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公開番号2025035395
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023142409
出願日2023-09-01
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置
出願人日本放送協会,株式会社日本触媒
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H10K 50/17 20230101AFI20250306BHJP()
要約【課題】優れた発光特性と大気安定性を有する有機エレクトロルミネッセンス素子、並びに、かかる有機エレクトロルミネッセンス素子を具えた表示装置及び照明装置を提供する。
【解決手段】基板2と、陰極3と、電子注入層4と、発光層6と、陽極9と、をこの順に具え、前記電子注入層4は、表面の仕事関数が0.0~4.0eVである有機材料と、金属錯体と、を含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子1、並びに、かかる有機エレクトロルミネッセンス素子1を具えることを特徴とする、表示装置及び照明装置である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板と、陰極と、電子注入層と、発光層と、陽極と、をこの順に具え、
前記電子注入層は、表面の仕事関数が0.0~4.0eVである有機材料と、金属錯体と、を含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記有機材料が、下記一般式(1):
JPEG
2025035395000017.jpg
40
146
(一般式(1)中、R
1
は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アリールアルキレン基、2~4価の鎖状または環状炭化水素基、又は、これらの基を2つ以上組み合わせてできる基、これらの基の1つ若しくは2つ以上と窒素原子とを組み合わせてできる基を表す。n
1
は、1~4の整数である。)で表される構造を有するヘキサヒドロピリミドピリミジン化合物、及び下記一般式(2):
JPEG
2025035395000018.jpg
40
159
(一般式(2)中、X
1
、X
2
は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子又は2価の連結基を表す。Lは、直接結合またはp価の連結基を表す。n
2
は、0又は1の数を表し、pは、1~4の数を表す。qは、0又は1の数を表し、pが1のとき、qは0である。R
2
~R
4
は、同一又は異なって、1価の置換基を表す。m
1
~m
3
は、同一又は異なって、0~3の数を表す。R
2
~R
4
は、X
1
、X
2
と結合して環構造を形成してもよい、R
2
が複数ある場合、複数のR
2
が結合して環構造を形成していてもよい。また、R
3
が複数ある場合、複数のR
3
が結合して環構造を形成していてもよい。また、R
4
が複数ある場合、複数のR
4
が結合して環構造を形成していてもよい。)で表される構造を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記有機材料が、下記一般式(3):
TIFF
2025035395000019.tif
30
149
(一般式(3)中、R
5
、R
6
は、同一又は異なって、ジアルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。m
4
、m
5
は、同一又は異なって、1又は2の数を表す。R
5
が複数ある場合、複数のR
5
が結合して環構造を形成してもよい。また、R
6
が複数ある場合、複数のR
6
が結合して環構造を形成してもよい。また、R
5
、R
6
としてのジアルキルアミノ基が有する2つのアルキル基は、結合して環構造を形成してもよい。)で表される構造を有するフェナントロリン化合物である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記金属錯体が、アルカリ金属錯体である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記金属錯体が、リチウム錯体である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記電子注入層が、前記有機材料と、前記金属錯体と、を含む単一層からなる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記電子注入層が、前記有機材料を含む層と、前記金属錯体を含む層と、を積層してなり、
前記陰極側から順に、前記有機材料を含む層と、前記金属錯体を含む層と、を具える、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記電子注入層が、前記有機材料を含む層と、前記金属錯体を含む層と、を積層してなり、
前記陰極側から順に、前記金属錯体を含む層と、前記有機材料を含む層と、を具える、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具えることを特徴とする、表示装置。
【請求項10】
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具えることを特徴とする、照明装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンス(電界発光)を「EL」と記す場合がある。)素子、表示装置、及び照明装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、薄くてフレキシブルな基板上に作製できるため、様々なアプリケーションが期待されている。特に、有機EL素子を用いた表示装置は、液晶表示装置と比べてコントラストが高くて視野角が広いため、大画面テレビやモバイルデバイスへの利用拡大が進んでいる。また、有機EL素子は、照明装置としての利用も期待されている。
【0003】
一般的に有機EL素子は、空気中の水分によって劣化することが知られている。そのため、有機EL素子を用いた表示装置や照明装置では、水分が透過し難いガラスを接着させることで有機EL素子を厳密に封止する必要がある。
【0004】
一方、プラスチックフィルム等のフレキシブル基板では、下記非特許文献1に示されている通り、ガラスを用いた封止が難しいため、水分が透過し易くなる。その結果、有機EL素子まで水分が到達することで、素子が劣化してしまう恐れがある。
特に、大気中の水分子によって有機EL素子が劣化した部分は、非発光領域となり、該非発光領域は、素子端部や基板上の微小な異物粒子付近で経時的に拡大していく。このような劣化は、下記非特許文献2で示されているように、それぞれシュリンク、ダークスポットと呼ばれており、発生してしまうと重大な画質破綻を引き起こす。
【0005】
また、典型的な通常構造の有機EL素子では、陰極からの電子注入障壁を低減できる材料としてアルカリ金属化合物等の金属錯体が広く使われているが、該金属錯体は、大気中の水分子に対して高い活性を示すことが知られており、大気中で安定な有機EL素子に用いる材料としては不適切だと考えられている。
【0006】
これに対して、下記非特許文献3では、通常構造の有機EL素子とは電極の積層構造を逆にした、所謂、逆構造を採用し、アルカリ金属化合物等の金属錯体を使わずに電極表面の仕事関数を小さくできる有機材料を電子注入層に用いることによって、有機EL素子の大気中での安定性が向上することが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
M.S.Weaver et al.,“Organic light-emitting devices with extended operating lifetimes on plastic substrates”,Applied Physics Letters,vol.81,2929(2002).
T.Okada,A.Yoshida,and T.Tsuji,“Dark spot growth and its acceleration factor in organic light-emitting diodes with single barrier structure”,Japanese Journal of Applied Physics,56,060305(2017).
H.Fukagawa et al.,“Highly efficient and air-stable inverted organic light-emitting diode composed of inert materials”,Applied Physics Express,vol.7,No.8,(2014).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の通り、逆構造の有機EL素子とした上で、電子注入層にアルカリ金属化合物等の金属錯体を使わずに電極表面の仕事関数を小さくできる有機材料を使用することにより大気安定性を向上させる検討がなされているものの、十分とは言えず、大気安定性について更なる改善が必要である。特に、簡易封止による表示装置や照明装置を実現するためには、大気安定性の更なる向上が必要不可欠である。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来の有機EL素子よりも優れた発光特性と大気安定性を有する有機EL素子を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかる有機EL素子を具えた表示装置及び照明装置を提供することを更なる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、通常構造の有機EL素子とは電極の積層構造を逆にした逆構造素子の層構成について種々検討したところ、アルカリ金属化合物等の金属錯体を用いた素子であっても、劣化し難い層構成があり、特には、基板上に、陰極と、電子注入層と、発光層と、陽極と、をこの順に具える有機EL素子において、電子注入層に、電極の仕事関数を小さくできる有機材料と、金属錯体とを使用することにより、上記課題をみごとに解決できることに想到し、本発明に到達したものである。
即ち、上記課題を解決する本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置の要旨構成は、以下の通りである。
(【0011】以降は省略されています)

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