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公開番号2024136886
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023048183
出願日2023-03-24
発明の名称車両
出願人ダイハツ工業株式会社
代理人個人
主分類B60W 10/04 20060101AFI20240927BHJP(車両一般)
要約【課題】過渡変速制御において、エンジン回転数を漸増させる段階で走行モードが切り替えられたとしても、使用者が望むドライビングフィーリングを実現できる車両を提供する。
【解決手段】車両1は、通常モード及びパワーモードから走行モードを選択するモード設定部98と、ECU91とを備えている。ECU91は、アクセル開度が所定の閾値を超える変動率で大きくなることを条件として、入力回転数を所定期間上昇させる第一変速段階と、入力回転数を第一変速段階よりも緩やかに上昇させる第二変速段階とを経て入力回転数を上昇させる過渡変速制御を実行するものであり、通常モードでの過渡変速制御の実行中に、第二変速段階の途中でパワーモードへの走行モードの切り替えが行われた場合に、目標回転数をパワーモードに応じた値に変更して、過渡変速制御をリスタートさせる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
変速機と、
前記変速機に対して動力を出力する動力源と、
所定の第一モード、及び前記第一モードよりも目標回転数を高く設定する第二モードを含む複数の走行モードから一の走行モードを任意に選択して設定可能なモード設定部と、
制御装置と、
を備えた車両であって、
前記制御装置が、
アクセル開度が所定の閾値を超える変動率で大きくなることを条件として、
目標回転数に向けて、記動力源から前記変速機への入力回転数を所定期間に亘って上昇させる第一変速段階と、
前記第一変速制御の後に、前記動力源から前記入力回転数を前記目標回転数に向けて前記第一変速段階よりも緩やかに上昇させる第二変速段階と、
を含む複数の段階を経て、前記入力回転数を上昇させる過渡変速制御を実行するものであり、
前記第一モードが選択された状態で前記過渡変速制御を実行している過程において、前記第二変速段階の途中で、前記第一モードから前記第二モードへの前記走行モードの切り替えが行われることを条件として、前記目標回転数を前記第二モードに応じた値に変更して、前記過渡変速制御をリスタートさせること、を特徴とする車両。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記変速機が、動力が入力される入力軸、及び動力を出力する出力軸の間にベルト変速機構を有するものであること、を特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記変速機が、
動力が入力される入力軸、及び動力を出力する出力軸の間の第一動力伝達経路上に介在される第一係合要素と、
前記入力軸と前記出力軸との間の第二動力伝達経路に介在される第二係合要素と、を備え、
前記第二動力伝達経路上にベルト変速機構を有し、
前記第一係合要素の解放および前記第二係合要素の係合により、前記ベルト変速機構によるベルト変速比が大きいほど前記入力軸と前記出力軸との間でのトータル変速比が大きくなる第一モードとなり、
前記第一係合要素の係合および前記第二係合要素の解放により、前記ベルト変速比が大きいほど前記トータル変速比が小さくなる第二モードとなるものであること、を特徴とする請求項1に記載の車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているように、無段変速機を搭載した車両において、使用者が任意に操作可能とされた切換スイッチ等の操作により、走行モードを通常モードやパワーモード等の複数のモードから選択可能としたものが提供されている。パワーモードは、通常モードよりも加速力が高く、スポーティなドライビングフィーリングを実現する等の目的で設定された走行モードである。そのため、パワーモードがオン状態とされた場合には、高回転数域でエンジンの出力特性を最大限に生かすべく、目標回転数が通常モードよりも高く設定する制御が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-44723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本発明者らは、上述した従来技術のようにパワーモードのような走行モードを選択可能とした車両において、キックダウン等によってアクセル開度が急激に大きくなった場合の挙動について検討を行った。
【0005】
キックダウン等によってアクセル開度が急激に大きくなった場合、エンジン回転数を急激に上げることによって、エンジンやトランスミッションに過剰な負荷が作用するのを回避する等の目的で、段階を経てエンジン回転数を上昇させる制御が行うと良い。具体的には、無段変速機を搭載した車両においてキックダウンが行われた場合、先ず初期段階(第一変速段階)において目標回転数に向けて短期間のうちにエンジン回転数を上昇させることにより、ユーザの要望に応じた大幅な加速を行う制御を行う。その後、次の段階(第二変速段階)において目標回転数に向けてエンジン回転数を徐々に向上させる制御(過渡変速制御)を行う。このような段階を経た制御を行うことにより、急激に大きな負荷がエンジンやトランスミッションに作用するのを抑制しつつ、加速をスムーズに行うことができる。
【0006】
その一方で、アクセル開度が急激に大きくなったときに、上述した第一変速段階及び第二変速段階を含む複数の段階を経る制御を行うこととした場合において、第二変速段階の途中で、上述したパワーモードのように目標回転数を高く設定する走行モードを選択する操作がなされることが想定される。第二変速段階の途中でこのような走行モードの切り替えが行われた場合、目標回転数は高く設定されるものの、回転数の上昇スピードや加速度に大きな変化がなく、使用者が望むドライビングフィーリングを実現しにくいといった問題が生じる可能性がある。
【0007】
そこで本発明は、第一モード、及び第一モードよりも目標回転数を高く設定する第二モードを含む複数の走行モードから一の走行モードを任意に選択可能であるとともに、アクセル開度が所定の閾値を超える変動率で大きくなった場合に行われる過渡変速制御において、エンジン回転数を徐々に向上させている段階において走行モードが第二モードに切り替えられたとしても、使用者が望むドライビングフィーリングを実現できる車両の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の車両は、変速機と、前記変速機に対して動力を出力する動力源と、所定の第一モード、及び前記第一モードよりも目標回転数を高く設定する第二モードを含む複数の走行モードから一の走行モードを任意に選択可能に受け付けるモード設定部と、制御装置と、を備えたものであって、前記制御装置が、アクセル開度が所定の閾値を超える変動率で大きくなることを条件として、目標回転数に向けて、前記動力源から前記変速機への入力回転数を所定期間に亘って上昇させる第一変速段階と、前記第一変速制御の後に、前記動力源から前記入力回転数を前記目標回転数に向けて前記第一変速段階よりも緩やかに上昇させる第二変速段階と、を含む複数の段階を経て、前記入力回転数を上昇させる過渡変速制御を実行するものであり、前記第一モードが選択された状態で前記過渡変速制御を実行している過程において、前記第二変速段階の途中で、前記第一モードから前記第二モードへの前記走行モードの切り替えが行われることを条件として、前記目標回転数を前記第二モードに応じた値に変更して、前記過渡変速制御をリスタートさせるものである。
【0009】
本発明の車両は、上記(1)のように、第一モードが選択された状態において過渡変速制御を実行している過程において、第二変速段階の途中で、第一モードから第二モードへの走行モードの切り替えが行われることを条件として、過渡変速制御をリスタートさせるものとされている。これにより、本発明の車両においては、第一変速段階を終えて、第二変速段階においてエンジン回転数を徐々に向上させている状態において走行モードが第一モードから第二モードに切り替えられた場合に、目標回転数を第二モードに応じた値に変更して過渡変速制御をリスタートさせることにより、第二変速段階よりも急峻に入力回転数を上昇させる第一変速段階が行われる。従って、本発明の車両は、第一モードが選択された状態において過渡変速制御を実行している過程において、第二変速段階の途中で、第一モードから第二モードへの走行モードの切り替えが行われた場合であっても、使用者が望むドライビングフィーリングを実現できる。
【0010】
(2)本発明の車両は、前記変速機が、動力が入力される入力軸、及び動力を出力する出力軸の間にベルト変速機構を有するものであると良い。
(【0011】以降は省略されています)

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