TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025014265
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023116695
出願日2023-07-18
発明の名称チタンキレート剤の製造方法およびチタンキレート剤
出願人日本化学工業株式会社
代理人個人
主分類C07C 51/50 20060101AFI20250123BHJP(有機化学)
要約【課題】引火点が室温以上であり、非危険物として取り扱うことのできるチタンキレート剤を、工業的に有利な方法で製造するための製造方法を提供すること。
【解決手段】有機溶媒とチタンキレート化合物の混合液に、純水を添加し水分含有量が20から70質量%となるように水分を調整する水分調整工程、および、水分調整工程で得られた水混合液を、真空度-30kPaから-100kPa、温度30℃以上80℃以下の条件で前記有機溶媒を留去する減圧留去工程、を有するチタンキレート剤の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機溶媒とチタンキレート化合物の混合液に、純水を添加し水分含有量が20質量%以上70質量%以下となるように水分を調整する水分調整工程、および、
前記水分調整工程で得られた水混合液を、真空度が-30kPaから-100kPa、温度が30℃以上80℃以下の条件で前記有機溶媒を留去する減圧留去工程、
を有するチタンキレート剤の製造方法。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記水分調整工程および前記減圧留去工程を複数回行う請求項1に記載のチタンキレート剤の製造方法。
【請求項3】
前記減圧留去工程が、前記水分調整工程で得られた水混合液中の有機溶媒が5質量%以上50質量%以下となるまで有機溶媒を留去する工程である請求項1または2に記載のチタンキレート剤の製造方法。
【請求項4】
前記減圧留去工程後、有機溶媒の濃度が5質量%以下となるように純水を加える工程を含む請求項1または2に記載のチタンキレート剤の製造方法。
【請求項5】
前記有機溶媒がアルコールである請求項1または2に記載のチタンキレート剤の製造方法。
【請求項6】
前記アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項5に記載のチタンキレート剤の製造方法。
【請求項7】
前記チタンキレート化合物が、チタンアルコキシドを有機溶媒で希釈して希釈液を得た後、前記希釈液とヒドロキシカルボン酸とを混合して得られたチタンキレート化合物である請求項1または2に記載のチタンキレート剤の製造方法。
【請求項8】
前記チタンアルコキシドが、テトラメトキシチタン(IV)、テトラエトキシチタン(IV)、テトラ-n-プロポキシチタン(IV)、テトライソプロポキシチタン(IV)、テトラ-n-ブトキシチタン(IV)およびテトライソブトキシチタン(IV)から選ばれる少なくとも一種である請求項7に記載のチタンキレート剤の製造方法。
【請求項9】
前記ヒドロキシカルボン酸が、クエン酸、酒石酸、乳酸およびグリコール酸から選ばれる少なくとも一種である請求項7または8に記載のチタンキレート剤の製造方法。
【請求項10】
タグ密閉式引火点測定において引火点が60℃以上であるチタンキレート剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、チタンキレート剤の製造方法、特にヒドロキシカルボン酸を多座配位子として有するチタンキレート化合物を含有するチタンキレート剤の製造方法に関する。
また本発明は引火点の高いチタンキレート剤に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
チタンキレート化合物は、各種の架橋剤、触媒および分散剤等、様々な用途で使用されている。チタンキレート化合物はチタンに多座配位子が配位した化合物であり、通常、チタン化合物としてチタンアルコキシドを用い、多座配位子との反応で合成される(例えば、特許文献1から5)。
【0003】
特許文献1では、乳酸などのヒドロキシカルボン酸とチタンテトラアルコキシドを水の共存下で反応させたのちアミンアンモニア、苛性ソーダ、炭酸カリ等の塩基を加え中和造塩する方法が記載されている。
しかしながら特許文献1に記載の方法では、ヒドロキシカルボン酸とチタンテトラアルコキシドとを水の共存下で反応させているため、チタンテトラアルコキシドの加水分解が起こり、チタンキレート化合物の収率に劣る場合がある。
【0004】
前記のチタンアルコキシドの加水分解反応を抑制する目的で、特許文献2から5では、チタンアルコキシドとヒドロキシカルボン酸等の多座配位子との反応を有機溶媒中で行っている。
特許文献2では、テトライソプロピル・チタン酸塩を石油エーテル中の乳酸に添加して乳酸のチタン誘導体を得たことが記載されている。
特許文献3には、チタンテトライソプロポキシドにエチレングリコールを加え、その後、乳酸アンモニウムを加えて乳酸キレートチタン化合物を得たことが記載されている。また、特許文献4では、乳酸とイソプロピルアルコールを混合した後、チタンイソプロポキシドを滴下してチタンイソプロポキシ乳酸キレートの混合液を得たことが記載されている。
特許文献5ではチタンアルコキシドを溶媒で希釈後、ヒドロキシカルボン酸と反応させるチタンキレート化合物の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特公昭50-5177号公報
特開平05-246936号公報
特開2015-17219号公報
特開2015-36390号公報
国際公開WO2019-138989号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のように有機溶媒中でチタンアルコキシドと多座配位子との反応を行い、チタンキレート化合物を得た場合、チタンキレート化合物を単離するためには有機溶媒を除去するか溶媒抽出する必要がある。有機溶媒を除去する過程で濃縮時の熱履歴をチタンキレート化合物が受けることで、チタンキレート化合物の変質が起こることがある。また、溶媒抽出ではチタンキレート化合物を完全に回収できず、チタンキレート化合物の収率が低下することがある。したがって、チタンキレート化合物を単離せず、そのまま有機溶媒とチタンキレート化合物の混合物をキレート剤として、前記用途に用いる場合が多い。
しかしながら、前記特許文献2から5に記載のチタンキレート化合物を主成分とするチタンキレート剤は、アルコール類等の有機溶媒を含有しており、その含有量によっては引火点が室温以下となる場合がある。
【0007】
したがって、引火点が室温以上で、できるだけ高い引火点を有し、危険性が低減されたキレート剤の開発が求められている。
本発明の目的は、引火点が室温以上であり、消防法上の非危険物として取り扱うことのできるチタンキレート剤を、工業的に有利な方法で製造するための製造方法を提供することにある。
また本発明は引火点が60℃以上のチタンキレート剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは有機溶媒を含有するチタンキレート剤から有機溶媒を蒸留により除去した場合、脱水縮合等によりチタンキレート化合物の変性が起こることから、チタンキレート化合物の変性を抑制しつつ、引火点の高いチタンキレート剤の製造方法を検討した。
その結果、有機溶媒を留去する際に、一定量の水を含有させてから有機溶媒を留去する操作を行うことにより、チタンキレート化合物の変性を抑えながら、有機溶媒を水に置換することで引火点の高いチタンキレート剤を製造することができることを見出し、本発明を完成させるに到った。
【0009】
すなわち、本発明は、有機溶媒とチタンキレート化合物の混合物に、純水を添加し水分含有量が20質量%以上70質量%以下となるように水分を調整する水分調整工程、および、前記水分調整工程で得られた水混合液を、真空度が-30kPaから-100kPa、温度が30℃以上80℃以下の条件で前記有機溶媒を留去する減圧留去工程、を有するチタンキレート剤の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、工業的に有利な方法で引火点が高く消防法上の非危険物として取り扱いできるチタンキレート剤を製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

高砂香料工業株式会社
香料組成物
4日前
小野薬品工業株式会社
GCL阻害剤
1か月前
トヨタ自動車株式会社
メタン製造装置
24日前
築野グループ株式会社
脂肪酸エステル
3か月前
築野グループ株式会社
脂肪酸エステル
3か月前
日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
21日前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
2か月前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
20日前
田岡化学工業株式会社
多環芳香族化合物の製造方法
1か月前
JNC株式会社
ジアミンおよびこれを用いた重合体
21日前
東ソー株式会社
1,2-ジクロロエタンの製造方法
3日前
株式会社クラレ
メタクリル酸メチルの製造方法
5日前
学校法人近畿大学
アミロイド線維検出プローブ
2か月前
株式会社トクヤマ
ベンジルヒドラジン誘導体の製造方法
1か月前
日本曹達株式会社
エチルメチルスルホンの製造方法
5日前
個人
希土類有機錯体及びその製造方法並び応用
1か月前
三井金属鉱業株式会社
金属化合物含有物
21日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
2か月前
住友化学株式会社
芳香族複素環化合物の製造方法
24日前
大正製薬株式会社
MMP9阻害作用を有するインドール化合物
4日前
日本特殊陶業株式会社
反応装置
3か月前
東ソー株式会社
アデノ随伴ウイルス結合性タンパク質の精製方法
2か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、および発光デバイス
1か月前
公立大学法人大阪
尿素化合物の製造方法
1か月前
東亞合成株式会社
ペプチドフラグメント及びその利用
2か月前
グリーンケミカルズ株式会社
4-ヒドロキシ安息香酸組成物
1か月前
日本化薬株式会社
イソシアヌレート環を有する多官能アミン化合物
10日前
株式会社フラスク
含ホウ素化合物および有機EL素子
17日前
株式会社Kyulux
有機発光素子
1か月前
サンアプロ株式会社
金属錯塩色素
2か月前
ユニマテック株式会社
フェノチアジン誘導体化合物の精製方法
4日前
ノーベルファーマ株式会社
ヒスチジン亜鉛2水和物の製造方法
2か月前
国立大学法人富山大学
抗がん作用を有する化合物
2か月前
興和株式会社
新規ニコチンアミド化合物
2か月前
学校法人甲南学園
鉛イオン結合用アフィニティ固相
18日前
積水メディカル株式会社
アルギニン誘導体
1か月前
続きを見る