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公開番号2025011259
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-23
出願番号2024180571,2023556501
出願日2024-10-16,2022-03-17
発明の名称治療用結合分子
出願人メドイミューン・リミテッド,MedImmune Limited
代理人個人,個人
主分類C07K 16/28 20060101AFI20250116BHJP(有機化学)
要約【課題】炎症性腸疾患(IBD)などのCCR9に媒介される疾患又は病態を治療するか又は予防するための改善された医薬を提供する。
【解決手段】本発明は、ケモカイン受容体CCR9に結合する抗体などの結合分子に関する。より具体的には、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)などのCCR9に媒介される疾患又は病態の治療、及び本発明の結合分子を使用するCCR9の検出のための方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
CCR9に結合し且つCDR HCDR1、HCDR2及びHCDR3のセットを有する重鎖可変(VH)領域並びにCDR LCDR1、LCDR2及びLCDR3のセットを有する軽鎖可変(VL)領域を含み、
(a)前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号1のHCDR1、配列番号2のHCDR2及び配列番号3のHCDR3を含み、且つ前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号4のLCDR1、配列番号5のLCDR2及び配列番号6のLCDR3を含むか;
(b)前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号7のHCDR1、配列番号8のHCDR2及び配列番号9のHCDR3を含み、且つ前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号10のLCDR1、配列番号11のLCDR2及び配列番号12のLCDR3を含むか;若しくは
(c)前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号13のHCDR1、配列番号14のHCDR2及び配列番号15のHCDR3を含み、且つ前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号16のLCDR1、配列番号17のLCDR2及び配列番号18のLCDR3を含むか;
又は前記HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3のいずれか1つ以上が、前記配列と比較して1、2又は3個のアミノ酸置換を含む、結合分子。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号1のHCDR1、配列番号2のHCDR2及び配列番号3のHCDR3を含み、且つ前記VL領域配列が、配列番号5のLCDR2及び配列番号6のLCDR3、並びに
(a)配列番号4;
(b)配列番号19;
(c)配列番号20;
(d)配列番号21;及び
(e)配列番号22
から選択されるアミノ酸配列を有するLCDR1を含む、請求項1に記載の結合分子。
【請求項3】
(i)前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号51、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含み且つ;前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号52、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか;
(ii)前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号51、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含み且つ;前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号53、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか;
(iii)前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号51、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含み且つ;前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号54、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか;
(iv)前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号51、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含み;且つ前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号55、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか;又は
(v)前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号56、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含み且つ;前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号57、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1(a)又は請求項2に記載の結合分子。
【請求項4】
(i)前記結合分子が、請求項1(b)において定義されるとおりのVH領域及びVL領域を含み、前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号58、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含み;且つ前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号59、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含むか;又は
(ii)前記結合分子が、請求項1(c)において定義されるとおりのVH領域及びVL領域を含み、前記VH領域アミノ酸配列が、配列番号60、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含み;且つ前記VL領域アミノ酸配列が、配列番号61、又はそれと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の結合分子。
【請求項5】
前記結合分子が、CCL25のCCR9への結合を阻害する、請求項1~3のいずれか一項に記載の結合分子。
【請求項6】
前記結合分子が、抗CCR9抗体、又はその抗原結合断片である、請求項1~5のいずれか一項に記載の結合分子。
【請求項7】
前記抗CCR9抗体又はその抗原結合断片が、ヒト化、キメラ、又は完全にヒトのものである、請求項6に記載の結合分子。
【請求項8】
(a)IgG免疫グロブリン若しくはその断片;又は
(b)IgG1免疫グロブリン若しくはその断片
である、請求項6又は7に記載の結合分子。
【請求項9】
前記結合分子が、1種以上のFc受容体に結合する能力を保持する免疫グロブリンFcドメイン、又はその断片を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の結合分子。
【請求項10】
前記免疫グロブリンFcドメイン又はその断片が、
(a)IgG Fcドメイン又はその断片であり;
(b)ヒトIgG Fcドメイン又はその断片であり;
(c)ヒトIgG1 Fcドメイン又はその断片であり;
(d)対応する野生型Fcドメインと比較して改変され、前記改変が、1種以上のFcγ受容体に対する親和性の増大をもたらし;
(e)対応する野生型Fcドメインと比較して改変され、前記改変が、抗体依存性細胞傷害応答の増強をもたらし;且つ/又は
(f)アミノ酸位置297で非フコシル化N結合グリカンを含む、
請求項9に記載の結合分子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ケモカイン受容体CCR9に結合する抗体などの結合分子に関する。より具体的には、本発明は、炎症性腸疾患(IBD)などのCCR9に媒介される疾患又は病態の治療、及び本発明の結合分子を使用するCCR9の検出のための方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
IBDは、小腸炎及び上皮損傷によって病理学的に特徴付けられる胃腸管の慢性障害の一群である。IBDの2つの型であるクローン病及び潰瘍性大腸炎は、著しい病的状態と関連付けられ、個体の生活の質及びそれらの活動する能力に大きい影響を及ぼす可能性がある[1]。これらの病的状態は、IBDのための改善された療法の必要性を浮き彫りにしている。
【0003】
IBDのための治療的介入は、症候性の応答及び介入のその後の耐容能に対処するために適応させられる。既存の療法としては、アミノサリチル酸、コルチコステロイド及び抗体が挙げられる。しかしながら、これらの治療にもかかわらず、外科的介入が、生存期間にクローン病患者の最大3分の2において必要とされることが推定される[2]。クローン病の臨床管理は、ステロイド、免疫抑制剤(チオプリン及びメトトレキセート)、及び/又はアミノサリチル酸で始まるステップアップ・アプローチを歴史的に採用してきたが、後者の有効性に関する証拠は非常に限定的である[3]。患者の大部分において長続きする寛解を達成するライセンス化された療法はない。
【0004】
標的化抗CCR9抗体は、癌の治療のための機構として提案されている。卵巣癌、前立腺癌、乳癌及び黒色腫における異常なCCR9発現は、インビトロでのCCL25に応答した侵襲性と相関する。CCL25結合は、細胞の生存及びアポトーシスに対する抵抗性を高める。非特許文献1[4]及び特許文献1は、マウス抗CCR9抗体91R(マウス抗ヒトCCR9 IgG2b)及び92R(マウス抗ヒトCCR9 IgG2a)を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015075269A1号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
Somovilla-Crespo et al.2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、そのような障害を治療するか又は予防するための改善された医薬の必要性が存在する。本発明は、上記の問題の1つ以上を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ケモカイン受容体、CCR9が、炎症性サイトカインIFN-γ、IL-4及びIL-17を共発現するIBDを有する患者の結腸及び回腸において高度に発現されることを見出した。本発明者らは、CCR9発現細胞に結合し、CCR9とその天然のリガンドCCL25の間の相互作用を阻害し、CCL25に媒介されるCCR9内部移行を妨げる結合分子を首尾よく作製した。有利に、結合分子は、例えば、結合するCCR9発現細胞に対する抗体依存性細胞傷害(ADCC)を媒介することによって、結合するCCR9発現細胞の死滅を誘導することができる。CCL25のCCR9への結合を阻害し、結合するCCR9発現細胞の死亡を誘導する結合分子の開発は、IBDを有する対象のために特に有利である。
【0009】
したがって、本発明は、CCR9に結合する結合分子に関する。本発明の結合分子は、好ましくは、CCR9に対するCCL25の結合を阻害する。本発明の結合分子は、好ましくは、結合するCCR9発現細胞の死滅を誘導することができる。例えば、結合分子は、結合する細胞に対してADCC応答を媒介することができる可能性がある。本発明の結合分子は、好ましくは、結合するCCR9発現細胞の遊走を妨げるか又は阻害することができる。例えば、結合分子は、CCL25に応答するCCR9発現細胞の遊走を妨げる可能性があるか、又は結合分子は、対象の末梢から腸へのCCR9発現細胞の遊走を妨げることができる可能性がある。
【0010】
一態様では、本発明は、CCR9に結合し、CDR HCDR1、HCDR2及びHCDR3のセットを有する重鎖可変(VH)領域並びにCDR LCDR1、LCDR2及びLCDR3のセットを有する軽鎖可変(VL)領域を含む結合分子を提供し、(a)VH領域アミノ酸配列は、配列番号1のHCDR1、配列番号2のHCDR2及び配列番号3のHCDR3を含み、且つVL領域アミノ酸配列は、配列番号4のLCDR1(RSSQSLVHX

NX

NTYLH、X

及びX

は任意のアミノ酸である)、配列番号5のLCDR2及び配列番号6のLCDR3を含むか、(b)VH領域アミノ酸配列は、配列番号7のHCDR1、配列番号8のHCDR2及び配列番号9のHCDR3を含み、且つVL領域アミノ酸配列は、配列番号10のLCDR1、配列番号11のLCDR2及び配列番号12のLCDR3を含むか;又は(c)VH領域アミノ酸配列は、配列番号13のHCDR1、配列番号14のHCDR2及び配列番号15のHCDR3を含み、且つVL領域アミノ酸配列は、配列番号16のLCDR1、配列番号17のLCDR2及び配列番号18のLCDR3を含むか、又は前記HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3のいずれか1つ以上は、前記配列と比較して1、2又は3個のアミノ酸置換を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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