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公開番号2025013159
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024069396
出願日2024-04-22
発明の名称複合正極の製造方法
出願人台湾立凱電能科技股ふん有限公司,Advanced Lithium Electrochemistry Co.,Ltd.
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類H01M 4/1391 20100101AFI20250117BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】複合正極の製造方法を提供する。
【解決手段】ステップ(a):正極材料と固体電解質と導電性カーボンとアルコール溶媒とを提供し、正極材料は複数の第1の粒子を含み、正極材料の組成がLi[NiaCobMncAld]O2、a+b+c+d=1、0.8<a≦1、0≦b<1、0≦c<1、0≦d<1であり、固体電解質の組成がLi3InClxFy、且つx+y≦6、0≦x≦6、0≦y≦3である。
ステップ(b):正極材料と固体電解質と導電性カーボンとアルコール溶媒とを混合し第1のスラリーを形成する。
ステップ(c):第1のスラリーとバインダとを混合して第2のスラリーを形成する。
ステップ(d):第2のスラリーを熱処理し、アルコール溶媒を除去して複合正極を形成し、複合正極は複数の第2の粒子を含み、各複数の第2の粒子は、複数の第1の粒子のうちの1つ第1の粒子と固体電解質とを含み、固体電解質が第1の粒子を覆う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複合正極の製造方法であって、
正極材料と固体電解質と導電性カーボンとアルコール溶媒を提供し、前記正極材料は複数の第1の粒子を含み、前記正極材料の組成がLi[Ni

Co

Mn

Al

]O

、 a+b+c+d=1、0.8<a≦1、0≦b<1、0≦c<1、0≦d<1であり、前記固体電解質の組成がLi

InCl



、且つx+y≦6、0≦x≦6、0≦y≦3である、ステップ(a)と、
前記正極材料と前記固体電解質と前記導電性カーボンと前記アルコール溶媒とを混合し、第1のスラリーを形成する、ステップ(b)と、
前記第1のスラリーとバインダとを混合して第2のスラリーを形成する、ステップ(c)と、
前記第2のスラリーを熱処理し、前記アルコール溶媒を除去して前記複合正極を形成し、前記複合正極は複数の第2の粒子を含み、各複数の第2の粒子は、前記複数の第1の粒子のうちの1つの第1の粒子と前記固体電解質とを含み、前記固体電解質は前記複数の第1の粒子のうちの1つの前記第1の粒子を覆い、前記導電性カーボンと前記バインダとが前記複数の第2の粒子の間に均一に分布する、ステップ(d)とを含む、ことを特徴とする複合正極の製造方法。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記第1の粒子の粒子径は0.5μm~30μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の複合正極の製造方法。
【請求項3】
前記正極材料は単結晶の正極材料を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の複合正極の製造方法。
【請求項4】
0.85<a≦1である、ことを特徴とする請求項1に記載の複合正極の製造方法。
【請求項5】
前記アルコール溶媒はエタノールを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の複合正極の製造方法。
【請求項6】
前記第2のスラリーは、成形後に熱処理される、ことを特徴とする請求項1に記載の複合正極の製造方法。
【請求項7】
前記第2のスラリーは、第1のキャリア上に成形され、前記第1のキャリアは集電体または粘着防止材料を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の複合正極の製造方法。
【請求項8】
前記第1のキャリアは、2つの第1のキャリアを含み、前記第2のスラリーは、前記2つの第1のキャリアの間に成形される、ことを特徴とする請求項7に記載の複合正極の製造方法。
【請求項9】
前記第2のスラリーは、第2キャリア上に熱処理され、前記第2キャリアはガラスまたは金属を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の複合正極の製造方法。
【請求項10】
前記熱処理の温度は160℃~200℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の複合正極の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電池用電極の製造方法に関し、特に、電気的性能を改善するためにアルコール溶媒を使用して固体電解質コーティングを得る、複合正極の製造方法に関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、安全性やエネルギー密度を考慮して全固体電池の開発が主流となっている。従来のリチウム電池と比較すると、全固体電池にはさまざまな面で改善の余地があると言われている。そのなか、正極材料に関しては、ニッケル高含有正極材料が湿気(水分)に非常に敏感という欠点がある。また、固体電解質に関しては、機械的特性を改善しながら厚さをいかに薄くするかは、挑戦的な課題となっている。
【0003】
固体電解質の種類の中では、最も量産可能性が高いのは、酸化物固体電解質(Oxide solid electrolyte)、硫化物固体電解質(Sulfide solid electrolyte)、およびハロゲン化物固体電解質(Halide solid electrolyte)である。そのうち、ハロゲン化物固体電解質は、高い安定性、高い安全性、高いイオン伝導性および低い界面インピーダンスなどの特徴を有しており、近年広く話題になっている材料の一つである。しかしながら、ハロゲン化物固体電解質は、ニッケル高含有正極材料と同様に、湿気(水分)に非常に敏感である。
【0004】
従来の製造方法では、ニッケル高含有正極材料またはハロゲン化物固体電解質を混合・焼結して複合正極を形成するのが一般的である。乾式混合と比較して、溶媒として水を使用した湿式混合は、製造コストが低く、高固体分散性を有する複合正極を得ることができるが、水分はハロゲン化物固体電解質およびニッケル高含有正極材料に悪影響を与えるため、複合正極の電気的な性能が低下する。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の欠点を解決するために、アルコール溶媒を使用して固体電解質コーティング層を形成することで、複合正極への水分の悪影響を回避でき、電気的な性能を向上させることができる、複合正極の製造方法を提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複合正極の製造方法を提供することである。複合正極の製造方法は、以下のステップを含む。まず、正極材料、固体電解質およびアルコール溶媒を混合してスラリーを形成する。次に、スラリーを熱処理して複合正極を形成する。乾式混合と比較して、湿式混合の製造コストは低く、制御も容易且つ複合正極の固体分散性を改善することができる。固体電解質は、アルコール溶媒に溶解されて正極材料と均一に混合できるため、後過程の熱処理中に、正極材料粒子の表面でその場で合成(In-situ synthesis)することができ、均一なコアシェル構造を有する複合正極粒子を形成し、電気化学性能を改善することができる。アルコール溶媒を用いた湿式混合により、複合正極への水分の悪影響を回避でき、不純物相の少ない複合正極を得ることができる。熱処理の前に、スラリーは、例えば、キャリア上に塗布され、塗布されたスラリーが圧延されて成形される。キャリアは、例えば、成形後の剥離を容易にする粘着防止薄膜である。スラリーは、例えば、2つのキャリアの間に塗布されて圧延されることができ、ここでのキャリアは粘着防止薄膜および集電体であり、これによって、熱処理直後に複合正極を有する集電体が得られる。熱処理の温度は例えば160℃~200℃であり、これにより、エネルギー消費が少なく、製造コストが節約され、環境上の利点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、複合正極の製造方法を提供しており、以下のステップを含み、ステップ(a):正極材料と固体電解質と導電性カーボンとアルコール溶媒とを提供し、正極材料は複数の第1の粒子を含み、正極材料の組成がLi[Ni

Co

Mn

Al

]O

、a+b+c+d=1、0.8<a≦1、0≦b<1、0≦c<1、0≦d<1であり、固体電解質の組成がLi

InCl



、且つx+y≦6、0≦x≦6、0≦y≦3である。ステップ(b):正極材料と固体電解質と導電性カーボンとアルコール溶媒とを混合して第1のスラリーを形成する。ステップ(c):第1のスラリーとバインダとを混合して第2のスラリーを形成する。ステップ(d):第2のスラリーを熱処理して複合正極を形成し、複合正極は複数の第2の粒子を含み、各複数の第2の粒子は複数の第1の粒子のうちの1つ第1の粒子と固体電解質を含有し、固体電解質が複数の第1の粒子のうちの1つの前記第1の粒子を覆う。
好ましくは、第1の粒子の粒子径は、0.5μm~30μmである。
好ましくは、正極材料は、単結晶の正極材料を含む。
好ましくは、0.85<a≦1。
好ましくは、アルコール溶媒は、エタノールを含む。
好ましくは、第2のスラリーは、成形後に熱処理される。
好ましくは、第2のスラリーは、第1のキャリア上に成形され、第1のキャリアは、集電体または粘着防止材料を含む。
好ましくは、第1のキャリアは、2つの第1のキャリアを含み、前記第2のスラリーは、前記2つの第1のキャリアの間に成形される。
好ましくは、第2のスラリーは、第2キャリア上に熱処理され、第2キャリアは、ガラスまたは金属を含む。
好ましくは、熱処理の温度は、160℃~200℃である。
好ましくは、熱処理の時間は、10分~180分である。
好ましくは、熱処理は、非酸化性雰囲気中で行われる。
好ましくは、導電性カーボンは、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、または炭素繊維を含む。
好ましくは、バインダはポリテトラフルオロエチレンを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明一実施形態の複合正極の製造方法のフローチャートである。
本発明の第1実施例のSEM写真である。
第1比較例のSEM写真である。
本発明の第1実施例の熱流量-温度曲線図である。
第2比較例の熱流量-温度曲線図である。
本発明の第1実施例のX線回折パターンである。
第2比較例のX線回折パターンである。
本発明の第1実施例の電圧-電容量曲線図である。
本発明の第2実施例の電圧-電容量曲線図である。
本発明の第3実施例の電圧-電容量曲線図である。
第1比較例の電圧-電容量曲線図である。
第2比較例の電圧-電容量曲線図である。
本発明の第2実施例の電容量-サイクル数曲線図である。
本発明の第3実施例の電容量-サイクル数曲線図である。
第1比較例の電容量-サイクル数曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴及び利点を具体化するいくつかの典型的な実施形態は、以下の内容において詳細に説明する。本発明は、範囲を逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、以下の説明及び図面は、本発明を説明するために使用されており、本発明を限定するためのものではない。また、本発明の詳細な説明において、第1特徴が第2特徴の上又は上方に配置されることとは、配置された前記第1特徴と前記第2特徴が直接に接続されている実施形態と、前記第1特徴と前記第2特徴との間に他の構造を介し前記第1特徴と前記第2特徴が直接に接続されていない実施形態とを含む。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、特許請求の範囲に記載された異なる構成を説明するために使用されており、これらの構成は当該用語に限定されず、実施形態に関する内容では、該当構成は異なる符号で表示さているが、第1構成は第2構成と表示され、また、第2構成は第1構成と表示されることも可能であり、本発明の実施形態から逸脱しない。また、「及び/又は」という用語は、一つおよび複数の関連要素またはその全部の組合せを意味する。また、「およそ」という用語は、当業者によって一般に受け入れられる標準誤差範囲内の平均値を指す。操作/動作に関する実施形態において明確に定義しない限り、本明細書に記載されているすべての数値範囲、量、数値およびパーセントなど(例えば、角度、維持時間、温度、操作条件、割合及びそれに相当するパーセントなど)はいずれも、すべての実施形態において用語の「約」または「実質的に」に理解すべきである。また、内容に記載されない限り、本発明及び特許請求の範囲の数値はいずれも、必要に応じて変化しえる近似値に取ることができる。例えば、各パラメーターは、少なくとも記載されている有効桁数に照らして、通常の丸めの原則を適用して解釈しても良い。また、本明細書での数値範囲は、一方の端点から他方の端点まで、または2つの端点の間の範囲として表することができる。本明細書に記載されているすべての範囲は、特に定義されていない限り、端点を含むことを留意されたい。
【0010】
図1を参照されたい。図1は、本発明の一実施形態における複合正極の製造方法のフローチャートである。本実施形態では、複合正極の製造方法は、以下のステップを含む。まず、ステップS1に示すように、正極材料と、固体電解質と、導電性カーボンと、アルコール溶媒とを提供(用意)する。正極材料は、複数の第1の粒子を含む。正極材料の組成は、Li[Ni

Co

Mn

Al

]O

、a+b+c+d=1、0.8<a≦1、0≦b<1、0≦c<1、0≦d<1である。固体電解質の組成は、Li

InCl



、且つx+y≦6、0≦x≦6、0≦y≦3である。本実施形態では、正極材料は、例えば、組成がLi[Ni

Co

Mn

]O

であるニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム(NCM)材料であり、且つa=0.83、b=0.12、c=0.05、すなわち、ニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム材料におけるニッケル、コバルト、マンガンの比率が83:12:5である。別の実施形態では、正極材料は、例えば、組成がLi[Ni

Co

Mn

Al

]O

であるニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム酸リチウム(NCMA)材料であり、且つa=0.88、b=0.06、c=0.05、d=0.01である。もう一つ別の実施形態では、正極材料は、例えば、組成比率が異なるニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム(NCM)材料またはニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム酸リチウム(NCMA)材料であり、または、組成がLi[Ni

Co

Al

]O

であるニッケル・コバルト・アルミニウム酸リチウム(NCA)材料である。とある実施形態では、正極材料は、例えば、組成がLiNiO

であるリチウムニッケル酸化物である。なお、本発明はこれに限定されない。本実施形態では、正極材料は、例えば、単結晶の正極材料であり、且つ第1の粒子の粒子径が0.5μm~30μmであり、単結晶構造と小粒子径によって、複合正極の電気化学性能の強化を達成することができる。正極材料は、固相合成法(solid-state synthesis)またはゾルゲル法(Sol-gel process)により製造されることができる。なお、本発明の正極材料の種類、粒子径、組成比率および製造過程はこれらに限定されず、ここでは詳細を省略する。本実施形態では、アルコール溶媒は、例えば、エタノールであり、毒性がなく、入手が容易で、低コストであるという利点がある。本実施形態では、導電性カーボンは、カーボンナノチューブ、導電性グラファイト(Conductive graphite)、導電性カーボンブラック(Conductive carbon black)、アセチレンブラック(Acetylene black)または気相法成長炭素繊維(Vapor grown carbon fiber、 VGCF)などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
(【0011】以降は省略されています)

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