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公開番号
2025014087
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-29
出願番号
2021201176
出願日
2021-12-10
発明の名称
透明導電膜としての機能を有する積層体
出願人
JX金属株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
G02B
1/115 20150101AFI20250122BHJP(光学)
要約
【課題】
本発明は、アニールによる抵抗率の上昇を防ぎつつ、高い透過率を維持することができる積層体を提供することを課題とする。
【解決手段】
IZO膜と酸化膜が積層した積層体であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の表面抵抗が200Ω/sq.以下であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の可視光(波長:380~780nm)平均透過率が85%以上である積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
IZO膜と酸化膜が積層した積層体であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の表面抵抗が200Ω/sq.以下であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の可視光(波長:380~780nm)平均透過率が85%以上である積層体。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
IZO膜と酸化膜が積層した積層体であり、アニールを実施していない当該積層体の表面抵抗をRs0とし、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の表面抵抗をRs1としたとき、Rs1/Rs0≦10.0であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の可視光平均透過率が85%以上である積層体。
【請求項3】
Rs1/Rs0<5.0であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の可視光平均透過率が85%以上である請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
Rs1/Rs0<2.0であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の可視光平均透過率が85%以上である請求項2に記載の積層体。
【請求項5】
IZO膜と酸化膜が積層した積層体であり、当該積層体の表面抵抗をR
s
とし、IZO膜の膜厚をTとしたとき、Rs×T≦1.0×10
-3
Ω・cmであり、可視光(波長:380~780nm)平均透過率が85%以上である積層体。
【請求項6】
大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の近赤外(波長:800~1400nm)平均透過率が85%以上である請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項7】
前記酸化膜の膜厚が90nm以下である請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項8】
当該積層体の屈折率が2.0以下である請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項9】
IZO膜と酸化膜が積層した積層体であって、前記酸化膜がGaを含む酸化物からなる請求項1~8のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項10】
IZO膜と酸化膜が積層した積層体であって、前記酸化膜がZn、Siのいずれか一種以上を含む酸化物からなる請求項9に記載の積層体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明導電膜としての機能を有する積層体に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
IZO(Indium-Zinc-Oxide)膜は、ITO(Indium-Tin-Oxide)膜と同様に、低抵抗率かつ高透過率、微細加工容易性等の特徴を有することから、ディスプレイ用電極材料を始め、透明導電膜として広く使用されている。現在、産業生産上のIZO膜のほとんどは、大面積に均一性、生産性良く作製できることから、IZOを成分とする焼結体をスパッタリングターゲットとして使用して成膜する、いわゆるスパッタ成膜法で形成されている。
【0003】
IZO膜は、常温成膜ではアモルファスであり、結晶化させなくとも低抵抗であるため、主に低温プロセス(フィルム基板、有機ELデバイス等)で使用されている。一方、IZO膜はITO膜に比べて近赤外光に対して高透過率であるため、近赤外光を用いたセンサー等への使用が検討されている。しかし、IZO膜は、大気中、220~250℃を超える温度でアニールを実施すると、高抵抗化してしまうため、加熱プロセスを必要とするデバイスにおいて、透明導電膜としての使用が困難になる。
【0004】
出願人は、以前、ITO膜に酸化膜を積層した積層体に関する発明について出願を行った(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特願2021-074650
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、アニールによる抵抗率の上昇を防ぎつつ、高い透過率を維持することができる積層体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を行った結果、IZO膜に酸化膜を積層した積層体とすることで、アニールによる抵抗率の上昇を防ぎつつ、高透過率を達成できるとの知見が得られた。かかる知見に鑑み、本発明は、以下の実施態様を提供する。
1)IZO膜と酸化膜が積層した積層体であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の表面抵抗が200Ω/sq.以下であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の可視光(波長:380~780nm)平均透過率が85%以上である積層体。
2)IZO膜と酸化膜が積層した積層体であり、アニールを実施していない当該積層体の表面抵抗をRs0とし、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の表面抵抗をRs1としたとき、Rs1/Rs0≦10.0であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の可視光平均透過率が85%以上である積層体。
3)Rs1/Rs0<5.0であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の可視光平均透過率が85%以上である上記2)記載の積層体。
4)Rs1/Rs0<2.0であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の可視光平均透過率が85%以上である上記2)記載の積層体。
5)IZO膜と酸化膜が積層した積層体であり、当該積層体の表面抵抗をR
s
とし、I
ZO膜の膜厚をTとしたとき、Rs×T≦1.0×10
-3
Ω・cmであり、可視光(波長:380~780nm)平均透過率が85%以上である積層体。
6)大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の近赤外(波長:800~1400nm)平均透過率が85%以上である上記1)~5)のいずれか一に記載の積層体。
7)前記酸化膜の膜厚が90nm以下である上記1)~6)のいずれか一に記載の積層体。
8)当該積層体の屈折率が2.0以下である上記1)~7)のいずれか一に記載の積層体。
9)IZO膜と酸化膜が積層した積層体であって、前記酸化膜がGaを含む酸化物からなる上記1)~8)のいずれか一に記載の積層体。
10)IZO膜と酸化膜が積層した積層体であって、前記酸化膜がZn、Siのいずれか一種以上を含む酸化物からなる上記9)に記載の積層体。
【発明の効果】
【0008】
本態様に係る積層体は、アニールによる抵抗率の上昇を防ぎつつ、高い透過率を維持することができるという優れた効果を備える。また、既存のIZO膜に特定の酸化膜を積層することで、良好な特性を備えた透明導電膜を簡便に提供することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
通常、IZO単膜の場合、大気中でアニールすると、抵抗率(表面抵抗)が上昇してしまい、透明導電膜としての機能が発揮できなくなる。IZO単膜の場合、アニール時にIZO膜中に酸素が透過して、キャリア濃度が低下し、抵抗率が上昇すると考えられる。IZO膜に所定の酸化膜を積層することで、抵抗率の上昇を防げる作用メカニズムの詳細は定かでないが、当該酸化膜がIZO膜への酸素の透過を抑制する保護膜となって、抵抗率の上昇を抑制できるものと考えられる。
【0010】
本発明の第一の実施形態は、IZO膜と酸化膜が積層した積層体であり、大気中、350℃でアニールを実施した場合の当該積層体の表面抵抗が200Ω/sq.以下であることを特徴とする。少なくとも表面抵抗が200Ω/sq.以下であれば、所望の導電性を確保することができる。好ましくは、表面抵抗が150Ω/sq.以下であり、より好ましくは、表面抵抗が100Ω/sq.以下である。
(【0011】以降は省略されています)
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