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公開番号2025013575
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024195194,2024002286
出願日2024-11-07,2018-03-06
発明の名称マウス近視誘導モデル及び近視予防・抑制のための小胞体ストレス抑制剤
出願人株式会社坪田ラボ
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 45/00 20060101AFI20250117BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】マウス近視誘導モデルを用いて近視進行の過程を解析し、得られる知見をもとに近視の治療薬を探索し、近視を抑制する治療薬を得ることを課題とする。
【解決手段】マウスの成長に応じて角度と幅を調節可能なマイナスレンズ、及びプロテクターを幼若マウスに装着することによって、ヒトの強度近視に酷似したモデルを作製することができる。また、このモデル解析から近視誘導により小胞体ストレスが強膜に生じていること、及び小胞体ストレスによって近視が誘導されることが示された。さらに、小胞体ストレス抑制剤、特に、フェニル酪酸、タウロウルソデオキシコール酸が近視予防・抑制剤として作用することが明らかとなった。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
小胞体ストレス自体を抑制する薬剤を有効成分として含有する、近視の予防、治療、又は抑制剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
近視の発生する機序を解明するためのマウス近視誘導モデルの作製方法、及び近視を抑制する薬剤に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
東アジア人は欧米人に比べて近視の割合が高いといわれており、日本人では人口の少なくとも約1/3、すなわち約4000万人は近視であるといわれている。それにもかかわらず、近視の発症・進行に関する分子的機序は何ら解明されておらず、メガネやコンタクトレンズによる矯正は行われていても、根本的な治療法は存在していない。
【0003】
近視は、網膜よりも手前で焦点を結んでしまうためにはっきりと見えない状態をいう。近視には、角膜や水晶体の屈折率が強すぎることから生じる屈折性近視と、眼球の前後方向の長さである眼軸長が長すぎることにより生じる軸性近視の2つに大別される。屈折性近視は、レンズの役割を果たす水晶体の厚みの調節がうまくいかず網膜の手前でピントが合う状態をいい、軸性近視は眼軸長が長いために、水晶体を十分薄く調節しても網膜の手前でピントが合う状態をいう(図1、軸性近視参照。)。近視の患者の大部分は、軸性近視である。
【0004】
軸性近視が強くなる、すなわち強度近視といわれる状態になると眼軸の伸長の程度が大きくなる。その結果、網膜や脈絡膜が後方に引き伸ばされるため、これらに対する負荷が増強し、眼底に様々な異常をきたす原因となる。眼底に異常が生じた状態を病的近視といい、先進国における失明の上位に位置している。厚生労働省の報告によれば、日本では、失明の原因疾患の第4位が病的近視である(平成17年度厚労省網膜脈絡視神経萎縮症調査研究班報告書)。病的近視は失明のおそれがあるにもかかわらず、現在のところ有効な治療法がなく、治療法の確立が望まれている。
【0005】
従来から近視研究は、ヒヨコ、ツパイ、モルモットなどの動物に近視を誘導して行われている(非特許文献1)。中でもヒヨコは、昼行性であり、眼が比較的大きく、扱いやすいなどの利点があることから、近視研究のモデル動物として多用されており、ヒヨコを用いた近視モデルが紹介されてから35年以上経っている現在も主要な近視モデルとして用いられている。ヒヨコの他にもツパイ、マーモセット、モルモット、アカゲザルなど、様々な動物が近視研究に用いられている。しかしながら、これら動物はいずれも遺伝子操作が容易に行える動物ではなく、近視の遺伝的要素を研究するには適していない。近視の発生頻度は上述のように人種差があることから、環境要素とともに、遺伝的要素が大きいものと考えられる。しかしながら、遺伝的要素を研究することのできる近視誘導モデル動物が得られなかったことが近視を抑制する治療法が確立されない一因となっている。
【0006】
近年ではマウスの近視モデルも報告されてきており、近視の遺伝的な研究の進展が期待されている。当初は、マウスが夜行性であることから、ヒヨコと同じようにマイナスレンズを用いて近視誘導ができるか懐疑的であったもののマイナスレンズを用いた近視誘導モデルが作製されてきている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2015/064768号
特表2013-534902号公報
【非特許文献】
【0008】
Schaeffel, F. & Feldkaemper,M., 2015, Clin. Exp.Optom.,Vol.98,p.507-517.
Tkatchenko, T.V. et al., 2010,Invest. Ophthalmol. Vis.Sci.,Vol.51,p.1297-1303.
Kolb, P.S. et al., 2015, Int. J.Biochem. Cell Biol., Vol.61,p.45-52.
Chen, Y. et al., 2016, ScientificReports,6:27486,DOI:10.1038/srep27486.
Hatz, C. et al., 2013, NatureRev. Drug Discov.Vol.12, p.703-719.
Hetz, C., 2012, Nature Rev. Mol.Cell Biol., Vol.13, p.89-102.
Guillen, C., 2016, Ann. Transl.Med. Suppl.1, S45
Gu, Y., et al., 2012, ActaPharmacol. Sinica, Vol.33, p.941-952.
Liu, H. et al., 2016,Evidence-Based Comple. Alter. Med.,Vol.2016,Article ID 7831282
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、現在報告されているマウスモデルは、ヒトの強度近視の症状として知られている症状の全てを満たしていない。すなわち、眼軸長の伸長の程度、屈折率や強膜が正常よりも薄くなっているといった症状を満たすには至っておらず、近視モデルとしては不完全なものである。本発明は、ヒトの強度近視の症状と酷似した近視を有するマウスモデルを作製することを課題とする。従来のマウスモデルは、非特許文献2のモデルに記載されているように、レンズを皮膚に縫合し、さらに接着剤によって補強固定されているため容易に取り外すことができなかった。そのため、近視進行に伴う経時変化を観察することが困難であった。本発明はマウス近視誘導モデルを用いて近視進行の過程を解析し、得られる知見をもとに近視の治療薬を探索し、近視を抑制する治療薬を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の近視予防・抑制剤、マウス近視誘導モデルの作製方法、及び前記作製方法により作製されたマウス近視誘導モデル、また、マウス近視誘導モデルを用いた医薬のスクリーニング方法に関する。
(1)小胞体ストレス抑制剤を有効成分として含有することを特徴とする近視予防・抑制剤。
(2)前記小胞体ストレス抑制剤がフェニル酪酸、タウロウルソデオキシコール酸、サルブリナル、グアナベンツ、GSK2606414、GSK2656157、ISRIB、アゾラミド、アークティゲニン又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする(1)記載の近視予防・抑制剤。
(3)前記小胞体ストレス抑制剤がフェニル酪酸、タウロウルソデオキシコール酸、又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする(1)又は(2)記載の近視予防・抑制剤。
(4)前記近視が軸性近視であることを特徴とする(1)~(3)いずれか1つ記載の近視予防・抑制剤。
(5)前記近視が病的近視であることを特徴とする(1)~(4)いずれか1つ記載の近視予防・抑制剤。
(6)剤形が点眼剤であることを特徴とする(1)~(5)いずれか1つ記載の近視予防・抑制剤。
(7)プロテクター及びマイナスレンズを幼若マウスの眼前に装着し、マウスの成長に応じて調節機構により角度及び幅を調節して飼育することを特徴とするマウス近視誘導モデル作製方法。
(8)プロテクター及びマイナスレンズを幼若マウスの眼前に装着し、マウスの成長に応じて調節機構により角度及び幅を調節し近視誘導を行うマウスモデルに、候補物質を投与することを特徴とする近視予防・抑制医薬スクリーニング方法。
(9)プロテクター及びマイナスレンズを幼若マウスの眼前に装着し、マウスの成長に応じて調節機構により角度及び幅を調節して飼育することにより作製されたマウス近視誘導モデル。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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