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公開番号2025010870
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-23
出願番号2023113149
出願日2023-07-10
発明の名称電線支え及び電線束の支持方法
出願人株式会社総合車両製作所
代理人弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類H02G 3/30 20060101AFI20250116BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】鉄道車両構体における電線の配線に係るコストの低減を図る。
【解決手段】電線支え10は、支持対象の複数の電線束の配線方向に延在すると共に、複数の電線束を受けるための受け面24を有する電線受け部20と、電線受け部20に孔状或いは切り欠き状に形成され、受け面24に複数の電線束を固定するための固定用結束手段が通される複数の通し部36と、電線受け部20から連続して設けられ、複数の電線束が電線受け部20によって鉄道車両構体の幅方向に配線される如く電線受け部20を配置するように、鉄道車両構体に取り付けられる取り付け部40とが、1枚の板状部材から一体に形成されて成る。これにより、複数の鋼板が溶接により井桁状に組み立てられた構造の従来の電線支えと比較して、部品点数及び作製工数の双方を低減することができるため、作製コストを低減することが可能となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄道車両構体において、複数の電線束を支えるために取り付けられる電線支えであって、
前記複数の電線束の配線方向に延在すると共に、前記複数の電線束を受けるための受け面を有する電線受け部と、
該電線受け部に孔状或いは切り欠き状に形成され、前記受け面に前記複数の電線束を固定するための固定用結束手段が通される複数の通し部と、
前記電線受け部から連続して設けられ、前記電線受け部の延在方向が前記複数の電線束の配線方向と一致する如く前記電線受け部を配置するように、前記鉄道車両構体に取り付けられる取り付け部とが、
1枚の板状部材から一体に形成されて成ることを特徴とする電線支え。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記電線受け部の延在方向を側方向とした前記受け面の正面視で、前記受け面は、上下方向に並んだ複数のサブ受け面を含み、隣接するサブ受け面の間が、少なくとも部分的に前記複数の通し部によって区切られ、前記電線受け部の上端の2箇所が前記受け面と反対側に直角乃至略直角に折り曲げられることで、2つの前記取り付け部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電線支え。
【請求項3】
前記電線受け部の延在方向を側方向とし、前記2つの取り付け部を上側とした前記受け面の正面視で、前記電線受け部の、前記2つの取り付け部の各々の側方向両側に位置する部分に、少なくとも上方から切り欠かれた切り欠き状の前記通し部が形成され、前記側方向両側の2つの通し部のうちの少なくとも一方が、最上段に位置する前記サブ受け面の一部を切り欠いて、上から2段目の前記サブ受け面の上端まで及んでいることを特徴とする請求項2記載の電線支え。
【請求項4】
前記電線受け部は、前記複数のサブ受け面の隣接するサブ受け面間の少なくとも1つの位置に、前記受け面と反対側へと折り曲げられた折り曲げ部を有し、
前記2つの取り付け部は、該2つの取り付け部を上側とした前記電線受け部の側面視で、最下段のサブ受け面に対して前記2つの取り付け部が直交乃至略直交するような大きさで、前記受け面と反対側に折り曲げられていることを特徴とする請求項2記載の電線支え。
【請求項5】
前記電線受け部の延在方向を側方向とした前記受け面の正面視で、前記複数のサブ受け面は、前記複数の通し部によって区切られた部分の上下方向の大きさが、互いに等しくなっていることを特徴とする請求項2記載の電線支え。
【請求項6】
前記複数の通し部のうちの少なくとも一部の通し部が、前記側方向に延在していることを特徴とする請求項2記載の電線支え。
【請求項7】
前記複数の電線束の配線方向に互いに間隔を空けて、複数設置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の電線支え。
【請求項8】
鉄道車両構体において、複数の電線束を支持するための方法であって、
前記複数の電線束の配線方向に延在すると共に、前記複数の電線束を受けるための受け面を有する電線受け部と、該電線受け部に孔状或いは切り欠き状に形成された複数の通し部と、前記電線受け部から連続して設けられ、前記鉄道車両構体に取り付けられる取り付け部と、を含む電線支えを、1枚の板状部材から一体に形成し、
前記電線受け部の延在方向が前記複数の電線束の配線方向と一致するように、前記取り付け部を介して前記電線支えを前記鉄道車両構体に取り付け、前記複数の通し部に通した固定用結束手段を利用して、前記受け面に前記複数の電線束を固定することを特徴とする電線束の支持方法。
【請求項9】
前記電線支えを形成する際に、
前記電線受け部の延在方向を側方向とした前記受け面の正面視で、前記受け面として、上下方向に並んだ複数のサブ受け面を形成すると共に、隣接するサブ受け面の間が少なくとも部分的に区切られるように、前記複数の通し部を形成し、前記電線受け部の上端の2箇所を前記受け面と反対側に直角乃至略直角に折り曲げることで、2つの前記取り付け部を形成することを特徴とする請求項8記載の電線束の支持方法。
【請求項10】
前記電線支えを形成する際に、
前記電線受け部の延在方向を側方向とし、前記2つの取り付け部を上側とした前記受け面の正面視で、前記電線受け部の、前記2つの取り付け部の各々の側方向両側に位置する部分に、少なくとも上方から切り欠いた切り欠き状の前記通し部を形成し、このとき、前記側方向両側の2つの通し部のうちの少なくとも一方を、最上段に位置する前記サブ受け面の一部を切り欠いて、上から2段目の前記サブ受け面の上端まで及ぶように形成することを特徴とする請求項9記載の電線束の支持方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電線束を支えるための電線支え及びこれを用いた電線束の支持方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
鉄道車両構体には、艤装される機器などで使用するための様々な電線が配線されており、種々の観点から配線方法にも創意工夫が為されている。例えば、特許文献1には、床下機器からの配線を側構体の内部を通して天井裏まで引き回す配線経路構造が開示されており、これによって配線の引き回し距離や引き回し作業が短縮されるため、材料費や作業費を含むコストの低減が図られるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-269728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、図7には、鉄道車両構体の妻内面の上部において、複数の電線束の支持に用いられる従来の電線支え100を模式的に示しており、この電線支え100は、複数の鋼板が溶接により井桁状に組み立てられた構造を有している。そして、取り付け部分102を介して、図5(b)に示されるように鉄道車両構体60に取り付けられ、受け部分104に沿って3本の電線束80が結束バンドなどで固定されることで、電線支え100により電線束80が支持されるようになっている。このような電線支え100についても、コスト面などにおいて改善の余地がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鉄道車両構体における電線の配線に係るコストの低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0006】
(1)鉄道車両構体において、複数の電線束を支えるために取り付けられる電線支えであって、前記複数の電線束の配線方向に延在すると共に、前記複数の電線束を受けるための受け面を有する電線受け部と、該電線受け部に孔状或いは切り欠き状に形成され、前記受け面に前記複数の電線束を固定するための固定用結束手段が通される複数の通し部と、前記電線受け部から連続して設けられ、前記電線受け部の延在方向が前記複数の電線束の配線方向と一致する如く前記電線受け部を配置するように、前記鉄道車両構体に取り付けられる取り付け部とが、1枚の板状部材から一体に形成されて成る電線支え。
【0007】
本項に記載の電線支えは、電線受け部、複数の通し部、及び取り付け部を含んでいる。電線受け部は、支持対象の複数の電線束を受けるための受け面を有し、その受け面と共に複数の電線束の配線方向に延在している。複数の通し部は、複数の電線束が電線受け部の延在方向に沿って受け面に固定される際に、電線束を結束する固定用結束手段が通されるものであって、電線受け部に孔状或いは切り欠き状に形成される。取り付け部は、電線支えを鉄道車両構体に取り付けるために、電線受け部から連続して設けられて鉄道車両構体に取り付けられる部位である。鉄道車両構体に対する取り付けの際に、取り付け部は、電線受け部の延在方向が、複数の電線束の配線方向と一致するような向きで、電線受け部を配置させるように取り付けられる。
【0008】
そして、本項に記載の電線支えは、上述した電線受け部、複数の通し部、及び取り付け部が、鋼板などの1枚の板状部材から、例えばレーザー加工や折り曲げ加工などによって一体に形成されて成るものである。これにより、複数の鋼板が溶接により井桁状に組み立てられた構造の従来の電線支えと比較して、部品点数及び作製工数の双方が低減されるため、作製コストが低減されるものとなる。また、レーザー加工品であるものとすれば、レーザー加工を行う際の作業工数が過大にならない範囲で、様々な形状に柔軟に対応するものとなり、形状変更も容易なものである。
【0009】
(2)上記(1)項において、前記電線受け部の延在方向を側方向とした前記受け面の正面視で、前記受け面は、上下方向に並んだ複数のサブ受け面を含み、隣接するサブ受け面の間が、少なくとも部分的に前記複数の通し部によって区切られ、前記電線受け部の上端の2箇所が前記受け面と反対側に直角乃至略直角に折り曲げられることで、2つの前記取り付け部が形成されている電線支え。
本項に記載の電線支えは、電線受け部の受け面が複数のサブ受け面を含むものであって、それら複数のサブ受け面は、電線受け部の延在方向を側方向とした受け面の正面視において、各々が側方向に延在して上下方向に並ぶ態様となる。このような複数のサブ受け面のうち、隣接するサブ受け面の間が、少なくとも部分的に複数の通し部によって区切られており、換言すれば、複数の通し部のうちの少なくとも一部が、隣接するサブ受け面の間に設けられている。これにより、複数の電線束は、複数のサブ受け面に分散して固定されるものとなる。
【0010】
更に、本項に記載の電線支えは、上記のように電線受け部の延在方向を側方向とした受け面の正面視で、電線受け部の上端の2箇所が受け面と反対側に直角乃至略直角に折り曲げられることで、2つの取り付け部が形成されたものである。このような2つの取り付け部を介して、例えば鉄道車両構体の妻内面の上部に、車内側に突出する態様で鉄道車両構体の幅方向に沿って設けられたフランジなどに対して、電線支えが取り付けられる。これにより、取り付け部の下方に位置する複数のサブ受け面に沿って、複数の電線束がその配線方向に配線されるような向きで、電線支えが鉄道車両構体に強固に取り付けられるものとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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