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公開番号
2025013497
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2024193732,2023210238
出願日
2024-11-05,2019-07-03
発明の名称
圧電振動片、及び圧電振動子
出願人
エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社
代理人
弁理士法人仲野・川井国際特許事務所
主分類
H03H
9/02 20060101AFI20250117BHJP(基本電子回路)
要約
【課題】振動(振幅)の追従性による振動が不安定になることを抑制する。
【解決手段】圧電振動片は、振動腕部7の先端部に設けた重り膜75の所定領域全体(全厚さ分)を溶融除去するのではなく、非熱加工により除去する。重り膜75を非熱加工により除去する場合、長手方向に沿って徐々に薄くなるように形成することで、傾斜部Bを形成する。傾斜部Bの第1厚さ部Cと反対側の端部は第1厚さ部Cよりも非熱加工により薄くなるように除去された第2厚さ部Aと連続している。重り膜75は、溶融除去ではなく、非熱加工レーザLfを重り膜75に直接照射することで、非熱加工により除去する。ここで、非熱加工レーザLfは、重り膜75の非熱加工が可能なパルス幅、すなわち、パルス幅がピコ秒(2桁以内)~フェムト秒のレーザ、例えば、フェムト秒レーザを使用する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
内側に実装部を備えたパッケージ内に実装される、水晶で音叉型に形成された圧電振動片であって、
基部と、
前記基部から並んで延設された1対の振動腕部と、
前記1対の振動腕部に形成された2系統の電極と、
前記振動腕部における先端部に金属で形成され
た周
波数調整用の重り膜と、を具備し、
前記重り膜は、
第1厚さ部と、
前記第1厚さ部の前記基部側と先端側の少なくとも一方の側に形成された、厚さが前記第1厚さ部よりも徐々に薄くなる平面状の第1傾斜面と、
前記第1厚さ部と前記第1傾斜面とを連続して接続する凸形状に湾曲した第1湾曲面と、
を有する
ことを特徴とする圧電振動片。
続きを表示(約 970 文字)
【請求項2】
前記第1傾斜面は、前記第1厚さ部側と反対側の端部が前記振動腕部の水晶面に当接するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
【請求項3】
前記重り膜は、前記第1厚さ部よりも薄く形成された第2厚さ部を備え、
前記第1傾斜面は、前記第1厚さ部側と反対側が前記第2厚さ部と連続している、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
【請求項4】
前記第1傾斜面と前記第2厚さ部の接続部には、凹形状に湾曲した第2湾曲面が形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の圧電振動片。
【請求項5】
前記重り膜は、
前記第1傾斜面と対向し、前記第2厚さ部における、前記第1傾斜面側と反対側に形成された平面状の第2傾斜面と、
前記第2傾斜面における、前記第2厚さ部と反対側に形成された前記第1厚さ部よりも薄く前記第2厚さ部よりも厚い第3厚さ部と、
を有することを特徴とする請求項3、又は請求項4に記載の圧電振動片。
【請求項6】
前記重り膜は、前記振動腕部の両面に形成され、その少なくとも一方側の面に、前記第1厚さ部と前記第1傾斜面と前記第1湾曲面が形成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片。
【請求項7】
前記基部から前記振動腕部の外側に延出して形成された支持腕部で前記実装部に実装されるサイドアーム型、
前記基部から前記振動腕部の間に延出して形成された支持単腕部で前記実装部に実装されるセンターアーム型、又は、
前記基部が前記実装部に実装される片持ち型、
であることを特徴とする請求項1から請求項
6
のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片。
【請求項8】
内側に実装部を備えたパッケージと、
前記実装部に実装された、請求項1から請求項
7
のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片と、
前記実装部から前記パッケージの外部まで形成された外部電極部と、
を有することを特徴とする圧電振動子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片、及び圧電振動子に係り、詳細には、音叉型水晶を用いた技術に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話や携帯情報端末機器等の電子機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等に用いられるデバイスとして音叉型に形成した圧電振動片を使用した圧電振動子が用いられる。
このような音叉型の圧電振動片では、振動腕部の先端部分に金属の重り膜を形成し、この膜をトリミングすることで周波数調整を行っている(例えば、特許文献1)。すなわち、パッケージにマウントした圧電振動片を発振させ、周波数を測定しながら、パルス幅がナノ秒程度のレーザを照射して重り膜を溶融除去することで、その質量を減らすようにトリミングすることで、周波数調整を行っている(特許文献1)。
このレーザによりトリミングを行う場合、溶融させる重り膜の面を下向きにし、圧電振動片の上面側(重り膜と反対側)からレーザを当てることで溶融除去した重り膜をパッケージ底面に設けた凹み部分で受けるようにしている。
【0003】
図8は、従来のレーザにより重り膜を溶融除去した後の振動腕部先端の状態を表したものである。
図8に示すように、従来のトリミングでは、レーザを照射した領域の重り膜全体を除去しているため、除去されずに残った重り膜部分と除去部分との間で、急峻な段差が生じるため、振動(振幅)の追従が悪く、振動が不安定になるという問題がある。
また、従来のレーザによる周波数調整では、レーザLnを照射した領域の重り膜750全体が溶融除去されるため、さらなる周波数調整精度を向上させることはできなかった。
特に、3mm×2mm以下といった小型の圧電振動片の場合には、トリミング対象となる重り膜の面積が小さくなるため、より細かく精度が高いトリミングが周波数調整に必要とされている。
【0004】
また、従来の周波数調整では、図8に示すように、レーザLnにより重り膜750を溶融除去させているため、溶融除去後に残った重り膜750の周囲には、主面や側面にデブリ751、752が発生していた。
このデブリの発生幅w1は、例えばレーザLnのスポット径が20μmであれば、ほぼ同程度のばらつき幅w1=20μmと大きいため、長手方向の中心線Pに対する左右のバランスが崩れる原因となっていた。図8(b)に示した例では、長手方向の中心線Pに対して、左側に発生したデブリ量が右側よりも多くなっている。
デブリ751、752は、振動腕部の中心線Pの左右だけでなく、両振動腕部での発生量が異なることで、振動腕部のバランスが崩れてしまい、振動漏れによる悪影響を及ぼしてしまうという課題がある。
【0005】
更に、重り膜750が下向きの状態で溶融するため、図8(a)に示すように、主面に形成されたデブリ751はめくれた状態となり、振動により
は
がれ落ちる可能性があった。デブリが振動によって落ちると、振動腕部の左右のバランスが崩れると共に、重さの変化で周波数に影響する可能性がある。
一般に、圧電振動片が小型化するほど、重量を確保するために重り膜750を厚くする必要があるため、レーザLnで重り膜750を溶融除去した際によりデブリ751が発生し易くなる。このため小型の圧電振動片ほど、デブリによる左右バランスの崩れや振動漏れといった課題も大きかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-133879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、音叉型の圧電振動片において、振動(振幅)の追従性による振動が不安定になることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)請求項1に記載の発明では、内側に実装部を備えたパッケージ内に実装される、水晶で音叉型に形成された圧電振動片であって、基部と、前記基部から並んで延設された1対の振動腕部と、前記1対の振動腕部に形成された2系統の電極と、前記振動腕部における先端部に金属で形成され
た周
波数調整用の重り膜と、を具備し、
前記重り膜は、第1厚さ部と、前記第1厚さ部の前記基部側と先端側の少なくとも一方の側に形成された、厚さが前記第1厚さ部よりも徐々に薄くなる平面状の第1傾斜面と、前記第1厚さ部と前記第1傾斜面とを連続して接続する凸形状に湾曲した第1湾曲面と、を有する
ことを特徴とする圧電振動片を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、
前記第1傾斜面は、前記第1厚さ部側と反対側の端部が前記振動腕部の水晶面に当接するように形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、
前記重り膜は、前記第1厚さ部よりも薄く形成された第2厚さ部を備え、前記第1傾斜面は、前記第1厚さ部側と反対側が前記第2厚さ部と連続している、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、
前記第1傾斜面と前記第2厚さ部の接続部には、凹形状に湾曲した第2湾曲面が形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の圧電振動片を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、
前記重り膜は、前記第1傾斜面と対向し、前記第2厚さ部における、前記第1傾斜面側と反対側に形成された平面状の第2傾斜面と、前記第2傾斜面における、前記第2厚さ部と反対側に形成された前記第1厚さ部よりも薄く前記第2厚さ部よりも厚い第3厚さ部と、を有することを特徴とする請求項3、又は請求項4に記載の圧電振動片を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、
前記重り膜は、前記振動腕部の両面に形成され、その少なくとも一方側の面に、前記第1厚さ部と前記第1傾斜面と前記第1湾曲面が形成されている、ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、前記基部から前記振動腕部の外側に延出して形成された支持腕部で前記実装部に実装されるサイドアーム型、前記基部から前記振動腕部の間に延出して形成された支持単腕部で前記実装部に実装されるセンターアーム型、又は、前記基部が前記実装部に実装される片持ち型、であることを特徴とする請求項1から請求項
6
のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片を提供する。
(8)請求項8に記載の発明では、内側に実装部を備えたパッケージと、前記実装部に実装された、請求項1から請求項
7
のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片と、前記実装部から前記パッケージの外部まで形成された外部電極部と、を有することを特徴とする圧電振動子を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、振動腕部における先端部に形成された重り膜
が、
第1厚さ部と
、厚さが第1厚さ部よりも徐々に薄くなる平面状の第1傾斜面と、第1厚さ部と第1傾斜面とを連続して接続する凸形状に湾曲した第1湾曲面とを有する
ことで、急峻な
厚さ変化
が少なくなるため、振動をより安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
圧電振動片における振動腕部先端に形成した重り膜の形状を表した説明図である。
非熱加工レーザLfによる重り膜の削除方法についての説明図である。
非熱加工レーザLfにより重り膜の一部を除去した状態を表した説明図である。
振動腕部先端に形成した重り膜の形状の変形例を表した説明図である。
第2実施形態における重り膜の形状を表した説明図である。
圧電振動片を収容した圧電振動子の分解斜視図である。
圧電振動片の他の形状についての説明図である。
従来のレーザにより重り膜を溶融除去した後の振動腕部先端の状態を表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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