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公開番号
2025009874
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024087429
出願日
2024-05-29
発明の名称
アセタール化方法、液晶化合物の製造方法及び化合物
出願人
国立研究開発法人理化学研究所
代理人
弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類
C07B
61/00 20060101AFI20250109BHJP(有機化学)
要約
【課題】N
F
液晶群を効率的に合成する方法及び新規な優れた物性のN
F
液晶材料の提供。
【解決手段】
少なくとも1種のアルデヒド化合物と少なくとも1種の二価アルコール化合物とを好ましくは少なくとも1種の脱水剤の存在下で反応させて、アセタール化反応を進行させる方法であって、
前記アセタール化反応が、少なくとも一部が不均一な反応系に機械的エネルギーを供与し、該エネルギーを直接吸収させることによって進行させることを特徴とするアセタール化方法;
該アセタール化方法を含む液晶化合物の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも1種のアルデヒド化合物と少なくとも1種の二価アルコール化合物とを反応させて、アセタール化反応を進行させる方法であって、
前記アセタール化反応が、少なくとも一部が不均一な反応系に機械的エネルギーを供与し、該エネルギーを直接吸収させることによって進行させることを特徴とするアセタール化方法。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記アセタール化反応を少なくとも1種の脱水剤の存在下でおこなう請求項1に記載のアセタール化方法。
【請求項3】
前記少なくとも1種のアルデヒド化合物が下記式(II)で表され、前記少なくとも1種の二価アルコールが下記式(III)で表される請求項1に記載のアセタール化方法;
エステル化反応;
式(II)
TIFF
2025009874000043.tif
22
132
式(II)中、「Ar」は炭素系又はヘテロ系芳香環を表し、Arは1以上の他の炭素系及び/又はヘテロ系芳香環と縮環していてもよく、及び環構成原子が水素原子を有する場合は、1以上の水素原子が他の有機基で置換されていてもよく;
式(III)
TIFF
2025009874000044.tif
15
132
式(III)中、「R」は、置換基を表す。
【請求項4】
下記式(I)で表される部分構造を有する液晶化合物の製造方法であって、
少なくとも1種のアルデヒド化合物と少なくとも1種の二価アルコール化合物とを反応させて、アセタール化反応を進行させる工程を含み、前記工程において、アセタール化反応が、少なくとも一部が不均一な反応系に機械的エネルギーを供与し、該エネルギーを直接吸収させることによって進行させることを特徴とする液晶化合物の製造方法;
式(I)
TIFF
2025009874000045.tif
27
132
式(I)中、「Ar」は炭素系又はヘテロ系芳香環を表し、Arは1以上の他の炭素系及び/又はヘテロ系芳香環と縮環していてもよく、及び環構成原子が水素原子を有する場合は、1以上の水素原子が他の有機基で置換されていてもよく;*は、式(I)で表される部分構造が他の原子と結合する位置を表し;矢印は液晶の長軸方向を示す。
【請求項5】
前記アセタール化反応を少なくとも1種の脱水剤の存在下でおこなう請求項4に記載の液晶化合物の製造方法。
【請求項6】
さらに、以下の反応工程の群から選ばれる少なくとも1の工程を含み、前記少なくとも1の工程が、少なくとも一部が不均一な反応系に機械的エネルギーを供与し、該エネルギーを直接吸収させることによって進行させることを特徴とする請求項4に記載の方法。
反応工程の群
モノアルコールとモノカルボン酸とのエステル化反応;モノないしは多価アルコールとハロゲン化アルキルとのエーテル化反応;アルデヒド基をカルボキシル基に変化させる酸化反応;及びクロスカップリング反応
【請求項7】
以下の式で表される化合物。
TIFF
2025009874000046.tif
53
132
式中、「R」は、水素原子又は炭素原子数1~20のアルキル基を表し、「X」は、それぞれ独立に、水素原又はフッ素原子を表し、「Z」は、ニトロ基、フッ素原子又はシアノ基を表す。
【請求項8】
請求項7に記載の式(4)及び(5)のいずれかで表される化合物の製造方法であって、以下の反応工程の群から選ばれる少なくとも1の工程を含み、前記少なくとも1の工程が、少なくとも一部が不均一な反応系に機械的エネルギーを供与し、該エネルギーを直接吸収させることによって進行させることを特徴とする方法。
反応工程の群
モノアルコールとモノカルボン酸とのエステル化反応;モノないしは多価アルコールとハロゲン化アルキルとのエーテル化反応;アルデヒド基をカルボキシル基に変化させる酸化反応;及びクロスカップリング反応
【請求項9】
請求項7に記載の化合物の少なくとも1種を含む層を少なくとも有するデバイス。
【請求項10】
前記層中において、前記化合物が強誘電液晶相を、少なくとも一時的に示す請求項9に記載のデバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アセタール化方法、該アセタール化方法を含む液晶化合物の製造方法及び化合物に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、国内外で開発された3種類のN
F
液晶分子DIO、RM734、UUQU-4-Nはいずれも異なる分子構造を有するにも関わらずN
F
相を発現し、特有の大きな誘電率、分極密度ならびに非線形光学特性を示す(非特許文献1~4)。これらの分子種は、相系列が互いに異なるという相違点と、冷却過程においてのみN
F
相が発現し、さらに室温付近でN
F
相から結晶に転移する共通点をもつ。すなわち、いずれの分子種においても熱力学的に準安定なN
F
相を示す。
近年、発明者らは
trans
DIO/
cis
DIOのジアステレオマー混合系ならびにUUQU-4-Nにおいて、N
F
相内に介するサイボタクチッククラスターの成長異方性が相系列に影響を与えていることを明らかにしており、分子構造の相違よりもむしろクラスターの存在がN
F
相発現に寄与していることを明らかにしている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Mandle, R. J., Cowling, S. J. & Goodby, J. W. Rational design of rod-like liquid crystals exhibiting two nematic phases. Chem. Eur. J. 23, 14554-14562 (2017).
Mandle, R. J., Cowling, S. J. & Goodby, J. W. A nematic to nematic transformation exhibited by a rod-like liquid crystal. Phys. Chem. Chem. Phys. 19, 11429-11435 (2017).
Nishikawa, H. et al. A fluid liquid-crystal material with highly polar order. Adv. Mater. 29, 1702354 (2017).
Li, J. et al. Development of ferro- electric nematic fluids with giant-ε dielectricity and nonlinear optical properties, Sci. Adv. 7, eabf5047 (2021).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、N
F
液晶材料を応用化するためには広範囲の温度領域にわたって安定にN
F
相が発現する必要があり、N
F
相の熱力学的不安定性の原因を解明することが課題となっている。このような背景のもと、上述した分子種以外の様々なN
F
液晶群を開発し、多角的に調査する必要がある。従って、本発明は、N
F
液晶群を効率的に合成する方法を提供することを目的とする。また、新規な優れた物性のN
F
液晶材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究をおこなった結果、有機溶媒の使用量を低減し、反応原料同士を直接接触させ、環境負荷が小さく効率的な反応方法として近年注目されているメカノケミカル合成を、N
F
液晶群の合成に取り入れることで、様々なDIO種、RM種及びUUQU種ならびに新規化合物が効率的に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、新規に得られた化合物が優れた物性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、次の発明を提供するものである。
【0007】
<1>
少なくとも1種のアルデヒド化合物と少なくとも1種の二価アルコール化合物とを反応させて、アセタール化反応を進行させる方法であって、
前記アセタール化反応が、少なくとも一部が不均一な反応系に機械的エネルギーを供与し、該エネルギーを直接吸収させることによって進行させることを特徴とするアセタール化方法。
<2>
前記アセタール化反応を少なくとも1種の脱水剤の存在下でおこなう<1>に記載のアセタール化方法。
<3>
前記少なくとも1種のアルデヒド化合物が下記式(II)で表され、前記少なくとも1種の二価アルコールが下記式(III)で表される<1>又は<2>に記載のアセタール化方法;
エステル化反応;
式(II)
TIFF
2025009874000002.tif
22
132
式(II)中、「Ar」は炭素系又はヘテロ系芳香環を表し、Arは1以上の他の炭素系及び/又はヘテロ系芳香環と縮環していてもよく、及び環構成原子が水素原子を有する場合は、1以上の水素原子が他の有機基で置換されていてもよく;
式(III)
TIFF
2025009874000003.tif
15
132
式(III)中、「R」は、置換基を表す。
<4>
下記式(I)で表される部分構造を有する液晶化合物の製造方法であって、
少なくとも1種のアルデヒド化合物と少なくとも1種の二価アルコール化合物とを反応させて、アセタール化反応を進行させる工程を含み、前記工程において、アセタール化反応が、少なくとも一部が不均一な反応系に機械的エネルギーを供与し、該エネルギーを直接吸収させることによって進行させることを特徴とする液晶化合物の製造方法;
式(I)
TIFF
2025009874000004.tif
27
132
式(I)中、「Ar」は炭素系又はヘテロ系芳香環を表し、Arは1以上の他の炭素系及び/又はヘテロ系芳香環と縮環していてもよく、及び環構成原子が水素原子を有する場合は、1以上の水素原子が他の有機基で置換されていてもよく;*は、式(I)で表される部分構造が他の原子と結合する位置を表し;矢印は液晶の長軸方向を示す。
<5>
前記アセタール化反応を少なくとも1種の脱水剤の存在下でおこなう<4>に記載の液晶化合物の製造方法。
<6>
さらに、以下の反応工程の群から選ばれる少なくとも1の工程を含み、前記少なくとも1の工程が、少なくとも一部が不均一な反応系に機械的エネルギーを供与し、該エネルギーを直接吸収させることによって進行させることを特徴とする<4>又は<5>に記載の方法。
反応工程の群
モノアルコールとモノカルボン酸とのエステル化反応;モノないしは多価アルコールとハロゲン化アルキルとのエーテル化反応;アルデヒド基をカルボキシル基に変化させる酸化反応;及びクロスカップリング反応
<7>
以下の式で表される化合物。
TIFF
2025009874000005.tif
53
132
式中、「R」は、水素原子又は炭素原子数1~20のアルキル基を表し、「X」は、それぞれ独立に、水素原子又はフッ素原子を表し、「Z」は、ニトロ基、フッ素原子又はシアノ基を表す。
<8>
<7>に記載の式(4)及び(5)のいずれかで表される化合物の製造方法であって、以下の反応工程の群から選ばれる少なくとも1の工程を含み、前記少なくとも1の工程が、少なくとも一部が不均一な反応系に機械的エネルギーを供与し、該エネルギーを直接吸収させることによって進行させることを特徴とする方法。
反応工程の群
モノアルコールとモノカルボン酸とのエステル化反応;モノないしは多価アルコールとハロゲン化アルキルとのエーテル化反応;アルデヒド基をカルボキシル基に変化させる酸化反応;及びクロスカップリング反応
<9>
<7>に記載の化合物の少なくとも1種を含む層を少なくとも有するデバイス。
<10>
前記層中において、前記化合物が強誘電液晶相を、少なくとも一時的に示す<9>に記載のデバイス。
<11>
前記強誘電液晶相が、強誘電ネマチック相、及び強誘電スメクチック相の少なくとも一方である<10>に記載のデバイス。
<12>
所定の液晶相に固定された<7>に記載の化合物の少なくとも1種を含有するフィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明のアセタール化方法は、従来法に比べ、ごく短時間で反応が進行し、溶媒の使用量も低減でき、環境負荷が低くクリーンであり、低コストも実現できる。また、本発明のアセタール化方法は、ディーン・スターク装置のような大掛かりな装置を用いる必要がなく利便性が高い。
さらに、本発明の液晶化合物の製造方法もまた、従来法に比べ、ごく短時間で反応が進行し、溶媒の使用量も低減でき、環境負荷が低くクリーンであり、低コストも実現できる。そして、このような本発明の液晶化合物の製造方法により、様々なN
F
液晶群を効率的に合成することができ、ひいてはN
F
相の熱力学的不安定性の原因解明やN
F
液晶材料の応用化が期待される。
また、本発明によれば、種々の用途に利用される優れた物性の液晶性化合物並びに該化合物を用いたデバイス及びフィルム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例4で得られた化合物BIOTN1とBIOTN2の双極子モーメントを見積もったDFT計算の結果を表す図である。
実施例4で得られた化合物BIOTN1とBIOTN2のDSC曲線である。
(a)実施例のボールミルのジャーをヒートガンで加熱する様子を表す模式図である。(b)実施例のボールミルのジャーをヒートガンで加熱した際、ヒートガンの調整温度(ジャー外部温度T
ex
)とジャー内部温度T
in
との相関を表す検量線である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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