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公開番号2025006716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023107691
出願日2023-06-30
発明の名称吸着フィルタの製造方法
出願人東洋紡エムシー株式会社
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類B01J 20/30 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】揮発性有機化合物を始めとする汚染物質の高い除去性能を有するとともに、圧力損失の低い吸着フィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】平均粒子長径が200μm~1000μmの吸着剤Aと平均粒子長径が0.1μm~100μmの吸着剤Bと基材とを準備するステップと、吸着剤Bを吸着剤Aの表面に固着させて吸着剤を得るステップと、吸着剤を前記基材に担持させるステップと、を有しており、吸着剤Aの重量WAと吸着剤Bの重量WBの比WA/WBの値Pは、0.3以上150以下であり、吸着剤Bの全数を100%としたとき、65%以上の吸着剤Bが吸着剤Aの表面に固着している吸着フィルタの製造方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
平均粒子長径が200μm~1000μmの吸着剤Aと平均粒子長径が0.1μm~100μmの吸着剤Bと基材とを準備するステップと、
前記吸着剤Bを前記吸着剤Aの表面に固着させて吸着剤を得るステップと、
前記吸着剤を前記基材に担持させるステップと、を有しており、
前記吸着剤Aの重量W

と前記吸着剤Bの重量W

の比W

/W

の値Pは、0.3以上150以下であり、
前記吸着剤Bの全数を100%としたとき、65%以上の前記吸着剤Bが前記吸着剤Aの表面に固着している吸着フィルタの製造方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記吸着剤Aの平均粒子長径R

と前記吸着剤Bの平均粒子長径R

の比R

/R

は、1/5000~1/5である請求項1に記載の吸着フィルタの製造方法。
【請求項3】
前記吸着剤Aの平均粒子長径R

、前記吸着剤Bの平均粒子長径R

、及び前記吸着剤Aと前記吸着剤Bの重量比P((吸着剤Aの重量W

)/(吸着剤Bの重量W

))は、P=R


/[{(R

+2R



-R


}×X]の関係を満たし、Xは0.1以上10以下である請求項1又は2に記載の吸着フィルタの製造方法。
【請求項4】
前記吸着剤Bを前記吸着剤Aの表面に固着させて吸着剤を得るステップは、前記吸着剤Aと前記吸着剤Bと結着剤を混合するステップを含む請求項1又は2に記載の吸着フィルタの製造方法。
【請求項5】
前記結着剤は、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ酢酸ビニル、及びこれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項4に記載の吸着フィルタの製造方法。
【請求項6】
前記吸着剤Aは、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトのいずれかである請求項1又は2に記載の吸着フィルタの製造方法。
【請求項7】
前記吸着剤Bは、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトのいずれかである請求項1又は2に記載の吸着フィルタの製造方法。
【請求項8】
前記基材は不織布である請求項1又は2に記載の吸着フィルタの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染物質を除去する吸着フィルタの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境問題対策の一つとして、臭気公害対策への関心が高まっている。臭気公害としては、例えば排ガスによる公害が挙げられる。排ガスの中でも、トルエンやアセトアルデヒドを代表とする揮発性有機化合物は、シックハウス症候群の原因物質とされており、当該臭気物質の除去及び消臭が大きな課題である。これら排ガスは、空気清浄機やエアコンなどの空気浄化装置に取り付けて使用するフィルタによって除去することが知られている。このフィルタは、低い圧力損失、即ち高い通気性を有するものが好ましい。
【0003】
上記のような汚染物質を除去するフィルタとして、高い汚染物質除去性能と低い圧力損失を有するフィルタへの要望が高い。この要望に対し、例えば特許文献1では、同粒子直径の活性炭同士を熱可塑性樹脂で接着凝集し、不規則な凝集体とすることで凝集体間に空隙を作る事により低圧力損失を実現している。また、特許文献2では、平均粒子直径1μm以下の粒子を不織布に担持させることにより、揮発性有機化合物の高い除去性能を発現させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3612329号
特開2015-157250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1のフィルタでは、吸着剤をシート化する際に加わる外力によって凝集体が崩壊し、空隙が埋まることで圧力損失が高くなると言う問題点や、成形した凝集体が不規則な構造であることにより性能にばらつきが大きいといった問題点があった。また、特許文献2のフィルタでは、使用する粒子の粒子直径が小さく、吸着剤粒子が不織布繊維間の空隙を埋めることで圧力損失が高まるという問題点があった。
【0006】
上記の事情に鑑み本発明は、揮発性有機化合物を始めとする汚染物質の高い除去性能を有するとともに、圧力損失の低い吸着フィルタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し得た本発明の実施形態に係る吸着フィルタの製造方法は以下の通りである。
[1]平均粒子長径が200μm~1000μmの吸着剤Aと平均粒子長径が0.1μm~100μmの吸着剤Bと基材とを準備するステップと、前記吸着剤Bを前記吸着剤Aの表面に固着させて吸着剤を得るステップと、前記吸着剤を前記基材に担持させるステップと、を有しており、前記吸着剤Aの重量W

と前記吸着剤Bの重量W

の比W

/W

の値Pは、0.3以上150以下であり、前記吸着剤Bの全数を100%としたとき、65%以上の前記吸着剤Bが前記吸着剤Aの表面に固着している吸着フィルタの製造方法。
【0008】
上記吸着フィルタの製造方法によれば、平均粒子長径が0.1μm~100μmと小さな吸着剤Bを用いることにより、汚染物質を吸着する表面積を大きくすることができるため、汚染物質の除去率を高くできる。また、平均粒子長径の小さな吸着剤Bが、平均粒子長径が200μm~1000μmと大きな吸着剤Aの表面に固着しており、吸着剤Aの重量W

と前記吸着剤Bの重量W

の比W

/W

の値Pが0.3以上150以下であることにより、吸着剤粒子間に空隙を作ることが容易になる。また、吸着剤Bの全数100%のうち65%以上の吸着剤Bが吸着剤Aの表面に固着しているため、吸着剤Aの表面から遊離して存在する吸着剤Bが少なく、基材の隙間に吸着剤Bが充填されて目詰まりすることを防止できる。これにより、圧力損失の低い吸着フィルタを製造することが可能である。
【0009】
本発明の実施形態に係る吸着フィルタの製造方法は、以下の[2]~[8]のいずれかであることが好ましい。
[2]前記吸着剤Aの平均粒子長径R

と前記吸着剤Bの平均粒子長径R

の比R

/R

は、1/5000~1/5である[1]に記載の吸着フィルタの製造方法。
[3]前記吸着剤Aの平均粒子長径R

、前記吸着剤Bの平均粒子長径R

、及び前記吸着剤Aと前記吸着剤Bの重量比P((吸着剤Aの重量W

)/(吸着剤Bの重量W

))は、P=R


/[{(R

+2R



-R


}×X]の関係を満たし、Xは0.1以上10以下である[1]又は[2]に記載の吸着フィルタの製造方法。
[4]前記吸着剤Bを前記吸着剤Aの表面に固着させて吸着剤を得るステップは、前記吸着剤Aと前記吸着剤Bと結着剤を混合するステップを含む[1]~[3]のいずれかに記載の吸着フィルタの製造方法。
[5]前記結着剤は、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ酢酸ビニル、及びこれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つである[4]に記載の吸着フィルタの製造方法。
[6]前記吸着剤Aは、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトのいずれかである[1]~[5]のいずれかに記載の吸着フィルタの製造方法。
[7]前記吸着剤Bは、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトのいずれかである[1]~[6]のいずれかに記載の吸着フィルタの製造方法。
[8]前記基材は不織布である[1]~[7]のいずれかに記載の吸着フィルタの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
上記吸着フィルタの製造方法によれば、揮発性有機化合物を初めとする汚染物質の除去率を高められるとともに圧力損失を低くして、汚染物質の除去性能が向上した吸着フィルタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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