて発現されたタンパク質を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目A8)
局所的に投与される、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目A9)
全身投与される、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目A10)
抗生物質、抗真菌薬、または抗ウイルス薬と組み合わせて投与される、上記項目のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目B1)
創傷、または創傷を伴う疾患、障害もしくは症状を治療または予防するための物質をスクリーニングする方法であって、
細胞を候補物質と接触させる工程と、
【0007】
本開示において、上記の1つまたは複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得ることが意図される。なお、本開示のさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【0008】
なお、上記した以外の本開示の特徴及び顕著な作用・効果は、以下の発明の実施形態の項及び図面を参照することで、当業者にとって明確となる。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、創傷、または創傷を伴う疾患、障害もしくは症状を治療または予防するための、CTLA-4もしくはそれをコードする核酸、またはその機能的等価物、またはそれらの少なくとも1つを誘導する因子を含む医薬組成物を提供することができる。本開示の医薬組成物は、免疫制御に関わるため、免疫系の異常に関連する疾患の治療とともに、自己免疫疾患などで破壊された組織の修復やリモデリングも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
8週齢野生型Balb/cマウスのナイーブもしくはエフェクターCD4+T細胞におけるsCTLA-4およびmCTLA-4 mRNA発現。
ヒトエフェクターTregにおけるsCTLA-4の増加。CD4+CD45RA+CD25+細胞(ナイーブTreg)、CD4+CD45RA-CD25
high
+細胞(エフェクターTreg:CD25
high
の<1%)およびCD4+CD45RA-CD25
int
+細胞(Foxp3+非Treg)におけるヒトsCTLA-4のmRNA発現を測定した。
OVA/CFAで免疫したDEREG DO11.10マウスから免疫後0、7、14および21日目に単離したCD4+Foxp3+(GFP+)細胞におけるsCTLA-4およびmCTLA-4のmRNA発現。
慢性創傷マウスから単離したTregにおけるsCTLA-4の増加。群飼中の喧嘩により偶発的に負傷したDEREG雄マウスの体表リンパ節から単離したFoxp3+(GFP+)CD4+T細胞におけるsCTLA-4およびmCTLA-4のmRNA発現を測定した。
S+M-マウスにおけるCTLA-4遺伝子座の模式図。エクソン3の前側のスプライシングアクセプター部位(86bp)を欠失させたベクターを設計した。ES細胞にエレクトロポレーションを行って相同組換えを誘導し、キメラマウスを作製した後、そのマウスをFLP1リコンビナーゼ遺伝子を有するFLPeRマウスと交配させ、neoカセットを欠失させた。その子孫がS+M-ノックインマウスである。sCTLA-4(S)+mCTLA-4(M)+野生型マウス、S+M-マウスおよびS-M-マウスのCTLA-4遺伝子座の模式図も示した。
PMA/イオノマイシン/モネンシンで4時間刺激した後のCD4+T細胞におけるCTLA-4およびFoxp3の共染色。
S+M-マウスにおける血中循環CTLA-4タンパク質の増加。
S+M-マウスのCTLA_4 mRNAではexon3がスキップされる。3週齢マウスの脾臓細胞およびリンパ球におけるCD4+T細胞のsCTLA-4(exon2-4ジャンクションを挟んだプライマーを用いた)およびmCTLA-4(exon3-4またはexon2-3ジャンクションを挟んだプライマーを用いた)のRNA発現を測定した。
3週齢の雄S+M+マウス、S+M-マウスおよびS-M-マウス、ならびにそれらのマウスの体重。
S+M-マウスおよびS-M-マウスの脾臓およびリンパ節の肥大。
抗dsDNA IgG抗体(抗核抗体)の血清中濃度。
抗胃壁細胞IgG抗体の血清中濃度。
S+M-マウス、S-M-マウス、S-M+マウスおよびS+M+マウスの生存曲線。S+M-マウスとS-M-マウスとの間の統計的有意性をログランク検定によって得た(P<0.0001)。
脾臓CD11b+細胞、CD11c+細胞、B220+細胞におけるCD80+サブセットもしくはCD86+サブセットの割合。
単離した脾臓CD11b+細胞におけるIL-4、IL-6およびIL-10のmRNA発現。
F4/80+CD11b+腹腔マクロファージを24時間培養した上清中のIL-10濃度。
IL-10の血清中濃度。
F4/80+CD11b+腹腔マクロファージのRNA-seq。全転写物解析による多次元スケーリングプロット(PCoA)を示した。
生物学的プロセスに関する遺伝子オントロジー(GO)解析(1)。図に示したマウスから単離したMφ群比較において最も濃縮されたGOタームの上位セットを示す。
生物学的プロセスに関する遺伝子オントロジー(GO)解析(2)。図に示したマウスから単離したMφ群比較において最も濃縮されたGOタームの上位セットを示す。
生物学的プロセスに関する遺伝子オントロジー(GO)解析(3)。図に示したマウスから単離したMφ群比較において最も濃縮されたGOタームの上位セットを示す。
野生型S+M+マウス腹腔マクロファージの遺伝子発現量を基準としたS+M-マウスおよびS-M-マウスの腹腔マクロファージの遺伝子発現量比(Log fold change)のヒートマップ。S+M-対S-M-で、有意差P<0.001の発現変化を示す遺伝子リストを示した。
腹腔マクロファージにおけるM1/M2関連遺伝子の相対的なFPKM値を、色分けしたマトリックスによって示す。
マクロファージにおいてIL-4およびIL-13によって誘導される典型的な遺伝子の発現比較。
IL-5およびIL-4の血清中濃度。
PMA/イオノマイシン/モネンシンで5時間刺激したFoxp3-CD4+血球中のIL-5産生細胞の割合。
PMA/イオノマイシン/モネンシンで5時間刺激したFoxp3-CD4+血球中のIL-4産生細胞の割合。
CD45+血球中の好酸球の割合。
脾臓に浸潤した好酸球のSiglec-F発現。
脾臓から単離した好酸球におけるIL-4のmRNA発現。
エオタキシン(CCL11)およびCCL22の血清中濃度。
腹腔マクロファージにおけるCCL24発現レベル。
S+M-マウスの肺胞マクロファージにおけるCD206発現の増加。
IL-4およびIL-10で24時間培養したS-M-マウスの脾臓マクロファージのCD80 MFIおよびCD206 MFI。
S+M-マウスでは、血清IL-33は増加していなかった。
S+M-マウスでは、血清TSLPは増加していなかった。
S+M-マウスの血液において、自然リンパ球(ILC)は増加していなかった。
S+M-マウスの腸間膜において、自然リンパ球(ILC)は増加していなかった。
S+M-マウスのCD45+血球において、好塩基球およびc-Kit+細胞は増加していなかった。
CD80/86ブロッキング抗体の存在下におけるTh2およびTh1の分化。抗CD80 mAbおよび抗CD86 mAbを用いて、ナイーブT細胞を抗CD3 mAbおよびT細胞枯渇脾臓細胞(主に抗原提示細胞)でTh2条件もしくはTh1条件で3日間刺激した後、PMA/イオノマイシン/モネンシンで5時間刺激し、Th2もしくはTh1の分化の割合を調べた。
Th2またはTh1の分化の割合を、CD80またはCD86をブロックしない条件を100%として算出した。
sCTLA-4組換えタンパク質の存在下におけるTh2およびTh1の分化。sCTLA-4 WT(野生型)、sCTLA-4 Y139A(変異型)またはCTLA-4 Igを用いて、ナイーブT細胞を抗CD3 mAbおよびT細胞枯渇脾臓細胞(主に抗原提示細胞)で3日間刺激した後、PMA/イオノマイシン/モネンシンで5時間刺激し、Th2もしくはTh1の分化の割合を調べた。
Th2細胞またはTh1細胞の分化の割合を、CTLA-4 Y139A(陰性対照)を用いた条件を100%として算出した。
sCTLA-4 WTおよびCTLA-4 IgによるTh1分化に対する抑制効果の用量反応曲線。Th1の分化の割合を、CTLA-4 Y139A(陰性対照)を用いた条件を100%として算出した。sCTLA-4 Y139Aと比較して、*はP<0.05を示し、***はP<0.001を示し、****はP<0.0001を示す。
sCTLA-4 WTおよびCTLA-4 IgによるTh2分化に対する抑制効果の用量反応曲線。Th2の分化の割合を、CTLA-4 Y139A(陰性対照)を用いた条件を100%として算出した。sCTLA-4 Y139Aと比較して、*はP<0.05を示し、***はP<0.001を示し、****はP<0.0001を示す。
sCTLA-4 WT(5μg/mL)、sCTLA-4 Y139A(5μg/mL)、CTLA-4 Ig(5μg/mL)またはIL-4(10ng/mL)で24時間培養した後のRAW264.7細胞におけるCD206、Arg1およびiNOSのmRNA発現。
図に示す各リンパ節由来のCD4+T細胞におけるsCTLA-4およびmCTLA-4のmRNA発現。
S+M-マウス、S-M-マウスおよびS+M+マウスの大腸。
大腸の長さ。
大腸のヘマトキシリン・エオジン染色。
腸間膜リンパ節のFoxp3-CD4+T細胞におけるIFNγ産生細胞およびIL-17A産生細胞。
大腸から単離したCD45+Siglec-F-Ly6G-CD11b+F4/80+マクロファージにおけるCD206、Fizz1、iNOSおよびIL-6のmRNA発現。
sCTLA-4による大腸炎の抑制。6週齢の複合免疫不全マウス(C.B17/Icr-scid)に、CD45.1コンジェニックマウスから単離したCD45RB
high
ナイーブT細胞を単独(黒丸)または3週齢のDEREG S+M-(白丸)、DEREG S-M-(白三角形)もしくはDEREG S+M+マウス(白四角形)から単離したFoxp3+(GFP+)CD4+Tregとともに静脈内投与した。細胞養子移入の日(Day0)の体重を100%として算出した。
図5Gに記載したように養子細胞移入したC.B17/Icr-scidマウスの8週間後の大腸ヘマトキシリン・エオジン染色切片。
大腸炎を組織学的にスコア化した。データにはクラスカル・ウォリス検定およびDunnの多重比較検定を適用した。
sCTLA-4による腫瘍免疫の抑制。C57BL/6マウスに、野生型sCTLA-4(sCTLA-4 WT)、Y139A変異体sCTLA-4(sCTLA-4 Y139A)またはCTLA-4 Igを産生するB16F10黒色腫細胞を皮下投与した。腫瘍の長辺と短辺を1日おきに測定した。腫瘍の面積を、2つの直径を用いて算出した。濃い太字で示した線は、点線で示した個々の腫瘍(n数は凡例に示してある)の平均増殖曲線を示す。sCTLA-4 WT B16F10とsCTLA-4 Y139A B16F10との間の統計的有意性を、接種後6日目、8日目、11日目、13日目および15日目において示した(*はP<0.0005を示す)。
sCTLA-4による腫瘍免疫の抑制はT細胞への作用である。ヌードマウスに、野生型sCTLA-4(sCTLA-4 WT)、Y139A変異体sCTLA-4(sCTLA-4 Y139A)またはCTLA-4 Igを産生するB16F10黒色腫細胞を皮下投与した。腫瘍の長辺と短辺を1日おきに測定した。腫瘍の面積を、2つの直径を用いて算出した。濃い太字で示した線は、点線で示した個々の腫瘍(n=5)の平均増殖曲線を示す。
接種後12日目の腫瘍の細胞抽出物中のIFNγの濃度。データにはクラスカル・ウォリス検定およびその後のDunnの検定を適用した。
sCTLA-4による腫瘍M2マクロファージ分化の促進。接種後12日目のB16F10黒色腫浸潤マクロファージにおけるCD206発現。
S-M+マウスにおける大腸菌人工染色体(BAC)CTLA-4遺伝子座の模式図。BACベクター(RP23-146J17)を改変し、exon3とexon4の間のイントロンを欠失させた。BACトランスジェニックマウスをS-M-マウスと交配させ、S-M+マウスを作製した。
S-M+マウスおよびS+M+マウスのCD4+T細胞におけるCTLA-4およびFoxp3の共染色。
6週齢S-M+マウスのCD4+T細胞においてsCTLA-4は発現していないが、mCTLA-4は発現する。
8、16および24週齢マウスの脾臓(Sp)またはリンパ節(Ln)のCD8+T細胞におけるCD44およびCD62Lの共染色。代表的なフローサイトメトリーのデータは、24週齢マウスのCD8+T細胞を示す。
24週齢マウスの脾臓またはリンパ節のCD4+T細胞におけるCD44およびCD62Lの共染色。
30週齢雌S-M+マウスおよび野生型対照(S+M+)マウス。
脾臓および末梢リンパ節の代表的な画像。
脾臓(Sp)、腸間膜または体表リンパ節(Ln)における細胞総数。
S-M+マウスおよび対照(S+M+)マウスの脂肪組織(それぞれn=10)および肺(それぞれn=6)のヘマトキシリン・エオジン染色の代表切片。
抗dsDNA IgG抗体(抗核抗体)、抗胃壁細胞IgG抗体、IL-6およびTNF-αの血清中濃度。データにはマン・ホイットニー検定を適用した。
CD11b+F4/80+腹腔マクロファージにおけるiNOS(Nos2)およびIL-6のmRNA発現。
脾臓、腸間膜リンパ節、または体表リンパ節のCD8+T細胞をPMA/イオノマイシン/モネンシンで5時間刺激後、IFNγおよびEomesを共染色した。
脾臓、腸間膜リンパ節、または体表リンパ節のCD4+T細胞をPMA/イオノマイシン/モネンシンで5時間刺激後、IFNγおよびIL-17Aを共染色した。
sCTLA-4は創傷治癒に重要な役割を果たす。6mmの生検パンチを用いて12週齢のS-M+マウスおよびS+M+マウスの背部の皮膚に1匹あたり2箇所創傷した(それぞれn=8のマウスを用いた)。創傷後1日目(d1)、3日目(d3)、5日目(d5)の各マウス背部の2箇所の創傷面積(mm

)の平均値を画像から測定した。
sCTLA-4は創傷後の再上皮化プロセスに重要な役割を果たす。5日目(d5)の創傷皮膚切片においてK14+表皮基底角化細胞(緑色)とDAPI(青色)を免疫蛍光染色で可視化した。創傷治癒において傷端から創傷下に遊走したK14+表皮角化細胞が増殖し傷をふさいだ長さ(Epi tongue length)によって、再上皮化を定量した。矢印は、再上皮化の徴候をまだ示していない時点(1日目)の傷端を示す。
30週齢マウスを用いた創傷治癒の外部観察。6mmの生検パンチを用いて30週齢のS-M+マウス(自己免疫の病態を示す)およびS+M+マウスの背部の皮膚に1匹あたり2箇所創傷した(それぞれn=8)。創傷後1日目(d1)、3日目(d3)、5日目(d5)の各マウス背部の2箇所の創傷面積(mm

)の平均値を画像から測定した。
30週齢マウスを用いた再上皮化プロセスの定量。5日目(d5)の創傷皮膚切片においてK14+表皮基底角化細胞(緑色)とDAPI(青色)を免疫蛍光染色で可視化し、Epi tongue lengthによって再上皮化を定量した。矢印は、再上皮化の徴候をまだ示していない時点(1日目)の傷端を示す。
IFNγ産生T細胞による炎症で創傷治癒が遅延する。12週齢S-M+マウスを用いた図6Nと30週齢S-M+マウス(1型自己免疫の病態を示す)を用いた図6Pの創傷治癒の程度を比較した。
30週齢マウスにおけるIgEの血清中濃度。データにはマン・ホイットニー検定を適用した。
S-M+マウスのパイエル板および腸間膜リンパ節において、濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh:Bcl-6+CXCR5+Foxp3-CD44+CD4+B220-(図7B)、もしくはPD-1+CXCR5+Foxp3-CD44+CD4+B220-)が増加していた(図7C)。
S-M+マウスのパイエル板および腸間膜リンパ節において、濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh:Bcl-6+CXCR5+Foxp3-CD44+CD4+B220-(図7B)、もしくはPD-1+CXCR5+Foxp3-CD44+CD4+B220-)が増加していた(図7C)。
sCTLA-4は、健康なマウスにおいてアレルギー病態の進行を抑制する。肺におけるOVA誘発性喘息実験は図に示したスキームで行った。まだ自己免疫病態を示していない健康な8週齢のS-M+においてアレルギー反応性GATA3+Th2の有意な増加が見られた。
自己免疫病態を示していない健康な8週齢のS-M+においてアレルギー反応性GATA3+Th2の有意な増加が見られた。
肺CD11c-I-A/I-E-CD24+Siglec-F+好酸球の割合。
肺胞マクロファージ(CD11c+Siglec-F+CD11b
int
CD64+)におけるCD206とCD71の共染色。各々の発現を蛍光強度の中央値で定量した(図7H、I)。
CD206の発現を蛍光強度の中央値で定量した。
CD71の発現を蛍光強度の中央値で定量した。
sCTLA-4はアレルギーによる組織へのリンパ球の浸潤を抑制する。肺組織のヘマトキシリン・エオジン染色を示した。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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