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公開番号
2025012236
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023114944
出願日
2023-07-13
発明の名称
土木・建築物補強用繊維シート材
出願人
東レ・デュポン株式会社
代理人
個人
主分類
E04G
23/02 20060101AFI20250117BHJP(建築物)
要約
【課題】連続繊維シートを用いた土木・建築物補強工法において、優れたせん断補強、じん性補強効果を示し、補強対象物の形状に関係なく安定的な補強効果を発揮する、土木・建築物補強用繊維シート材を提供する。
【解決手段】
土木・建築物の補強に用いる高強度有機マルチフィラメントからなる補強用繊維シート材であって、(a)前記マルチフィラメントを構成する単糸の圧縮処理後の引張強度保持率が90%以上であり、(b)JIS A1191:2021に記載の方法により測定される、前記繊維シート材の補強繊維の配向に沿った終局ひずみが3.0%以上である、土木・建築物補強用繊維シート材。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
土木・建築物の補強に用いる、高強度有機マルチフィラメントからなる補強用繊維シート材であって、
(a)前記マルチフィラメントを構成する単糸の圧縮処理後の引張強度保持率が90%以上であり、
(b)JIS A1191:2021に記載の方法により測定される、前記繊維シート材の補強繊維の配向に沿った終局ひずみが3.0%以上である、
土木・建築物補強用繊維シート材。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記高強度有機マルチフィラメントが、パラ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維である、請求項1に記載の土木・建築物補強用繊維シート材。
【請求項3】
前記高強度有機マルチフィラメントが、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維である、請求項1に記載の土木・建築物補強用繊維シート材。
【請求項4】
前記補強用繊維シート材が、
(c)JIS A1191:2021に記載の方法により測定される補強繊維の配向方向に沿った引張強度が2,000MPa以上、(d)JIS A1191:2021により測定されるヤング係数が60GPa以上、のうちいずれか1以上を満たす、
請求項1に記載の土木・建築物補強用繊維シート材。
【請求項5】
前記補強用繊維シート材が、
一方向布帛および二方向布帛からなる群から選択されるいずれかである、
請求項1に記載の土木・建築物補強用繊維シート材。
【請求項6】
請求項1~5いずれかに記載の土木・建築物補強用繊維シート材で補強された、土木・建築構造物。
【請求項7】
前記土木・建築構造物がコンクリート構造物である、請求項6に記載の土木・建築構造物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木・建築構造物の補強に用いる高強度繊維からなる補強用繊維シート材に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
鉄道の高架橋や、高速道路の高架橋など、コンクリート製の建築物は多数存在するが、地震による破壊に対する耐震補強あるいは交通量の増加による耐久性の改善などの問題がある。また、歴史的建造物である石造りの灯台や、煉瓦製の建物、コンクリートや煉瓦製の煙突など、寿命の延長や耐震補強の必要な建造物がある。
【0003】
耐震性が十分であっても、コンクリートの乾燥収縮や外的圧力によって、ひび割れや部分的に剥落したものが多数存在し、これらの補修も実施されている。コンクリート構造物の補強、補修方法は、対象となる鉄道高架などのコンクリート製の柱を鋼板で覆う方法、アラミド繊維や炭素繊維などの補強用繊維シート材をコンクリート面に張り付け、もしくは巻き付けて補強、補修する方法などがある。
【0004】
鋼板で覆う方法は、重い鋼板を扱うため、施工には重機や頑丈な足場が必要である。また、溶接の設備や熟練した作業者も必要である。一方、アラミド繊維や炭素繊維などの補強用繊維シート材を巻き付ける方法(一般的には「連続繊維補強工法」あるいは「繊維シートによる補強工法」等と称されている)は、重量物を扱う重機の必要がなく施工が容易であり、狭いところでの施工も容易で、また工期が短縮できるなどの利点があり利用が広まっている。
【0005】
繊維シート材による補強、補修方法は、炭素繊維やアラミド繊維などの引張強力が高い補強用繊維シート材を、エポキシ系樹脂、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、もしくはフェノール系樹脂などの含浸樹脂によってコンクリートの表面に接着させることにより行われる。その際、含浸樹脂は、繊維シート材をコンクリートに接着させるだけでなく、繊維シート材に含浸し、シートの強度を向上させ、さらに繊維シート材の強度をコンクリートに伝える媒体としての役割を果たす。
【0006】
繊維シート材によるコンクリートの補強方法は目的に応じて様々である。例えば地震発生時の横揺れに対し、せん断補強鉄筋が不十分であると照査されたコンクリート柱に対しては、軸方向に対して直角方向に巻き付けるように繊維シート材を張り付けることで、コンクリート柱の破壊モードを、粘りの少ないせん断破壊モードから、粘りのある曲げ破壊モードに移行させることが出来、崩落までの時間(避難するための時間)を稼ぐことが可能となる。このせん断補強における繊維シート材への要求特性としては主に強度・ヤング係数であることが知られている。
【0007】
また、曲げ破壊モードとなるコンクリート柱においても、下記式(III)に示すじん性能が1.0以下であることが、安全設計上重要であるとされている(コンクリートライブラリー101 連続繊維シート材を用いたコンクリート構造物の補修補強指針(土木学会)参照)。設計じん性率は、繊維シート材による補強によって大きくすることが出来、繊維シート材の終局ひずみが大きければ大きいほど良いとされている。
γ
i
× μ
rd
/ μ
d
・・・ (III)
γ
i
:構造物係数(1.0で計算)、μ
rd
:設計塑性率、μ
d
:設計じん性率
【0008】
特許文献1では、補強用繊維シート材を構成する繊維骨格内に含浸樹脂と同じオリゴマーを含んだ相溶化剤を浸透・含浸させることで補強用繊維シートの樹脂含浸性、かつ樹脂含浸シートの耐力を向上させている。しかし、あらかじめ繊維骨格内に表面処理剤を施す工程が必要であり、また補強用繊維シート材としての破断伸度が不十分であるため、じん性能が劣ってしまう。
【0009】
特許文献2では、高強度ポリエチレン繊維を用いて経糸カバーファクターと緯糸カバーファクターの適切な配分により、補強耐力が高く、軽量で樹脂含侵性が優れる補強用繊維シートが提示されている。しかし、高強度ポリエチレン繊維はエポキシ系樹脂との接着性に劣り、応力伝達に支障を与えるため、各種補強機能が発現しにくい。
【0010】
また、上記せん断補強やじん性補強のどちらの補強においても、柱状の補強対象物に対し繊維シート材を巻付ける形で施工を施すことになるが、多角形状の柱に対してはコーナーで繊維シート材が折れ曲がることとなり、繊維によっては繊維シート材の強度低下につながり、ひいては設計通りの補強効果が得られない恐れがある。
(【0011】以降は省略されています)
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