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公開番号2025009156
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023111966
出願日2023-07-07
発明の名称計測機器用の超音波振動子及びその製造方法
出願人本多電子株式会社
代理人個人
主分類H04R 17/00 20060101AFI20250110BHJP(電気通信技術)
要約【課題】超音波の送受信に適した周波数帯域を広げることが可能な計測機器用の超音波振動子を提供すること。
【解決手段】本発明の計測機器用の超音波振動子11は、支持板23を有する筐体容器21と、略円形状の外形を有し支持板23に支持された圧電素子31とを備える。圧電素子31は、1つの内角が45°以下かつ他の2つの内角が45°以上の平面視で略鋭角三角形状をなす。圧電素子31は、最鋭角である内角を素子中心に向けて回転対称に配置された、8個以上の複数の振動部41を含んで構成される。圧電素子31は、第1の周波数帯で厚さ方向A3に振動するとともに、第1の周波数帯よりも低い第2の周波数帯で半径方向A4に振動する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
超音波を送受信する計測機器用の超音波振動子であって、
支持体を有する筐体容器と、
略円形状の外形を有し、前記支持体に支持された圧電素子と
を備え、
前記圧電素子は、1つの内角が45°以下かつ他の2つの内角が45°以上の平面視で略鋭角三角形状をなし、最鋭角である内角を素子中心に向けて回転対称に配置された、8個以上の複数の振動部を含んで構成され、
前記圧電素子は、第1の周波数帯で厚さ方向に振動するとともに、前記第1の周波数帯よりも低い第2の周波数帯で半径方向に振動する
ことを特徴とする計測機器用の超音波振動子。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記支持体は、平坦な面形状を有する支持板であることを特徴とする請求項1に記載の計測機器用の超音波振動子。
【請求項3】
前記支持体は、略多角錐または略多角錐台の角錐面に相当する面形状を有するとともに、外面側に全体的に凸である支持板であることを特徴とする請求項1に記載の計測機器用の超音波振動子。
【請求項4】
前記支持体は、略多角錐または略多角錐台の角錐面に相当する面形状を有するとともに、外面側に全体的に凹である支持板であることを特徴とする請求項1に記載の計測機器用の超音波振動子。
【請求項5】
複数の前記振動部は、前記角錐面を構成する複数の構成面にそれぞれ支持されていることを特徴とする請求項3または4に記載の計測機器用の超音波振動子。
【請求項6】
前記振動部の厚さは前記振動部の幅よりも大きく、前記振動部の前記遠心方向の長さは前記振動部の厚さの3倍以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の計測機器用の超音波振動子。
【請求項7】
前記振動部において、前記最鋭角である内角に対応した部位は、面取りされた形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の計測機器用の超音波振動子。
【請求項8】
前記振動部の放射面には、前記振動部より面積が小さい音響整合層が接合され、
前記振動部の放射面には音響整合層が接合されるとともに、前記音響整合層の接合領域の面積は前記放射面の面積よりも狭く設定され、
前記放射面の外縁部において前記音響整合層が存在していない箇所には、段差部が形成され、
前記段差部には、電極が形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の計測機器用の超音波振動子。
【請求項9】
隣接する複数の前記振動部同士が、両面テープ付きの防音材シートで互いに接合固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の計測機器用の超音波振動子。
【請求項10】
支持体を有する筐体容器と、略円形状の外形を有し、前記支持体に支持された圧電素子とを備え、前記圧電素子は、1つの内角が45°以下かつ他の2つの内角が45°以上の平面視で略鋭角三角形状をなし、最鋭角である内角を素子中心に向けて回転対称に配置された、8個以上の複数の振動部を含んで構成され、前記圧電素子は、第1の周波数帯で厚さ方向に振動するとともに、前記第1の周波数帯よりも低い第2の周波数帯で半径方向に振動する超音波振動子を製造する方法であって、
矩形平板状のセラミック焼結体を準備する準備工程と、
前記セラミック焼結体を第1の方向に沿って等ピッチで切断するとともに、前記第1の方向と前記最鋭角である内角の角度と等しい角度をなす第2の方向に沿って等ピッチで切断することにより、略鋭角三角形状をなす複数の前記振動部を形成する切断工程と、
得られた複数の前記振動部を8個以上用いて、前記最鋭角である内角を前記素子中心に向けて回転対称となるように配置することにより、前記圧電素子を形成する振動部配置工程と
を含む、計測機器用の超音波振動子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を送受信する計測機器用の超音波振動子及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、超音波の送受信によって水中の魚群などを探知する魚群探知機がよく知られている。この種の魚群探知機では、超音波振動子を用いて超音波の送受信を行うことにより、水中の様子が探知できるようになっている。そして、水中の探知結果は画像として画面に表示される。
【0003】
ところで、魚群探知機用の超音波振動子は、通常、円板状や円環状の圧電素子を用いており、厚さ方向振動で例えば200kHz、半径方向振動で例えば50kHz、といったように、2種類の周波数の超音波を一つの振動子で送受するように設計される。しかし、この種の圧電素子は、それぞれの超音波の周波数帯域が狭い。近年、同様の魚群探知機を搭載した船舶が増加しているため、他の船舶との混信が生じやすくなってきている。混信を避けるためには、付近の船舶が使用している駆動周波数を外して超音波を送受信すればよいが、周波数帯域が狭い場合には、変更できる周波数の選択肢が少なくなってしまう。このため、超音波の周波数帯域が広い超音波振動子を用いることが求められている。
【0004】
なお、超音波を広帯域にする手法としては、図21、図22に示されるように、超音波振動子191を構成する圧電素子192に、同一方向に延びる複数の溝部193を形成し、溝部193を介して複数の振動部194を配設することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようにすれば、各振動部194が圧電素子192の厚さ方向に変形しやすくなる。その結果、圧電素子192が全域にわたり厚さ方向に振動しやすくなるため、電気機械結合係数が高くなり、周波数帯域も広くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-213666号公報(段落[0023]、図1,図3,図4A等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1は、圧電素子192を主として厚さ方向に振動しやすくする技術であるため、超音波の送受信に適した周波数帯域が十分に得られているとは言い難い。ゆえに、超音波の周波数帯域をより広くすることが求められている。また、広帯域の超音波振動子を得るにあたって、製造時の材料の無駄をできるだけ少なくすることや、製造時の生産効率を上げること等も求められている。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、超音波の送受信に適した周波数帯域を広げることが可能な計測機器用の超音波振動子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、超音波を送受信する計測機器用の超音波振動子であって、支持体を有する筐体容器と、略円形状の外形を有し、前記支持体に支持された圧電素子とを備え、前記圧電素子は、1つの内角が45°以下かつ他の2つの内角が45°以上の平面視で略鋭角三角形状をなし、最鋭角である内角を素子中心に向けて回転対称に配置された、8個以上の複数の振動部を含んで構成され、前記圧電素子は、第1の周波数帯で厚さ方向に振動するとともに、前記第1の周波数帯よりも低い第2の周波数帯で半径方向に振動することを特徴とする計測機器用の超音波振動子をその要旨とする。
【0009】
従って、請求項1に記載の発明によれば、圧電素子が溝部により分割された複数の振動部を含んで構成されるため、各振動部が厚さ方向に変形しやすくなる。その結果、圧電素子が全域にわたり厚さ方向に振動し、電気機械結合係数が高くなる。このため、厚さ方向振動の周波数帯である第1の周波数帯の送受感度が高くなり、第1の周波数帯の範囲も広くなる。また、圧電素子を構成する各振動部は1つの内角が45°以下かつ他の2つの内角が45°以上の平面視で略鋭角三角形状である。つまり、半径方向に細長い振動部となりやすいため、半径方向振動の共振周波数で駆動したときに、振動部が45°以下の内角の延びる方向に沿って大きい振幅で振動する。その結果、振動部の半径方向振動の周波数帯である第2の周波数帯の送受感度が高くなる。以上のことから、厚さ方向振動及び半径方向振動の双方において、高感度で送受信を行うことができる。
【0010】
略鋭角三角形状における45°以下の内角(以下、単に「最鋭角」とも呼ぶ。)は、30°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましい。その理由は、最鋭角をこのような範囲に設定することで、半径方向振動に有利な細長い平面形状の振動部が得やすくなるからである。
(【0011】以降は省略されています)

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