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公開番号2025010894
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-23
出願番号2023113188
出願日2023-07-10
発明の名称吸水性樹脂の可溶化方法および吸水性樹脂の製造方法
出願人株式会社日本触媒
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類C08J 11/00 20060101AFI20250116BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】多量の分解剤を使用することなく短時間で吸水性樹脂を分解することができる吸水性樹脂の可溶化方法を提供する。
【解決手段】使用済み吸収性物品等から回収された吸水性樹脂を可溶化する可溶化工程と、特定の粒子径および/または粒子比率となるように前記吸水性樹脂を粉砕する小粒径化工程と、を含む吸水性樹脂の可溶化方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
使用済み吸収性物品、または、吸水性樹脂の製造過程で生じる廃棄物、から回収された吸水性樹脂を可溶化し、可溶化ポリマーを得る可溶化工程と、
乾燥物として換算した際の質量平均粒子径が20~160μmとなるように、および/または、乾燥物として換算した際の粒子径が80μm以下である粒子区分の質量比率が40質量%以上となるように、前記吸水性樹脂を粉砕する小粒径化工程と、を含む吸水性樹脂の可溶化方法。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記可溶化工程において、前記吸水性樹脂に分解剤を添加する、請求項1に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
【請求項3】
前記分解剤の添加量は、吸水性樹脂100質量部に対して0.001質量部~1質量部である、請求項2に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
【請求項4】
前記分解剤は酸化剤である、請求項2に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
【請求項5】
前記可溶化工程において、前記吸水性樹脂を50~130℃に加熱する、請求項1に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
【請求項6】
前記小粒径化工程は、前記可溶化工程の前、または前記可溶化工程と同時に行われる、請求項1に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
【請求項7】
前記小粒径化工程においては、乾燥状態の前記吸水性樹脂を小粒径化する、請求項1に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
【請求項8】
前記可溶化ポリマーの質量平均分子量が100,000~450,000である、請求項1に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
【請求項9】
前記可溶化ポリマーのYI値が10.0以下である、請求項1に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
【請求項10】
前記可溶化ポリマーの固形分濃度が1~90質量%である、請求項1に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、吸水性樹脂の可溶化方法および吸水性樹脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の吸収性物品には、体液吸収の観点から、その構成材としての吸水性樹脂が、吸水剤として幅広く利用されている。このような吸水性樹脂としては、例えば、澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉-アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリル酸部分中和物重合体の架橋物等が知られているが、吸水性能の観点から、アクリル酸及び/又はその塩を単量体として用いたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が、工業的に最も多く生産されている。
【0003】
吸収性物品は使い捨てが一般的であるが、環境意識の高まりから、衛生材料のリサイクルに関心が高まっている。吸収性物品に用いられる吸水性樹脂をリサイクルする技術としては、吸水性樹脂を分解、可溶化して紙おむつ中の他の部材と分離した後、その可溶化ポリマーを吸水性樹脂の製造工程に添加して再利用する方法が開発されている(特許文献1)。
【0004】
吸水性樹脂を分解、可溶化させる技術としては、吸水性樹脂とパルプの混合物を、過酸化水素等の分解剤の存在下で加熱処理することで吸水性樹脂を可溶化させる技術(特許文献2)、pH4~7.5の条件下で還元剤であるアスコルビン酸を使用することで吸水性樹脂を可溶化させる技術(特許文献3)、還元剤および遷移金属イオンを使用することで吸水性樹脂を可溶化させる技術(特許文献4)、ならびに、酸化的水溶塩の存在下で加熱することで吸水性樹脂を可溶化させる技術(特許文献5~7)が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2020/213298
特開平04-317785
特開平05-247221
特開2019-131789
WO2021/042113
WO2022/183184
特表2022-544666
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来の吸水性樹脂を可溶化させる技術は、吸水性樹脂の可溶化に長時間を要するものであり、経済的な観点から課題を有するものであった。
【0007】
吸水性樹脂の可溶化処理を短時間化する方法として、多量の分解剤を使用する方法が提案されている。しかしながら、当該方法には、分解剤のコストが増加する、可溶化ポリマーおよび当該可溶化ポリマーを原料とする吸水性樹脂の物性(例えば、着色性)が低下する、という課題がある。
【0008】
以上のような状況にあって、本発明の一態様は、多量の分解剤を使用することなく短時間で吸水性樹脂を可溶化し得る、吸水性樹脂の可溶化方法、および、係る可溶化方法により得られる可溶化ポリマーを原料の一部として用いた吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決すべく、本発明の一態様は、以下の構成を含む。
〔1〕使用済み吸収性物品、または、吸水性樹脂の製造過程で生じる廃棄物、から回収された吸水性樹脂を可溶化し、可溶化ポリマーを得る可溶化工程と、乾燥物として換算した際の質量平均粒子径が20~160μmとなるように、および/または、乾燥物として換算した際の粒子径が80μm以下である粒子区分の質量比率が40質量%以上となるように、前記吸水性樹脂を粉砕する小粒径化工程と、を含む吸水性樹脂の可溶化方法。
〔2〕前記可溶化工程において、前記吸水性樹脂に分解剤を添加する、〔1〕に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔3〕前記分解剤の添加量は、吸水性樹脂100質量部に対して0.001質量部~1質量部である、〔2〕に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔4〕前記分解剤は酸化剤である、〔2〕または〔3〕に記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔5〕前記可溶化工程において、前記吸水性樹脂を50~130℃に加熱する、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔6〕前記小粒径化工程は、前記可溶化工程の前、または前記可溶化工程と同時に行われる、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔7〕前記小粒径化工程においては、乾燥状態の前記吸水性樹脂を小粒径化する、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔8〕前記可溶化ポリマーの質量平均分子量が100,000~450,000である、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔9〕前記可溶化ポリマーのYI値が10.0以下である、〔1〕~〔8〕のいずれか1つに記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔10〕前記可溶化ポリマーの固形分濃度が1~90質量%である、〔1〕~〔9〕のいずれか1つに記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔11〕前記吸水性樹脂が、使用済み吸収物品から回収された吸水性樹脂である、〔1〕~〔10〕のいずれか1つに記載の吸水性樹脂の可溶化方法。
〔12〕吸水性樹脂を構成する単量体を原料とする吸水性樹脂の製造過程において、〔1〕~〔11〕のいずれか1つに記載の吸水性樹脂の可溶化方法で得られる可溶化ポリマーを原料の一部として用いる、吸水性樹脂の製造方法。
〔13〕単量体水溶液の調製工程、重合工程、任意にゲル粉砕工程、乾燥工程、任意に乾燥後の粉砕工程、分級工程、および、表面架橋工程を含み、前記可溶化ポリマーを乾燥工程以前に添加する、〔12〕に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、多量の分解剤を使用することなく短時間で吸水性樹脂を可溶化し得る、吸水性樹脂の可溶化方法、および、係る可溶化方法により得られる可溶化ポリマーを原料の一部として用いた吸水性樹脂の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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