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公開番号
2024077420
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-07
出願番号
2022189510
出願日
2022-11-28
発明の名称
撮像装置
出願人
日本放送協会
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H04N
23/951 20230101AFI20240531BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】符号化像の画素情報の欠損を無くすることと、再構成画像間のクロストークを低減することを両立し、再構成画像の画質を向上することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】符号化撮像画像から時間軸に沿った複数枚の画像を復元する撮像装置は、被写体像を分割して、各分割光を符号化パターンで複数回変調し、複数の符号化像を生成する光変調部と、分割光ごとに、複数の前記符号化像を1回の露光で取得し、前記符号化撮像画像を生成する撮像部と、前記符号化撮像画像及び前記符号化パターンに基づいて、時間軸に沿った符号化パターン枚数分の画像を再構成する再構成処理部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
符号化撮像画像から時間軸に沿った複数枚の画像を復元する撮像装置であって、
被写体像を複数の分割光に分割して、各分割光を符号化パターンで複数回変調し、複数の符号化像を生成する光変調部と、
前記分割光ごとに、複数の前記符号化像を1回の露光で取得し、前記符号化撮像画像を生成する撮像部と、
前記符号化撮像画像及び前記符号化パターンに基づいて、時間軸に沿った符号化パターン枚数分の画像を再構成する再構成処理部と、
を備えることを特徴とする、撮像装置。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記光変調部は、複数の前記分割光のうち、少なくとも2つの前記分割光を、互いに相補的な符号化パターンで変調することを特徴とする、撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記光変調部は、入射光を2つに分割してそれぞれを相補的な符号化パターンで変調する分割・符号化部を多段に接続して構成されることを特徴とする、撮像装置。
【請求項4】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記光変調部は、デジタルマイクロミラーデバイスで構成されることを特徴とする、撮像装置。
【請求項5】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記光変調部は、ビームスプリッター及び空間光変調器で構成されることを特徴とする、撮像装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記再構成処理部は、再構成する画像を、離散コサイン変換、離散ウェーブレット変換、離散フーリエ変換、又は辞書学習で求めた基底関数により画素成分に変換して、前記画素成分を推定する線形方程式を最適化問題により解を求めることで、再構成画像を生成することを特徴とする、撮像装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記再構成処理部は、圧縮センシング、CGI(計算機ゴーストイメージング)、又は機械学習を用いて、画像を再構成することを特徴とする、撮像装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関し、特に、符号化パターンを利用した撮像装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、カメラのフレームレート以上の動画を取得する手法の1つとして、符号化パターンを用いた高フレームレート動画撮影技術の開発が進んでいる。この技術では、被写体とカメラの間に符号化パターンを挿入し、符号化パターンを通して被写体を撮影する。カメラの1回の露光中に符号化パターンを一定時間ごとに複数回変化させて被写体像を変調し、複数の符号化された像(符号化像)を1回の露光で撮影して符号化撮像画像を取得する。1枚の符号化撮像画像と複数枚の符号化パターンから計算機で像を再構成処理することで、1枚の符号化撮像画像から符号化パターン枚数分の画像を時間軸に沿って復元でき、カメラのフレームレート以上の動画を取得することができる。
【0003】
この再構成処理では、逆問題Y=AXを解くことが行われている。カメラで取得した画像をY、符号化パターンを用いて表される高フレームレートファクターをAとし、光学系に即した方程式Y=AXを解くことでパターン枚数分の画像情報Xを得ることができ、高フレームレート化が行える。
【0004】
上述の方程式を解くにあたっては、方程式の条件式数が未知数未満であるため、計算には圧縮センシングが用いられている。圧縮センシングとは、一般に連立方程式において未知数を求めるためには未知数の個数以上の条件式が必要である一方で、未知数がスパース(疎)である場合、条件式が未知数の個数以下の場合でも未知数を推定することができる手法である。画像の場合、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)、離散ウェーブレット変換(DWT:Discrete Wavelet Transform)、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)などの、何らかの情報量が圧縮できる基底を用い、周波数成分に変換することで未知数にスパース性をもたせることができる。そして、圧縮センシングを用いて得られたスパースな解を逆DCT、逆DWT、逆DFT等の変換処理を行うことで、時間軸に沿った符号化パターン枚数分の画像を再構成できる。
【0005】
従来より、再構成画像の画質向上に向けて、符号化パターンの重畳方法と再構成処理について様々な手法が試みられている。例えば、固定パターンマスクを光軸に直交する方向に機械的に動かして被写体に符号化パターンを与える方法がある(非特許文献1)。図12は、非特許文献1に記載の従来技術の撮像装置の構成例である。被写体からの光をレンズ1で集光し、符号化パターンマスク(Coded Aperture)2に結像する。符号化パターンマスク2は、例えばピエゾ素子(図示せず)により光軸に直交する方向に移動し、被写体の像に符号化パターンを与える。符号化された像は、レンズ3によりカメラ4に結像する。演算処理装置5は、得られた撮像画像と符号化パターンに基づいて、画像を再構成する。非特許文献1では、DCT基底を用いたスパース推定により画像を再構成している。
【0006】
非特許文献2は、空間光位相変調器に符号化パターンを表示して被写体像を変調する手法を提案している。非特許文献2は、辞書学習により非特許文献1よりも解をスパースに与えられる基底を用いてスパース推定して画像を再構成している。また、非特許文献3は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いて被写体像に符号化パターンを与える手法を開示している。非特許文献3は、深層学習により画像を再構成している。非特許文献4は、光電変換部1画素から出力される信号を2つのメモリーに記録する回路部を有するイメージセンサーを用いてカメラを構成している。1度の露光中に双方のメモリーへ複数回適宜切り替えながら信号量を記録することで、イメージセンサー側で被写体像に相補的な符号化パターンを与えている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Patrick Llull, et al. ,“Coded aperture compressive temporal imaging”, Optics Express, Vol.21, No.9, pp.10526-10545, (2013)
Dengyu Liu, et al. ,“Efficient Space-Time Sampling with Pixel-Wise Coded Exposure for High-Speed Imaging”, IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol.36, No.2, pp.248-260, (2013)
Mu Qiao, et al. ,“Deep learning for video compressive sensing”, APL Photonics, Vol.5, No.3, 030801, (2020)
Rahul Gulve, et al. ,“A 39,000 Subexposures/s CMOS Image Sensor with Dual-tap Coded-exposure Data-memory Pixel for Adaptive Single-shot Computational Imaging”, 2022 IEEE Symposium on VLSI Technology and Circuits, Digest of Technical Papers pp.78-79, (2022)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1~3では1つの符号化像を生成し、1台のカメラで符号化像を撮影している。そのため、被写体の符号化パターンによってマスクされた箇所の情報は符号化像では欠損し、再構成の際に推定することで欠損個所の情報を復元しているが、画質の低下は免れない。また、画質向上の目的で符号化パターンのマスク箇所を減少させて符号化像の欠損を減らすと、符号化パターン1枚に対して取得できる情報量は増加する一方で、符号化パターン同士の類似度が高くなるため、パターン間の分離性が低下して、再構成画像間のクロストークが増加する。
【0009】
図13は、従来技術による、パターンマスクの開口率と再構成画像の関係を示す図である。具体的には、非特許文献1に記載の手法により、符号化パターンを4枚として、画像の復元(再構成)を行った。(a)は真値(元の被写体の画像)であり、(b)は符号化パターンの開口率を50%としたときの再構成画像をシミュレーションで求めたものである。また、(c)は開口率を100%としたときの再構成画像をシミュレーションで求めたものである。開口率50%では画質が低く、開口率100%(全透過)では画像が分離できないことが見て取れる。
【0010】
一方、非特許文献4のイメージセンサーは、画素数が320×320であり、QVGA(Quarter Video Graphics Array)以下の規格での撮影しか行えず、表示規格との兼ね合いから用途は限定的となる。撮影には特別なカメラを使用するため、画素数の変更等も容易ではない。また、1画素に対して2個のメモリーを配置しているため、被写体像に同時に3パターン以上の符号化パターンを与えることができない。
(【0011】以降は省略されています)
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