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公開番号2025010994
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-23
出願番号2023113353
出願日2023-07-10
発明の名称電動車の駆動用バッテリ回路システムに於けるリレーの溶着の診断方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B60L 3/00 20190101AFI20250116BHJP(車両一般)
要約【課題】 電動車の駆動用バッテリ回路システム1に於いて、バッテリBaとモータ3との間を選択的に導通/遮断するために設けられたリレーSMRBと、バッテリ内に於いて直列接続されているバッテリセル群Ba1、Ba2を並列に接続するためのリレーDCRの溶着の診断をより効率的に実行する。
【解決手段】 リレーSMRBの溶着診断は、バッテリとインバータとの間が電気的に接続されているモータの駆動の終了後又はバッテリの端子間電圧よりも低くない直流出力電圧の外部充電器による充電の終了後に、リレーDCRを導通状態にしたまま、リレーSMRBへ遮断状態にする指令を与えてリレーが遮断されているか否かを判定することにより行い、リレーDCRの溶着診断は、モータの駆動又は外部充電器による充電の開始前にリレーSMRBを導通状態にして、リレーDCRが遮断されているか否かを判定することにより行う。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
電動車に於けるバッテリからモータへ電力を伝送する回路システムにして、前記バッテリが二つのバッテリセル群が選択的に直列又は並列に接続されるよう構成され、前記バッテリの端子間電圧よりも低くない直流出力電圧の外部充電器及び前記バッテリの端子間電圧よりも低い直流出力電圧の外部充電器により充電可能であり、前記バッテリと前記モータの動作を制御するインバータとの間に設けられて前記バッテリと前記インバータとの間を選択的に導通又は遮断する第一のリレーと、前記バッテリ内に於ける前記二つのバッテリセル群の間に設けられて前記二つのバッテリセル群の間を選択的に導通又は遮断する第二のリレーとが設けられた回路システムに於ける前記第一及び第二のリレーの溶着の有無を診断する方法であって、
前記第一のリレーと前記第二のリレーとが導通状態にあり、前記バッテリと前記インバータとの間が電気的に接続されている前記モータの駆動の終了後又は前記バッテリの端子間電圧よりも低くない直流出力電圧の外部充電器による充電の終了後に、前記第二のリレーを導通状態にしたまま、前記第一のリレーへ遮断状態にする指令を与えて前記第一のリレーが遮断されているか否かを判定することにより前記第一のリレーの溶着の有無を診断する第一の診断過程と、
前記第一のリレーが遮断状態にあり、前記第二のリレーに遮断状態にする指令が与えられている状態にあり、前記バッテリと前記インバータとの間が電気的に接続される前記モータの駆動又は前記外部充電器による充電の開始前に、前記第一のリレーを導通状態にして前記第二のリレーが遮断されているか否かを判定することにより前記第二のリレーの溶着の有無を診断する第二の診断過程と
を含む方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車の駆動用バッテリ回路システムに係り、より詳細には、バッテリ回路システムに於ける電力伝送経路を制御すべく、導通/遮断が切り換えられるリレーに於ける溶着の有無を診断する方法に係る。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
電動車(電気自動車、プラグインハイブリッド車等)に於けるバッテリからモータへ電力を伝送する回路システムに於いては、電力の伝送経路を切り換えるべく、幾つかの、回路の導通と遮断とを行うリレーが設けられているところ、それらのリレーが正常に作動しているか否か、即ち、リレーが溶着する故障(リレーが接続されたままとなる故障)が起きていないか否かを、回路システムからリレーを取り出すことなく診断できると便利である。例えば、特許文献1に於いては、バッテリからモータへ電力を伝送する回路システムに於いてバッテリとモータとの間が一つのリレーを介して接続されている場合、そのリレーが溶着すると、モータへの連続通電状態となってしまうことから、バッテリとモータとの間が直列接続された二つのリレーを介して接続し、一方のリレーが溶着して遮断できなくなったときには、他方のリレーを遮断できるようにして、モータへの連続通電状態を防止できるようにした構成に於いて、リレーの溶着の診断については、2つのリレーの接点の導通と遮断とに優先順位を付け、一方のリレーについてのみ溶着の有無の診断を行うようにして回路を簡素化することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平06-237521
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電動車のバッテリ回路システムの構成を、外部の充電器(スタンドなど)からの直流電力をバッテリへ充電可能とした構成にする場合、充電器の出力電圧がバッテリの端子間電圧よりも低いとき、具体的には、例えば、バッテリの端子間電圧が800Vであるのに対して、充電器の出力電圧が400Vであるときには、その充電器ではバッテリの充電ができない。しかしながら、バッテリは、通常、複数のバッテリセルが直列に接続されているので、バッテリの端子間電圧よりも充電器の出力電圧が低いときには、直列に接続されているバッテリセルを複数の群に分けて、充電器に対して、バッテリセルの群を並列接続することで、バッテリの端子間電圧よりも低い出力電圧の充電器によるバッテリの充電を実行することが検討されている。その場合、バッテリに於いて、直列接続された複数のバッテリセルを並列接続に切り換えるための回路が設けられ、その回路の一部として、直列に接続されている複数のバッテリセルの群の間に於いて、選択的に導通と遮断が切り換えられるリレーが設けられることとなる(後述の実施形態の欄及び図面を参照)。
【0005】
上記の如く、直列接続された複数のバッテリセルの群の間に設けられているリレーも、バッテリとモータとの間のリレーと同様に、それを回路から取り出すことなく、適時、溶着の有無の診断ができることが好ましい。この点に関し、バッテリセル群の間のリレーは、バッテリ-モータ間のリレーと直列に接続されることになるので、これらの二つのリレーについて、同時に溶着の有無を診断することはできない。即ち、一方のリレーの診断の際には、他方は導通状態とする必要がある。また、各リレーは、導通状態にした後に遮断状態の指令を与える度に、正しく遮断されているか否か、即ち、溶着の有無の診断ができるようになっていることが好ましいところ、例えば、一のリレーについて、一度、溶着の有無の診断を行い、遮断状態にした後に、別のリレーの診断のためだけに、再び導通状態すると、再度、診断の実行の必要が生じ、診断処理が煩わしくなり、非効率である。
【0006】
かくして、バッテリ-モータ間のリレーとバッテリセル群間のリレーとの溶着の有無の診断に於ける上記の如き事情に鑑み、本発明の主な課題は、電動車の駆動用バッテリ回路システムに於いて、バッテリとモータとの間を選択的に導通/遮断するために設けられたリレーと、バッテリ内に於いて直列接続されている複数のバッテリセルの群を外部充電器による充電のために並列接続に切り換えるためにバッテリセル群の間に介入されたリレーとのそれぞれの溶着の診断をより効率的に実行する構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記の課題は、電動車に於けるバッテリからモータへ電力を伝送する回路システムにして、前記バッテリが二つのバッテリセル群が選択的に直列又は並列に接続されるよう構成され、前記バッテリの端子間電圧よりも低くない直流出力電圧の外部充電器及び前記バッテリの端子間電圧よりも低い直流出力電圧の外部充電器により充電可能であり、前記バッテリと前記モータの動作を制御するインバータとの間に設けられて前記バッテリと前記インバータとの間を選択的に導通又は遮断する第一のリレーと、前記バッテリ内に於ける前記二つのバッテリセル群の間に設けられて前記二つのバッテリセル群の間を選択的に導通又は遮断する第二のリレーとが設けられた回路システムに於ける前記第一及び第二のリレーの溶着の有無を診断する方法であって、
前記第一のリレーと前記第二のリレーとが導通状態にあり、前記バッテリと前記インバータとの間が電気的に接続されている前記モータの駆動の終了後又は前記バッテリの端子間電圧よりも低くない直流出力電圧の外部充電器による充電の終了後に、前記第二のリレーを導通状態にしたまま、前記第一のリレーへ遮断状態にする指令を与えて前記第一のリレーが遮断されているか否かを判定することにより前記第一のリレーの溶着の有無を診断する第一の診断過程と、
前記第一のリレーが遮断状態にあり、前記第二のリレーに遮断状態にする指令が与えられている状態にあり、前記バッテリと前記インバータとの間が電気的に接続される前記モータの駆動又は前記外部充電器による充電の開始前に、前記第一のリレーを導通状態にして前記第二のリレーが遮断されているか否かを判定することにより前記第二のリレーの溶着の有無を診断する第二の診断過程と
を含む方法によって達成される。
【0008】
上記の構成に於いて、「電動車」は、電気自動車、プラグインハイブリッド車等などの外部充電器で充電可能なバッテリが搭載されている車両である。本発明の対象となる「回路システム」は、通常の態様にて、バッテリ、インバータ及びモータが電気的に接続され、外部充電器にてバッテリを充電するための回路を含むところ、特に、バッテリの端子間電圧よりも低くない直流出力電圧の外部充電器と、バッテリの端子間電圧よりも低い直流出力電圧の外部充電器とのいずれでも、バッテリの充電が可能となるように、バッテリに於ける二つのバッテリセル群を選択的に直列又は並列に接続できるよう構成される。なお、「バッテリセル群」とは、複数のバッテリセルが直列又は並列に接続されてなる群である。「外部充電器」とは、スタンドなどに設置される直流電力を電動車の駆動用バッテリへ供給する充電器であってよい。そして、上記の回路システムに於いて、「第一のリレー」とは、バッテリとモータの動作を制御するインバータとの間に設けられ、バッテリとインバータとの間を選択的に導通又は遮断するリレーであり、これにより、バッテリとインバータ(及びモータ)との電気的な接続と切断とが行われる。なお、バッテリをインバータから電気的に切断している状態で、バッテリに於けるインバータへ接続される電線の端子部分(ワイヤハーネス)に電圧が印加されたままとなることを防止するべく、第一のリレーは、上記のワイヤハーネスよりもバッテリ側に設けられる。一方、「第二のリレー」とは、バッテリ内に於ける二つのバッテリセル群の間に設けられて二つのバッテリセル群の間を選択的に導通又は遮断するリレーであり、このリレーが導通しているときには、二つのバッテリセル群が直列に接続され、このリレーが遮断しているときには、二つのバッテリセル群は並列に接続可能となる。
【0009】
上記の回路システムに於ける第一のリレーと第二のリレーの状態は、より具体的には、先ず、車両の走行のために、モータが駆動されるとき、或いは、バッテリの端子間電圧よりも低くない直流出力電圧の外部充電器によりバッテリを充電するときには、第二のリレーが導通されて、二つのバッテリセル群が直列に接続され、第一のリレーが導通され、バッテリがインバータ又は外部充電器の接続端へ電気的に接続される。バッテリの端子間電圧よりも低い直流出力電圧の外部充電器によりバッテリを充電するときには(モータは停止中)、第一のリレーは導通され、第二のリレーは遮断される。モータが停止され、外部充電器によるバッテリの充電も実行されていないときには、第一のリレーは、遮断状態にされ、これにより、バッテリがインバータ及び外部充電器の接続端から電気的に切断され、第二のリレーも遮断されて、二つのバッテリセル群間も電気的に切断されてよい。
【0010】
上記の回路システムの構成に於いて、第一のリレー及び第二のリレーの溶着の有無の診断(以下、「溶着診断」と称する。)は、各リレーに遮断の指令が与えられている状態でそのリレーが導通状態となっていないか否かを任意の方法にて確認することにより実行されてよく、それぞれ、そのリレーが導通状態にされた後、遮断される度に、実行されることが好ましい(リレーが導通されると、その度に電流が流れて、溶着してしまう可能性があるためである。)。従って、第一のリレー及び第二のリレーの溶着診断は、それぞれ、両方のリレーが導通状態にされるモータの駆動又はバッテリの端子間電圧よりも低くない直流出力電圧の外部充電器によるバッテリの充電の終了時に両方のリレーが共に遮断され、しかる後にそれぞれのリレーが再び導通状態とされる前までの間に、毎回、実行されることが好ましい。また、既に述べた如く、上記の回路の構成に於いて、第一のリレーと第二のリレーとは、直列に接続されているので、一方のリレーの溶着診断のときには、他方のリレーは、導通状態にしておく必要がある。即ち、一のリレーについて遮断されていることを確認した後に、別のリレーについての溶着診断をする際には、先に遮断を確認した一のリレーを導通状態にすることになるので、二つのリレーを共に遮断した状態で、二つのリレーの溶着診断を実行することはできないこととなる。
(【0011】以降は省略されています)

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