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公開番号2025014430
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023116975
出願日2023-07-18
発明の名称燃料電池セル及び燃料電池セルスタック
出願人トヨタ紡織株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 8/0258 20160101AFI20250123BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】第1セパレータと第2セパレータとが互いに同一の構成であっても、燃料電池セルを複数積層して燃料電池セルスタックを形成した際の燃料電池セル同士の面圧を確保できる燃料電池セル及び燃料電池セルスタックを提供する。
【解決手段】燃料電池セル12は、発電部と、発電部を挟む第1セパレータ及び第2セパレータとを有する。第1セパレータは、発電部に燃料ガスを供給する複数の第1流路32を有する。第2セパレータは、発電部に酸化剤ガスを供給する複数の第2流路35を有する。第1セパレータ及び第2セパレータは、互いに同一の構成であり、且つ一方が他方に対して表裏が反転され、且つ燃料ガス供給孔24同士、燃料ガス排出孔25同士、酸化剤ガス供給孔27同士、酸化剤ガス排出孔28同士、冷却媒体供給孔30同士、及び冷却媒体排出孔31同士が重なり、且つ複数の第1流路32と複数の第2流路35とが互いに交差する態様で配置される。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
発電部と、前記発電部を挟む第1セパレータ及び第2セパレータと、を有した板状の燃料電池セルであって、
中心を挟んで対向する第1位置に燃料ガスが供給される燃料ガス供給孔及び前記燃料ガスが排出される燃料ガス排出孔が設けられ、前記中心を挟んで対向する第2位置に酸化剤ガスが供給される酸化剤ガス供給孔及び前記酸化剤ガスが排出される酸化剤ガス排出孔が設けられ、前記中心を挟んで対向する第3位置に冷却媒体が供給される冷却媒体供給孔及び前記冷却媒体が排出される冷却媒体排出孔が設けられ、
前記第1位置、前記第2位置、及び前記第3位置は、前記中心を回転中心とした回転方向において互いにずれた位置であり、
前記第1セパレータは、前記燃料ガス供給孔から前記燃料ガス排出孔に至る間に前記発電部の一方側の面に前記燃料ガスを供給する複数の第1流路を形成する表裏一体の凹凸を有し、
前記第2セパレータは、前記酸化剤ガス供給孔から前記酸化剤ガス排出孔に至る間に前記発電部の他方側の面に前記酸化剤ガスを供給する複数の第2流路を形成する表裏一体の凹凸を有し、
前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、互いに同一の構成であり、且つ一方が他方に対して表裏が反転され、且つ厚さ方向から見たときに前記燃料ガス供給孔同士、前記燃料ガス排出孔同士、前記酸化剤ガス供給孔同士、前記酸化剤ガス排出孔同士、前記冷却媒体供給孔同士、及び前記冷却媒体排出孔同士が重なり、且つ厚さ方向から見たときに複数の前記第1流路と複数の前記第2流路とが互いに交差するように延びる態様で配置されていることを特徴とする燃料電池セル。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1流路は、前記燃料ガスの流れ方向が複数回反転するように蛇行状に延びており、
前記第2流路は、前記酸化剤ガスの流れ方向が複数回反転するように蛇行状に延びていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
【請求項3】
前記燃料ガス供給孔、前記燃料ガス排出孔、前記酸化剤ガス供給孔、前記酸化剤ガス排出孔、前記冷却媒体供給孔、及び前記冷却媒体排出孔は、前記中心を通る直線について線対称となるように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池セル。
【請求項4】
前記燃料ガス供給孔、前記燃料ガス排出孔、前記酸化剤ガス供給孔、前記酸化剤ガス排出孔、前記冷却媒体供給孔、及び前記冷却媒体排出孔は、前記中心の周りに60°間隔で配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池セル。
【請求項5】
発電部と、前記発電部を挟む第1セパレータ及び第2セパレータと、を有した板状の燃料電池セルを複数積層して形成された燃料電池セルスタックであって、
前記燃料電池セルは、中心を挟んで対向する第1位置に燃料ガスが供給される燃料ガス供給孔及び前記燃料ガスが排出される燃料ガス排出孔が設けられ、前記中心を挟んで対向する第2位置に酸化剤ガスが供給される酸化剤ガス供給孔及び前記酸化剤ガスが排出される酸化剤ガス排出孔が設けられ、前記中心を挟んで対向する第3位置に冷却媒体が供給される冷却媒体供給孔及び前記冷却媒体が排出される冷却媒体排出孔が設けられ、
前記第1位置、前記第2位置、及び前記第3位置は、前記中心を回転中心とした回転方向において互いにずれた位置であり、
前記第1セパレータは、前記燃料ガス供給孔から前記燃料ガス排出孔に至る間に前記発電部の一方側の面に前記燃料ガスを供給する複数の第1流路を形成する表裏一体の凹凸を有し、
前記第2セパレータは、前記酸化剤ガス供給孔から前記酸化剤ガス排出孔に至る間に前記発電部の他方側の面に前記酸化剤ガスを供給する複数の第2流路を形成する表裏一体の凹凸を有し、
前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、互いに同一の構成であり、且つ一方が他方に対して表裏が反転され、且つ厚さ方向から見たときに前記燃料ガス供給孔同士、前記燃料ガス排出孔同士、前記酸化剤ガス供給孔同士、前記酸化剤ガス排出孔同士、前記冷却媒体供給孔同士、及び前記冷却媒体排出孔同士が重なり、且つ厚さ方向から見たときに複数の前記第1流路と複数の前記第2流路とが互いに交差するように延びる態様で配置されていることを特徴とする燃料電池セルスタック。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池セル及び燃料電池セルスタックに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、燃料電池セルスタックとして、例えば、特許文献1に示すものが知られている。こうした燃料電池セルスタックは、燃料電池セル(発電セル)を複数積層した状態でこれらを積層方向の両側から一対のエンドプレートによって挟持した構造になっている。燃料電池セルは、発電部(膜電極接合体)を支持した支持フレームと、発電部及び支持フレームを挟む金属製の一対のセパレータとを有している。こうしたセパレータには、例えば薄い金属板をプレス加工することによって複数の流路を形成する凹凸が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-165808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような燃料電池セルスタックでは、積層方向で隣り合う2つの燃料電池セルのセパレータ同士が接触する際に、2つのセパレータの凸同士が接触することで、2つのセパレータの凹同士の間に流路が形成される。しかし、これら2つのセパレータの凹凸は、互いに平行に延びている。
【0005】
このため、2つのセパレータ同士が凹凸の延びる方向及び積層方向の両方と直交する方向においてずれた場合、2つのセパレータのうちの一方の凸部分と他方の凹部分とが凹凸嵌合してしまう。すると、この凹凸嵌合した部分において燃料電池セル同士の積層厚さが薄くなってしまうので、燃料電池セル同士の面圧が確保されなくなるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する燃料電池セルは、発電部と、前記発電部を挟む第1セパレータ及び第2セパレータと、を有した板状の燃料電池セルであって、中心を挟んで対向する第1位置に燃料ガスが供給される燃料ガス供給孔及び前記燃料ガスが排出される燃料ガス排出孔が設けられ、前記中心を挟んで対向する第2位置に酸化剤ガスが供給される酸化剤ガス供給孔及び前記酸化剤ガスが排出される酸化剤ガス排出孔が設けられ、前記中心を挟んで対向する第3位置に冷却媒体が供給される冷却媒体供給孔及び前記冷却媒体が排出される冷却媒体排出孔が設けられ、前記第1位置、前記第2位置、及び前記第3位置は、前記中心を回転中心とした回転方向において互いにずれた位置であり、前記第1セパレータは、前記燃料ガス供給孔から前記燃料ガス排出孔に至る間に前記発電部の一方側の面に前記燃料ガスを供給する複数の第1流路を形成する表裏一体の凹凸を有し、前記第2セパレータは、前記酸化剤ガス供給孔から前記酸化剤ガス排出孔に至る間に前記発電部の他方側の面に前記酸化剤ガスを供給する複数の第2流路を形成する表裏一体の凹凸を有し、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、互いに同一の構成であり、且つ一方が他方に対して表裏が反転され、且つ厚さ方向から見たときに前記燃料ガス供給孔同士、前記燃料ガス排出孔同士、前記酸化剤ガス供給孔同士、前記酸化剤ガス排出孔同士、前記冷却媒体供給孔同士、及び前記冷却媒体排出孔同士が重なり、且つ厚さ方向から見たときに複数の前記第1流路と複数の前記第2流路とが互いに交差するように延びる態様で配置されていることを要旨とする。
【0007】
上記構成によれば、燃料電池セルを複数積層して燃料電池セルスタックを形成した場合に、第1セパレータの複数の第1流路と第2セパレータの複数の第2流路とは、直接重なるが、互いに交差する。このため、第1セパレータの複数の第1流路を形成する表裏一体の凹凸と第2セパレータの複数の第2流路を形成する表裏一体の凹凸との重なり位置が多少ずれたとしてもこれらの凹凸同士が嵌合することを抑制できる。したがって、第1セパレータと第2セパレータとが互いに同一の構成であっても、燃料電池セルを複数積層して燃料電池セルスタックを形成した際の燃料電池セル同士の面圧を確保できる。因みに、第1セパレータの複数の第1流路を形成する表裏一体の凹凸と第2セパレータの複数の第2流路を形成する表裏一体の凹凸とが嵌合すると、これらが嵌合した部分における燃料電池セル同士の積層厚さが薄くなる。このため、燃料電池セルを複数積層して燃料電池セルスタックを形成した際の燃料電池セル同士の面圧が確保されなくなってしまう。
【0008】
上記課題を解決する燃料電池セルスタックは、発電部と、前記発電部を挟む第1セパレータ及び第2セパレータと、を有した板状の燃料電池セルを複数積層して形成された燃料電池セルスタックであって、前記燃料電池セルは、中心を挟んで対向する第1位置に燃料ガスが供給される燃料ガス供給孔及び前記燃料ガスが排出される燃料ガス排出孔が設けられ、前記中心を挟んで対向する第2位置に酸化剤ガスが供給される酸化剤ガス供給孔及び前記酸化剤ガスが排出される酸化剤ガス排出孔が設けられ、前記中心を挟んで対向する第3位置に冷却媒体が供給される冷却媒体供給孔及び前記冷却媒体が排出される冷却媒体排出孔が設けられ、前記第1位置、前記第2位置、及び前記第3位置は、前記中心を回転中心とした回転方向において互いにずれた位置であり、前記第1セパレータは、前記燃料ガス供給孔から前記燃料ガス排出孔に至る間に前記発電部の一方側の面に前記燃料ガスを供給する複数の第1流路を形成する表裏一体の凹凸を有し、前記第2セパレータは、前記酸化剤ガス供給孔から前記酸化剤ガス排出孔に至る間に前記発電部の他方側の面に前記酸化剤ガスを供給する複数の第2流路を形成する表裏一体の凹凸を有し、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、互いに同一の構成であり、且つ一方が他方に対して表裏が反転され、且つ厚さ方向から見たときに前記燃料ガス供給孔同士、前記燃料ガス排出孔同士、前記酸化剤ガス供給孔同士、前記酸化剤ガス排出孔同士、前記冷却媒体供給孔同士、及び前記冷却媒体排出孔同士が重なり、且つ厚さ方向から見たときに複数の前記第1流路と複数の前記第2流路とが互いに交差するように延びる態様で配置されていることを要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、第1セパレータの複数の第1流路と第2セパレータの複数の第2流路とは、直接重なるが、互いに交差する。このため、第1セパレータの複数の第1流路を形成する表裏一体の凹凸と第2セパレータの複数の第2流路を形成する表裏一体の凹凸との重なり位置が多少ずれたとしてもこれらの凹凸同士が嵌合することを抑制できる。したがって、第1セパレータと第2セパレータとが互いに同一の構成であっても、燃料電池セル同士の面圧を確保できる。因みに、第1セパレータの複数の第1流路を形成する表裏一体の凹凸と第2セパレータの複数の第2流路を形成する表裏一体の凹凸とが嵌合すると、これらが嵌合した部分における燃料電池セル同士の積層厚さが薄くなる。このため、燃料電池セル同士の面圧が確保されなくなってしまう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施形態の燃料電池の断面模式図である。
燃料電池セルを示す分解斜視図である。
燃料電池セルの平面図である。
第2セパレータの平面図である。
燃料電池セルにおける第1セパレータの第1流路と第2セパレータの第2流路との位置関係を示す平面図である。
第1セパレータの第1流路及び第2セパレータの第2流路を構成する凹凸の断面図である。
変更例における燃料電池セルの平面図である。
変更例における第2セパレータの平面図である。
変更例の燃料電池セルにおける第1セパレータの第1流路と第2セパレータの第2流路との位置関係を示す平面図である。
別の変更例における燃料電池セルの平面図である。
別の変更例における第2セパレータの平面図である。
別の変更例の燃料電池セルにおける第1セパレータの第1流路と第2セパレータの第2流路との位置関係を示す平面図である。
さらに別の変更例における燃料電池セルの平面図である。
さらに別の変更例における第2セパレータの平面図である。
さらに別の変更例の燃料電池セルにおける第1セパレータの第1流路と第2セパレータの第2流路との位置関係を示す平面図である。
変更例における第1セパレータの第1流路及び第2セパレータの第2流路を構成する凹凸の断面図である。
別の変更例における第1セパレータの第1流路及び第2セパレータの第2流路を構成する凹凸の断面図である。
さらに別の変更例における第1セパレータの第1流路及び第2セパレータの第2流路を構成する凹凸の断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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