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公開番号
2025010226
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024188424,2020109798
出願日
2024-10-25,2020-06-25
発明の名称
熱膨張性マイクロカプセル、成形用樹脂組成物及び発泡成形体
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
C09K
3/00 20060101AFI20250109BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】本発明は、優れた耐熱性を有するとともに、成形時の強いせん断に対して耐久性があり、発泡倍率が高く、発泡セルにボイドが生じにくく更に黄変しにくい優れた外観を有し、軽量かつ硬度が高く、耐磨耗性等の物性に優れる成形体を製造することが可能な熱膨張性マイクロカプセルを提供する。また、該熱膨張性マイクロカプセルを用いた成形用樹脂組成物、及び、発泡成形体を提供する。
【解決手段】シェルに、コア剤として揮発性膨張剤が内包されており、最大発泡温度が190℃以上の熱膨張性マイクロカプセルであり、前記シェルは、ニトリルポリマー単位と、α炭素が4級炭素となるカルボニル化合物のポリマー単位55~65重量%とを有する共重合体を含有し、前記α炭素が4級炭素となるカルボニル化合物は、炭素数が3~8のラジカル重合性不飽和カルボン酸、炭素数が3~8のラジカル重合性不飽和カルボン酸エステル、及び、多官能性カルボン酸エステルであり、前記ニトリルポリマー単位の含有量(重量%)と、前記α炭素が4級炭素となるカルボニル化合物のポリマー単位の含有量(重量%)との比(ニトリルポリマー単位の含有量/α炭素が4級炭素となるカルボニル化合物のポリマー単位の含有量)が、0.55~0.72である熱膨張性マイクロカプセル。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
シェルに、コア剤として揮発性膨張剤が内包されており、最大発泡温度が190℃以上の熱膨張性マイクロカプセルであり、
前記シェルは、ニトリルポリマー単位と、α炭素が4級炭素となるカルボニル化合物のポリマー単位55~65重量%とを有する共重合体を含有し、
前記α炭素が4級炭素となるカルボニル化合物は、炭素数が3~8のラジカル重合性不飽和カルボン酸、炭素数が3~8のラジカル重合性不飽和カルボン酸エステル、及び、多官能性カルボン酸エステルであり、
前記ニトリルポリマー単位の含有量(重量%)と、前記α炭素が4級炭素となるカルボニル化合物のポリマー単位の含有量(重量%)との比(ニトリルポリマー単位の含有量/α炭素が4級炭素となるカルボニル化合物のポリマー単位の含有量)が、0.55~0.72である
ことを特徴とする熱膨張性マイクロカプセル。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
コア剤を15~30重量%含有することを特徴とする請求項1記載の熱膨張性マイクロカプセル。
【請求項3】
ゲル化度が70%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱膨張性マイクロカプセル。
【請求項4】
シェルを構成する共重合体は、重量平均分子量1000未満の重合体の濃度が1重量%以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱膨張性マイクロカプセル。
【請求項5】
マトリクス樹脂、請求項1、2、3又は4記載の熱膨張性マイクロカプセル及び化学発泡剤を含有する成形用樹脂組成物。
【請求項6】
マトリクス樹脂が塩化ビニル樹脂であることを特徴とする請求項5記載の成形用樹脂組成物。
【請求項7】
マトリクス樹脂100重量部に対して、熱膨張性マイクロカプセルを0.1~1.5重量部、化学発泡剤を0.5~3.0重量部含有することを特徴とする請求項5又は6記載の成形用樹脂組成物。
【請求項8】
成形用樹脂組成物における化学発泡剤含有量と、熱膨張性マイクロカプセルを構成する共重合体のα炭素が4級炭素となるカルボニル化合物のポリマー単位含有量との比率(化学発泡剤含有量/α炭素が4級炭素となるカルボニル化合物のポリマー単位含有量)が、1.0~4.5であることを特徴とする請求項5、6又は7記載の成形用樹脂組成物。
【請求項9】
請求項5、6、7又は8記載の成形用樹脂組成物を用いてなることを特徴とする発泡成形体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱膨張性マイクロカプセル、該熱膨張性マイクロカプセルを用いた成形用樹脂組成物、及び、該成形用樹脂組成物を用いてなる発泡成形体に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
これまで、樹脂材料の軽量化や高機能化を目的として、発泡剤を用いて材料を発泡させることが行われており、このような発泡剤としては、熱膨張性マイクロカプセルや化学発泡剤が一般的に用いられている。
熱膨張性マイクロカプセルは、意匠性付与剤や軽量化剤として幅広い用途に使用されており、発泡インク、壁紙をはじめとした軽量化を目的とした塗料等にも利用されている。
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、熱可塑性シェルポリマーの中に、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されているものが広く知られている。例えば、特許文献1には、低沸点の脂肪族炭化水素等の揮発性膨張剤をモノマーと混合した油性混合液を、油溶性重合触媒とともに分散剤を含有する水系分散媒体中に攪拌しながら添加し懸濁重合を行うことにより、揮発性膨張剤を内包する熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法が開示されている。
【0003】
しかしながら、この方法によって得られた熱膨張性マイクロカプセルは、80~130℃程度の比較的低温で熱膨張させることができるものの、高温又は長時間加熱すると、膨張したマイクロカプセルが破裂又は収縮してしまい発泡倍率が低下するため、耐熱性に優れた熱膨張性マイクロカプセルを得ることができないという欠点を有していた。
【0004】
一方、特許文献2には、ニトリル系モノマー80~97重量%、非ニトリル系モノマー20~3重量%及び三官能性架橋剤0.1~1重量%を含有する重合成分から得られるポリマーをシェルとして用い、揮発性膨張剤を内包させた熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法が開示されている。
また、特許文献3には、ニトリル系モノマー80重量%以上、非ニトリル系モノマー20重量%以下及び架橋剤0.1~1重量%を含有する重合成分から得られるポリマーを用い、揮発性膨張剤を内包させた熱膨張性マイクロカプセルが記載されている。このような熱膨張性マイクロカプセルでは、非ニトリル系モノマーとして、メタクリル酸エステル類又はアクリル酸エステル類が用いられている。
【0005】
これらの方法によって得られる熱膨張性マイクロカプセルは、従来のマイクロカプセルに比べ耐熱性に優れ、140℃以下では発泡しないとされている。しかしながら、実際には130~140℃で1分程度加熱を続けると一部のマイクロカプセルが熱膨張してしまうものであり、最大発泡温度が180℃以上の優れた耐熱性を有する熱膨張性マイクロカプセルを得ることは困難であった。
【0006】
更に、特許文献4には、85重量%以上のニトリル基をもつエチレン性不飽和モノマーの単独重合体又は共重合体からなるシェルポリマーと50重量%以上のイソオクタンを有する発泡剤からなる熱膨張性マイクロカプセルが開示されている。このような熱膨張性マイクロカプセルでは、最大発泡温度を180℃以上とすることを目的としている。
しかしながら、実際には、最大発泡温度が非常に高い値となっているものの、成形時のせん断に弱く、その後の膨張した状態を維持することができず、高温領域における長時間の使用は困難であった。
加えて、特許文献5~9には、熱膨張性マイクロカプセルのシェルを構成するモノマーを規定することで、広範囲な発泡温度領域、特に高温領域(160℃以上)において良好な発泡性能を有し、耐熱性をより向上させた熱膨張性マイクロカプセルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特公昭42-26524号公報
特公平5-15499号公報
特許第2894990号
欧州特許出願第1149628号公報
国際公開2003/099955号
特開2009-113037号公報
特開2009-299071号公報
特開2013-32542号公報
特開2013-28818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の熱膨張性マイクロカプセルは、最大発泡温度は高い値を示すものの、強い剪断力が加えられる混練成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形等の成形加工での耐久性が問題となっている。特に射出成形に使用した場合、溶融混練工程において、熱膨張性マイクロカプセルの耐熱性や強度の問題から、いわゆる「へたり」と呼ばれる現象が生じたり、潰れてしまったりして、得られる成形体に黄変が生じる。
また、熱膨張性マイクロカプセルを発泡させる工程においては、発泡倍率が低く、発泡倍率にバラツキがあることによって、熱膨張性マイクロカプセルが充分に発泡せず、得られる成形体は、外観や、軽量性等の機能性の面で劣るものとなっている。
更に、熱膨張性マイクロカプセルの凝集に起因する白斑点が発泡成形体の表面に発生し、発泡成形体の外観を著しく損ねる。
このため、優れた耐熱性と発泡倍率を有し、黄変しにくく優れた外観を有する発泡成形体を作製することが可能な熱膨張性マイクロカプセルが必要とされている。
【0009】
一方で、熱膨張性マイクロカプセルと化学発泡剤とを併用することで、成形品の外観不良を防止しつつ、発泡倍率の向上を実現させる試みが行われている。
しかしながら、このように併用した場合、発生したガスを系内に留めておくことができず、気泡が連続気泡となったり、ボイドやガス抜けが発生したりするといった問題がある。その結果、得られる発泡成形体の強度が低下するという問題が生じている。
【0010】
本発明は、成形時の強いせん断に対して耐久性を発揮でき、耐熱性及び発泡倍率が高く、黄変しにくく優れた外観を有し、軽量かつ硬度が高く耐磨耗性に優れる成形体を製造することが可能な熱膨張性マイクロカプセルを提供することを目的とするものである。
また、本発明は、化学発泡剤を併用する場合におけるボイドやガス抜けの発生や、強度の低下という課題を克服した熱膨張性マイクロカプセルを提供することを目的とするものである。
更に、本発明は、多粒子の集合体とした際の流動性にも優れ、成形時にホッパー等から安定的に投入することが可能な熱膨張性マイクロカプセルを提供することを目的とするものである。
加えて、該熱膨張性マイクロカプセルを用いた成形用樹脂組成物及び発泡成形体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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