TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025011265
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-23
出願番号2024180714,2022141970
出願日2024-10-16,2018-01-16
発明の名称胃抑制ペプチド受容体(GIPR)に対するアンタゴニストにコンジュゲートされたGLP-1受容体アゴニストを使用して代謝障害を治療又は改善する方法
出願人アムジエン・インコーポレーテツド
代理人弁理士法人川口國際特許事務所
主分類C07K 16/28 20060101AFI20250116BHJP(有機化学)
要約【課題】代謝性疾患及び障害を治療する方法に使用するための、ヒトGIPRに特異的に結合する抗原結合タンパク質を含む組成物を提供する。
【解決手段】一態様として、a)ヒトGIPRに特異的に結合する抗体又はその機能的断片であって、1つ以上のコンジュゲーション部位でシステイン又は非標準アミノ酸のアミノ酸置換を含む抗体又はその機能的断片と、b)GLP-1受容体アゴニストであって、前記1つ以上のコンジュゲーション部位で置換されたシステイン残基又は非標準アミノ酸残基の側鎖を通して前記抗体又はその機能的断片にコンジュゲートされているGLP-1受容体アゴニストと、を含む組成物とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
a)ヒトGIPRに特異的に結合する抗体又はその機能的断片であって、1つ以上のコンジュゲーション部位でシステイン又は非標準アミノ酸のアミノ酸置換を含む抗体又はその機能的断片と、
b)GLP-1受容体アゴニストであって、前記1つ以上のコンジュゲーション部位で置換されたシステイン残基又は非標準アミノ酸残基の側鎖を通して前記抗体又はその機能的断片にコンジュゲートされているGLP-1受容体アゴニストと
を含む組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ヒトGIPRは、配列番号3141、配列番号3143及び配列番号3145からなる群から選択される配列を含む配列を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記抗体又はその機能的断片は、モノクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、多重特異性抗体又はその抗体断片である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記抗体断片は、Fab断片、Fab’断片又はF(ab’)2断片である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記抗体又はその機能的断片は、ヒト抗体である、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記抗体又はその機能的断片は、モノクローナル抗体である、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記抗体又はその機能的断片は、IgG1型、IgG2型、IgG3型又はIgG4型のものである、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗体又はその機能的断片は、前記IgG1型又は前記IgG2型のものである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記抗体又はその機能的断片は、ヒトGIPRの細胞外部分へのGIPの結合を阻害する、請求項3に記載の組成物。
【請求項10】
前記抗体は、CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2及びCDRH3を含み、前記CDRL1は、配列番号629~785からなる群から選択される配列を含み、前記CDRL2は、配列番号786~942からなる群から選択される配列を含み、前記CDRL3は、配列番号943~1099からなる群から選択される配列を含み、前記CDRH1は、配列番号1100~1256からなる群から選択される配列を含み、前記CDRH2は、配列番号1257~1413からなる群から選択される配列を含み、及び前記CDRH3は、配列番号1414~1570からなる群から選択される配列を含み、
前記抗体又はその機能的断片は、
参照配列である配列番号455に対する抗体軽鎖のD70、
参照配列である配列番号612に対する抗体重鎖のE276、及び
参照配列である配列番号612に対する抗体重鎖のT363
からなる群から選択される1つ以上のコンジュゲーション部位でシステイン又は非標準アミノ酸のアミノ酸置換を含む、請求項3に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、2型糖尿病、グルコースレベルの上昇、インスリンレベルの上昇、肥満、非アルコール性脂肪性肝疾患、循環器疾患又は糖尿病性腎症などの代謝障害の、胃抑制ペプチド受容体(GIPR)に特異的な抗原結合タンパク質にコンジュゲートされたGLP-1受容体アゴニストを使用する治療又は寛解に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)は、小腸(十二指腸及び空腸)においてK細胞から分泌される42のアミノ酸の単一ペプチドである。ヒトGIPは、プロGIPがプロセシングを受けて生じるものであり、プロGIPは、染色体17qに局在する遺伝子によってコードされる153のアミノ酸の前駆体である(Inagaki et al.,Mol Endocrinol 1989;3:1014-1021、Fehmann et al.Endocr Rev.1995;16:390-410)。GIPは、以前は胃抑制ポリペプチドと呼ばれていた。
【0003】
GIPの分泌は、食物摂取によって誘導される。GIPは、組織に対して多くの生理学的作用を及ぼすものであり、こうした作用には、脂肪細胞における脂肪貯蔵の促進ならびに膵島β細胞の機能及びグルコース依存性のインスリン分泌の促進が含まれる。GIP及びグルカゴン様ポリペプチド-1(GLP-1)は、インスリン分泌刺激因子(「インクレチン」)として知られている。インタクトなGIPは、DPPIVによって迅速に分解されることで不活性形態となる。2型糖尿病患者では、GIPのインスリン分泌刺激作用は失われているが、GLP-1のインクレチン作用はそのまま残っている(Nauck et al.J.Clinc.Invest.1993;91:301-307)。
【0004】
GIP受容体(GIPR)は、細胞外N末端、7つの膜貫通ドメイン及び細胞内C末端を有するGタンパク質共役型受容体(GPCR)のセクレチン-グルカゴンファミリーのメンバーである。このファミリーの受容体のN末端細胞外ドメインは、通常、グリコシル化されており、受容体の認識及び結合ドメインを形成する。GIPRは、膵臓、腸、脂肪組織、心臓、下垂体、副腎皮質及び脳を含む、多くの組織において高度に発現する(Usdin et al.,Endocrinology.1993,133:2861-2870)。ヒトGIPRは、466のアミノ酸を含み、染色体19q13.3に位置する遺伝子によってコードされる(Gremlich et al.,Diabetes.1995;44:1202-8、Volz et al.,FEBS Lett.1995,373:23-29)。ヒト、ラット及びマウスでは、mRNAが選択的スプライシングを受ける結果として、長さが異なるGIP受容体変異体が生成することが研究によって示唆されている。
【0005】
GIPRノックアウトマウス(Gipr
-/-
)では、高脂肪食誘導性の体重増加に抵抗性が存在し、インスリン感受性及び脂質プロファイルが改善している(Yamada et al.,Diabetes.2006,55:S86、Miyawaki et al.Nature Med.2002,8:738-742)。さらに、新規の小分子GIPRアンタゴニストであるSKL-14959は、肥満及びインスリン抵抗性を阻止する(Diabetologia 2008,51:S373,44th EASD Annual meeting poster)。
【0006】
まとめると、これらと肥満及びインスリン抵抗性との関連は、GIPRを阻害することが治療介入にとって有用なアプローチであることを示唆している。
【0007】
グルカゴン様ペプチド-1は、プログルカゴン遺伝子に由来する31のアミノ酸のペプチドである。GLP-1は、小腸L細胞によって分泌されるものであり、食物摂取に応じて放出されることで膵臓β細胞からのインスリン分泌を誘導する(Diabetes 2004,53:S3,205-214)。インクレチン作用に加えて、GLP-1は、グルカゴンの分泌低減、胃内容排出の遅延及びカロリー摂取の低減も行う(Diabetes Care,2003,26(10):2929-2940)。GLP-1は、GLP-1受容体の活性化によってその作用を発揮し、GLP-1受容体は、クラスBに属するGタンパク質共役型受容体である(Endocrinology.1993,133(4):1907-10)。GLP-1は、DPP-IV酵素による迅速分解によってその機能は限定されており、結果的に半減期は約2分である。エキセナチド、リラグルチド、デュラグルチドなどの持続性のGLP-1受容体アゴニスト(GLP-1RA)が最近開発され、2型糖尿病を有する患者の血糖制御を改善するために、現在、臨床的に使用されている。さらに、GLP-1RAは、患者における体重低減ならびに血圧及び血漿コレステロールレベルの低減も促進する(Bioorg.Med.Chem.Lett 2013,23:4011-4018)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Inagaki et al.,Mol Endocrinol 1989;3:1014-1021
Fehmann et al.Endocr Rev.1995;16:390-410
Nauck et al.J.Clinc.Invest.1993;91:301-307
Usdin et al.,Endocrinology.1993,133:2861-2870
Gremlich et al.,Diabetes.1995;44:1202-8
Volz et al.,FEBS Lett.1995,373:23-29
Yamada et al.,Diabetes.2006,55:S86
Miyawaki et al.Nature Med.2002,8:738-742
Diabetologia 2008,51:S373,44th EASD Annual meeting poster
Diabetes 2004,53:S3,205-214
Diabetes Care,2003,26(10):2929-2940
Endocrinology.1993,133(4):1907-10
Bioorg.Med.Chem.Lett 2013,23:4011-4018
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様では、本開示は、代謝障害を有する対象を治療する方法であって、ヒトGIPRに特異的に結合する抗原結合タンパク質を含む治療有効量の組成物を対象に投与する工程を含み、その抗原結合タンパク質は、GLP-1受容体アゴニストにコンジュゲートされている、方法を提供する。1つの実施形態では、代謝障害は、グルコース代謝の障害である。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、高血糖を含み、抗原結合タンパク質の投与は、血漿グルコースを低減する。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、高インスリン血症を含み、抗原結合タンパク質の投与は、血漿インスリンを低減する。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、耐糖能障害を含み、抗原結合タンパク質の投与は、耐糖能を向上させる。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、インスリン抵抗性を含み、抗原結合タンパク質の投与は、インスリン抵抗性を低減する。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、糖尿病を含む。別の実施形態では、対象は、肥満である。別の実施形態では、組成物の投与は、肥満対象の体重を低減する。別の実施形態では、組成物の投与は、肥満対象における体重増加を低減する。別の実施形態では、組成物の投与は、肥満対象における体脂肪量を低減する。別の実施形態では、グルコース代謝障害は、インスリン抵抗性を含み、組成物の投与は、肥満対象におけるインスリン抵抗性を低減する。別の実施形態では、組成物の投与は、進行した脂肪肝を有する肥満対象における脂肪肝を低減する。別の実施形態では、組成物の投与は、肝臓脂肪含量が増加した肥満対象における肝臓脂肪含量を低減する。
【0010】
1つの態様では、本組成物は、ヒトGIPRのアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質に特異的に結合する抗体又はその機能的断片であって、参照配列である配列番号455に対する抗体軽鎖のD70、参照配列である配列番号612に対する抗体重鎖のE276及び参照配列である配列番号612に対する抗体重鎖のT363からなる群から選択される1つ以上のコンジュゲーション部位でシステイン又は非標準アミノ酸のアミノ酸置換を含む抗体又はその機能的断片と、1つ以上のコンジュゲーション部位で置換されたシステイン残基又は非標準アミノ酸残基の側鎖を通して抗体又は機能的断片にコンジュゲートされているGLP-1受容体アゴニストとを含む抗体又はその機能的断片を含む。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

高砂香料工業株式会社
香料組成物
4日前
小野薬品工業株式会社
GCL阻害剤
1か月前
築野グループ株式会社
脂肪酸エステル
3か月前
トヨタ自動車株式会社
メタン製造装置
24日前
日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
21日前
築野グループ株式会社
脂肪酸エステル
3か月前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
20日前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
2か月前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
3か月前
JNC株式会社
ジアミンおよびこれを用いた重合体
21日前
田岡化学工業株式会社
多環芳香族化合物の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
1,2-ジクロロエタンの製造方法
3日前
株式会社クラレ
メタクリル酸メチルの製造方法
5日前
学校法人近畿大学
アミロイド線維検出プローブ
2か月前
株式会社トクヤマ
ベンジルヒドラジン誘導体の製造方法
1か月前
日本曹達株式会社
エチルメチルスルホンの製造方法
5日前
三井金属鉱業株式会社
金属化合物含有物
21日前
個人
希土類有機錯体及びその製造方法並び応用
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
2か月前
大正製薬株式会社
MMP9阻害作用を有するインドール化合物
4日前
住友化学株式会社
芳香族複素環化合物の製造方法
24日前
日本特殊陶業株式会社
反応装置
3か月前
東ソー株式会社
アデノ随伴ウイルス結合性タンパク質の精製方法
2か月前
東亞合成株式会社
ペプチドフラグメント及びその利用
2か月前
株式会社フラスク
含ホウ素化合物および有機EL素子
17日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、および発光デバイス
1か月前
グリーンケミカルズ株式会社
4-ヒドロキシ安息香酸組成物
1か月前
公立大学法人大阪
尿素化合物の製造方法
1か月前
日本化薬株式会社
イソシアヌレート環を有する多官能アミン化合物
10日前
ノーベルファーマ株式会社
ヒスチジン亜鉛2水和物の製造方法
2か月前
株式会社Kyulux
有機発光素子
1か月前
ユニマテック株式会社
フェノチアジン誘導体化合物の精製方法
4日前
サンアプロ株式会社
金属錯塩色素
2か月前
国立大学法人富山大学
抗がん作用を有する化合物
2か月前
興和株式会社
新規ニコチンアミド化合物
2か月前
学校法人甲南学園
鉛イオン結合用アフィニティ固相
18日前
続きを見る