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公開番号
2025013684
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2024198108,2023032977
出願日
2024-11-13,2017-02-03
発明の名称
重度腎機能障害を有する癌患者に対する治療方法
出願人
大鵬薬品工業株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
A61K
31/513 20060101AFI20250117BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】重度の腎機能障害を有する癌患者の癌治療方法の提供。
【解決手段】クレアチニンクリアランスが15mL/min以上30mL/min未満で
ある患者における癌の治療方法であって、α,α,α-トリフルオロチミジン(FTD)
と5-クロロ-6-[(2-イミノピロリジン-1-イル)メチル]ピリミジン-2,4
(1H,3H)-ジオン塩酸塩をモル比1:0.5で含有する配合剤を、FTD換算量と
して30~50mg/m
2
/日の用量を1日2~4回に分割して前記患者に経口投与する
ことを含む、治療方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
クレアチニンクリアランスが30mL/min未満である患者における癌の治療方法で
あって、α,α,α-トリフルオロチミジン(FTD)と5-クロロ-6-[(2-イミ
ノピロリジン-1-イル)メチル]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン塩酸塩を
モル比1:0.5で含有する配合剤を、FTD換算量として30~50mg/m
2
/日の
用量を1日2~4回に分割して前記患者に経口投与することを含む、治療方法。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
患者が、クレアチニンクリアランスが15mL/min以上29mL/min以下の患
者である、請求項1記載の癌の治療方法。
【請求項3】
FTD換算量として40mg/m
2
/日の用量を1日2回に分割して経口投与する、請
求項1又は2記載の癌の治療方法。
【請求項4】
投与スケジュールが、1週あたり、5日間連続経口投与2日間休薬である、請求項1~
3のいずれか1項に記載の癌の治療方法。
【請求項5】
投与スケジュールが、5日間連続経口投与2日間休薬を2回繰り返したのち14日間休
薬である、請求項1~4のいずれか1項に記載の癌の治療方法。
【請求項6】
癌が、消化器癌又は乳癌である、請求項1~5のいずれか1項に記載の癌の治療方法。
【請求項7】
癌が、大腸癌である、請求項1~6のいずれか1項に記載の癌の治療方法。
【請求項8】
クレアチニンクリアランスが30mL/min未満である患者における癌の治療剤であ
って、α,α,α-トリフルオロチミジン(FTD)と5-クロロ-6-[(2-イミノ
ピロリジン-1-イル)メチル]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン塩酸塩をモ
ル比1:0.5で含有する配合剤が、FTD換算量として30~50mg/m
2
/日の用
量を1日2~4回に分割して前記患者に経口投与される、治療剤。
【請求項9】
患者が、クレアチニンクリアランスが15mL/min以上29mL/min以下の患
者である、請求項8記載の癌の治療剤。
【請求項10】
FTD換算量として40mg/m
2
/日の用量を1日2回に分割して経口投与される、
請求項8又は9記載の癌の治療剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、重度腎機能障害を有する癌患者に対する治療方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
トリフルリジン(別名:α,α,α-トリフルオロチミジン。以下、「FTD」とも称
す)は、チミジレート生成阻害作用によるDNA合成阻害とDNAへの取り込みによるD
NA機能障害により抗腫瘍効果を発揮する。他方、チピラシル塩酸塩(化学名:5-クロ
ロ-6-[(2-イミノピロリジン-1-イル)メチル]ピリミジン-2,4(1H,3
H)-ジオン塩酸塩。以下、「TPI」とも称す)は、チミジンホスホリラーゼ阻害作用
を有する。TPIがチミジンホスホリラーゼによるFTDの生体内での分解を抑制するこ
とにより、FTDの抗腫瘍効果が増強されることが知られている(特許文献1)。
現在、FTDとTPIをモル比1:0.5で含有する配合剤(以下、「FTD・TPI
配合剤」とも称す)は、固形癌の治療剤として開発中であり、米国においては進行・再発
の結腸直腸癌の治療剤として、商品名ロンサーフ配合錠として承認されている(非特許文
献1及び2)。臨床におけるFTD・TPI配合剤の用法用量は、通常、成人には、体表
面積を基準に、FTDとして70mg/m
2
/日を、1日2回、5日間連続経口投与した
のち2日間休薬する。これを2回繰り返したのち14日間休薬する。これを1サイクルと
して投与を繰り返す、と定義されている。
【0003】
FTD・TPI配合剤は、TPIが腎排泄型の薬剤であることから、腎機能が低下した
患者へ投与した場合、FTDの曝露が増加する可能性があると理論上考えられている。臨
床試験においても、FTD・TPI配合剤投与患者のクレアチニンクリアランス(以下、
「CLcr」とも称す)値を基に腎機能障害別の有害事象発現率を比較した結果、骨髄抑
制に関連する副作用(血小板数減少、赤血球数減少、ヘモグロビン減少、好中球数減少)
の発現率が、腎機能正常(CLcr:≧90mL/min)に比べて軽度腎機能障害(C
Lcr:60-89mL/min)及び中等度腎機能障害(CLcr:30-59mL/
min)の方が高い傾向が認められている。この患者のクレアチニンクリアランス(CL
cr)値は、Cockcroft-Gault式を用いて算出され、米国食品医薬品局(
FDA;Food and Drug Administration)のガイダンス(
Guidance for Industry Pharmacokinetics i
n Patients with Impaired Renal Function
- Study Design, Data Analysis, and Impac
t on Dosing and Labeling)の腎機能分類基準に基づいて分類
したものである。そのため、重度の腎機能障害を有する患者(CLcr:15~29mL
/min)については適応外とされ、これまでに行われた臨床試験においても当該患者に
FTD・TPI配合剤は投与されていなく、安全性、有効性に関する情報は一切ない。
一般に、腎機能障害患者への薬物投与は、腎機能の程度に応じた投与量又は投与間隔の
調節が必要とされ、上記FDAガイダンスによれば薬物動態(PK)に基づいて用量を選
択することが推奨されている。
しかしながら、重度の腎機能障害を有する癌患者に対してより安全で、かつ有効性の高
い癌治療を行うことは容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第1996/30346号
【非特許文献】
【0005】
Invest New Drugs 26(5):445-54,2008
Lancet Oncol.13(10):993-1001,2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、重度の腎機能障害を有する癌患者の癌治療方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、CLcrが15~29mL/minである重度の腎機能障害を有する癌患
者に対してFTD・TPI配合剤による癌治療を試みたところ、FTD換算量として1日
30~50mg/m
2
の用量を1日2~4回に分割して経口投与すれば、重篤な副作用を
回避しつつも、顕著な抗癌効果が認められることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の発明〔1〕~〔28〕を提供するものである。
〔1〕クレアチニンクリアランスが30mL/min未満である患者における癌の治療方
法であって、α,α,α-トリフルオロチミジン(FTD)と5-クロロ-6-[(2-
イミノピロリジン-1-イル)メチル]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン塩酸
塩をモル比1:0.5で含有する配合剤を、FTD換算量として30~50mg/m
2
/
日の用量を1日2~4回に分割して前記患者に経口投与することを含む、治療方法。
〔2〕患者が、クレアチニンクリアランスが15mL/min以上29mL/min以下
の患者である、〔1〕記載の癌の治療方法。
〔3〕FTD換算量として40mg/m
2
/日の用量を1日2回に分割して経口投与する
、〔1〕又は〔2〕記載の癌の治療方法。
〔4〕投与スケジュールが、1週あたり、5日間連続経口投与2日間休薬である、〔1〕
~〔3〕のいずれか1に記載の癌の治療方法。
〔5〕投与スケジュールが、5日間連続経口投与2日間休薬を2回繰り返したのち14日
間休薬である、〔1〕~〔4〕のいずれか1に記載の癌の治療方法。
〔6〕癌が、消化器癌又は乳癌である、〔1〕~〔5〕のいずれか1に記載の癌の治療方
法。
〔7〕癌が、大腸癌である、〔1〕~〔6〕のいずれか1に記載の癌の治療方法。
〔8〕クレアチニンクリアランスが30mL/min未満である患者における癌の治療剤
であって、α,α,α-トリフルオロチミジン(FTD)と5-クロロ-6-[(2-イ
ミノピロリジン-1-イル)メチル]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン塩酸塩
をモル比1:0.5で含有する配合剤が、FTD換算量として30~50mg/m
2
/日
の用量を1日2~4回に分割して前記患者に経口投与される、治療剤。
〔9〕患者が、クレアチニンクリアランスが15mL/min以上29mL/min以下
の患者である、〔8〕記載の癌の治療剤。
〔10〕FTD換算量として40mg/m
2
/日の用量を1日2回に分割して経口投与さ
れる、〔8〕又は〔9〕記載の癌の治療剤。
〔11〕投与スケジュールが、1週あたり、5日間連続経口投与2日間休薬である、〔8
〕~〔10〕のいずれか1に記載の癌の治療剤。
〔12〕投与スケジュールが、5日間連続経口投与2日間休薬を2回繰り返したのち14
日間休薬である、〔8〕~〔11〕のいずれか1に記載の癌の治療剤。
〔13〕癌が、消化器癌又は乳癌である、〔8〕~〔12〕のいずれか1に記載の癌の治
療剤。
〔14〕癌が、大腸癌である、〔8〕~〔13〕のいずれか1に記載の癌の治療剤。
〔15〕クレアチニンクリアランスが30mL/min未満である患者における癌の治療
剤を製造するためのα,α,α-トリフルオロチミジン(FTD)と5-クロロ-6-[
(2-イミノピロリジン-1-イル)メチル]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオ
ン塩酸塩をモル比1:0.5で含有する配合剤の使用であって、前記配合剤が、FTD換
算量として30~50mg/m
2
/日の用量を1日2~4回に分割して前記患者に経口投
与される、使用。
〔16〕患者が、クレアチニンクリアランスが15mL/min以上29mL/min以
下の患者である、〔15〕記載の使用。
〔17〕FTD換算量として40mg/m
2
/日の用量を1日2回に分割して経口投与さ
れる、〔15〕又は〔16〕記載の使用。
〔18〕投与スケジュールが、1週あたり、5日間連続経口投与2日間休薬である、〔1
【発明の効果】
【0009】
本発明の治療方法によれば、重篤な副作用を発症させることなく、重度の腎機能障害を
有する癌患者の優れた癌治療効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、投与後12日目のクレアチニンクリアランスとFTDの経口クリアランスの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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