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公開番号2025015735
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2024200658,2021560331
出願日2024-11-18,2020-03-27
発明の名称プラスチックからベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)などの低分子量芳香族化合物を製造する方法
出願人バイオビーティーエックス・ベー・フェー
代理人個人,個人,個人
主分類C07C 6/00 20060101AFI20250123BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、プラスチックからベンゼン、トルエン、及びキシレン(BTX)などの低分子量芳香族化合物を調製するための新規なプロセスに関する。
【解決手段】プラスチックを含む供給原料流から芳香族化合物を調製するための熱-触媒熱分解プロセスが提供され、そのプロセスは以下のステップを含む:a)プラスチックを含む供給原料流を600~1000℃の範囲内の熱分解温度において熱分解処理にかけて、熱分解蒸気を生成するステップ、b)任意選択により場合によっては、熱分解蒸気を熱分解温度よりも低い温度へと冷却するステップ、c)接触変換ステップにおいて、450~700℃の範囲内の芳香族化温度(芳香族化温度は熱分解温度より少なくとも50℃低い)において、蒸気相を芳香族化触媒と接触させて、芳香族化合物を含む変換生成物を生成するステップ、及びd)任意選択により場合によっては、その変換生成物から芳香族化合物を回収するステップ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プラスチックを含む供給原料流から低分子量単環式芳香族化合物を調製するための2段階の熱-触媒熱分解プロセスであって、以下のステップ:
a)プラスチックを含む供給原料流を600~1000℃の範囲内の熱分解温度(T
pyr
)において熱分解処理にかけて、熱分解蒸気を生成させるステップ;
b)任意選択により場合によっては、前記熱分解蒸気を、前記熱分解温度よりも低い温度まで積極的に冷却するステップ;及び
c)接触変換ステップにおいて、前記熱分解蒸気を、450~700℃の範囲内の芳香族化温度(T
arom
)において芳香族化触媒と接触させて(ここで、前記芳香族化温度は前記熱分解温度より少なくとも50℃低い)、低分子量芳香族化合物を含む変換生成物を生じさせるステップ;及び
d)任意選択により場合によっては、前記変換生成物から、低分子量単環式芳香族化合物を回収するステップ、
を含む、プロセス。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】

pyr
が、650~950℃の範囲内、好ましくは700~850℃の範囲内にある、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
ステップa)において、前記熱分解の反応器中での滞留時間が2分未満、好ましくは1分未満、より好ましくは30秒未満である、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】

arom
が、500~700℃、好ましくは500~650℃、より好ましくは500~600℃の範囲内にある、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】

arom
がT
pyr
よりも少なくとも80℃低い、好ましくは少なくとも100℃低い、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】

arom
がT
pyr
よりも最大で200℃低く、好ましくは最大で175℃低い、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】

pyr
が650~850℃の範囲内にあり、T
arom
が500~600℃の範囲内にある、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ステップc)において、芳香族化の反応器内での滞留時間が2分未満、好ましくは1分未満、より好ましくは30秒未満である、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
ステップd)が、前記変換生成物からベンゼン、トルエン、及びキシレン(BTX)を回収する工程を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
熱分解ステップa)及び接触変換ステップc)を2つの異なる反応器中で行う、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックから低分子量単環式芳香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレン(BTX)を調製するための新規な方法に関する。これらの化合物は、エチルベンゼン、クメン、シクロヘキサン、アジピン酸(ベンゼンから)、トルエンジイソシアネート、ベンズアルデヒド及び安息香酸(トルエンから)、並びにテレフタル酸(p-キシレンから)などの大量化学物質のための重要な出発物質である。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
現在、上述した芳香族化合物は、主に、化石資源の精製工程で製造されている。一般的な方法には、スチームクラッキング、スチームリフォーミング、接触クラッキング(catalytic cracking)、及び接触リフォーミングが含まれる。あるいは、バイオマス、廃棄物、又はそれらの組み合わせが調製に使用される。混合廃プラスチックは、この目的のための関心がもたれる代替原料であると考えられている。化学合成及び/又は熱化学的変換によってバイオマス又は廃プラスチック材料を芳香族化合物に変換することができるいくつかの経路が提案されている。しかし、ごくわずかの技術しか、パイロットスケールあるいはそれ以上までスケールアップされていない。
【0003】
プラスチックを芳香族化合物に熱変換することは、プラスチックの廃棄を減らし、大量化学物質を生成するための有望な技術であり、特に、簡単にリサイクルすることができない混合プラスチック及び/又は汚染されたプラスチックの場合にそうである。ところが現在、これらのストリームは焼却されており、いくつかの場合には、プラスチックを代替燃料に変換するために使用されているが、化学産業のための化学ビルディングブロックへの変換は、これらの廃棄物ストリームに大いに価値を付与する。
【0004】
さまざまな記事や特許が、プラスチック、混合プラスチック廃棄物、バイオマスと混合されたプラスチック、及びそれらの混合物の、代替燃料及び大量化学物質への(触媒による(接触))熱分解について記述している。以下の5種類の変換を区別することができる:
1.非触媒熱分解(non-catalytic pyrolysis):不活性雰囲気中での昇温した温度おける材料の非接触(非触媒)熱分解。熱分解は化学組成の変化を含み、不可逆である。
2.イン・サイチュ(その場, in situ)での接触熱分解:上述した、触媒の直接存在下での熱分解。触媒は、必要とされる熱分解温度、生成物の組成、又はその両方を変えうる。
3.エクス・サイチュ(系外, ex situ)接触熱分解:上述した熱分解だが、その熱分解反応からの蒸気が、熱分解セクションとは区別可能なセクションにおいて触媒を使用して改質される(アップグレードされる)。
4.統合型カスケード接触熱分解(Integrated Cascading Catalytic Pyrolysis (ICCP)):上記2と3の組み合わせであり、すなわち、接触熱分解、典型的にはクラッキング触媒を使用した接触熱分解と、それに続く第二の触媒を用いる蒸気の改質(アップグレード)。
5.2ステップ非統合型プロセス:クラッキング触媒の助け有り又は無しでの熱分解と、それに続く凝縮、及びさらに続いての、少なくとも液体の画分の接触変換(catalytic conversion)。
【0005】
Lopezら(Renewable and Sustainable Energy Reviews, 73(2017), pp. 346-368)は、燃料及び化学物質へのプラスチックの熱変換に関する文献を概説(レビュー)している。 Miandadら(Process Safety and Environmental Protection, 102(2016), pp. 822-838)は、プラスチック廃棄物の接触熱分解に関する文献を概説している。
【0006】
さまざまな研究が、温度、加熱速度、滞留時間、触媒などの操作条件を選択して、熱分解又は接触熱分解による廃プラスチックからのBTXの製造に向けられてきた。たとえば、Bagri及びWilliams(Journal of Analytical and Applied Pyrolysis, 63, 1(2002), pp. 29-41)を参照されたい。彼らはポリエチレンの系外(ex situ)接触熱分解プロセスにおける温度効果を研究した。熱分解は500℃で行われ、熱分解ガスは400~600℃の範囲の温度において触媒床を含む第2の反応器へと送られた。芳香族含有量は、接触変換の温度の上昇とともに増加することが発見された。
【0007】
Takumaらは、375~550℃でのH-ガロシリケート触媒を用いる、ポリオレフィンの接触分解による芳香族炭化水素の生成を研究した。BTXの収率は温度に左右され、60.5%のBTX収率が525℃で得られることが発見された。しかし、H-ガロシリケート触媒は経済的に実現可能な方法で調製することができないので、このプロセスは工業規模での適用を可能にしない。いずれにせよ、Lopezらの文献における全体的な結論は、工業的規模が可能な方法を使用して報告されたBTXの収率は低く、通常は20%未満である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
米国特許出願公開第2017/0247617号明細書
米国特許出願公開第2009/0170739号明細書
【非特許文献】
【0009】
Lopezら, Renewable and Sustainable Energy Reviews, 73(2017), pp. 346-368
Miandadら, Process Safety and Environmental Protection, 102(2016), pp. 822-838
Bagri及びWilliams, Journal of Analytical and Applied Pyrolysis, 63, 1(2002), pp. 29-41
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明者らは、BTXの商業的生産へとスケールアップすることを可能にするプロセス、特に、市販されている又は市販されるようにすることが可能である触媒の使用を含むプロセスにおいて、プラスチックを含む供給原料流から、低分子量芳香族化合物、特に単環式芳香族、例えばBTXの収率を向上させることを目的とした。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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