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公開番号2025015962
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-31
出願番号2023118909
出願日2023-07-21
発明の名称蛍光体、その製造方法、それを用いた顔料、圧力標準材料、および、発光装置
出願人国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類C09K 11/62 20060101AFI20250124BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 高圧および高温下においても安定な蛍光体、その製造方法、それを用いたインク、圧力標準材料、および、発光装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の蛍光体は、クロムが添加されたコランダム構造を有する酸化ガリウム結晶を含有し、1気圧、25℃において、250nm以上650nm以下の範囲の波長を有する光で励起されて、695nm以上700nm以下の範囲の波長にピークを有する光を発する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
クロムが添加されたコランダム構造を有する酸化ガリウム結晶を含有する、蛍光体。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
1気圧、25℃において、250nm以上650nm以下の範囲の波長を有する光で励起されて、695nm以上700nm以下の範囲の波長にピークを有する光を発する、請求項1に記載の蛍光体。
【請求項3】
1気圧、25℃において、250nm以上650nm以下の範囲の波長を有する光で励起されて、697nm以上700nm以下の範囲の波長にピークを有する光(R1線)と、695nm以上697nm未満の範囲の波長にピークを有する光(R2線)とを発する、請求項2に記載の蛍光体。
【請求項4】
P=(λ-λ

)/(0.315±0.005)(ここで、Pは、圧力(GPa)であり、λ

は、25℃、1気圧におけるR1線のピーク波長(nm)であり、λは、25℃、圧力PにおけるR1線のピーク波長(nm)である。)を満たす、請求項1~3のいずれかに記載の蛍光体。
【請求項5】
前記酸化ガリウム結晶は、(Ga
1-x
Cr




3-α
(ここで、Gaはガリウムであり、Crはクロムであり、Oは酸素であり、xは、0<x≦0.1であり、αは、-0.2≦α≦0.2である)で表される、請求項1~4のいずれかに記載の蛍光体。
【請求項6】
前記xは、0.001≦x≦0.05を満たす、請求項5に記載の蛍光体。
【請求項7】
前記酸化ガリウム結晶は、単結晶粒子である、請求項1~6のいずれかに記載の蛍光体。
【請求項8】
前記単結晶粒子の平均粒径は、1μm以上120μm以下の範囲である、請求項7に記載の蛍光体。
【請求項9】
酸化ガリウム粉末および酸化クロム粉末を含有する原料粉末を、700℃以上2300℃以下の温度範囲で、2GPa以上30GPa以下の圧力範囲で処理することを包含する、請求項1~8のいずれかに記載の蛍光体の製造方法。
【請求項10】
前記原料粉末において、前記酸化クロム粉末は、前記酸化ガリウム粉末に対して0mol%より多く10mol%以下の範囲で含有される、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化ガリウムを用いた蛍光体、その製造方法、それを用いた顔料、圧力標準材料、および、発光装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
コランダム構造を有する酸化アルミニウム(アルミナ、α-Al



)にクロムが添加された蛍光体が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。非特許文献1によれば、クロムが添加されたコランダム構造を有するアルミナ(Al



:Cr)は、可視光の励起によって赤色の発光(R1線、R2線)をする蛍光体である。赤色の発光波長が、圧力にしたがって長波長側に変化するため、圧力標準物質として用いられ、発光波長から圧力を求める手法をルビー蛍光法と呼ぶ。しかしながら、非特許文献1の図15によれば、圧力の増加にともない、励起波長が短波長側にシフトするため、励起光の励起源に制限が出たり、発光強度が低下したりする。そのため、Al



:Crに代わる圧力標準物質が望まれる。
【0003】
一方、酸化ガリウム(Ga



)は、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)、ε(イプシロン)の結晶構造を有することが知られており、パワーデバイス半導体として知られている。
【0004】
これまでに、酸化ガリウム(Ga



)にクロムが添加された蛍光体が報告されている(例えば、非特許文献2、特許文献1を参照)。非特許文献2によれば、単斜晶系β-ガリア構造を有するGa



にクロムが添加された蛍光体は、85Kの低温において可視光の励起によって赤色の発光(R1線、R2線)をすることから、低温における圧力標準物質としての使用が報告されている。しかしながら、β-Ga



は高圧下で安定な物質ではないため、20GPaより高圧の圧力を測定することはできない。また、室温での圧力標準物質としては使用されていない。
【0005】
また、特許文献1は、Ga



とCr



とを融剤とともに混合し、大気雰囲気下で焼成することによって、Ga



:Cr蛍光体が得られることを開示する。特許文献1によれば、Ga



:Cr蛍光体は、385nmの光で励起され、730nm付近に発光ピークを有する。しかしながら、特許文献1に記載のGa



もまた、非特許文献3によれば、非特許文献2と同様にβ-ガリア構造である。したがって、室温、かつ、高圧下で安定であり、かつ、20GPaを超えた高圧下においても安定な蛍光体が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-71389号公報
【非特許文献】
【0007】
K.Syassen,High Pressure Research,Vol.28,No.2,June 2008,75-126
T P Bealesら,Solld State Communications,Vol.73,No.1,pp.1-3,1990
C.G.Walshら,Journal of Luminescence,Vol.40&41,103-104,1988
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上から、本発明の課題は、高圧および高温下においても安定な蛍光体、その製造方法、それを用いたインク、圧力標準材料、および、発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の蛍光体は、クロムが添加されたコランダム構造を有する酸化ガリウム結晶を含有し、これにより上記課題を解決する。
1気圧、25℃において、250nm以上650nm以下の範囲の波長を有する光で励起されて、695nm以上700nm以下の範囲の波長にピークを有する光を発してもよい。
1気圧、25℃において、250nm以上650nm以下の範囲の波長を有する光で励起されて、697nm以上700nm以下の範囲の波長にピークを有する光(R1線)と、695nm以上697nm未満の範囲の波長にピークを有する光(R2線)とを発してもよい。
P=(λ-λ

)/(0.315±0.005)(ここで、Pは、圧力(GPa)であり、λ

は、25℃、1気圧におけるR1線のピーク波長(nm)であり、λは、25℃、圧力PにおけるR1線のピーク波長(nm)である。)を満たしてもよい。
前記酸化ガリウム結晶は、(Ga
1-x
Cr




3-α
(ここで、Gaはガリウムであり、Crはクロムであり、Oは酸素であり、xは、0<x≦0.1であり、αは、-0.2≦α≦0.2である)で表されてもよい。
前記xは、0.001≦x≦0.05を満たしてもよい。
前記酸化ガリウム結晶は、単結晶粒子であってもよい。
前記単結晶粒子の平均粒径は、1μm以上120μm以下の範囲であってもよい。
本発明の上記蛍光体の製造方法は、酸化ガリウム粉末および酸化クロム粉末を含有する原料粉末を、700℃以上2300℃以下の温度範囲で、2GPa以上30GPa以下の圧力範囲で処理することを包含し、これにより上記課題を解決する。
前記原料粉末において、前記酸化クロム粉末は、前記酸化ガリウム粉末に対して0mol%より多く10mol%以下の範囲で含有されてもよい。
前記温度範囲は、1000℃以上1500℃以下の範囲であってもよい。
前記圧力範囲は、2GPa以上10GPa以下の範囲であってもよい。
本発明の顔料は、少なくとも上記蛍光体を含有し、これにより上記課題を解決する。
本発明の圧力標準材料は、少なくとも上記蛍光体を含有し、これにより上記課題を解決する。
本発明の発光装置は、300nm以上650nm以下の範囲のいずれかの波長を有する光を発する励起源と、少なくとも上記蛍光体とを含み、これにより上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0010】
本発明による蛍光体は、クロムが添加されたコランダム構造を有する酸化ガリウム結晶を含有する。本発明の蛍光体は、室温および大気圧下において、可視光の照射によって励起されて、650nm以上700nm以下の範囲にピークを有する赤色光を発する。本発明の蛍光体は、コランダム構造を有する酸化ガリウムを母体とするため、高温および高圧下においても安定である。本発明の蛍光体は高温高圧プロセスによって製造できる。
(【0011】以降は省略されています)

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