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公開番号
2024056326
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-04-23
出願番号
2022163126
出願日
2022-10-11
発明の名称
3次元映像表示装置
出願人
日本放送協会
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
G02B
30/10 20200101AFI20240416BHJP(光学)
要約
【課題】広い奥行き範囲で解像度が高い3次元映像を表示することが可能な3次元映像表示装置を提供する。
【解決手段】3次元映像表示装置1は、方向別の複数の画像を2次元配列した3次元映像データの輝度が画素ごとに制御された光線を方向別の光線として射出する光線射出部11と、光線射出部11よりも狭い画素ピッチを有し、光線射出部11から射出される方向別の光線を、制御された画素ごとの透過率で透過させる透過型液晶パネル12と、光線の視域を制御する第1の視域制御レンズ13
1
と、第2の視域制御レンズ13
2
と、入力された多視点映像データの方向別の画像における画素ごとの輝度と、第2の視域制御レンズ13
2
を透過した後の方向別の画素ごとの輝度との誤差を最小化するように、3次元映像データの輝度および透過型液晶パネル12の透過率を制御する制御部20と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
3次元映像を表示する3次元映像表示装置であって、
方向別の複数の画像を2次元配列した3次元映像データの輝度が画素ごとに制御された光線を方向別の光線として射出する光線射出部と、
前記光線射出部よりも狭い画素ピッチを有し、前記光線射出部から射出される方向別の光線を、制御された画素ごとの透過率で透過させる透過型液晶パネルと、
前記透過型液晶パネルを透過した光線を後段の第2の視域制御レンズに集光させる第1の視域制御レンズと、
前記第1の視域制御レンズの焦点距離だけ前記第1の視域制御レンズから離間して配置され、集光した光線を正面方向に発散させる前記第2の視域制御レンズと、
入力された多視点映像データの方向別の画像における画素ごとの輝度と、前記第2の視域制御レンズを透過した後の前記方向別の画素ごとの輝度との誤差を最小化するように、前記光線射出部における前記3次元映像データの輝度および前記透過型液晶パネルの透過率を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする3次元映像表示装置。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記光線射出部は、
前記3次元映像データの輝度が画素ごとに制御された映像データを表示する表示デバイスと、
前記方向別の画像に対向して要素レンズを2次元配列し、前記要素レンズの焦点距離だけ前記表示デバイスから離間して配置した要素レンズアレイと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の3次元映像表示装置。
【請求項3】
前記光線射出部は、
前記3次元映像データの輝度が画素ごとに制御された映像データを映像光として照射するプロジェクタと、
前記プロジェクタから照射された映像光を平行光に変換するコリメータレンズと、
前記コリメータレンズの平行光の射出側に配置され、前記方向別の画像の光線に対向して結像レンズを2次元配列した結像レンズアレイと、
前記結像レンズの焦点距離だけ前記結像レンズアレイから離間して配置され、前記方向別の画像の光線を第2のコンデンサレンズに重畳照射する第1のコンデンサレンズと、
前記第1のコンデンサレンズと焦点距離が同じで、前記第1のコンデンサレンズからその焦点距離だけ離間して配置され、前記方向別の画像の光線を前記方向別の平行光に変換する前記第2のコンデンサレンズと、
前記第2のコンデンサレンズの光線の射出側と接して配置され、前記方向別の平行光を角度方向に連続的な輝度分布の光線に拡散する拡散スクリーンと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の3次元映像表示装置。
【請求項4】
3次元映像を表示する3次元映像表示装置であって、
方向別の複数の画像を2次元配列した3次元映像データの輝度が画素ごとに制御された映像データと2次元映像の輝度が画素ごとに制御された映像データとを切り替えて表示する表示デバイスと、前記方向別の画像の光線に対向してレンズ状態および透過状態の切り替えを制御される液晶レンズを2次元配列し、前記レンズ状態の液晶要素レンズの焦点距離だけ前記表示デバイスから離間して配置した液晶レンズアレイと、を備える光線射出部と、
前記光線射出部の光線の射出側に配置され、光線を後段の第2の視域制御レンズに集光させる第1の視域制御レンズと、
前記第1の視域制御レンズの焦点距離だけ前記第1の視域制御レンズから離間して配置され、集光した光線を正面方向に発散させる前記第2の視域制御レンズと、
前記液晶レンズアレイのレンズ状態および透過状態をフレームごとに切り替え、前記レンズ状態で前記液晶レンズアレイを通過する前記方向別の画素ごとの輝度と、前記透過状態で前記液晶レンズアレイを通過する画素ごとの輝度とを時分割多重により加算させたときの前記第2の視域制御レンズを通過した後の方向別の画素ごとの輝度との誤差を最小化するように、前記光線射出部における前記レンズ状態での前記3次元映像データの輝度と、前記透過状態での前記2次元映像データの輝度とを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする3次元映像表示装置。
【請求項5】
前記第1の視域制御レンズおよび前記第2の視域制御レンズは、それぞれ、水平方向および垂直方向に複数配置した構成であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の3次元映像表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元映像を表示する3次元映像表示装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、3Dメガネを用いた2眼方式をはじめとして、多種多様な3次元映像表示装置が提案されている。なかでも、ライトフィールド方式は、物体からの光線群を忠実に再現することで、水平と垂直の両方向に視差がある自然な3次元映像を特殊なメガネを用いることなく観察者に提示することができる(特許文献1,非特許文献1-2参照)。
しかし、ライトフィールド方式には、表示画面を所定の視距離から観察したとき、3次元映像を表示する奥行き位置を深くするほど解像度が低下することが知られている。広い奥行き範囲で解像度が高い3次元映像を表示するには再生光線の角密度を増加させる必要があるが、光線の角密度は3次元映像の視域角や最大画素数といった他の表示特性のパラメータとトレードオフの関係がある(非特許文献1参照)。
【0003】
従来、3次元映像の表示特性を向上させる方法として、視点追従技術が提案されている(非特許文献2参照)。この方法では、ある一フレームにおける光学的な視域角を視点方向に狭くする代わりに、光線の角密度を増加させることで、広い奥行き範囲で解像度が高い3次元映像を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6598362号公報
【非特許文献】
【0005】
H. Hoshino, F. Okano, H. Isono, and I. Yuyama, “Analysis of resolution limitation of integral photography,”J. Opt. Soc. Am. A, vol. 15, no. 8, pp. 2059-2065 (1998).
S. Hong, D. Shin, J.-J. Lee, and B.-G. Lee, “Viewing angle-improved 3D integral imaging display with eye tracking sensor,” J. Inf. Commun. Converg. Eng., vol. 12, no. 4, pp. 208-214 (2014).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記したように、光線の角密度は3次元映像の視域角や最大画素数といった他の表示特性のパラメータとトレードオフの関係があるため、他の表示特性を維持したまま光線の角密度を増加させようとすると膨大な映像情報量が必要になってしまうという問題がある。
また、従来の視点追従技術を用いた手法は、視聴者の両眼を包含するように3次元映像の視域角を設計する必要がある。この制約のため、視点追従技術を用いた手法は、光線の角密度を大幅に増加させることは困難である。
そこで、本発明は、再生光線の角密度を高めることで、広い奥行き範囲で解像度が高い3次元映像を表示することが可能な3次元映像表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る3次元映像表示装置は、3次元映像を表示する3次元映像表示装置であって、光線射出部と、透過型液晶パネルと、第1の視域制御レンズと、第2の視域制御レンズと、制御部と、を備える構成とした。
【0008】
かかる構成において、3次元映像表示装置は、光線射出部によって、方向別の複数の画像を2次元配列した3次元映像データの輝度が画素ごとに制御された光線を方向別の光線として射出する。この3次元映像データは、例えば、要素画像群、多視点映像といった3次元映像を表示するためのデータである。
そして、3次元映像表示装置は、光線射出部の光線の射出側に配置され、光線射出部よりも狭い画素ピッチを有する透過型液晶パネルによって、制御された画素ごとの透過率で、方向別の光線を透過させる。
【0009】
そして、3次元映像表示装置は、透過型液晶パネルの光線の射出側に接して配置された第1の視域制御レンズによって、光線を後段の第2の視域制御レンズ上の3次元映像の画素位置に集光させる。
そして、3次元映像表示装置は、第1の視域制御レンズの焦点距離だけ第1の視域制御レンズから離間して配置された第2の視域制御レンズによって、集光した光線を正面方向に発散させる。この発散光によって、観察者は、3次元映像を観察することができる。
【0010】
このとき、3次元映像表示装置は、制御部によって、入力された多視点映像データの方向別の画素ごとの輝度と、第2の視域制御レンズを透過した後の方向別の画素ごとの輝度との誤差を最小化するように、光線射出部が射出する3次元映像データの輝度および透過型液晶パネルの透過率を制御する。これによって、3次元映像表示装置から射出される方向別の光線が異なる輝度の複数の光線となるため、再生光線の角密度を高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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