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公開番号2025012139
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114733
出願日2023-07-12
発明の名称電動車両の冷却制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B60L 15/20 20060101AFI20250117BHJP(車両一般)
要約【課題】走行用のモータを冷却するオイルポンプが、急加減速時に空気を吸い込むことを防止もしくは抑制する。
【解決手段】前輪用第1モータにオイルを供給する第1オイルポンプと、後輪用第2モータにオイルを供給する第2オイルポンプと、第1オイルポンプと第2オイルポンプとを制御するコントローラ31を備え、コントローラ31は、第1モータおよび第2モータを動作させて走行している際の加速度および減速度の少なくともいずれか一方を検出する検出部31aと、検出部31aで検出された加速度と減速度とのいずれか一方が予め定めた閾値を超えていることを判定する急加減速判定部31bと、加速度と減速度とのいずれか一方が予め定めた閾値を超えていることが判定された場合に、第1モータと第2モータとのうち負荷の小さい方のモータにオイルを供給するオイルポンプによるオイルの供給量を低下させる制御を行う低減制御部31cとを備えている。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
前輪を駆動する第1モータと、前記第1モータにオイルを供給する第1オイルポンプと、後輪を駆動する第2モータと、前記第2モータにオイルを供給する第2オイルポンプとを備え、加速時には前記第2モータの負荷が前記第1モータの負荷より大きくなり、かつ減速時には前記第1モータの負荷が前記第2モータの負荷より大きくなる電動車両の冷却制御装置であって、
前記第1オイルポンプと前記第2オイルポンプとを制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記第1モータおよび前記第2モータを動作させて走行している際の加速度および減速度の少なくともいずれか一方を検出する検出部と、
前記検出部で検出された前記加速度と前記減速度とのいずれか一方が予め定めた閾値を超えていることを判定する急加減速判定部と、
前記加速度と前記減速度とのいずれか一方が予め定めた閾値を超えていることが前記急加減速判定部によって判定された場合に、前記第1モータと前記第2モータとのうち前記負荷の小さい方のモータに前記オイルを供給する前記オイルポンプによる前記オイルの供給量を低下させる制御を行う低減制御部とを備えている
ことを特徴とする電動車両の冷却制御装置。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電動車両の冷却制御装置であって、
前記第1モータと前記第2モータとは、発電機能を備えたモータであり、
前記負荷は、前記第1モータと前記第2モータとのそれぞれが出力するトルクと、発電することによる回生トルクとである
ことを特徴とする電動車両の冷却制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動車両の冷却制御装置であって、
前記低減制御部は、前記急加減速判定部によって、前記加速度が前記閾値を超えていることが判定された場合に、前記第1オイルポンプによる前記オイルの前記第1モータに対する前記オイルの供給量を低下させることを特徴とする電動車両の冷却制御装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の電動車両の冷却制御装置であって、
前記低減制御部は、前記急加減速判定部によって、前記減速度が前記閾値を超えていることが判定された場合に、前記第2オイルポンプによる前記オイルの前記第2モータに対する前記オイルの供給量を低下させることを特徴とする電動車両の冷却制御装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の電動車両の冷却制御装置であって、
前記オイルの供給量を低下させる前記制御は、前記負荷の小さい方の前記モータに前記オイルを供給する前記オイルポンプの回転数を低下させる制御であることを特徴とする電動車両の冷却制御装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の電動車両の冷却制御装置であって、
前記コントローラは、
前記第1オイルポンプによる前記オイルの前記第1モータに対する前記オイルの供給量を低下させた場合に、前記第1モータの出力トルクを低下させるトルク制御部を更に備えていることを特徴とする電動車両の冷却制御装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の電動車両の冷却制御装置であって、
前記コントローラは、
前記第2オイルポンプによる前記オイルの前記第2モータに対する前記オイルの供給量を低下させた場合に、前記第2モータの出力トルクを低下させるトルク制御部を更に備えていることを特徴とする電動車両の冷却制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動力源に電動機(モータ)を備えている車両において、モータなどの冷却を行うための制御装置に関し、特にオイルによって冷却を行う冷却制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
電動車両の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された車両は、エンジンと発電機能のあるモータ(もしくはモータ・ジェネレータ)とを備えており、エンジンと所定のモータとによって前輪を駆動し、後輪を他のモータによって駆動するように構成されている。したがって、特許文献1に記載された車両では、前輪をエンジンと所定のモータとによって駆動して走行する二輪駆動状態と、これに加えて後輪を他のモータによって駆動して走行する四輪駆動状態とを選択することができる。また、前輪は、エンジンを停止して所定のモータのみによって駆動することが可能であり、その場合には、電動車両はいわゆる電気自動車(BEV)として機能することになる。
【0003】
一方、電動車両における駆動力源として機能するモータは、電動車両の駆動要求や回生制動要求に応じて大電流が流れることがあり、また不可避的な鉄損やジュール損などが原因となって発熱し、その発熱量は電流に応じて大きくなる。モータの温度が高くなると、モータ自体が損傷したり、その耐久性が低下するだけでなく、モータの出力が低下するので、電動車両に搭載されているモータは冷却する必要がある。特許文献2には、ハイブリッド車両がモータのみを駆動力源として走行するいわゆるEV走行時に、電動オイルポンプを駆動して、変速機と共に走行用モータにオイルを供給して冷却するように構成した油圧装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-168300号公報
特開2019-123387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているように前輪を駆動するモータと後輪を駆動するモータとを搭載した車両では、それらのモータを互いに独立して制御することになるから、モータの動作状態は互いに異なったものとなる。したがって、特許文献2に記載されているように、電動オイルポンプによってオイルを汲み上げて走行用のモータを冷却するとすれば、それぞれのモータに対応させてオイルポンプあるいはオイルポンプを主体とした冷却装置もしくは冷却ユニットを設けることが考えられる。
【0006】
電動車両における前側モータおよび後側モータを個別にオイルで冷却する場合、以下のような技術的な課題がある。すなわち、電動車両が走行すれば、必ず、加減速度が生じ、それに伴って、冷却もしくは潤滑のためのオイルに慣性力が作用し、その油面高さ(オイルレベル)が変化する。このような変化によってオイルパン中のオイルレベルが低下した場合、オイルポンプの吸込口もしくはストレーナが油面から大気側に露出し、その結果、オイルポンプが空気を吸い込んでしまうことがある。オイルポンプが空気を吸い込むと、モータや潤滑箇所に対するオイルの供給量が想定している量より少なくなるので、冷却不足や潤滑不足が生じる可能性がある。
【0007】
前後の車輪をそれぞれの車輪に対応させて設けたモータによって駆動し、また回生制動し、さらにそれらのモータをそれぞれに対応させて設けたオイルポンプもしくはオイルポンプを主体とする冷却装置によって冷却する電動車両における上述した技術的な課題は、従来、検討されていず、また課題解決のための好適な技術は、従来、知られていない。
【0008】
なお、上記の技術的課題に対処するために、加減速度が生じた場合であってもオイルレベルをある程度の高さに維持するべく、オイルパン中のオイル量を予め多くしておくことが考えられるかも知れない。しかしながら、オイル量を多くすると、その分、車両の全体としての重量が増大し、エネルギ効率(電費)が悪化する不都合がある。
【0009】
本発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、加速度ならびに減速度が生じた場合にオイルポンプを好適に制御して、オイルポンプの空気の吸い込みやそれに伴うモータの冷却の不良を回避もしくは抑制でき、かつ車両の軽量化によるエネルギ効率(電費)の改善を図ることのできる電動車両の冷却制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、前輪を駆動する第1モータと、前記第1モータにオイルを供給する第1オイルポンプと、後輪を駆動する第2モータと、前記第2モータにオイルを供給する第2オイルポンプとを備え、加速時には前記第2モータの負荷が前記第1モータの負荷より大きくなり、かつ減速時には前記第1モータの負荷が前記第2モータの負荷より大きくなる電動車両の冷却制御装置であって、前記第1オイルポンプと前記第2オイルポンプとを制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記第1モータおよび前記第2モータを動作させて走行している際の加速度および減速度の少なくともいずれか一方を検出する検出部と、前記検出部で検出された前記加速度と前記減速度とのいずれか一方が予め定めた閾値を超えていることを判定する急加減速判定部と、前記加速度と前記減速度とのいずれか一方が予め定めた閾値を超えていることが前記急加減速判定部によって判定された場合に、前記第1モータと前記第2モータとのうち前記負荷の小さい方のモータに前記オイルを供給する前記オイルポンプによる前記オイルの供給量を低下させる制御を行う低減制御部とを備えていることを特徴とするものである。
(【0011】以降は省略されています)

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