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公開番号2025005548
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023105759
出願日2023-06-28
発明の名称光学素子
出願人大日本印刷株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250109BHJP(光学)
要約【課題】液晶分子の配向性が良好で、かつ、光学素子の性能を十分にし得る光学素子を提供する。
【解決手段】パターン層と液晶層とを有し、前記パターン層は、第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有し、前記液晶層は前記パターン層の前記第1の面上に形成され、前記パターン層は前記第1の面内に第1の形状の凹部を複数有し、前記第1の形状の凹部は平面視形状が弧形状であり、前記第1の形状の凹部は、前記第1の面内において第1の方向に所定のピッチで連続して配置され、かつ、前記第1の方向において隣接する前記第1の形状の凹部は互いの端部が接合しており、前記第1の形状の凹部の接合点が所定の条件を満たす、光学素子。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
パターン層と液晶層とを有し、
前記パターン層は、第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有し、
前記液晶層は前記パターン層の前記第1の面上に形成され、
前記パターン層は前記第1の面内に第1の形状の凹部を複数有し、
前記第1の形状の凹部は平面視形状が弧形状であり、
前記第1の形状の凹部は、前記第1の面内において第1の方向に所定のピッチで連続して配置され、かつ、前記第1の方向において隣接する前記第1の形状の凹部は互いの端部が接合しており、
前記第1の形状の凹部が、下記条件1及び2を満たす、光学素子。
<条件1>
前記第1の形状の凹部の前記弧形状に対する接線と、前記第1の方向の平行線とが成す角度を、第1の形状の凹部の局所的角度と定義する。前記第1の形状の凹部は、前記局所的角度の最小値が-90.0度超-80.0度以下であり、前記局所的角度の最大値が+80.0度以上+90.0度未満であり、かつ、前記局所的角度が前記最小値から前記最大値まで連続的に変化する。
<条件2>
前記第1の方向と直交する方向を第2の方向、前記第2の方向であって、かつ、前記弧形状の弧の向きが凸となる方向を第2’の方向、隣接する前記第1の形状の凹部の端部が接合した箇所を接合点X、前記接合点Xから前記第2’の方向に100nm離れた箇所を点Mと定義する。
点Mから前記第1の方向に引いた直線と、前記接合点Xを形成する一方の第1の形状の凹部及び他方の第1の形状の凹部との交点を、それぞれ交点Y、交点Zと定義する。
接合点X及び交点Yを結ぶ第1の直線と、接合点X及び交点Zを結ぶ第2の直線との成す角度の平均が、0度超20.0度以下である。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第1の形状の凹部が、さらに前記第2の方向に所定のピッチで配置された、請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記第2の方向に所定のピッチで配置された前記第1の形状の凹部の間に、下記(1)~(4)の条件を満たす第2の形状の凹部が配置された、請求項2に記載の光学素子。
<第2の形状の凹部の条件>
(1)第2の形状の凹部は、平面視形状が弧形状である。
(2)第2の形状の凹部は、前記第1の方向に所定のピッチで配置される。
(3)第2の形状の凹部の前記第1の方向の長さは、前記第1の形状の凹部の前記第1の方向の長さよりも短い。
(4)前記第1の方向において隣接する第2の形状の凹部は互いの端部が接合していない。
【請求項4】
前記第2の形状の凹部の前記弧形状が、前記第1の形状の凹部の前記弧形状の一部と一致する、請求項3に記載の光学素子。
【請求項5】
さらに、下記の条件3を満たす、請求項1に記載の光学素子。
<条件3>
前記第1の形状の凹部の前記弧形状に対する接線と、前記第1の方向の平行線とが成す角度を、第1の形状の凹部の局所的角度と定義する。前記第1の面を、前記第2の方向と平行に、前記局所的角度が-5.0度以上+5.0度以下の第1の領域、前記局所的角度が-50.0度以上-40.0度以下及び+40.0度以上+50.0度以下の第2の領域、前記局所的角度が-80.0度以上-70.0度以下及び+70.0度以上+80.0度以下の第3の領域、の3つの領域に区分する。
前記第1の領域の総面積に対する前記第1の領域内の凹部の面積の合計を「第1の面積割合」、前記第2の領域の総面積に対する前記第2の領域内の凹部の面積の合計を「第2の面積割合」、前記第3の領域の総面積に対する前記第3の領域内の凹部の面積の合計を「第3の面積割合」と定義した際に、第1の面積割合、第2の面積割合、第3の面積割合の最大値と最小値との差が10%以下である。
【請求項6】
前記液晶層が単層構成である、請求項1に記載の光学素子。
【請求項7】
前記液晶層が複層構成である、請求項1に記載の光学素子。
【請求項8】
前記液晶層が負の波長分散性を有する、請求項6に記載の光学素子。
【請求項9】
前記液晶層が正の波長分散性を有する、請求項7に記載の光学素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、光学素子に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
光の偏光状態を変化させたり、光の進行方向を変化させたりするため、光学素子が用いられる技術分野がある。
【0003】
上述した光学素子は、例えば、調光装置に用いられている。
また、近年、個人認証及び車両の自動運転において、光センサーを備えた装置の開発が進んでいる。光センサーを備えた装置としては、顔認証装置、LiDAR(light detection and ranging)等が挙げられる。このような光センサーを備えた装置にも、光学素子が用いられる場合がある。
【0004】
光学素子の構成としては、所定のパターンを有するパターン層上に液晶層を備えた構成が知られている(特許文献1-2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開WO2018/038260号
特開2022-147451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の光学素子のパターン層は、パターン層のパターンの角度が段階的に変化する構成を有している。すなわち、特許文献1の光学素子は、パターンの角度が急激に変化する接触部を多く有している。前記接触部では、液晶分子の配向不良が生じやすくなるため、光学素子が十分な性能を発揮しにくくなる。このように、特許文献1の光学素子は、液晶分子の配向不良が生じやすい接触部を多く有するという問題がある。
【0007】
特許文献2の光学素子のパターン層は、複数の弧形状のパターンを有し、隣接するパターンの間に間隙を設けている。特許文献2の光学素子は、特許文献1のパターン層よりは各パターンの長さを長くすることができる。しかし、特許文献2の光学素子は、隣接するパターンが間隙により分断されているため、間隙部分において液晶分子が配向しにくいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、液晶分子を配向しやすくするため、パターン層のパターンを弧形状として、かつ、隣接するパターンを接合する構成を検討した。しかし、単に隣接するパターンを接合した場合、光学素子の性能が理論値に達せず、十分な性能が得られないケースが頻発した。
そして、本発明者らはさらに研究した結果、液晶分子の配向性が良好で、かつ、光学素子の性能を十分にし得る、光学素子を完成した。
【0009】
本開示は、以下の[1]~[9]を提供する。
[1] パターン層と液晶層とを有し、
前記パターン層は、第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有し、
前記液晶層は前記パターン層の前記第1の面上に形成され、
前記パターン層は前記第1の面内に第1の形状の凹部を複数有し、
前記第1の形状の凹部は平面視形状が弧形状であり、
前記第1の形状の凹部は、前記第1の面内において第1の方向に所定のピッチで連続して配置され、かつ、前記第1の方向において隣接する前記第1の形状の凹部は互いの端部が接合しており、
前記第1の形状の凹部が、下記条件1及び2を満たす、光学素子。
<条件1>
前記第1の形状の凹部の前記弧形状に対する接線と、前記第1の方向の平行線とが成す角度を、第1の形状の凹部の局所的角度と定義する。前記第1の形状の凹部は、前記局所的角度の最小値が-90.0度超-80.0度以下であり、前記局所的角度の最大値が+80.0度以上+90.0度未満であり、かつ、前記局所的角度が前記最小値から前記最大値まで連続的に変化する。
<条件2>
前記第1の方向と直交する方向を第2の方向、前記第2の方向であって、かつ、前記弧形状の弧の向きが凸となる方向を第2’の方向、隣接する前記第1の形状の凹部の端部が接合した箇所を接合点X、前記接合点Xから前記第2’の方向に100nm離れた箇所を点Mと定義する。
点Mから前記第1の方向に引いた直線と、前記接合点Xを形成する一方の第1の形状の凹部及び他方の第1の形状の凹部との交点を、それぞれ交点Y、交点Zと定義する。
接合点X及び交点Yを結ぶ第1の直線と、接合点X及び交点Zを結ぶ第2の直線との成す角度の平均が、0度超20.0度以下である。
[2] 前記第1の形状の凹部が、さらに前記第2の方向に所定のピッチで配置された、[1]に記載の光学素子。
[3] 前記第2の方向に所定のピッチで配置された前記第1の形状の凹部の間に、下記(1)~(4)の条件を満たす第2の形状の凹部が配置された、[2]に記載の光学素子。
<第2の形状の凹部の条件>
(1)第2の形状の凹部は、平面視形状が弧形状である。
(2)第2の形状の凹部は、前記第1の方向に所定のピッチで配置される。
(3)第2の形状の凹部の前記第1の方向の長さは、前記第1の形状の凹部の前記第1の方向の長さよりも短い。
(4)前記第1の方向において隣接する第2の形状の凹部は互いの端部が接合していない。
[4] 前記第2の形状の凹部の前記弧形状が、前記第1の形状の凹部の前記弧形状の一部と一致する、[3]に記載の光学素子。
[5] さらに、下記の条件3を満たす、[1]~[4]の何れかに記載の光学素子。
<条件3>
前記第1の形状の凹部の前記弧形状に対する接線と、前記第1の方向の平行線とが成す角度を、第1の形状の凹部の局所的角度と定義する。前記第1の面を、前記第2の方向と平行に、前記局所的角度が-5.0度以上+5.0度以下の第1の領域、前記局所的角度が-50.0度以上-40.0度以下及び+40.0度以上+50.0度以下の第2の領域、前記局所的角度が-80.0度以上-70.0度以下及び+70.0度以上+80.0度以下の第3の領域、の3つの領域に区分する。
前記第1の領域の総面積に対する前記第1の領域内の凹部の面積の合計を「第1の面積割合」、前記第2の領域の総面積に対する前記第2の領域内の凹部の面積の合計を「第2の面積割合」、前記第3の領域の総面積に対する前記第3の領域内の凹部の面積の合計を「第3の面積割合」と定義した際に、第1の面積割合、第2の面積割合、第3の面積割合の最大値と最小値との差が10%以下である。
[6] 前記液晶層が単層構成である、[1]~[5]の何れかに記載の光学素子。
[7] 前記液晶層が複層構成である、[1]~[5]の何れかに記載の光学素子。
[8] 前記液晶層が負の波長分散性を有する、[6]に記載の光学素子。
[9] 前記液晶層が正の波長分散性を有する、[7]に記載の光学素子。
【発明の効果】
【0010】
本開示の光学素子は、液晶分子の配向性が良好で、かつ、光学素子の性能を十分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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