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公開番号2025007985
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023109780
出願日2023-07-04
発明の名称セルロースナノファイバー複合体
出願人藤倉コンポジット株式会社,学校法人日本大学
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人
主分類C08L 1/02 20060101AFI20250109BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】セルロースナノファイバーの有機溶媒への分散性と有機溶媒へのハンドリング性に優れており、セルロースナノファイバーの適用範囲を容易に広げることができるセルロースナノファイバー複合体を提供する。
【解決手段】セルロースナノファイバーと、セルロース誘導体と、を含むセルロースナノファイバー複合体であり、前記セルロースナノファイバーと前記セルロース誘導体が一体化されている固相のセルロースナノファイバー複合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セルロースナノファイバーと、セルロース誘導体と、を含むセルロースナノファイバー複合体であり、
前記セルロースナノファイバーと前記セルロース誘導体が一体化されている固相のセルロースナノファイバー複合体。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記セルロース誘導体が前記セルロースナノファイバーに物理吸着されて一体化されている請求項1に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
【請求項3】
乾燥状態である前記セルロースナノファイバーと前記セルロース誘導体が一体化されている請求項1または2に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
【請求項4】
前記セルロースナノファイバー100質量部に対して、前記セルロース誘導体を5.0質量部以上5000質量部以下含む請求項1または2に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
【請求項5】
前記セルロースナノファイバー100質量部に対して、前記セルロース誘導体を10質量部以上2000質量部以下含む請求項1または2に記載のセルロースナノファイバー複合体。
【請求項6】
前記セルロースナノファイバー100質量部に対して前記セルロース誘導体を10質量部以上2000質量部以下含む前記固相のセルロースナノファイバー複合体の、180秒間にわたって2秒ごとに測定した波長400nmの光の透過率試験における標準偏差が、0.10以下である請求項1または2に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
【請求項7】
前記セルロース誘導体が、ヒドロキシアルキルセルロース及びアルキルセルロースからなる群から選択された少なくとも1種を含む請求項1または2に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
【請求項8】
前記セルロース誘導体が、ヒドロキシアルキルセルロースである請求項1または2に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
【請求項9】
前記ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシプロピルセルロースである請求項8に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノセルロースの複合体に関し、特に、疎水性物質に対しても親和性を示すセルロースナノファイバー複合体に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
ナノセルロースは、太さがナノメートルオーダーのセルロース繊維である。ナノセルロースは、例えば、パルプなどの植物繊維を水媒体中で解繊して得られる。ナノセルロースは、ナノセルロースの構造化セルロースによって、セルロースナノファイバーやセルロースクリスタル、セルロースウィスカー、バクテリアセルロースなどに分類される。セルロースナノファイバーは、軽量且つ高強度であることから、例えば、熱可塑性樹脂などの補強材としての利用が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方で、セルロースナノファイバーは、親水性であることから、有機溶媒への均一分散が困難であり、適用範囲が限定されるという問題があった。そこで、従来、例えば、含水状態のセルロースナノファイバーに有機酸ビニルを反応させ、その後に生成物を回収することによって、セルロースナノファイバーに疎水性を付与して、有機溶媒への分散性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。以下、植物繊維などから得られた天然由来のセルロースナノファイバーに対して疎水性などの所望の特性を付与したセルロースナノファイバーを、「変性セルロースナノファイバー」ということがある。
【0004】
しかし、特許文献2に示す変性セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバーと有機酸ビニルとの反応条件が厳しく、また生産工程も煩雑であるというという問題があった。さらには、特許文献2に示す有機酸ビニルで変性された変性セルロースナノファイバーでは、変性の程度によりセルロースナノファイバー骨格の分子構造自体が変化してしまい、変性セルロースナノファイバーの疎水性の向上の点、ひいては、有機溶媒への分散性向上の点で改善の余地があった。従って、特許文献2に示す変性セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバーの分散性に優れた分散液を得る点で改善の必要性があり、依然として、セルロースナノファイバーの適用範囲が限定されるという問題があった。
【0005】
また、セルロースナノファイバーに疎水性を付与する技術として、芳香族基等の濡れ性から選定した修飾基とポリアルキレングリコール基等の立体反発性と疎水性から選定した修飾基という2種類の修飾基をセルロースナノファイバーの表面に結合させることで、少ない修飾基の質量でセルロースナノファイバーを疎水性へ改質することが提案されている。しかし、芳香族基等とポリアルキレングリコール基等の2種類の修飾基を用いて改質した変性セルロースナノファイバーは、化学構造が複雑であり、依然として、セルロースナノファイバーの分散性に優れた分散液を得る点で改善の必要性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-11392号公報
国際公開第2016/010016号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、セルロースナノファイバーの有機溶媒への分散性と有機溶媒へのハンドリング性に優れており、セルロースナノファイバーの適用範囲を容易に広げることができるセルロースナノファイバー複合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]セルロースナノファイバーと、セルロース誘導体と、を含むセルロースナノファイバー複合体であり、 前記セルロースナノファイバーと前記セルロース誘導体が一体化されている固相のセルロースナノファイバー複合体。
[2]前記セルロース誘導体が前記セルロースナノファイバーに物理吸着されて一体化されている[1]に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
[3]乾燥状態である前記セルロースナノファイバーと前記セルロース誘導体が一体化されている[1]または[2]に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
[4]前記セルロースナノファイバー100質量部に対して、前記セルロース誘導体を5.0質量部以上5000質量部以下含む[1]または[2]に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
[5]前記セルロースナノファイバー100質量部に対して、前記セルロース誘導体を10質量部以上2000質量部以下含む[1]または[2]に記載のセルロースナノファイバー複合体。
[6]前記セルロースナノファイバー100質量部に対して前記セルロース誘導体を10質量部以上2000質量部以下含む前記固相のセルロースナノファイバー複合体の、180秒間にわたって2秒ごとに測定した波長400nmの光の透過率試験における標準偏差が、0.10以下である[1]または[2]に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
[7]前記セルロース誘導体が、ヒドロキシアルキルセルロース及びアルキルセルロースからなる群から選択された少なくとも1種を含む[1]または[2]に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
[8]前記セルロース誘導体が、ヒドロキシアルキルセルロースである[1]または[2]に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
[9]前記ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシプロピルセルロースである[8]に記載の固相のセルロースナノファイバー複合体。
【0009】
[1]の固相であるセルロースナノファイバー複合体の構成要素であるセルロースナノファイバーは、疎水性などの所望の特性を付与した変性セルロースナノファイバーではない(以下、変性セルロースナノファイバーではないセルロースナノファイバーを単に「セルロースナノファイバー」ということがある。)。すなわち、セルロースナノファイバー複合体の構成要素であるセルロースナノファイバー自体は、親水性の化学構造となっている。なお、セルロースナノファイバーは、平均繊維径が1.0μm未満である、すなわち、平均繊維径がナノオーダーであるセルロースファイバーである。
【0010】
また、[1]の固相であるセルロースナノファイバー複合体の構成要素であるセルロース誘導体は、セルロースナノファイバー複合体において親水性の化学構造であるセルロースナノファイバーと一体化した状態となっている。また、固相であるセルロースナノファイバー複合体が有機溶媒に分散することで、セルロース誘導体の水酸基とセルロースナノファイバーの水酸基が相互作用し、セルロースナノファイバーにセルロース誘導体が配位しているような状態になる。
(【0011】以降は省略されています)

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