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公開番号2025015702
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2024199932,2021536414
出願日2024-11-15,2019-12-09
発明の名称改善された抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲート
出願人サプリーム テクノロジーズ,ベー.フェー.,SAPREME TECHNOLOGIES B.V.
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類A61K 47/68 20170101AFI20250123BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明のある実施形態では、改善された生物活性な化合物、又はかかる改善された生物活性な化合物を含む組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分、及び少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分に関する。本発明のある態様は、組成物であり、本発明の少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分又は少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分を含む。本発明は、共有結合的に連結されたサポニンを含む抗体-薬物コンジュゲート及び共有結合的に連結されたサポニンを含む抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートにもまた関する。本発明のある態様は、医薬組成物に関し、本発明の少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分又は少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分を含み、任意にさらに薬学的に許容される賦形剤を含む。本発明は、医薬として使用するための、少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分又は少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分にもまた関する。本発明は、癌の処置又は予防において使用するための、本発明の少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分又は少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分にもまた関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
細胞表面分子標的化分子及び少なくとも1つのエフェクター部分を含み、少なくとも1つの共有結合したサポニンをさらに含むコンジュゲートであって、少なくとも1つのサポニンがトリテルペノイドサポニンである、コンジュゲート。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
少なくとも1つのサポニンが、C-23位にアルデヒド官能基を有する12,13-デヒドロオレアナンの型に属するビスデスモシド型トリテルペンサポニンである、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項3】
少なくとも1種のサポニンが、該サポニンのC-3ベータ-OH基の炭水化物置換基にグルクロン酸官能基を含んでなる、請求項1または2に記載の抱合体。
【請求項4】
少なくとも1つのサポニンが、Gypsophila種及び/またはSaponaria種及び/またはAgrostemma種及び/又はQuillaja SaponariaなどのQuillaja種のいずれか1つ以上から単離され、かつ/又は単一の特定のサポニンであるか、または2つ以上の異なるサポニンの混合物であり、かつ/又は少なくとも1つのサポニンが3.000ダルトン以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
【請求項5】
少なくとも1つのサポニンが、表A1またはスキームIのサポニン、SO1861、SA1657、GE1741、SA1641、QS-21、QS-21A、QS-21 A-api、QS-21 A-xyl、QS-21B、QS-21 B-api、QS-21 B-xyl、QS-7-xyl、QS-7-api、QS-17-api、QS-17-xyl QS1861、QS1862、Quillajasaponin、Saponinum album、QS-18、Quil-A、Gyp1、ジプソシドA、AG1、AG2、SO1542、SO1584、SO1658、SO1674、SO1832の1つ以上、又はそれらの立体異性体のいずれか、及び/又はそれらの組み合わせであり、及び/又はサポニンは、SO1861及び/又はGE1741及び/又はSA1641及び/又はQS-21及び/又はキラ酸アグリコンコアを有するサポニンである、C-3β-OH基のGal-(1→2)-[Xyl-(1→3)]-GlcA炭水化物置換基、及びC-28-OH基のGlc-(1→3)-Xyl-(1→4)-Rha-(1→2)-[Xyl-(1→3)-4-OAc-Qui-(1→4)]-Fuc炭水化物置換基を有する、及び/又は3-O-β-D-ガラクトピラノシル-(1→2)-[β-D-キシロピラノシル-(1→3)]-β-D-グルクロノピラノシルキラ酸28-O-β-D-グルコピラノシル-(1→3)β-D-キシロピラノシル-(1→4)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-[β-D-キシロピラノシル-(1→3)-4-OAc-β-D-キノボピラノシル-(1→4)]-β-D-フコピラノシドである、請求項1~4のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
【請求項6】
少なくとも1つのサポニンは、分子量が1,500ダルトン以上であり、C-23位にアルデヒド基及び/又はC-16位にヒドロキシル基を含むオレアナン型トリテルペンを含み、C-3位に第1の分岐炭水化物側鎖を有し、この第1の分岐炭水化物側鎖はグルクロン酸を含むか、または含まない。また、サポニンはC-28位に第2の分岐炭水化物側鎖を持つエステル基を含み、またはこの第2の分岐炭水化物側鎖は少なくとも4つの糖単位を含み、または少なくとも1つのアセチル残基、例えば2つのアセチル残基を含み、またはデオキシ糖を含み、またはキノボースを含み、またはグルコースを含み、または4-メトキシシンナム酸を含み、または5-O-[5-O-Ara/Api-3,5-ジヒドロキシ-6-メチル-オクタノイル]-3,5-ジヒドロキシ-6-メチル-オクタン酸を含み、または5-O-[5-O-Rha-(1→2)-Ara/Api-3,5-ジヒドロキシ-6-メチル-オクタノイル]-3,5-ジヒドロキシ-6-メチル-オクタン酸を糖とエステル結合で結びつけたものである。または、少なくとも1つのサポニンはQS-21またはQS-21A、QS-21 A-api、QS-21 A-xyl、QS-21B、QS-21 B-api、QS-21 B-xyl、QS-7-xyl、QS-7-api、QS-17-api、QS-17-xyl、QS-18、QS1861、陽イオン化されたQS1861(QS1862)、Quil-Aのいずれかである、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
【請求項7】
細胞表面分子標的化分子が、細胞表面分子に結合するためのリガンド又はタンパク質性リガンド又はタンパク質性結合分子からなるか又はそれらからなる、請求項1~6のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
【請求項8】
細胞表面分子標的化分子が、EGFやサイトカインなどの細胞表面分子に結合するための非タンパク質性リガンド及び/又はタンパク質性リガンドであり、または免疫グロブリン、免疫グロブリンの少なくとも1つの結合ドメイン及び/又は免疫グロブリンの少なくとも1つの結合断片、例えば抗体、IgG、VhhドメインまたはVhドメインを含む分子、Fab、scFv、Fv、dAb、F(ab)2、Fcab断片など、細胞表面分子に結合し得る、請求項1~7のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
【請求項9】
細胞表面分子標的化分子が、腫瘍細胞表面分子または腫瘍細胞特異的受容体またはCD71、CA125、EpCAM(17-1A)、CD52、CEA、CD44v6、FAP、EGF-IR、インテグリン、シンデカン-1、血管インテグリンα-Vベータ-3、HER2、EGFR、CD20、CD22、葉酸受容体1、CD146、CD56、CD19、CD138、CD27L受容体、PSMA、CanAg、インテグリンαV、CA6、CD33、メソテリン、クリプト、CD3、CD30、CD239、CD70、CD123、CD352、DLL3、CD25、エフリンA4、MUC1、Trop2、CEACAM5、CEACAM6、HER3、CD74、PTK7、Notch3、FGF2、C4.4A、FLT3、CD38、FGFR3、CD7、PD-L1、CTLA4、CD52、PDGFRA、VEGFR1、VEGFR2から選択される受容体に結合し得る、請求項1~8のいずれか1項に記載のコンジュゲート。
【請求項10】
細胞表面分子標的化分子がCD71に結合し得る、請求項9に記載のコンジュゲート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分に、及び少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分、例えば抗体-薬物コンジュゲート及び抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートに関する。本発明のある態様は、組成物であり、本発明の少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分又は少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分を含む。本発明は、共有結合的に連結されたサポニンを含む抗体-薬物コンジュゲート及び共有結合的に連結されたサポニンを含む抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートにもまた関する。本発明のある態様は、医薬組成物に関し、本発明の少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分又は少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分を含み、任意にさらに薬学的に許容される賦形剤を含む。本発明は、医薬として使用するための、少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分又は少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分にもまた関する。本発明は、癌の処置又は予防において使用するための、本発明の少なくとも1つのサポニンを提供されるリガンド-エフェクター部分又は少なくとも1つのサポニンを提供される抗体-エフェクター部分にもまた関する。
続きを表示(約 5,800 文字)【背景技術】
【0002】
治療的な生物活性を有する分子は、多くの場合に、その必要があるヒト患者の癌などの疾患の処置のための有効な治療薬物としての適用にとって理論上好適である。典型的な例は低分子の生物活性部分である。しかしながら、現行で臨床に用いられている全てではないにしても多くの可能性としての薬物様分子及び治療薬は、過多な短所及び欠点の少なくとも1つを患っている。人体に投与されるときに、治療的に活性な分子は、処置されるべき疾患又は健康問題の基礎となる側面を指向する生物活性に加えて、オフターゲット効果を発揮し得る。かかるオフターゲット効果は望ましくなく、投与された分子の健康又はさらには生命を脅かす副作用の誘導のリスクを持つ。多くの薬物様化合物及び治療薬部分が第III相治験又はさらには第IV相治験(上市後フォローアップ)に失敗することを引き起こすのは、かかる有害事象の生起である。よって、低分子治療薬などの薬物分子を提供する強い要望があり、薬物分子の治療効果は、例えば、特に(1)疾患を駆動する生物学的因子若しくは生物学的プロセスに対して高度に特異的であり、(2)十分に安全であり、(3)十分に有効であり、(4)非有疾患細胞に対するオフターゲット活性なし若しくはほとんどなしに、有疾患細胞を十分に指向し、(5)十分に適時的な作用機序を有し(例えば、投与された薬物分子は、ある種の時間枠内にヒト患者の標的部位に達するべきであり、ある種の時間枠に渡って標的部位に留まるべきである)、及び/又は(6)患者の体内において十分に長く続く治療活性を有するべきである 。既に長く続くかつ鋭意の研究にもかかわらず、並びに個々に対処された直面した困難及び欠点のいくつかのエリアにおいてなされた印象的な進歩にもかかわらず、残念ながら、今日まで、ここで上に概説された有益な特徴の多く又はさらに全てを有する「理想的な」治療薬は患者にとって利用可能ではない。
【0003】
化学療法は、癌処置のための最も重要な治療オプションの1つである。しかしながら、それは健康な組織の分裂細胞と比べて癌細胞に対する特異性を有さないので、それはしばしば低い治療ウィンドウと関連する。モノクローナル抗体の本発明は、正常細胞は見逃しながら、癌細胞への細胞毒性薬剤の標的化された送達のためのメカニズムとして、それらの特異的結合特性を活用する可能性を提供した。これは、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を作り出すための、抗体への細胞毒性エフェクター(ペイロード又は弾頭としてもまた公知)の化学的コンジュゲート化によって達成され得る。典型的には、それらの非コンジュゲート化形態において限定された治療指数(毒性なドーズを有効なドーズと比較する比)を有するエムタンシン(DM1)などの非常に強力なペイロードが用いられる。Kadcyclaとしてもまた公知のトラスツズマブへのDM1のコンジュゲート化(アドトラスツズマブエムタンシン)は、サルにおいて、DM1の忍容ドーズを少なくとも2倍向上させる。過去数十年に、治療薬ADCを開発するために膨大な努力及び投資がなされてきた。しかしながら、有望な前臨床データにもかかわらず、ADCを臨床に持ち込むことは難しいままである。臨床使用を認可された最初のADCは、2000年の再発急性骨髄性白血病(AML)のためのゲムツズマブオゾガマイシン(CD33標的化マイロターグ、Pfizer/Wyeth)であった。しかしながら、マイロターグは、その安全性プロファイルを包含するいくつもの懸念を原因として、連邦医薬品局(FDA)の要請で市場から取り下げられた。マイロターグによって処置された患者は、従来の化学療法によって処置された患者よりもしばしば死亡することが見出された。マイロターグは、より低い推奨ドーズ、化学療法との組み合わせで又はそれ自体での異なるスケジュール、及び新たな患者集団でもって2017年に再び上市承認された。今日まで、5つのADCのみが臨床使用を認可されており、一方で、およそ55個のADCの臨床開発が取りやめられている。しかしながら、関心は高いままであり、現在、およそ80個のADCが600近くの治験によって依然として臨床開発中である。
【0004】
通常は患者によって忍容されない毒性のペイロードを用いるポテンシャルにもかかわらず、低い治療指数(毒性のドーズを有効なドーズと比較する比)は、臨床開発における多くのADCの中止を説明する主要な問題である。これは、いくつかのメカニズム、例えば正常細胞に対するオフターゲット毒性、細胞毒性薬剤に対する抵抗性の発生、及び循環中の薬物の尚早な放出によって引き起こされ得る。ADCのFDAによる系統的なレビューは、ほとんどのADCの毒性プロファイルが、用いられる抗体ではなく用いられるペイロードに従ってカテゴリー分けされ得るということを見出しており、毒性がペイロードの尚早な放出によってほとんど決定されるということを示唆する。中止されたおよそ55個のADCのうち、少なくとも23個が不良な治療指数を原因としたということが見積もられる。例えば、かなりのレベルのHER2を発現する肺組織におけるオンターゲット正常組織効果をおそらく原因とする狭い治療指数を原因として、トラスツズマブ・テシリンコンジュゲート(HER-2標的化ADCT-502、ADC therapeutics)の開発は最近中止された。加えて、第3相試験中のいくつかのADCは、欠けているプライマリーエンドポイントを原因として中止された。例えば、新たに診断された神経膠芽細胞腫の患者において試験されたデパツキシズマブマホドチンコンジュゲート(EGFR標的化ABT-414、AbbVie)及び白金抵抗性卵巣癌の患者において試験されたミルベツキシマブソラブタンシンコンジュゲート(葉酸受容体アルファ(FRα)標的化IMGN853、ImmunoGen)の第3相試験は、最近停止され、生残の利益を示さなかった。いくつかのADCの臨床的に用いられるドーズは、その完全な抗癌活性にとって十分ではなくあり得るということに留意することが重要である。例えば、アドトラスツズマブエムタンシンはヒトでは3.6mg/kgのMTDを有する。乳癌の前臨床モデルにおいて、アドトラスツズマブエムタンシンは、3mg/kgの又はそれよりも上のドーズレベルで腫瘍退縮を誘導したが、より強力な有効性が15mg/kgにおいて観察された。これは、臨床投与されるドーズでは、アドトラスツズマブエムタンシンが、その最大の可能性としての抗腫瘍効果を発揮せずにあり得るということを示唆する。
【0005】
ADCは、主に、抗体、ペイロードなどの細胞毒性部分、及びリンカーからなる。既存の問題を克服するための新たなADCの設計及び開発において、いくつかの新規の戦略が提案及び実施されており、ADCのコンポーネントのそれぞれを標的化している。例えば、抗体コンポーネントの満足な抗原性標的の同定及びバリデーションにより、腫瘍においては高い発現レベルを有しかつ正常な組織においては発現を有さないか又はほとんど有さない抗原、循環するADCにとってアクセス可能であるように細胞表面上に存在する抗原、及び結合後の細胞内へのADCの内在化を許す抗原を選択することによる;並びに活性の代替的なメカニズム;ADCの可溶性及び薬物対抗体比(DAR)を向上させ、並びに化学療法薬剤を細胞外に輸送し得るタンパク質により誘導される抵抗性を克服するリンカーを設計並びに最適化する;より多くのペイロードの包含によってDAR比を向上させ、抗体の均質性及び開発可能性を改善するように抗体を選択及び最適化する。ADCのテクノロジー開発に加えて、治療指数を最大化、例えば分割投薬による投薬スケジュールを変化させ;生体内分布研究を行い;バイオマーカーを包含して患者の選択を最適化、応答シグナルを早く捕捉、応答の持続時間及び深さをモニタリング、並びに併用研究に情報提供するための、新たな臨床的及び橋渡し的戦略もまた展開されつつある。
【0006】
臨床的なポテンシャルを有するADCの例は、リンパ系悪性物及び多発性骨髄腫の処置オプションとして評価されているADC、例えばブレンツキシマブベドチン、イノツズマブオゾガマイシン、モキセツモマブパスドトクス、及びポラツズマブベドチンである。(悪性)B細胞上のCD79bに結合するポラツズマブベドチン及びCD22に結合するピナツズマブベドチンが、治験によって試験されている。ADCは、それぞれ、CD20に結合するモノクローナル抗体の同時投与のリツキシマブと組み合わせられ、ペイロードは提供されなかった(B.Yu and D.Liu,Antibody-drug conjugates in clinical trials for lymphoid malignancies and multiple myeloma;Journal of Hematology & Oncology(2019)12:94)。これらの例などのモノクローナル抗体の組み合わせは、なおさらなるアプローチであり、ADCの前に言及された所望の特徴の多く又はさらには全てを組み合わせる「魔法の弾丸」に到達することを試みる。
【0007】
一方で、過去数十年に、核酸に基づく治療薬が開発中である。治療薬核酸は、遺伝子治療、RNA干渉(RNAi)などのアプローチのための、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO、AON)、及び短鎖干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA、並びにDNA及びRNAアプタマーに基づき得る。それらの多くは、DNA又はRNA発現どちらかの阻害による作用の同じ根源的な基礎を共有し、これによって、疾患に関係する異常なタンパク質の発現を防止する。最も多数の治験は遺伝子治療の分野で行われており、世界的にはほぼ2600の進行中又は完了した治験であるが、約4%のみが第3相に入る。これの次に、ASOによる治験である。ADCと類似に、多数の技術が探求されているにもかかわらず、治療薬核酸は、臨床開発中に2つの主要なイシューを共有する;細胞内への送達及びオフターゲット効果である。例えば、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミダートモルフォリーノオリゴマー(PMO)、ロックド核酸(LNA)、及びブリッジ型核酸(BNA)などのASOが、標的遺伝子、特に低分子阻害剤又は中和抗体によって標的化することが困難である遺伝子を特異的に阻害するための魅力的な戦略として検討されつつある。現行では、異なるASOの有効性が、多くの神経変性疾患、例えばハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、及び筋萎縮性側索硬化症において、並びにいくつかの癌ステージにおいてもまた研究されつつある。可能性としての治療薬剤としてのASOの適用は、標的細胞及び組織の細胞質及び/又は核へのそれらの送達のための安全かつ有効な方法を要求する。ASOの臨床的妥当性は実証されているが、インビトロ及びインビボ両方の非効率的な細胞取り込みはASOの有効性を限定し、治療薬開発のバリアであった。細胞取り込みはドーズの<2%であり得、有効なかつ持続的な結果にとっては低すぎるASO濃度を活性部位においてもたらす。これは帰結的に投与ドーズの増大を要求し、これはオフターゲット効果を誘導する。最も普通の副作用は、補体カスケードの活性化、凝血カスケードの阻害、及び免疫系のtoll様受容体によって媒介される刺激である。
【0008】
化学療法薬は最も普通には低分子である。しかしながら、それらの有効性は、重度の副次的オフターゲット毒性、並びにそれらの不良な溶解性、急速なクリアランス、及び限定された腫瘍暴露によって妨害される。骨格-低分子薬物コンジュゲート、例えばポリマー-薬物コンジュゲート(PDC)は薬理学的活性を有する高分子構築物であり、これは、担体骨格(例えばポリエチレングリコール(PEG))に結合された低分子薬物の1つ以上の分子を含む。
【0009】
かかるコンジュゲート原理は大いなる注目を引きつけており、数十年に渡って検討中である。前臨床又は臨床開発中の低分子薬物のコンジュゲートの大多数は、腫瘍学的適応症のためである。しかしながら、最新では、癌に関係しない1つの薬物(オピオイドアンタゴニストナロキソンのPEGオリゴマーコンジュゲートMovantik、アストラゼネカ)のみが、慢性疼痛患者におけるオピオイド誘導性の便秘について2014年に認可されている。これは非腫瘍学的適応症である。ヒト対象の処置への薬物-骨格コンジュゲートの橋渡し適用は、これまでほとんど臨床的成功を提供していない。例えば、PK1(N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)コポリマードキソルビシン;Pharmaciaによる開発、Pfizer)は、マウスモデルにおいて固形腫瘍及び白血病両方に多大な抗癌活性を示しており、腫瘍学的適応症について臨床的検討中であった。それは人間において非特異的毒性の有意な縮減及び改善された薬物動態を実証したにもかかわらず、抗癌有効性の改善は患者において些細であることが判明し、帰結として、PK1のさらなる開発は中止された。
【0010】
骨格-低分子薬物コンジュゲートの失敗は、少なくとも部分的には、腫瘍部位におけるその不良な蓄積に帰せられる。例えば、ネズミモデルにおいて、PK1は、健康な組織(肝臓、腎臓、肺、脾臓、及び心臓)よりも腫瘍において45~250倍高い蓄積を示したが、腫瘍における蓄積は、治験において患者の小さいサブセットにおいてのみ観察された。
(【0011】以降は省略されています)

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