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公開番号
2025005905
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-17
出願番号
2023106336
出願日
2023-06-28
発明の名称
モータ駆動制御装置
出願人
日本精機株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H02P
6/21 20160101AFI20250109BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】 センサレスモータの強制転流起動に際し、周囲温度の変動や長時間の運転によるモータグリス等の劣化に対応可能とし、起動失敗を抑制する。
【解決手段】 モータ駆動制御装置100は、強制転流周波数制御部8と、可変容量ダイオードD1の容量値を変化させることで発振周波数を変更可能な発振器9を含むモータ駆動部4と、電圧設定信号に対応する電圧値の電圧を生成し、生成した電圧を可変容量ダイオードに印加する電圧制御部2と、を有し、強制転流周波数制御部8は、周囲温度に基づいて電圧制御部2が生成する電圧を可変に制御して起動を開始すると共に、起動に失敗した場合は、強制転流周波数を更新して再起動を試み、以降、電圧制御部2の電圧可変範囲の限界に達するまで、電圧制御部2が生成する電圧を変更して強制転流周波数を更新し、起動に成功するまでセンサレスモータの起動を繰り返す。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
センサレスモータを強制転流起動する際の強制転流周波数を制御する強制転流周波数制御部と、
可変容量ダイオードの容量値を変化させることで発振周波数を変更可能な発振器を含み、かつ前記発振器の発振信号に基づいて、前記強制転流周波数の強制転流起動信号を生成して前記センサレスモータを駆動可能なモータ駆動部と、
前記強制転流周波数制御部から供給される電圧設定信号に基づいて、前記電圧設定信号に対応する電圧値の電圧を生成し、生成した電圧を前記可変容量ダイオードに印加する電圧制御部と、
を有し、
前記強制転流周波数制御部は、
前記センサレスモータの周囲温度に基づいて前記電圧設定信号を変化させることで、前記電圧制御部が生成する電圧を可変に制御し、これによって前記周囲温度が低い場合は、前記周囲温度が高い場合に比べて、前記強制転流周波数を低く設定することで強制転流期間を長く設定して起動を開始すると共に、
設定した強制転流周波数による前記センサレスモータの起動に失敗した場合は、強制転流周波数を更新して再起動を試み、その再度の起動にも失敗する場合は、以降、前記電圧制御部の電圧可変範囲の限界に達するまで、前記電圧制御部が生成する電圧を変更して前記強制転流周波数を更新し、起動に成功するまでセンサレスモータの起動を繰り返す、
モータ駆動制御装置。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記強制転流周波数制御部は、
強制転流周波数を設定して起動を開始する際、前記周囲温度が低い場合は、高い場合に比べて前記強制転流周波数を低く設定し、
強制転流周波数を更新して再起動を試みる場合には、
前記電圧制御部が生成する電圧を前回の起動時よりも低下させて第1の再起動処理を実施し、再起動に失敗する場合には、前記第1の再起動処理を繰り返し実施し、前記電圧制御部が生成する電圧が電圧可変範囲の最小値に達した場合は、前記電圧制御部が生成する電圧を所定の電圧値に戻し、
その所定の電圧値を基準として、前記電圧制御部が生成する電圧の電圧を上昇させて、第2の再起動処理を実施し、
再起動に失敗する場合には、前記第2の再起動処理を繰り返し実施し、前記電圧制御部が生成する電圧が電圧可変範囲の最大値に達した場合は、前記第2の再起動処理を中止する、
請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項3】
複数の前記可変容量ダイオードが並列に接続される、と共に、
前記複数の可変容量ダイオードに共通に印加される電圧を、デジタルポテンショメータにより生成する、
又は、
前記複数の可変容量ダイオードの各々に印加される電圧の各々を、多チャンネルデジタルポテンショメータにより生成する、
請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項4】
前記強制転流周波数制御部は、
前記センサレスモータの強制転流起動に成功した後、今回の起動における周囲温度、及び強制転流起動成功電圧をデータベースに格納すると共に、
次回以降の強制転流起動に際しては、その起動の際の周囲温度と同じ温度での、直近の過去の前記強制転流起動成功電圧を、前記可変容量ダイオードに印加する電圧とする、
請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項5】
前記強制転流周波数制御部は、
前記センサレスモータの強制転流起動に成功した後、
今回の起動における周囲温度と、
その周囲温度に対応する温度係数を今回の運転時間に乗算して得られる運転時間(温度考慮)を、今までの運転時間(温度考慮)の累積値に加算して得られる累積運転時間(温度考慮)と、
強制転流起動成功電圧と、
をデータベースに格納すると共に、
次回以降の強制転流起動に際して、前記累積運転時間(温度考慮)によって前記センサレスモータの劣化を判定し、その劣化の程度に応じて前記可変容量ダイオードの印加電圧を可変に制御する、
請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項6】
前記強制転流周波数制御部は、
前記センサレスモータの強制転流起動に成功した後、
今回の起動における周囲温度と、
その周囲温度に対応する温度係数を今回の運転時間に乗算して得られる運転時間(温度考慮)を、今までの運転時間(温度考慮)の累積値に加算して得られる累積運転時間(温度考慮)と、
強制転流起動成功電圧と、
をデータベースに格納すると共に、
前記可変容量ダイオードの印加電圧を更新して再起動を試みる場合、
前記温度考慮方式の累積運転時間に基づいて、前記センサレスモータの劣化を判定し、劣化の程度が大きい場合は、劣化の程度が小さい場合に比べて、前記可変容量ダイオードの印加電圧の更新における電圧の変動幅をより大きくする、
請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、センサレスモータの強制転流起動(強制転流駆動)を制御するモータ駆動制御装置等に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)
【背景技術】
【0002】
センサレスモータは、起動時における回転子の位置を検出できないため、起動に際しては強制転流起動を実施し、その後、コイルに発生する誘起電圧を利用して通常駆動に移行する駆動制御が一般に行われている。
【0003】
特許文献1の例えば、[0011]には、「起動回路の出力信号CLKの周波数が最適周波数に設定されていたとしても、素子のバラツキ,温度特性等の要因で最適周波数からずれてしまった場合に、起動ができない、あるいは起動に時間がかかりすぎるという不具合が生じること」が記載されている。
【0004】
特許文献1の例えば、[0013]には、その対策として、「センサレスモータの起動に際し、通電制御回路によって複数相のモータ駆動コイルに通電する起動用相切り換え周波数を、ロータの回転が十分には追従しない高い周波数から低い周波数へ可変して、ロータの回転を開始させてセンサレスモータの起動を行うようにすること」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3263993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、起動回路の特性が、素子のバラツキ、あるいは温度特性のバラツキに起因して最適周波数からずれてしまった場合における対策について記載されているが、起動の失敗は、センサレスモータの周囲温度の変動、あるいは長時間の運転によるモータグリス等の劣化によっても生じる。特許文献1には、この点については何ら記載されていない。
【0007】
なお、特許文献1では、起動用相切り換え周波数を、ロータの回転が十分には追従しない高い周波数から低い周波数へ可変する駆動制御について言及されているが、この駆動制御によれば、時間経過と共に、起動用相切り換え周波数が連続的に変化していく。
【0008】
よって、仮に、その周波数の変化の途中において、センサレスモータの周囲温度の変動、あるいは長時間の運転によるモータグリス等の劣化に対応可能な周波数が存在したとしても、その周波数が実現されるのは一瞬であり、周囲温度の変動や長時間の運転によるモータグリス等の劣化に対応してセンサレスモータを安定的に起動することは困難であると考えられる。
【0009】
本発明は、センサレスモータの強制転流起動に際し、周囲温度の変動や長時間の運転によるモータグリス等の劣化に対応可能とし、起動失敗を抑制することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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