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公開番号
2025009824
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024067394
出願日
2024-04-18
発明の名称
不定形耐火物の使用方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類
C04B
35/66 20060101AFI20250109BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】耐構造スポーリング性および耐熱スポーリング性に優れた不定形耐火物の使用方法を提供する。
【解決手段】質量基準で、カルシウムアルミネートを含むアルミナセメントを7%以下と、ストロンチウムアルミネートを含むアルミナセメントを2%以上と、を合計で7%以上20%未満の量で配合した不定形耐火物を、1000℃以上の融体と接触する環境で用いる方法である。ストロンチウムアルミネート含むアルミナセメントを5%以上20%未満の量で配合した不定形耐火物を、1000℃以上の融体と接触する環境で用いる方法である。カルシウムアルミネートを含むアルミナセメントを7%以下と、ストロンチウムアルミネートを含むアルミナセメントを7%以上と、を合計で7%以上20%未満の量で配合した不定形耐火物を、800℃以上の融体と接触する環境で用いる方法である。耐火物原料がアルミナを主成分とし、マグネシアを含むことが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
耐火物原料中に、カルシウムアルミネートとしてCaOを10~40質量%の範囲で含むアルミナセメントを7質量%以下と、ストロンチウムアルミネートとしてSrOを10~40質量%の範囲で含むアルミナセメントを2質量%以上と、を合計で7質量%以上20質量%未満の量で配合した不定形耐火物を、1000℃以上の融体と接触する環境で用いる、不定形耐火物の使用方法。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
ストロンチウムアルミネートとしてSrOを10~40質量%の範囲で含むアルミナセメントを10質量%以上配合した不定形耐火物を用いる、請求項1に記載の不定形耐火物の使用方法。
【請求項3】
耐火物原料中に、カルシウムアルミネートを含むアルミナセメントを配合せず、ストロンチウムアルミネートとしてSrOを10~40質量%含むアルミナセメントを、5質量%以上20質量%未満の量で配合した不定形耐火物を、1000℃以上の融体と接触する環境で用いる、不定形耐火物の使用方法。
【請求項4】
耐火物原料中に、カルシウムアルミネートとしてCaOを10~40質量%の範囲で含むアルミナセメントを7質量%以下と、ストロンチウムアルミネートとしてSrOを10~40質量%の範囲で含むアルミナセメントを7質量%以上と、を合計で7質量%以上20質量%未満の量で配合した不定形耐火物を、800℃以上の融体と接触する環境で用いる、不定形耐火物の使用方法。
【請求項5】
ストロンチウムアルミネートとしてSrOを10~40質量%の範囲で含むアルミナセメントを10質量%以上配合した不定形耐火物を用いる、請求項4に記載の不定形耐火物の使用方法。
【請求項6】
前記融体の温度が1200℃以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の不定形耐火物の使用方法。
【請求項7】
前記融体の温度が1400℃以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の不定形耐火物の使用方法。
【請求項8】
セメントを除く耐火物原料がアルミナを主成分とし、マグネシアを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の不定形耐火物の使用方法。
【請求項9】
前記融体が溶銑または溶鋼を含み、
前記不定形耐火物を製鋼容器に施工する、請求項8に記載の不定形耐火物の使用方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は熱間で高耐用を要求される不定形耐火物の使用方法に関する。本明細書において、数値の範囲を表す「x~y」は、x以上y以下を意味し、境界値を含む。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
主に製鉄所で使用される耐火物は、築炉工の減少に伴い、れんが等の定形耐火物から不定形耐火物への転換が進められている。特に取鍋の溶鋼に接触する鋼浴部は不定形耐火物への転換が早期に進み、多くの工場で採用されている。材質はアルミナを主成分とし、マグネシアやスピネルと配合されたアルミナ-マグネシア質、アルミナ-スピネル質耐火物が一般に使われている。
【0003】
一般に耐火物は温度の急変に弱く、特に冷却に伴う収縮発生時に弱い。たとえば、定形耐火物では多数存在する目地が少しずつ開き、寸法変化を吸収するため、耐火物の損傷はほとんど発生しない。一方、不定形耐火物では目地が存在しないため、耐火物全体で寸法変化を吸収せざるを得ず、とくに寸法変化が大きい場合、稼働面に垂直な亀裂を生じる熱スポーリング損傷を受ける場合も多い。
【0004】
また、取鍋は受鋼中および鋳造中に、鋼浴部の耐火物表面にスラグが接触しながら移動する際に、耐火物中へスラグが侵入し、浸潤層を形成することが多い。生じた浸潤層は、元の耐火物に対し、高密度、高弾性率となり、亀裂の発生や、元の耐火物との熱膨張率等の物性差に起因する稼働面に平行な構造スポーリングによる損傷を受けやすく、耐用低下につながる。特に浸潤層は前述のように亀裂を生じやすく、構造スポーリングによる亀裂との複合要因で耐火物の部分的な剥離とその進展で損傷が進む。
【0005】
スラグ浸潤の一因としてスラグ成分と低融点化合物を生成しやすい、酸化カルシウムの影響が知られている。酸化カルシウムは、不定形耐火物に一般的に使用されているアルミナセメント中にカルシウムアルミネートとして含まれている成分である。耐火物は施工すなわち非稼動期間を短くすることが要求されており、流し込み施工後、一般的には翌日もしくは24時間後に脱枠するための強度発現が求められている。そのため、ポルトランドセメントより養生強度の発現が早いアルミナセメントが使用されているのである。アルミナセメント中の酸化カルシウムは高温下でスラグと反応して、低融点化合物を生成し、液相を生じる。これにより、高温下での不定形耐火物の組織強度が低下し、前記の構造スポーリング亀裂の発生がさらに起きやすくなる。
【0006】
酸化カルシウムの存在による、スラグの影響を抑制するため、従来、低セメントや極低セメントキャスタブルなど、セメント量を減らす方向で改善が進められてきた。さらにセメント量の低減検討が進められ、例えば特許文献1ではアルミナゾルを使用して、アルミナセメントを使わない耐火物が提案されている。酸化カルシウム不使用が特徴で、流し込み施工可能であることと、養生強度、耐爆裂性に問題がなく、耐熱スポーリング性に優れるとしている。
【0007】
酸化カルシウムを含まないアルミナセメントの検討も行われている。例えば特許文献2ではカルシウムアルミネートの代わりに、ストロンチウムアルミネートを使用したセメントと、それを0.2体積%以上20体積%未満使用した耐火物が提案されている。特許文献3では同様にストロンチウムアルミネートを使用したセメントを0.5体積%以上10体積%以下使用した耐火物が提案されている。ストロンチウムアルミネートを使用したセメントは、酸化カルシウムの含有量がないか、あっても微量であるため、スラグとの反応性に乏しく、浸潤層がほとんど発生しないとされている。これらのストロンチウムアルミネートを使用したセメントを配合した耐火物は高温でのスラグに対する耐食性の他、養生後の強度について検討がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2020-203807号公報
特開2010-120843号広報
特開2017-066025号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来技術には、以下のような課題があった。
すなわち、特許文献1に記載の技術では、破壊エネルギーの検討がされておらず、熱間での損傷抑制の観点では不十分である。特許文献2に記載の技術では、不定形耐火物の熱間の機械特性については考慮されていない。特許文献3に記載の技術では、熱間の機械特性に関して、耐熱スポーリング性の改善について検討されているだけであり、最も重要な破壊エネルギーの検討はされておらず、熱間での損傷抑制の観点では不十分である。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、熱間破壊エネルギーに着目し、耐構造スポーリング性や耐熱スポーリング性に優れた不定形耐火物の使用方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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